「とてもひと言にまとめられないよ!」クィア QUEER リコピン大王さんの映画レビュー(感想・評価)
とてもひと言にまとめられないよ!
恋愛映画というより欲望映画だった!
冒頭は、美青年と出会ってテンション上がってる主人公リーと、自分がクイアである事をまだ受け入れられていない(多分)ユージーンの駆け引きで、
見ていて共感できる所もあり、普通に楽しんで見ていた。
しかしこの映画途中から様子がおかしい。
相手の心を本当に知りたい、というのは登場人物の心境として珍しくないものだと思うけど
そのために「南米のジャングルに行って、テレパシーが出来るようになると噂のヤヘとかいう植物をキメにいこう!」
という発想はぶっ飛んでいて面白かった。
(後からバロウズ本人の経験が元になってると知ってマジでビックリした)
そしてヤヘのガンギマリシーン。
同じバロウズ原作の映画「裸のランチ」が好きなので、何か変なものは見れるだろうと期待はしてたけど、
前半の雰囲気から全く違うところに連れていかれて良い意味で期待を裏切られる楽しさがあった。
他にも途中で出てくる女性のトルソーとか謎シーンも多い。
多分原作者の奥さんのイメージかな?と原作者と結びつけて考えてみたり、
主人公もかつてはユージーンのように自分がクイアだと気付いてそれを受け入れていく過程を経験したという事を示唆しているのかな?とか
色々と想像が掻き立てられて楽しい。
結局、人間の欲望はどうしようもないけど、
そのためにジタバタすると面白い事を沢山経験できるよ!
みたいな余韻なんだけど、これで合ってるんだろうか笑
個人的には、もっと分かりやすく感情的にワクワクしたり、新しい刺激があるような映画が好みだけど、
今回みたいに監督の想いや感性を思いっきり詰め込んで丁寧に作られている作品は、
鑑賞者の好みを超えて観る価値があると思った。
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