ブルータリストのレビュー・感想・評価
全186件中、141~160件目を表示
長さは感じないけど
2025年劇場鑑賞60本目。
エンドロール後映像無し。
215分という上映時間に素直になげぇなと思いましたが、インターバルが15分あるそうでマジでインド映画配給する日本の会社に見習って欲しいです。ムトゥが日本に入ってきた頃はちゃんとインターバルそのままにしてたし、黒澤明の七人の侍だってインターバルあるんだからよぉ。
大体半分のところで入ったので実質100分の映画を2本観た感じです。昔あったインド映画3本連続上映の方がキツかった(笑)
長さはこれで解決ですが、内容はといいますと、自分が苦手なオシャレ映画の雰囲気満載で、オープニングクレジットとかエンドロールとか面白いとは思うのですが合わなそう・・・という予感。カメラワークもおしゃれ画角という感じでした。それがいいということなんでしょうけど。ストーリーも運命に翻弄されるというより、主人公の自業自得のところもあるのでは?といまいち共感できませんでした。
人の心の闇を感じる話
感想
本作監督・脚本のブラディ・コーベットのベネチアでの監督賞受賞とアカデミー賞ノミネートを知り鑑賞したいと思い映画館へ向かう。
本作を鑑賞後の感想はユダヤ人とはどのような民族であるのか?という率直な疑問であった。経験値からの個人的印象としては世界の潮流(諸々の歴史、宗教、科学、政治、経済金融システムの創始、そして勿論我々が日頃から楽しんでいる娯楽としての映画産業)に於いて最も多大なる影響を与え続ける民族であり、現在でも世界のあらゆる利権構造の頂点に位置している者が割合的にも多くその中でも遺伝的に優れた知性を持つ者が多い。また親族を含めた家族間の結束が強い。さらに歴史を振り返り理解できることは古の時代から宗教的因果の影響でキリスト教圏では国家という単位を形成する事なく世界に拡散し、各地域にゲットーを形成しながら自分達の文化を守り他民族の文化と一定の距離感を保ちながらその国の各分野に影響と化学変化のような社会的変容を齎している事がわかる。映画内でも描かれているが、シオニズム運動によるイスラエル建国やこの問題に起因する数々の戦争や紛争は今現在も収まる事なく激烈を極めていることは周知の事実である。
本作はユダヤ人特有の民族性や宗教観からくる他民族への悲親和性を生む原因となっている選民思想と歴史的に数々の迫害を受けたという被害者意識と劣等感、世界からの孤立感を自らも感じている一人のユダヤ人建築家の人生経験に基づきアメリカ国内でも独自の建築設計思想を貫徹しブランド成金主義のアメリカ人との生活の為長年に渡り関わっていく話と、第二次世界大戦以降の一時期、世界的な心理喪失感の中て発想された合理機能主義建築の最終形態とも称される華美な装飾等は一切排除したその様式は宗教的原理主義にも通じる一面を持ち合わせている建築思想であったブルータリズムをユダヤ人建築家の思想として設定し掛け合わせた話。さらに本編に登場する全ての人物の心理に根源的な意味を持って存在する性欲性癖を含める風俗的趣向の問題。間接的な弱者への性的虐待を暗示させていると感じる描写。さらには薬物接種による現実逃避行動等の所謂一般的にはタブーとされている人前ではあまり語られる事の無い心の奥底にあるいやらしいまでの欲求心理が織り込まれ心の静と動の表現と人間心理の弱さ強さがしっかりと描写されていた。
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ラースロー・トートはハンガリー系ユダヤ人であり、1938年ナチスドイツによるオーストリア・ハンガリー併合後1939年までワイマールに本当に存在したバウ・ハウス(建築・意匠・工芸家具類において合理機能主義の先駆けとなる思想を積極的に発信しそれまでの既成概念を破壊する程の影響を世界的に与えた知識技巧専門学校でありその画期的思想の影響は現代の建築・意匠・工芸家具類に至るまで濃密に反映されている)出身の建築家でハンガリーでは既に幾つかの建築を手掛けており社会には知られている存在であったが、ナチスの民族抹殺政策に遭いダッハウの収容所に収容される。戦後生き残った妻とその妹の姪とも生き別れるが、命辛々1940年代にアメリカに逃れる。無事にアメリカに辿り着いた時、トートの想いは東ドイツに残されている事がわかった妻と姪をアメリカに呼び一緒に生活することが悲願となっていく。
先にアメリカに渡っていた従兄弟のアティラを訪ねるトート。生命がある事を確認し喜びあう二人。店の一室を借り住まいとして家具販売と内装業を営むアティラの雇われ職人として働きだす。ある日ハリーという常連客の自宅の父親の書斎を図書室の様に改装して欲しいという依頼が舞い込む。
トートは持てる知識と技術を総動員して改装に取り組む。書斎はモダニズム様式の近代的な図書室となるが最終作業中に見知らぬ男性が錯乱した様に部屋に入って来て罵詈雑言を浴びせ掛け部屋の変わり様を辛辣に嘆く。男の名は家の主でハリーの父親であるハリソン・ヴァン・ビューレン。この後長年に渡りトートの人生を蹂躙し続け身も心も破壊してしまう人物との初めての出会いであった。トートは部屋の機能性と合理性が向上したことをハリソンに説明しようとするもハリソンは全く取り合わすハリーからは工事代金支払拒否の連絡が来る。この一件で従兄弟のアティラとは袂を分かち別離する。
無職になったトートは日々の食事にも困る始末であったが、改装した自宅が雑誌にモダニズムの内装事例の代表として紹介された事で有名になったハリソンがトートを調べ上げハンガリーでバウ・ハウス出身の高名な建築家である事が判ると袖を返すように擦り寄りデリカシーの欠片もないアクションと言動を繰り返すも後々の代表作品となる建築物の設計を依頼してくる。
トートは人間関係や仕事で様々なストレスを溜めながら、1950年代には妻と姪をアメリカに呼び寄せる事に成功する。社会状況が刻々と変わっていく中で神経をすり減らしながらも建築に傾注しアメリカでも建築家としての名声を得て世界的建築賞も受賞するが、その間人生の岐路に受けた傷は大きく家族との関係を含めて苦労続きの後半生であった。
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演出・脚本・俳優・音楽◎
監督・共同脚本のブラディ・コーベットは全編フィルム撮影で本作を制作。監督三作目でこの仕上りは目を見張る。本編内の建築構造物や造作の創造などリアルな質感が素晴らしくスタッフの質も高くチームワークが良いと感じる。静と動のカットの使い分けが上手く構図も素晴らしい出来映えで感動。特に道路や線路、トンネルなどを高速で走る映像を間合いに入れ込んだカットは場の転換を意識させ新鮮であった。さらにアメリカ上陸時の自由の女神像を写したシーンは写真としても秀逸の出来映えに感じる。音楽もその時代のヒット曲が使われていたりして心理描写のカットと共に素晴らしい効果を見せている。
エイドリアン・ブロディ
ラースロー・トート
分け隔てのない無政府主義者でありハンガリーではナチスの民族抹殺政策による様々な苦難を受けてきたが頑なに自分の主義主張は曲げない頑固なユダヤ人建築家のイメージに相応しい物静かで貫禄の演技が素晴らしい。殆ど地がトート本人なのではないか思うほどであった。巧みなハンガリー語を操り本物のハンガリー人を演じていた。
フェリシティ・ジョーンズ
ラースロー・エルジェーベト
ハンガリーでは新聞記者であり英国留学も経験しているインテリジェンス溢れる女性であったが、ナチスの民族抹殺政策により人生を破滅させられた。トートを心から愛している。トートとやっと再会出来たエルジェーベトが車椅子で現れ、大変な苦労があったのだと想像させるシーンが胸熱で泣けてしまった。迫害被害者の悩みを素晴らしい演技で表現していた。
ガイ・ピアース
ハリソン・ヴァン・ビューレン
トートの建築家としての才能をアメリカで初めて認めた人物。性格は権威やステイタスばかりを気にして物事の本質を見抜く事は出来ない。また本質を理解していない。人間的良心や本当の人の愛情を享受する事無く成長し大人になっても自分自身の確固たる信念を持ち得る事が出来なかった。見た目上は親の地盤を引き続き社会的地位も高く会社経営者として身なりも立派であるが、生まれた時から心理的な偏愛を受けており本物の愛情に飢えている。エルジェーベトが身内と側近に告白するまで自身が性的マイノリティである事を隠し続けた。ガイ・スピアース自身は大変難しい役所であり苦労があったと思うが役者冥利には尽きていたと感じる。
ジョー・アルウィン
ハリー・ヴァン・ビューレン
男女の双子として生まれ育ち父親の本当の事実を息子のハリーは全て承知しており子供として心に闇を抱えている。本編最後の方で狼狽するように父親を探すシーンではもしかすると子供の頃から性的虐待を受けていたのを隠していたのではないかと想像させる。
⭐️4.0
堂々たる大作
映画の序盤で逆さまに撮られた自由の女神像が画面に映し出される。このショットがとても印象的で、本作のテーマを端的に象徴しているように思った。
ラースローはアメリカへ渡り自由と夢を手にする。しかし、その代わりに多くの大切な物も失ってしまう。愛する妻との関係や宗教、自尊心etc.この逆さまの自由の女神像には、そんな”アメリカン・ドリーム”に対するアイロニーが象徴されているような気がした。
本作は15分間のインターミッションを挟んだ全3時間半強の大作である。少し臆する上映時間だが、実際に観てみるとテンポよく話が進むので、自分は終始退屈することなく観ることが出来た。
物語は前半と後半に区切られている。前半はラースローがハリソンからの寵愛を受けて建築家として大成していく内容。後半は一転して、ある不幸な事故をきっかけに凋落していく内容となっている。人生の浮き沈みを骨太に活写した所に見応えを感じた。
思うに、ラースローは職人というよりも芸術家肌な建築家という感じがした。頑なに自分が思い描く理想像を追い求め苦悩していく。これは芸術家に限らず天才と呼ばれる人に課された宿命とも言える。古今東西語られてきたテーマであり、普遍的な面白さが感じられた。
また、ラースローとハリソンの主従関係には資本家による労働搾取、ラースローの姪の顛末にはユダヤ人移民に対する偏見や差別といったメッセージも読みとれた。
今作はこうした多岐にわたる見方が出来るのも魅力だと思う。
監督、共同脚本はブラディ・コーベット。若干36歳という俊英だが、この年齢でこれだけの大作を撮ったということに驚かされる。
彼は元々は俳優出身で、若い頃から様々な作品に出演した経歴を持っている。映画監督としては「シークレット・オブ・モンスター」で長編デビューを果たし、自分は大分前に鑑賞したことがある。
「シークレット~」は第一次世界大戦後に誕生した独裁者を描く架空のドラマで、どこか悪魔的な雰囲気をまとった一風変わった作品だった。当然そこにはヒトラーが投影されていることは間違いなく、ホロコースト後を描く本作と相通じるものが感じられる。
演出は「シークレット~」の時と同様に時折幻惑的なテイストが見られるのが面白い。
例えば、ラースローが見る悪夢やジャズクラブにおける鏡を使ったシュールな演出等。このあたりにはコーベット監督の独特のセンスが感じられた。
後半の洞窟のパーティーシーンも中々シュールでユニークだった。また、オープニングタイトル、エンドクレジットの挑戦的なデザインも面白い。
ただ、今回の演出は基本的にリアル志向にある。ラースローは実在の人物ではないが、そう思わせるようなリアリティが感じられた。これはリアル志向な作風のおかげであろう。途中で記録映像風な演出も挿入されてくる。
惜しむらくは後半。ラースローの一大プロジェクトが、ある事故によって中断してしまう展開である。ここで盛り上がったドラマが失速してしまった。彼が強引にプロジェクトを推し進めるなどすれば、狂気めいたドラマへと飛躍しただろうが、そうはならない。どうしても観ているこちらのテンションが寸断されてしまうのが残念である。
映像は要所に素晴らしいものが見つかる。
前半はラースローの従兄が住むペンシルバニア州の下町の一角やハリソン邸といった屋内が続き、画面に余りメリハリが感じられない。ところが、中盤で街を一望できる丘のロケーションが登場してから一気にスケール感が出てくる。以降は丘の上の建造が始まり、画面に俄然風格が生まれてくる。
極めつけは、イタリアの採石場のロケーションであろう。この神秘的な空間には見惚れてしまった。
ちなみに、先述の丘の上のシーンだが、個人的にイングマール・ベルイマン監督の「第七の封印」のラストを連想した。登場人物たちが死神に連れられて丘の上を歩いていく映像で、今でも脳裏に焼き付いて離れない。
ある意味で、本作のハリソンもエゴイスティックで傲慢な悪魔のような男だった。彼の身勝手な言動がラースローたちを不幸へと導いたと考えれば、ハリソン=死神という捉え方は案外的外れと言えなくもない。
エイドリアンブロディが戦場のピアニスト以来のホロコーストを生き抜い...
エイドリアンブロディが戦場のピアニスト以来のホロコーストを生き抜いたユダヤ人を演じる。しかも建築家といういわゆるアーティスト。
この前情報と3時間を超える上映時間から壮大な大河ドラマが観れると期待して鑑賞。
入場特典の主人公ラースローのプロフィールと設計した建築物の説明の詳細さ。前情報を全然入れてなかったから実在の人物として観ていた笑。
そして上映開始。ホロコーストから生き残りアメリカに向かう最初の自由の女神のカット、いきなり度肝抜かれた。
そこから謎にタバコをふかすカッコいいシーンがあったり、建築物もかっこいいし、BGMもラースローが新天地での高揚感を上手く表現をしていてたぎった。
裏切りにあったり波乱もあるが、ある実業家との出会いがきっかけで事態が好転して、だけどどことなく不穏な展開も示唆しつつインターバル突入…
早く続きが観たい、実業家との軋轢は…離れ離れの奥さんとは…これほど終わるのが待ち遠しいインターバルは無かった、それだけとにかく期待値が高まる演出の数々に大傑作を感じた…
そして後半……とっても幸せなシーンで始まるはずが…あれ…ここから違和感が跳ね上がる。主人公が周りとの軋轢でおかしくなっていくのよりも奥さんが狂気的で。
何より前半の大河ドラマ感からどこか超常的な感じで、現実味が無くなって興醒めしてきてしまった。一体何を見せられてるんだと。奇想天外な展開にしないとダメなのかなぁ…
前半が大好きだっただけに残念。ただエイドリアンブロディは2回目のオスカー取って代表作としてほしい。
無駄のない機械のような傑作‼️
まず画面いっぱいに映し出される「VISTAVISION」の文字‼️あぁ、デジタルじゃなくフィルムで撮影されたんだなぁと嬉しくなる‼️そして「序曲」があり「第1部 到着の謎1947-1952」「インターミッション」を挟んで「第2部 美の核芯 1953-1960」、そして「エピローグ 第1回建築ビエンナーレ1980」で締めるその構成‼️まるでハリウッド黄金時代の超大作みたい‼️3時間35分の長尺がアッという間の「無駄のない機械」のような傑作ですね‼️ホロコーストを生き延びたユダヤ人建築家ラースロー・トートは、富豪の実業家ハリソンから仕事の依頼を受ける。アメリカでの夢の実現に燃えるラースローのもう一つの願いは、ヨーロッパに置いてきた愛する妻エルジェーベトと姪をアメリカに呼ぶことだった・・・‼️ラースローが潜む真っ暗な船室から、青空を背景に反転した画面で自由の女神を捉えたショットは、ラースローのアメリカへ抱く希望と不安を同時に表現した秀逸なカットで、「ゴッドファーザーPARTⅡ」の自由の女神を思い出しました‼️そして駅で従兄弟と再会、彼の自宅へ向かう車道のカットの素晴らしさ‼️不気味なオーケストラの音楽と共に展開される、このオープニングだけで私的に掴みはOK‼️続く物語ではラースローは従兄弟から「妻に色目を使ってる」と誤解され、仕事を失い、有名建築家だったラースローが作業場で重労働を強いられるという不幸の連続‼️ようやくハリソンに仕事をもらったシーンで第1部はENDなんですが、これがさらなる波乱の第2部の布石となるなんて‼️前述の不気味なオーケストラ音楽が不意に流れたり、エルジェーベト役のフェリシティ・ジョーンズのナレーションが効果的に使われて第2部への期待が高まります‼️第2部でようやく再会したエルジェーベトは骨粗鬆症により車椅子の身となっており、肝心の仕事もヨーロッパとは勝手が違うアメリカでの建築現場に四苦八苦するラースロー‼️そんなラースローの前に立ちはだかるのが、資本主義の巨大国家アメリカを象徴するハリソン‼️この巨大な権力を持つモンスターを演じるガイ・ピアースがハマり役で、まるで「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」のダニエル・デイ・ルイスみたい‼️第1部ではイイ人みたいな感じだったのに、第2部でコミュニティセンターの建築が進むにつれてむき出しになる、その欲望と闇‼️まさか代理石の買い付けに行ったイタリアで、ラースローにあんな事してたなんて‼️そんなハリソンを前にしてドラッグとアルコール漬けになっていくラースロー‼️アメリカに希望を抱いたラースローがハリソンに象徴される強欲や愛憎といった感情、そして心の闇に蝕まれていく展開‼️ホントに恐ろしいです‼️そしてエルジェーベトに「強◯魔!!」と糾弾されたハリソンが、行方不明になったところで第2部は終了‼️そしてエピローグではその後もラースロがアメリカに残り、素晴らしい建築物を創造した事が姪のジョーフィアによって紹介される‼️そして締めのセリフ「大事なのは到達地だ。旅路ではない」‼️今作でのラースローの物語を考えると納得のセリフかもしれませんが、過程を顧みず結果だけを追い求める現代の風潮に通じるところがあって、ゾッと震撼させられました‼️ほんとにスンゴい傑作です‼️訛りも含めてユダヤ人になりきったエイドリアン・ブロディとフェリシティ・ジョーンズの素晴らしい演技‼️コミュニティ・センターをはじめとするラースローの建築物の壮厳な佇まい‼️陽に照らされて浮かび上がる十字架の美しさ‼️そしてデザイン性を重視したオープニング・クレジットやタイトル・バック、エンド・クレジットも必見ですね‼️
特典冊子は鑑賞後に
214分とインターミッション込みの長尺とフィルムで撮影された本作はまるでラースローが実在の人物であるかのような錯覚を覚える。
そして特典としてもらえる冊子は映画の結末を象徴するようなものになっていてなかなか粋である。
本作のラストで展覧会があるがそこで配られた冊子のようになっており、「建築家ラースロー・トートの創造」という内容自体は少ないがコミュニティセンターの特徴などが書かれている。
ブルータリストというタイトルには1950年代に見られるブルータリズム建築というコンクリート打ちっぱなしで近代的なデザインの建物のことを言うのだそうだ。
確かにコミュニティセンターのデザインはそうなっているが、それとは別の意味でbrutal-istという意味もあるのではないかと思う。
難民は受け入れるがろくな支援もない政府、資本に物を言わせて母親の名前のついた巨大な建築物を作ってしまうヴァン。その壮大な建築物に過去のトラウマを反映してしまう主人公でさえもその一人である。
また、打ちっぱなし特有の無骨で荒々しく、時に冷たい無機質な感じが本作に登場する人物の感情を表しているようである。
15分というインターミッションは何かをするには少々少ないが前編からの意識が離れない程度の時間であり、また後編が始まる数分前から後編の最初のシーンに繋がる駅の環境音が聞こえ出す。ここから流れるように後編が始まるので絶妙な時間になっている。
"尊厳"の行方…
「ブルータリスト」レイシストのマジョリティに都合よく利用され、搾取...
差別意識と排斥の悪意
ちゃんと「A24」作品で、大事なことはセリフで言わずに「感じて考えろや」的な投げっぱなしで、理解が難しそうでした。
移民の国のくせに、先住の連中による移民への差別意識と排斥の悪意をいっぱい受け取って、満腹。
作中、主人公が設計したコミュニティ(多目的文化)センターについて「キリスト教の文化や宗教を重んじるようなデザイン・設計を施した」と言いながら、実は見る者が見れば、ハンガリーのユダヤ人たちがナチスによって入れられた強制収容所を再現したものでもあったという狂気が最高。
それらを彩る、建築を美しく撮影したカメラ、悲痛な音楽が印象的でした。
IMAXで観てよかった。
美術館でもらうような、建物の解説パンフが入場特典でよかった。
光の十字架に込められた想い
あらゆる感情がスクリーンから伝わってきて圧倒される。感情のシャワーから心を休めるという意味でも15分の休憩はとてもよかった。
この物語に慈愛に満ちた人間は登場しない。むしろ悪感情を隠さず、他人を傷つけることも厭わない人間の方が多い。
主人公のラースローは、ハンガリーでナチスドイツに迫害を受け、命からがらアメリカに辿りつく。受難の人生は、同情に値するが、他人を斟酌しない独善的な態度や、一時の快楽に逃げてしまう弱い心に関しては、眉をひそめたくなる。
だけれども出来上がった建造物は、息をのむ荘厳さがあり、創造主たるラースローの思想を感じる。他人を押しのけるくらいの自意識がないと革新的なアートが生まれないのかもしれない。
会話のシーンで意図的なズームアップが多用される。嫌悪感が出てしまった手元を映したり、高価なネックレスで飾られた胸元が、ラースローを蔑んでいるようにも見える。
道路をひたすら映し出すだけの心象表現もあり、映像的に語ってくる演出が目に焼き付く。
善意、悪意の相互作用で人間社会ができていることを再認識させられる作品であるが、エピローグで語られるラースローの真意に胸が打たれる。
IMAX画角いっぱいに広がる光の十字架に何かを祈りたくなります。
腐っているのはDOGE?
さも実在の人物のように思わせるため、ありもしなない建物や椅子のパンフレットまでこさえて観客に配っていた、まったくのフェイク・ムービーである。アニメ声優を監督にすえていることからして、なにやらいかがわしい雰囲気を感じてはいたのだが、ここまで露骨なプロパガンダ映画とは思いもよらなかったのである。エイドリアン・ブロディ以下出演俳優の皆さんや、本作をほめちぎっている評論家の皆さん、そして配給元のA24も、今後DOGEの標的になりかねないので注意が必要だ。
主人公の(DSのスポンサージョージ・ソロスと同じ)ハンガリー系ユダヤ人ラースロー・トートは、マルセル・ブロイヤーという実在のユダヤ人モダニズム建築家をモデルにしているようなのだが、実際収容所送りになったこともなければ、映画で描かれているような“反ユダヤ主義の犠牲者”ではけっしてなかったようなのである。劇中唐突に流れる、まるでアジア系日本製鉄のUSスチール買収を阻止するために作られたようなプロモーションビデオは、トランプのMAGAに対する嫌味だったのかもしれない。
バウハウス出身のトートに目をつけた大富豪ハリソン・ヴァン・ビューレン(ガイ・ピアース)が、イタリアのカッラーラ採石場で真っ白な大理石に頬擦りするシーンには、白人至上主義に対する明らかな嫌悪が感じられるからだ。金銭のピンハネはもちろん、同性愛者からのレイプ、社会保障(奥さんの杖)さえ削られてきた私たちユダヤ人は白人社会の犠牲者なんです。アメリカは腐っている、だから私たちのシオニズムは正当化されるべきだという結論に至るのは、いくらなんでも乱暴(ブルータル?)すぎる気がするのだ。
この度大統領に返り咲いたトランプ政権が目標に掲げるDSの解体とは、つまるところ世界を今まで支配してきたユダヤ人既得権益の解体に他ならない。ホロコースト犠牲者を隠れ蓑に、金融、メディア、医療、社会福祉、司法、教育等を牛耳ることによって、アメリカ社会をゆすり転覆をはかり続けてきた彼らユダヤ人の鉄壁なスキームが、わずか8人というイーロン・マスク率いるチームDOGEにバラバラにされそうな勢いなのである。そこに危機感をおぼえたユダヤ人たちが、お得意の“フェイク・ニュース”によって一矢を報いようとしたプロパガンダ、それがこの『ブルータリスト』なのであろう。
「恐怖や悪意に満ちた(反ユダヤ)思想が世界を再び覆っても、私の建築はびくともせず残り続ける」みたいなことを、大富豪ハリソンに語るトート。その“ブルータリスト”たるユダヤ人は、「山や岩がただそこにあるように」何も主張せずただ(イスラエルに)存在したいだけらしい。しかしDSの支援を受けたバ◯デンが政権につくやいなや、あっちこっちで紛争がまきおこり世界的インフレを招いた以上、そんな御託を並べてももはや意味がない気がするのだ。「ガザをアメリカが所有する」とトランプが語った時の、ネタニエフの呆気にとられた表情が全てを物語っている。
長い、疲れた
ハンガリー系ユダヤ人の建築家ラースロー・トートは第2次世界大戦中のホロコーストを生き延びたが、妻のエルジェーベトや亡くなった姉の子(姪)のジョーフィアとは強制的に引き離された。家族と新しい生活を始めるためアメリカのペンシルベニアに移住した彼は、実業家のハリソンと出会った。ラースローがハンガリーで素晴らしい設計を行った事を知ったハリソンは、彼の家族とアメリカで暮らせるように取り計らう約束で、あらゆる設備を備えた礼拝堂の設計と建築を依頼した。しかし母国とは異なるアメリカでの設計作業には、多くの困難が有り・・・という話。
長い!とにかく長い。疲れた。
途中インターミッション15分挟んで、前後とも約1時間40分のトータル3時間半は疲れた。
これが史実なら、へぇ、勉強になった、となるところだが、フィクション???
R15+は娼婦を買うシーンがあるからかな?
全くエロくもなかったけど。
すぐ怒り出す鷲鼻の設計士と、脚が不自由になった賢いが嫉妬心の強い妻、そして愛想の良くない姪・・・ホロコーストを逃れたユダヤ人がアメリカンドリームを夢見てかアメリカ移住? せっかく建国したユダヤ人の国イスラエルには住まない?? 建物の紹介がしたいわけでも無さそうだし、何を感じれば良いのだろうか。
合わなかった。
高尚すぎて レベル高すぎて 俺には全く響かず 不毛の215分でした。俺が実力不足で悪い。映画エリート必見かと・・“
俺って 基本的に他の人のレビュー見ないで 書いてるわけね 通常。
だから アカデミー賞🏆候補で ゴールデン・グローブ賞🏆3部門だから
間違いなく 俺の能力の無さ が 本作に追いつかなかった。
きっと 名作です。素晴らしい力作です。
俺の🧠頭脳が追いつかず ちなみに俺 同じ長尺でも エピソードたくさんでわかりやすい 『シンドラーのリスト』byスピルバーグ 生涯映画ランキング 不動の第二位の人です。
まあ 俺の映画の基準は 面白いかどうかだけ❗️
喜怒哀楽 興奮 考えさせられる それが 私の全て❗️
本作 難易度高すぎて 無理でした。
『普通の成績の人が 灘高校 東大理3』受けるような ムリムリ観ありました。
ちなみに 🈶有料パンフ 事前リーフ ホームページ 劇場で渡される 美術的なちっこいパンフ
も事前に隅から隅まで 完読全て精読済み。勿論事前動画も10回くらい見ました 予告編
あっ 有料パンフ🈶は普通でした 主題を知りたい人は必要かも
ただコラムの人の記述が 極めて バラけてた印象。是非購入してください。
でも 重要なのは 本作は based on では無くて フィクションです❗️無料リーフの段階で書いてあるし
劇場で渡される ちっこい美術的な冊子 最後にチッコク 一部を除き・・と書いてある
まあ要するに ドイツ🇩🇪バウハウス【コレは昔から知ってました😊】からの 機能重視の無骨な建築🏗️
➕ ホロコースト後の アメリカ🇺🇸移住者 こういう人いただろな 作品かな❓
事前に🈶有料パンフ読み込んでたから
VISTA フィルム撮影 主人公『戦場のピアニスト🎹』以来 久しぶり❗️
権力者🆚天才 人の心の闇 とか 色々なその他たくさんの要素は知ってました。
もう 散文的に 要素 その他 たくさん でした。盛りだくさん
もう ちょっと 主題が テーマが分からず。映画界のチョモランマ K2 谷川岳一ノ倉沢🏔️レベル
凡人の俺には なんか無機質 が気になって 理解に至らず。
この掲示板愛用の方 キネマ旬報愛読者さん 御用達 だと思うので 映画偏差値高い人には 超オススメです。❗️
あっ 凡人は 遭難の危険があるので 是非 準備万端で挑んでください 道は開ける byカーネギーさん❗️
一番良かった点は 途中 15分のインターバルがあること 最高です
映画 席予約より前にどこかに表示して欲しかった 『プレミアム席💺で 端っこ』
という いつでも トイレオシッコ スクランブル発進 体制 野球で言うと9回裏バックホーム体制
で 準備万端だった俺 膀胱が 『普通の席で真ん中で良かったジャン』と言っておりました
観客 お客様 は グリーンベレー アメリカ海兵隊
みたいな 精鋭揃い 咳一つ無く インターバル時間も寡黙
の強者ばかりでした。 あっ❗️『落ちこぼれ』た俺を除いて❗️
もう少しお客様居ても良かった。話のタネにはなります 好作品かどうかは その人次第かと・・
映画エリートは必見❗️に相違ない→褒めてます。
ふつしくい…!!!
精巧に作り込まれた架空の天才建築家の物語
35mmフィルムによる圧倒的な撮影とアメリカ映画とは思えない欧州アート映画の手触りが長尺を圧縮してくれる
事前知識0で見るとやや取っ付き難い作品ですが、アメリカ映画とは思えない構造を持った作品で、横に流れるオープニングクレジットのモダンさに、まず圧倒されて引き込まれて、架空の人間伝記ドラマとしての出来は高水準で、特に主人公である建築家ラースロー・トートを優しさとダメさとクリエイターとしてのエゴを体現した主演のエイドリアン・ブロディの素晴らしい演技(喫煙姿の粋さ)や存在感にもウットリ出来る。
近年は喫煙場面があるだけで、嫌悪を持つ人も多いが、この映画の舞台となった時代は男性の喫煙率は確か7割あったのと、紫炎を燻らせる映像の光も含め美しい。
ネタバレあり
この作品の一つの見どころに撮影とロケがあり、特に大理石の採石で有名なイタリアのフィレンツェから近いカッラーラ山の場面の美しさと迫力が、まだまだCGでは表現が、難しい部分だと思う。
ここで起きる惨劇が、物語に影を落とすが、ナチスの迫害から逃れたユダヤ人であるトートを、おそらくアメリカに移住してきたドイツ系移民の子孫である富豪ハリソン・ヴァン・ヒューレン(ドイツ系の名前が入っている)が、レイプする場面は、非常に暗示的で明らかに告発的でもある。
あとハリスンは、黒人を露骨に差別しており更にトートの奥さんも悪名高い絶滅収容所として有名なダッハウ強制収容所の生き残りだったり、姪であるジョーフィアはイスラエル建国の為に行動するなどユダヤ人の受難を強調してる。(でも今のイスラエルの非道な行為を容認出来ないけどね)
レイプ(蹂躙)が、国や地位を象徴して関係性を暗示する演出は映画に多くあり、有名な作品だと『アラビアのロレンス』(1962年)のイギリス人のロレンスがトルコ人の将軍に蹂躙される場面やジョン・ブアマンの『脱出』(1971年)における田舎の土着民が、都会人を蹂躙するところやアフガニスタンが舞台の『君のためなら千回でも』(2007年)でも、アフガニスタンの伝統芸でもある凧揚げ(のこ作品の原題はThe Kite Runnerカイトランナー)の達人のハザーラ人少年が、対立するパシュトゥーン人に蹂躙されるのを、過去に多くの国や近年のソ連やタリバンなどに蹂躙されたアフガニスタンを投影されているので象徴的に使ったも原作者が言っていた。
もう一つの特徴として最近では非常に少ない35mmフィルムによる撮影をしており、冷調な深みのある圧倒的な撮影とアメリカ映画とは思えない欧州アート映画(個人的にはポーランドの巨匠アンジェイ・ワイダ作品を想起する)の映像で語る突き放した見せ方や手触りを、持っておりメジャー作品としては取っ付き難い部分がありながら、215分の長尺を圧縮してくれる演出を見せてくれる力作である。
余談
ちなみにいくつかの記事に、本作は70ミリフィルム撮影とあるが、フィルムを提供したコダックの告知では35ミリ撮影とされており、カンヌなどの上映用プリントが70ミリであると明記されているのでそちらを参照してます。(不確認ですがクレジットにあるコダックの文字が一部消されるている様子)
長い割には狭い世界の話
率直に、予告編や事前の触れ込みほどではなかったかな
そして内容的にも時間は半分でも充分すぎるくらいで、すごくヒマで時間を持て余していない限りキツいかもです
壮大な人生ストーリーと多くの建築作品への美学・・と思いきや、一施主との一つのプロジェクトに特化した比較的ピンポイントなお話でした
この建築家については存じ上げませんが、有能さと狂気(brutal)が紙一重のタイプなのでしょう。
アメリカ国内の戦後復興への移民の貢献、苦労や苦悩については作品を通して勉強になるが、本作は一人の視点であり、ユダヤ人全体がそうではないと考えないと要らぬ偏見を生むような気がしました。
比較的静かな作品ですので周囲の音が気になる方は、思いっきり人の少ない座席を空けた方がベターです
休憩時間に買って食べ始める方もおられますので
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