クィア QUEERのレビュー・感想・評価
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ーみっともないほど、君に触れたいー 素晴らしいキャッチコピーだと思う
白のスーツにハットを被り、一見シュッとして見えるのに、若い子を口説き遠回しに断られる。
その一方で、モテ筋ではなさそうな子には上から行く感じが、若い頃はそこそこモテたタイプなのか、ちょっと鼻につく。
だけど百足ペンダント君にお金を渡さなかったのは、彼を傷つけずに済んで良かった。
序盤に上手くキャラクター紹介できたと思う。
ユージーンに出会ってからは「家に入れるなホテル行け」と言ってたくせに、ホイホイ家に連れ込み、彼氏気取りで引っ付き、なかなか無様。
泥酔した挙句にユージーンの事などお構いなしに縋る、滑稽な姿を見せたと思ったら一転、ワケの分からないシーンに、あ、これ『裸のランチ』の原作者だったと思い出す。
高校生の頃、レンタルで観てポカーンとなったやつ。
冒頭の白と藤色の花が綺麗なシーンをはじめ、カラフルで可愛らしい街並みのロケーションと、ツンデレな若い男に入れ上げる中年男、そして前衛的な謎のシーン。『君の名前で僕を呼んで』と『裸のランチ』を行ったり来たり。
後半はもう何が何だか。
何の話やねん
カラダだけでは物足りない
恋に溺れるダニエル・クレイグが観たくて鑑賞。
そして堪能笑。
人目も憚らずメキシコのゲイ・コミュニティで性を謳歌するちょっとヨレ気味の男性。
そんな彼がきゅぴーんっと一目惚れからの美しい若者を追いかける様は心が痛くなるほど恥ずかしくて目を背けたくなるほどだけれどもこれが恋だぜって目を覆った指の隙間から覗き見。
本気の恋ってこんなにもみっともないのに可愛らしくていじらしくみえてしまうのは私が恋愛脳だからだろうか。
恋された方の若者ユージーンの美しさ。
これまた堪能。
あのゲイ・コミュニティに放り込んじゃダメーってわらわらするほど美しい。
見事!
お話の中間から展開がどんどん変化します。
ファンタジー作品かな?
なんて。
深層心理的表現が多く、そこの辺りはどうしたって鑑賞側の引き出しから読み解く事になるので置いてきぼり感はあります。
なんとか補正補正で彼らの揺れる心や孤独、焦燥などを感じとれたかな。
そして踊るダニエル・クレイグに惚れ惚れ。
え〜私はより一層ダニエルファンになりましたよ。
濡れ場もあります。
ぼかし入ります。
なので苦手な方は要注意。
ラストへ向かって焦燥感溢れる演技のダニエル・クレイグが良い。
007のダニエルも好きだけどこんなにも人間味が溢れる演技をみせてくれるなんて感謝。
イメージが007でとまっている方は是非みてほしい。
星は3.8くらいかな。
展開が大きい振り幅で苦しい感があったのが私的には残念。
あとポスターになっているシーンはすごく本当に好きだ。
彼のあの温もりが恋しいのだろうととても切なくなりました。
なんじゃこりゃ?
ダニエル・クレイグ演じる初老のゲイのおじさんが、若いお兄さんをナンパして、そこから色々な問題が起こるシリアスな話かと思いきや、途中からどんどん変な方向に進みだして、最後は「なんじゃこりゃ?」という展開に。
実はおじさんはゲイだけでなく、かなり重度なジャンキーで、最後の方はジャンキーの頭の中を見せられているような前衛的な映画に変わっていました。
しかしながら、ダニエル・クレイグはなんでこの映画に出たのだろう?ある意味黒歴史になりかねない映画かもしれないのに。
とはいえダニエル・クレイグ、007の面影など微塵も感じさせない、若い子大好きな草臥れたゲイのおじさんになり切っていたのは、さすがだと思いました。
みっともないほど君に触れたい
バロウズの原作『クィア』(旧邦題『おかま』)の映画化といいつつ、『...
バロウズの原作『クィア』(旧邦題『おかま』)の映画化といいつつ、『ジャンキー』や『麻薬書簡』も折り込んできて三部構成の第3章はトリップシーンとか楽しかったけど、同じルカ・グァダニーノの『君の名前で僕を呼んで』みたいなのを期待していった人は面食らうかもらしれません(日本だけか知りませんがビジュアルイメージとかそれっぽいですしね)。最後"William.S.Burroughs' Queer"て大きくタイトルが出たので邦題も『バロウズのおかま』とかにしてバロウズを強調しとけばよかったのでは(今の御時世許されるとは思いませんが)。
エピローグが感傷的過ぎないかというのと、正直南米旅行が始まるまでは退屈かもという感もありますが、バロウズに青春を捧げた者としては点数は甘くなります。
デカダン満載の白昼夢
「007」シリーズのジェームズ・ボンドがハマり役だったダニエル・クレイグが、クィア役で登場する異色作でした。原作は1950年代のアメリカ文学界において異彩を放ったビートニク文学の代表格であるウィリアム・バロウズの同名小説。同小説は、バロウズの自叙伝的小説とのことで、本作の前半はバロウズが実際に過ごしたメキシコシティを舞台に、主人公・リーの放蕩というか異常な好色を描く展開となり、後半は南米に未知の植物・ヤヘを探しに行く冒険物語となっていました。
とにかく衝撃的だったのは、あの”ジェームズ・ボンド”が男色とドラッグに溺れる様。別に男色だろうと女色だろうと構わないのだけど、昼間からバーに出掛けて好みの男子を物色し、直ぐにベッドインしようとするリーの行動には、唖然とせざるを得ませんでした。
そんな衝撃はさて置いて、各種調査によると、地域により差はあるようですが、概ね全人口の1割くらいがLGBTQ+なんだそうです。昨今LGBTQ+の人達の人権にスポットが当てられ、それをテーマにした映画も陸続と創られていますが、本作の原作は70年も前の話であり、実は普遍的なテーマでもあるんだということを再認識させられました。
また、本作の描き方から察するに、1950年代のメキシコシティというのは、恐らくはアメリカのあぶれ者や放蕩者が押しかけて、好き放題やってたんだろうと想像されるところが非常に興味深いところでした。
話を本作に戻すと、運命の人ユージーン(ドリュー・スターキー)に出会うリー。彼はいつも年上の女性とチェスをしており、一見クィアではないようでいて、リーの色目に呼応したりもする。で、そういう関係になる2人でしたが、ここで気付いたのがリーの好色の動機らしきもの。それはユージーンの見た目がスラっとしている2枚目であり、恐らくは若い頃のリーの姿にソックリだったのではないかと想像できることから、リーの好色は実は自己愛の発露だったんじゃないかということです。物語が後半になり、ドラッグにもハマっていることが判明したリーですが、これなども自己愛から来る自己防衛のためにクスリから離れられなくなったんじゃないかと解釈した次第ですが、勿論本当かどうかは定かではありません。
テレパシーの能力が手に入れられるという植物・ヤヘを、エクアドルのジャングルまで探しに行くというのも、自分と他人の壁を乗り越えることで、他人から攻撃されないことを目指したんじゃないかと思ったところです。ただヤヘ自体は、他人との壁を乗り越えるのではなく、自分の真の姿を鏡に映す効果があるものだったので、リーの夢は実現せず、同一化しようとしたユージーンも自ら抹殺してしまうことになるのは皮肉でした。
因みにバロウズ本人も、メキシコシティで誤って”女性”の妻(変な言葉やな)を射殺してしまったそうで、ユージーンを射殺するシーンはまさにこの体験を写したもののようですね。
以上、好色にドラッグにとデカダン満載の白昼夢のような作品でしたが、ダニエル・クレイグの全力の演技は観るべきものがありました。
そんな訳で、本作の評価は★3.6とします。
永遠の孤独を抱えつつも、その先にある連帯を求める
ウィリアム・S・バロウズ
ダニクレが出てる、原作がビート作家のバロウズである、舞台が50年代のメキシコである、ニルヴァーナが使われてる、以上の理由から観ました。
ホント同性愛の映画が増えましたね…ホント多くなった…
この映画に関しては、バロウズの自伝的小説の映画化で、バロウズが同性愛者だったからだけど、男同士のラブストーリーは、やはり苦手だな…
ダニクレといえば、ジェームズ・ボンド!
007は全て観たけど1番好きな作品は『ノー・タイム・トゥ・ダイ』
最高のボンドだと思ってます。
そんな自分にとってはゲイ役はショック…ボカシが入るようなラブシーンもあるし…
途中で純粋なラブストーリーから展開が変わるけど、ダレてきて時間が長く感じ眠くなってきて、はよ終わらんかな…と惰性鑑賞。
良かったトコは、50年代のメキシコが凄く洒落ててビートニクと聞いて思い浮かべるイメージどおりの町並みだった。
あと、まあ、最後も良かったのかな…
それはそうと、このタイトルを知って真っ先に思い浮かべたのは、パンクバンドQUEERS。
QUEERSのSが1つ足りないだけ、QUEER。
QUEERには、不思議な、風変わりな、奇妙な、の意味もあるらしいから、バンドの方はコッチの意味だと思う。
パンク好きは、みんな思い浮かべたよね?
バンドの方は好きだけど、映画の方は好きじゃないな…(笑)
起承転結がつかめない
ビートニクスの旗手ウイリアム・バロウズの自叙伝小説
前日にウィリアム・バロウズのドキュメンタリー映画「バロウズ」を観たばかりなので、多少のバロウズリテラシーをもって鑑賞に臨めた。
まず最初に主演のダニエル・クレイグとバロウズのイメージが真逆すぎて驚かされる。
バロウズは見るからに知的でガリガリの米国紳士で、狼狽えたり興奮したりせず、常におっとりしたタイプ。
まあ自叙伝と言えど脚色を交えた小説なので全く同じである必要はないが、自分のイメージではキリアン・マーフィかエドワード・ノートンだった。
監督は10代からこの小説の大ファンで映画化をずっと望んでいたというルカ・グァダニーノで、満を持しての映画化だが「チャレンジャー」に引き続き男同士のねちゃねちゃしたディープキスを撮るのが大好きのよう。
クレイグが少女のように恋してはしゃぐ中年オヤジを嬉々として演じているが、なるほど確かにユージーン役のドリュー・スターキーは超美青年で均整の取れた身体も国宝級に美しい。(実際はメキシコ人だったみたいですが)
クレイグのツンデレに振り回される中年おじさんぶりが滑稽で面白い。
後半の南米旅行はまさにトリップ目的w
後先考えず快楽を求め続ける姿勢がまさにビートジェネレーションの象徴的行動。
脳内の映像もぐにゃぐにゃしてたり、身体から何か出てきたり、色鮮やかな爬虫類などバリエーション豊か。
ウイリアムテルごっこで奥さんを射殺したという有名な逸話もユージーンに置き換え映像化。
やっぱどうしても「ベニスに死す」を思い出してしまうが、あれほど惨めじゃなく次に進めそうな感じを残していたので少し救われる。
精神のレイヤーで繋がることの困難さ
1950年代のメキシコシティ、酒とドラッグで退屈な日々を過ごしていたアメリカ人駐在員リーは、若く美しい青年ユージーンと出会う。退屈だったリーの日常は色めき立ち、より刺激を求めユージーンを南米への旅へと誘いだす。原作は「裸のランチ」のウィリアム・S・バロウズ、数奇に満ちた彼の自伝的小説「クィア」の映画化。
特筆すべきは、小さい穴の開いたシャツを着た若き美青年ユージーン役ドリュー・スターキー。若き日のガイ・ピアーズを彷彿させる男前で、今後彼の時代の到来を予見させた。
スタイリッシュで幻想的な世界観、各シーン各アイテムの隠語・隠喩は明確、オープニングから本作の方向性と結末予測はしやすい。
全編に漂うのは、圧倒的な孤独感。刹那的な高揚観は孤独の裏返し。まるで呪いが掛かっているかのように、愛する人へ気持ちを伝えることや精神のレイヤーで繋がることの困難さが随所に伝わり、リーの複雑さは観る者に嘆息をつかせる。
本作はテーマで観る者を選ぶかもですが、わりとわかりやすく飽きずに鑑賞出来ました。
鑑賞後有料パンフを買ってしまいましたが、これを機に原作も読んでみようと思った作品です。
前半と後半でややテーマが異なる点が気になるか
今年122本目(合計1,663本目/今月(2025年5月度)7本目)。
※ 時間調整のため「歌のプリンスさま」を見てからになりますが、憲法論的な解釈が存在しない映画は観てもレビュー対象外です。
他の方も書かれていますが、前半後半と内容が大きく違い(映画としては1作品なので、前半でも後半の話題は出るし、逆も同じ)、前半は映画のタイトル通り、いわゆるLGBTQのQの話ですが、後半はいわゆる違法薬物の話で、前半はまだしも後半は日本ではなじみがほとんどない上に、その摂取を前提として「よくわからない展開」が続くので、そこ、特に後半の理解がかなり難しいのでは(フランス映画のように考えさせる映画に近いといえば近いが、日本では当然違法薬物の所持や使用は禁止なので、追体験も「予習」もしようがない)といったところです。前半のLGBTQの「Q」の部分もモザイクがあったりなかったりと本国(原作)の基準は謎ですが、一応レーティング相当で、そこまで気になるところはありませんでした。
他のレビューでも触れられている通り、本作品は作家のウィリアム・S・バロウズや、その小説(の映画化が、本作品)、特にウィリアム・S・バロウズのことを知らないと詰む部分が多々あり、そこが判断が分かれるかなといったところです。
ただ、人を不愉快にするような発言はほぼないですし、多少社会的にどうかと思われる部分はありますが、レーティング相当ではあるし、不愉快にさせるようなシーンがないというのは減点対象においてファクターをしめますがそれがほぼないこと、また、前半のLGBTQの「Qの部分」の問題提起も理解しなくもない(日本ではそういった作品はどうしてもミニシアター等に回りやすい)ことも考えてフルスコアにしました。
ただ、映画館に「娯楽」を求めていく立場ならちょっとどうかな、といったところです。
ただ君が好きで
ウィリアム・バロウズについて予習必須
中年おじさんと美青年の切ない恋物語…ではなかったです。
「君の名前で僕を呼んで」のようなピュアな物語を期待していくと200%裏切られます。
チラシに騙された!と思って鑑賞後によく見たら、ウィリアム・バロウズの自伝的小説を映画化とあり、そこを完全に読み飛ばしていました。
バロウズについては後述しますが、ここを読んでバロウズって誰?と思った方は名前だけでもググッてから観たほうがよいかと思います。
作品の理解度に大いに関わってくるので。
(ここまで読んで欲しかったので公開していますが以下、ネタバレしています。)
序盤から主人公2人の物言わぬ会話と、暗示的な映像が続きます。
ダニエル・クレイグの役はみっともない中年男性だとはわかっていましたが、リーはメキシコで自堕落な生活を送っているという設定で、見た目も汚らしくてスクリーンを観ていてどんより。
ユージーンの美しさが救いでしたが、こちらはこちらで台詞がなさすぎて何を考えているのかわからない。
舞台が第二次大戦後のようなので、リーは恐らく戦争のトラウマからの薬物中毒なのかな?と推察しましたが、確信は持てず。(後で見当外れだとわかりました)
前半は頭の中に?マークが浮かびながらもなんとかついていきましたが、後半のダウナー系おくすりキメパートは完全に置いていかれました。
結局、純愛とはなんぞや…と頭が??マークでいっぱいのまま、劇場を後にしました。
原作者のバロウズは著作では「裸のランチ」が有名。(D.クローネンバーグが映画化していますが、グロ映画だった記憶)
ゲイ(またはバイ)でジャンキーで、自分の妻の頭にショットグラスを乗せて誤って射殺したという曰く付きの人物。
映画の中の数々の悪夢のような描写にやっと納得がいきました。
インテリ気取りの白人で薬物中毒者って、ほとんどクズ…にしか思えませんが、いちおうカリスマ的作家なんですよね。
映画を作る側、演じる側にしてみれば魅力があるのでしょう。
薬物中毒者の心象風景の映像化がメインで、クイア要素はおまけ、なので、そこを間違わないように。
俳優さんはセックスシーンを頑張っていましたが、モザイクありとなしの基準が謎でした。
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