ベイビーガールのレビュー・感想・評価
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倒錯をもっと描いてほしかった
会社のトップである女性が、インターンの犬にされる話。
というか、それを自分から望むわけなんだけど。
感想を見ると、主人公の気持ちがあまり理解できない、と評価は低めだった。
んー、権力を持ち、指示・命令をして他者をコントロールしていると、逆に他者にコントロールして欲しくなるという性的倒錯は、セックスの時に赤ちゃん言葉になるおっさんがいるくらいだから、あり得るのかなと自然に受け止めてしまった。
むしろ、いわば若い男との不倫が、主人公の社会的破滅に繋がらず、なんかいい感じに終わったことのほうが癪だった。
なんだか「性的なことも要求しあいましょうね」みたいな、教育映画になってしまった感はある。
性的なことに、実はその人の本性みたいなのが出ると思うので、そのへんをもっとガッと、もっと言えば男性側の倒錯も描いてほしかった。
ただ、ニコール・キッドマンはほんまにきれいだった。
知らんけど…
いまさらどうなの…
この手の作品って、昔よくあった気がするなぁ。
割れなべにとじぶた的な発端からの主導権争、服従、調教といった展開で、昔は平気で本屋に並んでいたSM小説のライトプレイ系の内容だが、エロシーンが控えめに描かれることで、やっとAVとは一線を隔することができた作品。
性の深淵を描くというコンセプトがあるのだろうけど、一般の男性客は、そのあたりはどうでもよい。難しいことはいらない。若い女優の裸をみたいのである。
70年代80年代の映画にはサービスシーンというものがよくあって、必要もないのに、若い女優が裸になったりしていたけど、さすがに現代では、そういうところはなかった。でも、御年57歳では、さすがにキツイと思ってしまう。
世界的には評判がいいようで、賞なのどもとっているようだけど、そのあたりの評価のことはどうも理解できない。
大抵は、破滅して終わりのパターンになるところが、丸くおさまってしまうという、終盤での登場人物たちの大人の振る舞いが、ヨシとされ、危ういバランスのなかでの人生劇として人間がよく描かれているとかなんとかと理屈がついて評価にいたったのか、または、なんらかの忖度があったのだろう。
どうでもいいけど。
個人的に合わず
元々Noマークだった作品。上映中一覧でポスターに惹かれたのと、映画垢のフォロワーさんたちが観たいって言ってて興味を持ったので観に行きました。
まさかのA24。信用度高い。
A24のイントロロゴから聞こえて来る音質がすぎる。
さすがA24。音響が本当に素晴らしい。選曲された楽曲も素敵だし、心情を煽るような音響も最高だった。
大女優の嬌声が爆音で聞かれるなんて許される事なのか…って思ってた矢先、美ボディを魅せられた。
ニコールキッドマンっていくつだっけと思い鑑賞後調べたら御年57歳…まじで?と驚愕した。
CEO役ということもあり、着ている服がかっこよかった。青のドレスは色白くて高身長ですらっとしたニコールキッドマンに似合ってて個人的に好きでした💙
ストーリーは面白いかと聞かれると面白くはない。
ロニーの思いに1ミリも共感できないまま、濡れ場を観てるのでなんだこれという感覚に。
それこそFifty ShadesシリーズやニンフォマニアックみたいなSMや欲を描いた作品だったので個人的にささらず。
幸せな家庭築いておきながら、夫に愛され大切にされながら何しとんねん!!!ってこちらが嫉妬しました(ゑ)
というかどうしてサミュエルがロニーの欲望を気付き暴けたのかが私の脳には理解できず、そこが気になって気になってしかたなかった。
セリフだけでは理解し難い。探るようなこともなかったように見えた。
それとも男性の嗅覚なのか…笑
どうしたいのかと聞かれて分かってるくせに自分を認めたくないのかなかなか言えないロニーには早く言えよって思ってしまった。
というかちゃんと話し合えよって何度思ったことやら。
そして支配されたいという欲望があるという設定のはずなのに、それは行為前だけで行為が始まると普通の行為でなんだコレってなった。Fifty Shadesの方がしっかりSMだったぞ。
というかスリラージャンルなのに1ミリも感じなかった。
多分私こういう映画向いてないwwwwww
クラブのシーンはとても視覚効果と音響がリアルでその場にいるかのようになったのがとても好きでした。音響とこのシーンだけで映画館で観る価値はアリ。
イザベル役のエスター・マクレガーがとにかくお顔が美しくて好きでした🥰
危険で刺激的なパワーゲーム
地位も名誉も手に入れた大企業の美しきCEOが、年下のインターンとの出会いによって快楽に溺れていく危険で刺激的なエロチックエンタメ。予測不能で先の読めないパワーゲームにグイグイ引き込まれた。そして何と言っても主演を演じたニコール・キッドマンの体を張った演技が素晴らしく見惚れました。
2025-72
ベイビーガール
⭐︎3.3 / 5.0
期待値が高くて残念
夫婦関係のインターンシップ
まず恋愛ではないですね。ロミーは途中から我を忘れてしまいますが、恋愛感情とは到底違う。
支配と服従のゲームとして見るとやや食い足りない。女性解放の語り口ではない。
まあ個人の嗜好をスキャンダラスな装いで見せた作品という感じでしょうか。
唯一良かったのは、最後の方に出てきた昭和を体現するようなおっさんにビシッとNOを突きつけたところ。
ロミーを演じるニコール・キッドマンは女優魂を見せて頑張ってました。ポドックス注射はセルフパロディなのでしょうか?凄いな。
サミュエルは高身長でイケメンなのは間違いないのですが、爽やか系というのではなく、また策士という感じでもない。ちょっと垢抜けない若造風にも見えますが、かと言ってガツガツもしていない得体の知れないキャラでした。演じたハリス・ディキンソンが上手いということですね。
あと少年みたいな娘イザベル役の子 ユアン・マクレガーの娘ですよね。「ザ・ルーム・ネクスト・ドア」でティルダ・スウィントンの若い頃を演じてた時も思ったんですが、目の輝き✨が違うんですよ(DNAなのかな?)。この子伸びます!
「逃げたな…」としか思えないラスト
興味のある作品が集中した先週、候補の一つであった本作『ベイビーガール』ですが米国映画レビューサイトの評価が思いのほか低く、一旦は劇場鑑賞候補から外すことを決定。ところが先日鑑賞した『終わりの鳥』が良かったこともあり、やはりA24作品は観ておこうかと思い直して1週遅れで鑑賞です。
第81回ベネチア国際映画祭で最優秀女優賞に輝いたニコール・キッドマン。残念ながらアカデミー賞ではノミネートされませんでしたが、授賞式で司会のコナン・オブライエンが話題にしたことも印象に残り、彼女の演技に大変期待を寄せていました。で、実際に観て思ったのは巧さをとうに超えて、最早凄みすら感じる正に怪演。解説にある「脚本構想段階から当て書き」に強く納得するロミー役は、挑戦的なシーンも多々ある中、要所要所に考えつくされた演技に不自然さは一切なく、彼女以外には考えられない仕上がりで高い評価がうなずけます。そしてハリス・ディキンソン他、彼女を取り巻く役者たちもそれぞれ印象に残る演技で、全般において「俳優たちの演技は素晴らしく」て非の打ち所がありません。
ところが、、、残念なことにストーリーは凡庸で退屈。設定や台詞に現代(いま)っぽいアレンジはされていますが、その環境や立場に対する現実性の希薄さが目に余り、残念ながら結局はポルノにしか見えません。勿論、フィクションにとって言えば必ずしも「リアリティー」が評価そのものを下げる要素とは言えないと思います。「映画的な嘘」はストーリーが面白ければ大して気になりませんし、それをもとにこの作品へケチを付けているわけではありません。そもそもジャンルには「エロティックスリラー」とありますが、シチュエーションこそ変えて見せても、基本的には同じ力学における繰り返し構造。そのため、先に進むほどスリルを感じるどころか、むしろ飽きてしまって終盤は最早「オチ」に期待するしかなくなってしまいます。ところが、残念なことに「逃げたな…」としか思えないラストは、どちらにも肩入れしない姿勢がむしろ欺瞞とすら感じてしまいます。劇中の世界観では無視されたリスクマネジメントですが、何なら作品に対して批判を受けないようにするためのリスクマネジメントに必死で、114分の上映時間は観終わって疲労感しか残りません。
啓蒙と言うには悪質さが目立って程遠いですし、かと言ってエンタメとしては潔さが感じられずに中途半端。何なら役者たちの演技力の高さが、反転して悪目立ちに見えてしまいかねない危なっかしさすら懸念される出来で、とても残念な一作でした。とほほ。
主人公が、男社会に迎合せずに女性として、真に自立するまでを描く。女性の脚本・監督・製作であることが重要。
インストール済
PG-12ということは、
カラオケ行こ、
くらいのスタンスで観てください、
いや、
観れるようになる日が来ますように、
というメッセージかもしれない。
まさかのMX4Dの座席、
シュー、ピカ、ガタガタとか、、
、、期待はしたが、、、
もちろんありません、
さて、うえを向いて、
本作は、表面的には火遊びのような物語に見えながら、
その実、
ロボットテクノロジー会社のCEOを装った、
プログラム、バグ、インストール済、
調教、マインドコントロールといった、
一種のトランス状態の間を巧みに行き来する作品であり、
その技術的な完成度には目を見張るものがある。
シナリオ、演出、芝居、音楽、効果音のいずれもが高いレベルで調和し、作品に対する説得力を保ち続けている。
具体的に例をあげると、
〈一線を越える瞬間〉の無音の使い方、
サスペンスと緊張を最高潮にまで高め、
無音という空白が観客に圧倒的な精神的影響を与える、
〈セロトニン系のシーン〉では、
吐息と効果音、音楽が絶妙にミックスされ、
まるで観客の体温が上昇していくかのような感覚を覚える。
一方で、〈ドーパミン系のシークエンス〉では、
腹に響く低音のリズムが、
観客を深い没入感へと引き込む。
このように、音の使い方が物語と密接に結びついており、
視覚と聴覚を駆使して感情の動きに寄り添っている。
ニコール・キッドマンの近作としては、
『エクスパッツ~異国でのリアルな日常~』や
『ホランド』で見られるように、
本能的な衝動に従って行動する主人公の役が多い。
しかし、これらの作品では、
彼女の役柄が本能と官能の衝突を単純に描くにとどまっており、
いわゆる「彼女がこんなことをしている、だから凄い」
という安直なアプローチが目立っていた。
しかし『ベイビーガール』では、
キッドマンの混乱の過程が丁寧に描かれ、
観客はその崩壊をただ傍観するのではなく、
登場人物と一緒に精神的な迷宮に迷い込む感覚を味わうことになる。
物語の冒頭では、
子どもたちとの会話、関係性、
とりわけ、
子どもたちのリュックに寄ったカットが登場する。
このリュックの使用感、母親としての立ち振る舞いの記号として、
母親がどれだけ完璧に見える人物であるかが一目で伝わる。
だが、その完璧さを1ポイントずつ、
時間をかけて丁寧に崩していくサミュエルの幻惑が、幽玄感(言い過ぎか・・)が、
このプロセスが、非常に緻密に描かれているため、
観客は次第にサミュエルの操縦の影響の範囲を、
それぞれに勝手に想像してしまう。
ロミーが語る、
コミューンでのカルト的な育成歴(真偽は不明、(噂によると撮影済み、諸事情でオミット))だが、
彼女の行動の根底にあるマインドコントロールの暗示として、
解釈する人も出てくるだろう。
さらに、
物語の途中で観客は、
サミュエルがどれほど洗練された操縦者であるかを感じることになる。
こうした疑念と解釈の余地を観客に委ねる点で、
監督はまさにマインドコントロールのように観客を支配している、
と言えなくもない、
精緻に仕組まれた高い技術だ。
A24らしいといえばらしいが、
本作に関してはA24の影響は必ずしも大きくないように感じる。
というのも、
A24はしばしば強烈なビジュアルや抽象的なイメージを通じて物語を表現し、
シナリオを抽象化したままにしたり、
結末を曖昧に留めることが多いが、
本作はそのアプローチとは一線を画している。
物語と映像表現の具体性、
そしてその技術の高さは、
むしろプロダクションチームの力量によるものではないだろうか。
難解なテーマをこれほどまでに具体的に描写し、
視覚的・聴覚的に圧倒する手腕には感服せざるを得ない。
ただし、『ジェイコブス・ラダー』や『カッコーの巣の上で』といった作品を連想させるセリフ、要素が散見されるが、
それらとの関連性については追及の必要はないかもしれない。
観客が自らの思考を巡らせる余地を与えるこの作品は、
ただの心理ドラマではなく、
複雑で精緻な人間心理の解析を表現した映画とも言えるだろう、
それは技術的な完成度、演出の精緻さ、
キャスティングの巧妙さにおいて、
見応えのある作品に仕上がっている。
ナインハーフ、危険な情事のような、
ラブサスペンス作品にカテゴリーされるかもしれないが、
心理描写にはかなりの技術的な手間暇がかかっている。
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