クィア QUEERのレビュー・感想・評価
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原作気になる
グアダニーニョ監督作かつ題名がクィアということで期待して行ったら、とてもよかった。チャレンジャーズも攻めてたけど、なんかエッジというか、若い人達にも伝わるような斬新さを感じる(笑)。それなのに時代モノで、歳とった主人公で、しんみりさせるところもふんだんにあった。冒頭から主人公の切なさがぐいぐい伝わってきて、ほとんどかっこ悪いのに諦めずに人を求めてるのがわかって、見てて胸が苦しくなった…求められる若者のジーンはツンとしてて主人公がかわいそすぎた。というか、そもそも社会から嫌われて出会いも勘違いだったら攻撃されるかもしれなくて怖くてやっと通い合ったと思っても関係性のお手本も無くて愛し方がわからなくて更に薬物中毒で誰も付き合ってくれないというのは何重苦なんだろう(笑)。境遇も時代も全然違うけど、寂しさとか不自由さとか、そういうの辛いよねと共感できてよかった。
期待してたものが得られたものの……
「ルカ・グァダニーノらしい映画だな」「バロウズって確かにこんなだったんだろうな」など、実際に見る前に期待したものは、確かにスクリーンに映されていました。
金はあるがどこか情けない中年と見目麗しい若者。付かず離れずの微妙な関係からの冒険譚、そして究極のドラッグ体験。
ところどころでハッとさせる映像や展開もありながら、あまりノレず、頭の片隅ではずっと良くない意味で「何見せられてるんだろう……」という気持ちも。
2章と3章が物足りなく感じたものの、全体的には冗長な印象もあり、今ひとつ高く評価できませんでした。
面白い文学を映画にするのは難しい
前作『チャレンジャーズ』が思いの外面白かったので期待していた一作。バロウズ原作、トレント・レズナー音楽ということで先にサントラ聴いていたくらい。おまけに予告編は良さげでお金も掛かってそうだし。しかし評判が聞こえてこない。で、観てなるほど、と。
ファンタジーに寄せて外堀はミニチュアルックに作り込まれた南米パラダイス。いろんなものの中毒おっさんが不意に現れた男に惚れてからの一緒になりたい願望の果ての彷徨。全編ドラッグに彩られて、、とかと思うとそんなにドラッグ臭はしない。綺麗なのだ。
第2章の旅はまるごとドラッグネタなのだけど、ここらも面白いルックや表現もあるのだけれど、その辺はクロネンバーグを欲してしまう感じ。クロネンバーグやホドロフスキーやらの本物の変態に変態負けしてるというか。チャゼルの映画もそうだけど、やはりクレバーな監督は本物のヤバい奴らには敵わない。
で、この映画はとてもオシャレには出来ている。出会い、接近、接触、結合、旅、願望へのトリップ、章ごとの進み方はわかるにしても各章が盛り上がらない。かつて同じ映画館で観たキュアロンの『天国の口、楽園の終わり』にあるロードムービーの牽引力のかけらもないというか、おそらく原作をまとめていくとこうなるのかもしれないが、やっぱり原作などに依っていると映画なんか面白くならないよね、と思う。おまけに時代ものの箱庭感で進めているのでもちろん旅にでても開放感あるわけでもなく別の箱庭になり、恋の対立関係は薄くもなっている。
ドラッグ文学はおそらく文章そのものや文体の飛び方などそれは個人の頭の中の面白さなのでドラマにするのは別のロジックで作らないと面白くなりようがない。
グァダニーノ、原作好きなればこそのミスをおかしてるような気がする
相当クセの強い作品
「恋人」とのテレパシー交信を夢見た 情熱的で孤独な初老ゲイの奇妙で切ない恋物語
本篇が終わり、エンドロールを眺めながら、転調してインディ•ジョーンズごっこみたいな場面も出てきたとは言え、なんだか切なさのオンパレードみたいなストーリーだったなあと余韻に浸っておりました。
せつない(切ない)《形容詞》悲しさ•寂しさなどで胸が締めつけられるような気持ちだ。(岩波国語辞典より)
ということなのですが、ダニエル•クレイグが演じる主人公、初老の域にさしかかろうとしている同性愛者のリーは存在そのものが切ないという感じでした。まあ白い麻(と思われる)のスーツなんか着ちゃってそれなりにかっこいいんですけどね(そのスーツも物語が進むにつれてうす汚れてヨレてきますが)。あと、帽子。なぜか、夏モノではなく、ちょっとだけ厚手の秋モノ風のものをかぶっていてオシャレでした。
物語は1950年代のメキシコシティから始まります。リーはアメリカ人で故国を離れて故国から見たら辺境ともいうべきところで暮らしています。まずは辺境で暮らす切なさです。彼は同性愛者で現在の言葉でいうところの性的マイノリティです。ということで、少数者であることの切なさもあります。彼は情熱的で常に愛を求めていますが、それ故に孤独を感じることも多いです。孤独であることの切なさ。そんな切なさを抱えて彼は薬物依存症にもなります。
このお話のメインはそんな彼が街で見そめた若い男ユージーン(演: ドリュー•スターキー 美麗です)にどう恋焦がれてゆくかを描いていくことにあります。相手が若いですから、リーの老いが見えてくることになります(老いてゆくことの切なさ)。肉体関係にはなるのですが、ユージーンはリーに対して心を開いてはいない感じがします。リーはテレパシーとか言い出します。心と心の触れ合いを求めるのです。何と愛に飢えた孤独な魂なのでしょう。切なさ、ここに極まれりといった感じでした。
そんなストーリーがルカ•グァダニーノ監督の洗練されたスタイリッシュな映像センスのもとで展開されてゆきます(あと、忘れちゃいけない音楽の選曲センスも)。最初に出てくるタイトルバックなんぞ、ただ単に皺を寄せた布切れの上に古びたタイプライター等のレトロなアイテムを並べたショットが続くだけなのですが、それがなんとかっこいいことよ。一気に’50年代の世界に引き込まれました。主人公の吞む酒もテキーラだのマティーニだのいろいろ出てきて場合によって使い分けていてお洒落な感じ。街の風景や部屋の窓からの景色も見ていて楽しかったです。センスがよくて手数も多い監督だなと思いました(それが技巧に走り過ぎていて嫌だという人も一定数いそうですが)。
《ちょっとした蛇足ーー帽子の件》
先述したようにリーは外出時には帽子をかぶっているのですが、若いユージーンのほうは常に無帽でした。’50年代を舞台にした映画では街行く男性すべてが帽子をかぶっていたような記憶がありますが、若いユージーンは例外なのかな。飛んで’70年代になると無帽が支配的な感じ。007シリーズの初代ジェームズ•ボンドのショーン•コネリーは’60年代の映画ではかぶっていました。事務所の部屋に入るなり帽子を脱いで部屋の奥に置いてある帽子掛け目がけてバスケット•ボールのミドル•シュートよろしく帽子を投げるシーンを憶えています。ということで、’50〜’60あたりの映画では男性の帽子に注目かな。「細かいことが気になるのが僕の悪い癖」(杉下右京の口調で)
もがき苦しむ男の孤独
米作家ウィリアム・バロウズの自伝的小説を映画化。バロウズについてはビートジェネレーションの代表的作家でジャンキー、妻を射殺した、といった知識はあるものの作品は読んだことがない。主人公はほぼバロウズ本人を置き換えたものなので観る前にウィキペディアなどで簡単に調べておいた方がいい。さもないと、働かないゲイでジャンキーなエロ中年親父の映画は一体何?という印象になりかねない。
1950年代のメキシコシティ。暇を持て余す米国人駐在員のリー(ダニエル・クレイブ)は行きつけのバーで美形青年のユージーン(ドリュー・スターキー)に一目惚れ。勇気を出して話しかけ、体の関係に発展するが、時によそよそしい態度を取ったりと気まぐれなユージーンに渇望を募らせていく。
前半はこうした恋の駆け引きに終始するため正直退屈だ。
リーは関係を深めたいのと、ある媚薬をもとめてユージーンを南米の旅に誘う。
ここからの後半は一転、南米が舞台の幻想的なタッチに変わり、冒険映画のようだ。
薬物中毒のリーが見る幻覚とジャングルを舞台とした展開は夢と現実の境界線を曖昧にし、官能的ですらある。
リーはユージーンと体だけではなく心の一体感を求めるが、確信がもてず心は満たされない。その不安や苦悩をドラッグで散らしているようで、その姿は痛々しくもある。
チネチッタで撮影したというメキシコシティのノスタルジックな街並みや南米の幻想的なジャングル、VFXを使ったイメージなど映画的創造に満ちている。
ニルヴァーナやニューオーダー、プリンスなど映画の時代背景とは異なる挿入歌の選曲もセンスが光り、ルカ・グァダニーノ監督の映像作品としての完成度は高い。
個人的にゲイのラブシーンが生理的に苦手なので点数は若干低め。
センティピードの見る夢
ゆるくぼんやり目眩系の作品
傲慢と切実さと幻想
なんとなく気になってふらっと見てみた1本
君の名前で僕を呼んで は画の美しさに見とれつつ眠ってしまったのだけど(ごめんなさい)こちらは宙に浮いた美しさを残しつつ刺激的で個人的にとっても面白かった!
序盤、綺麗な格好と裏腹に傲慢で老醜さすら感じるリーがものすごい清潔感と佇まいのユージーンに一目惚れするシーンでニルヴァーナのcome as you areが流れるのがアツい〜
ストレートに見えるユージーンが年の離れたリーの熱心な好意に若干距離を置きながら気まぐれに応える様子がまさに「冷たくて大きな魚」という感じで好きな表現だった。
とは言え年老いたゲイが美しい若者にハマる映画ってなんだか既視感があるなあ、、と思っていたら後半からどんどん予想外の展開になって目が離せなくなった😂
みっともないほど心身で繋がりたい気持ちが募ったリーが至ったドラッグを介したテレパシーという境地。
口数の少なくて冷ややかな時もあるユージーンの深部へ潜りたいにしてもそんな展開になるとは〜
前半のメキシコシティの街並み、中盤の南米の海辺の情緒ある風景、後半のがらっと変わった熱帯ジャングルの奥地、とそれぞれの景色に見応えがあって飽きずに見られました
トリップシーンもこれ薬やってないと撮れないでしょと思うような酩酊感で追体験をしているよう。この通常では意味の分からない時間を味わえただけですごい価値。
2人がまさに一体化したような濃厚な時間を過ごしながらも開いた扉に背を向けて帰ったのは、そういうことなんでしょう。
ユージーンのリーに対する気持ちも、束の間の旅も、精神体験も、一種の幻想であることは最初から分かっていたはず。
それでも心身の快楽と充足を求めた孤独なリーを見ていたら、幻想もそれ自体は夢ではあるけど事象として確かに在るものなのではないかと願ってしまった。
見る人は選ぶかもしれないけど、知らない心と時間と世界へトリップできた 見てよかった1本でした。
涙を流しながら続ける、ウロボロス。
ーみっともないほど、君に触れたいー 素晴らしいキャッチコピーだと思う
白のスーツにハットを被り、一見シュッとして見えるのに、若い子を口説き遠回しに断られる。
その一方で、モテ筋ではなさそうな子には上から行く感じが、若い頃はそこそこモテたタイプなのか、ちょっと鼻につく。
だけど百足ペンダント君にお金を渡さなかったのは、彼を傷つけずに済んで良かった。
序盤に上手くキャラクター紹介できたと思う。
ユージーンに出会ってからは「家に入れるなホテル行け」と言ってたくせに、ホイホイ家に連れ込み、彼氏気取りで引っ付き、なかなか無様。
泥酔した挙句にユージーンの事などお構いなしに縋る、滑稽な姿を見せたと思ったら一転、ワケの分からないシーンに、あ、これ『裸のランチ』の原作者だったと思い出す。
高校生の頃、レンタルで観てポカーンとなったやつ。
冒頭の白と藤色の花が綺麗なシーンをはじめ、カラフルで可愛らしい街並みのロケーションと、ツンデレな若い男に入れ上げる中年男、そして前衛的な謎のシーン。『君の名前で僕を呼んで』と『裸のランチ』を行ったり来たり。
後半はもう何が何だか。
何の話やねん
ウィリアム・バロウズの映画
章立てになっていて、第1章は若くない同性愛者の悲哀、というこの作品の宣伝通りの話。それが全体の軸ではあるのだが、そう思って観るとクローネンバーグの「裸のランチ」のような第3章から混乱するかもしれない。原作者であるウィリアム・バロウズについて、この映画のパンフレットででも知っておいた方が良いのかも。考えてみればこの監督は「サスペリア」の人でもあり、こういう映像になるのも不思議ではないか。
こういう映画の場合、主人公の相手役の魅力が大きな鍵を握っていると思うのだが、ちょっと若い時のキアヌ・リーブスみたいだった。93年生まれだから30歳超えているが少年のような時があり、ダニエル・クレイグと父・息子に見えるシーンがあったが。
ジェームズ・ボンドの時は渋さMAXだがこの作品では何とも言えないヨレヨレくたびれ感。もみあげがないとこうなるんだなー。
それより博士役のレスリー・マンヴィル!登場時、前のめりになった。
ヤンナルクィア
うわぁ〜
ダニエル・グレイグの衣装がずっと同じで、どんどんヨレヨレに。
最初はビシッとしてて、横山剣(クレイジーケンバンド)かと思ったんだけど。
ホテルからは嫌われる。
バスタオル以外は汚しちゃ駄目!
南米の旅のチャプターは面白かったけど、入門はしたくない。
胃袋翻転シーン。オオグソクムシみたいな節足類は何を表しているのかな?
ヤスデだかムカデのペンダント。
わかりやすいサインより、目だと思うんですよね。
池袋で観たから、となりの男が不気味に思えて怖かった。
酒と薬と欲、金
ハロウズ、原作者の自伝かぁ。
この方の脳内のトリップ感に連れて
いかれた感じ。
とても抽象的で奇想天外。
途中で何度も何を見させられている
のだろうかと、自問自答。
衣装やデザイン、音楽のチョイス
センスが良い。あの脚を絡めた画像も。
ドラッグ中毒のダニエルクレイヴも凄いけど
ドリュースターキの物静かな感じも魅力的。
『私はクィアではない』と自分に言い聞かせて
たのにユージーン青年と出会い理性が破滅する。
自分への葛藤と気持ちの揺れかたへの
持って行き方の映像と描き方が秀悦。
ダニエルクレイヴを選んだのもさすがだし
この変態中年の演技を観るだけでも価値がある。
不思議な脳内トリップを味わえる怪作。
カラダだけでは物足りない
恋に溺れるダニエル・クレイグが観たくて鑑賞。
そして堪能笑。
人目も憚らずメキシコのゲイ・コミュニティで性を謳歌するちょっとヨレ気味の男性。
そんな彼がきゅぴーんっと一目惚れからの美しい若者を追いかける様は心が痛くなるほど恥ずかしくて目を背けたくなるほどだけれどもこれが恋だぜって目を覆った指の隙間から覗き見。
本気の恋ってこんなにもみっともないのに可愛らしくていじらしくみえてしまうのは私が恋愛脳だからだろうか。
恋された方の若者ユージーンの美しさ。
これまた堪能。
あのゲイ・コミュニティに放り込んじゃダメーってわらわらするほど美しい。
見事!
お話の中間から展開がどんどん変化します。
ファンタジー作品かな?
なんて。
深層心理的表現が多く、そこの辺りはどうしたって鑑賞側の引き出しから読み解く事になるので置いてきぼり感はあります。
なんとか補正補正で彼らの揺れる心や孤独、焦燥などを感じとれたかな。
そして踊るダニエル・クレイグに惚れ惚れ。
え〜私はより一層ダニエルファンになりましたよ。
濡れ場もあります。
ぼかし入ります。
なので苦手な方は要注意。
ラストへ向かって焦燥感溢れる演技のダニエル・クレイグが良い。
007のダニエルも好きだけどこんなにも人間味が溢れる演技をみせてくれるなんて感謝。
イメージが007でとまっている方は是非みてほしい。
星は3.8くらいかな。
展開が大きい振り幅で苦しい感があったのが私的には残念。
あとポスターになっているシーンはすごく本当に好きだ。
彼のあの温もりが恋しいのだろうととても切なくなりました。
なんじゃこりゃ?
ダニエル・クレイグ演じる初老のゲイのおじさんが、若いお兄さんをナンパして、そこから色々な問題が起こるシリアスな話かと思いきや、途中からどんどん変な方向に進みだして、最後は「なんじゃこりゃ?」という展開に。
実はおじさんはゲイだけでなく、かなり重度なジャンキーで、最後の方はジャンキーの頭の中を見せられているような前衛的な映画に変わっていました。
しかしながら、ダニエル・クレイグはなんでこの映画に出たのだろう?ある意味黒歴史になりかねない映画かもしれないのに。
とはいえダニエル・クレイグ、007の面影など微塵も感じさせない、若い子大好きな草臥れたゲイのおじさんになり切っていたのは、さすがだと思いました。
開いた扉は、もう閉じない
こないだ鑑賞してきました🎬
リーを演じたダニエル・クレイグが、新境地を開いたという触れ込みに惹かれまして🤔
確かに刹那的な生き方をするリーを、リアルに表現していましたね😀
ユージーンから目が離せなくなる、酒と薬に溺れる男…しかしそれでもどこか魅力的に映るのは、演者の力量でしょうか。
ユージーンにはドリュー・スターキー🙂
確かに見目麗しい青年で、リーへの態度も気まぐれもいいとこ。
しかし南米への旅を受ける辺り、ある程度は本気だったのでしょうか。
彼は追われる方で、リーが追う方なのですが、この構図には妙な納得感がありました🤔
時々この映画は夢なのか現実なのか区別がつかないシーンがはさまれ、かつ説明もなしに進行していくので、私には難解で😰
評価が難しいところですが、確かにユージーンの謎めいた部分は気を引きますし、リーが薬を打つ一連のシーンは緊張感がありました。
なかなか象徴的な1本ですが、地頭が良い人ならなお楽しめると思います🫡
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