ブルータリストのレビュー・感想・評価
全160件中、121~140件目を表示
エイドリアンブロディが戦場のピアニスト以来のホロコーストを生き抜い...
エイドリアンブロディが戦場のピアニスト以来のホロコーストを生き抜いたユダヤ人を演じる。しかも建築家といういわゆるアーティスト。
この前情報と3時間を超える上映時間から壮大な大河ドラマが観れると期待して鑑賞。
入場特典の主人公ラースローのプロフィールと設計した建築物の説明の詳細さ。前情報を全然入れてなかったから実在の人物として観ていた笑。
そして上映開始。ホロコーストから生き残りアメリカに向かう最初の自由の女神のカット、いきなり度肝抜かれた。
そこから謎にタバコをふかすカッコいいシーンがあったり、建築物もかっこいいし、BGMもラースローが新天地での高揚感を上手く表現をしていてたぎった。
裏切りにあったり波乱もあるが、ある実業家との出会いがきっかけで事態が好転して、だけどどことなく不穏な展開も示唆しつつインターバル突入…
早く続きが観たい、実業家との軋轢は…離れ離れの奥さんとは…これほど終わるのが待ち遠しいインターバルは無かった、それだけとにかく期待値が高まる演出の数々に大傑作を感じた…
そして後半……とっても幸せなシーンで始まるはずが…あれ…ここから違和感が跳ね上がる。主人公が周りとの軋轢でおかしくなっていくのよりも奥さんが狂気的で。
何より前半の大河ドラマ感からどこか超常的な感じで、現実味が無くなって興醒めしてきてしまった。一体何を見せられてるんだと。奇想天外な展開にしないとダメなのかなぁ…
前半が大好きだっただけに残念。ただエイドリアンブロディは2回目のオスカー取って代表作としてほしい。
無駄のない機械のような傑作‼️
まず画面いっぱいに映し出される「VISTAVISION」の文字‼️あぁ、デジタルじゃなくフィルムで撮影されたんだなぁと嬉しくなる‼️そして「序曲」があり「第1部 到着の謎1947-1952」「インターミッション」を挟んで「第2部 美の核芯 1953-1960」、そして「エピローグ 第1回建築ビエンナーレ1980」で締めるその構成‼️まるでハリウッド黄金時代の超大作みたい‼️3時間35分の長尺がアッという間の「無駄のない機械」のような傑作ですね‼️ホロコーストを生き延びたユダヤ人建築家ラースロー・トートは、富豪の実業家ハリソンから仕事の依頼を受ける。アメリカでの夢の実現に燃えるラースローのもう一つの願いは、ヨーロッパに置いてきた愛する妻エルジェーベトと姪をアメリカに呼ぶことだった・・・‼️ラースローが潜む真っ暗な船室から、青空を背景に反転した画面で自由の女神を捉えたショットは、ラースローのアメリカへ抱く希望と不安を同時に表現した秀逸なカットで、「ゴッドファーザーPARTⅡ」の自由の女神を思い出しました‼️そして駅で従兄弟と再会、彼の自宅へ向かう車道のカットの素晴らしさ‼️不気味なオーケストラの音楽と共に展開される、このオープニングだけで私的に掴みはOK‼️続く物語ではラースローは従兄弟から「妻に色目を使ってる」と誤解され、仕事を失い、有名建築家だったラースローが作業場で重労働を強いられるという不幸の連続‼️ようやくハリソンに仕事をもらったシーンで第1部はENDなんですが、これがさらなる波乱の第2部の布石となるなんて‼️前述の不気味なオーケストラ音楽が不意に流れたり、エルジェーベト役のフェリシティ・ジョーンズのナレーションが効果的に使われて第2部への期待が高まります‼️第2部でようやく再会したエルジェーベトは骨粗鬆症により車椅子の身となっており、肝心の仕事もヨーロッパとは勝手が違うアメリカでの建築現場に四苦八苦するラースロー‼️そんなラースローの前に立ちはだかるのが、資本主義の巨大国家アメリカを象徴するハリソン‼️この巨大な権力を持つモンスターを演じるガイ・ピアースがハマり役で、まるで「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」のダニエル・デイ・ルイスみたい‼️第1部ではイイ人みたいな感じだったのに、第2部でコミュニティセンターの建築が進むにつれてむき出しになる、その欲望と闇‼️まさか代理石の買い付けに行ったイタリアで、ラースローにあんな事してたなんて‼️そんなハリソンを前にしてドラッグとアルコール漬けになっていくラースロー‼️アメリカに希望を抱いたラースローがハリソンに象徴される強欲や愛憎といった感情、そして心の闇に蝕まれていく展開‼️ホントに恐ろしいです‼️そしてエルジェーベトに「強◯魔!!」と糾弾されたハリソンが、行方不明になったところで第2部は終了‼️そしてエピローグではその後もラースロがアメリカに残り、素晴らしい建築物を創造した事が姪のジョーフィアによって紹介される‼️そして締めのセリフ「大事なのは到達地だ。旅路ではない」‼️今作でのラースローの物語を考えると納得のセリフかもしれませんが、過程を顧みず結果だけを追い求める現代の風潮に通じるところがあって、ゾッと震撼させられました‼️ほんとにスンゴい傑作です‼️訛りも含めてユダヤ人になりきったエイドリアン・ブロディとフェリシティ・ジョーンズの素晴らしい演技‼️コミュニティ・センターをはじめとするラースローの建築物の壮厳な佇まい‼️陽に照らされて浮かび上がる十字架の美しさ‼️そしてデザイン性を重視したオープニング・クレジットやタイトル・バック、エンド・クレジットも必見ですね‼️
特典冊子は鑑賞後に
214分とインターミッション込みの長尺とフィルムで撮影された本作はまるでラースローが実在の人物であるかのような錯覚を覚える。
そして特典としてもらえる冊子は映画の結末を象徴するようなものになっていてなかなか粋である。
本作のラストで展覧会があるがそこで配られた冊子のようになっており、「建築家ラースロー・トートの創造」という内容自体は少ないがコミュニティセンターの特徴などが書かれている。
ブルータリストというタイトルには1950年代に見られるブルータリズム建築というコンクリート打ちっぱなしで近代的なデザインの建物のことを言うのだそうだ。
確かにコミュニティセンターのデザインはそうなっているが、それとは別の意味でbrutal-istという意味もあるのではないかと思う。
難民は受け入れるがろくな支援もない政府、資本に物を言わせて母親の名前のついた巨大な建築物を作ってしまうヴァン。その壮大な建築物に過去のトラウマを反映してしまう主人公でさえもその一人である。
また、打ちっぱなし特有の無骨で荒々しく、時に冷たい無機質な感じが本作に登場する人物の感情を表しているようである。
15分というインターミッションは何かをするには少々少ないが前編からの意識が離れない程度の時間であり、また後編が始まる数分前から後編の最初のシーンに繋がる駅の環境音が聞こえ出す。ここから流れるように後編が始まるので絶妙な時間になっている。
"尊厳"の行方…
「ブルータリスト」レイシストのマジョリティに都合よく利用され、搾取...
差別意識と排斥の悪意
ちゃんと「A24」作品で、大事なことはセリフで言わずに「感じて考えろや」的な投げっぱなしで、理解が難しそうでした。
移民の国のくせに、先住の連中による移民への差別意識と排斥の悪意をいっぱい受け取って、満腹。
作中、主人公が設計したコミュニティ(多目的文化)センターについて「キリスト教の文化や宗教を重んじるようなデザイン・設計を施した」と言いながら、実は見る者が見れば、ハンガリーのユダヤ人たちがナチスによって入れられた強制収容所を再現したものでもあったという狂気が最高。
それらを彩る、建築を美しく撮影したカメラ、悲痛な音楽が印象的でした。
IMAXで観てよかった。
美術館でもらうような、建物の解説パンフが入場特典でよかった。
光の十字架に込められた想い
あらゆる感情がスクリーンから伝わってきて圧倒される。感情のシャワーから心を休めるという意味でも15分の休憩はとてもよかった。
この物語に慈愛に満ちた人間は登場しない。むしろ悪感情を隠さず、他人を傷つけることも厭わない人間の方が多い。
主人公のラースローは、ハンガリーでナチスドイツに迫害を受け、命からがらアメリカに辿りつく。受難の人生は、同情に値するが、他人を斟酌しない独善的な態度や、一時の快楽に逃げてしまう弱い心に関しては、眉をひそめたくなる。
だけれども出来上がった建造物は、息をのむ荘厳さがあり、創造主たるラースローの思想を感じる。他人を押しのけるくらいの自意識がないと革新的なアートが生まれないのかもしれない。
会話のシーンで意図的なズームアップが多用される。嫌悪感が出てしまった手元を映したり、高価なネックレスで飾られた胸元が、ラースローを蔑んでいるようにも見える。
道路をひたすら映し出すだけの心象表現もあり、映像的に語ってくる演出が目に焼き付く。
善意、悪意の相互作用で人間社会ができていることを再認識させられる作品であるが、エピローグで語られるラースローの真意に胸が打たれる。
IMAX画角いっぱいに広がる光の十字架に何かを祈りたくなります。
腐っているのはDOGE?
さも実在の人物のように思わせるため、ありもしなない建物や椅子のパンフレットまでこさえて観客に配っていた、まったくのフェイク・ムービーである。アニメ声優を監督にすえていることからして、なにやらいかがわしい雰囲気を感じてはいたのだが、ここまで露骨なプロパガンダ映画とは思いもよらなかったのである。エイドリアン・ブロディ以下出演俳優の皆さんや、本作をほめちぎっている評論家の皆さん、そして配給元のA24も、今後DOGEの標的になりかねないので注意が必要だ。
主人公の(DSのスポンサージョージ・ソロスと同じ)ハンガリー系ユダヤ人ラースロー・トートは、マルセル・ブロイヤーという実在のユダヤ人モダニズム建築家をモデルにしているようなのだが、実際収容所送りになったこともなければ、映画で描かれているような“反ユダヤ主義の犠牲者”ではけっしてなかったようなのである。劇中唐突に流れる、まるでアジア系日本製鉄のUSスチール買収を阻止するために作られたようなプロモーションビデオは、トランプのMAGAに対する嫌味だったのかもしれない。
バウハウス出身のトートに目をつけた大富豪ハリソン・ヴァン・ビューレン(ガイ・ピアース)が、イタリアのカッラーラ採石場で真っ白な大理石に頬擦りするシーンには、白人至上主義に対する明らかな嫌悪が感じられるからだ。金銭のピンハネはもちろん、同性愛者からのレイプ、社会保障(奥さんの杖)さえ削られてきた私たちユダヤ人は白人社会の犠牲者なんです。アメリカは腐っている、だから私たちのシオニズムは正当化されるべきだという結論に至るのは、いくらなんでも乱暴(ブルータル?)すぎる気がするのだ。
この度大統領に返り咲いたトランプ政権が目標に掲げるDSの解体とは、つまるところ世界を今まで支配してきたユダヤ人既得権益の解体に他ならない。ホロコースト犠牲者を隠れ蓑に、金融、メディア、医療、社会福祉、司法、教育等を牛耳ることによって、アメリカ社会をゆすり転覆をはかり続けてきた彼らユダヤ人の鉄壁なスキームが、わずか8人というイーロン・マスク率いるチームDOGEにバラバラにされそうな勢いなのである。そこに危機感をおぼえたユダヤ人たちが、お得意の“フェイク・ニュース”によって一矢を報いようとしたプロパガンダ、それがこの『ブルータリスト』なのであろう。
「恐怖や悪意に満ちた(反ユダヤ)思想が世界を再び覆っても、私の建築はびくともせず残り続ける」みたいなことを、大富豪ハリソンに語るトート。その“ブルータリスト”たるユダヤ人は、「山や岩がただそこにあるように」何も主張せずただ(イスラエルに)存在したいだけらしい。しかしDSの支援を受けたバ◯デンが政権につくやいなや、あっちこっちで紛争がまきおこり世界的インフレを招いた以上、そんな御託を並べてももはや意味がない気がするのだ。「ガザをアメリカが所有する」とトランプが語った時の、ネタニエフの呆気にとられた表情が全てを物語っている。
長い、疲れた
ハンガリー系ユダヤ人の建築家ラースロー・トートは第2次世界大戦中のホロコーストを生き延びたが、妻のエルジェーベトや亡くなった姉の子(姪)のジョーフィアとは強制的に引き離された。家族と新しい生活を始めるためアメリカのペンシルベニアに移住した彼は、実業家のハリソンと出会った。ラースローがハンガリーで素晴らしい設計を行った事を知ったハリソンは、彼の家族とアメリカで暮らせるように取り計らう約束で、あらゆる設備を備えた礼拝堂の設計と建築を依頼した。しかし母国とは異なるアメリカでの設計作業には、多くの困難が有り・・・という話。
長い!とにかく長い。疲れた。
途中インターミッション15分挟んで、前後とも約1時間40分のトータル3時間半は疲れた。
これが史実なら、へぇ、勉強になった、となるところだが、フィクション???
R15+は娼婦を買うシーンがあるからかな?
全くエロくもなかったけど。
すぐ怒り出す鷲鼻の設計士と、脚が不自由になった賢いが嫉妬心の強い妻、そして愛想の良くない姪・・・ホロコーストを逃れたユダヤ人がアメリカンドリームを夢見てかアメリカ移住? せっかく建国したユダヤ人の国イスラエルには住まない?? 建物の紹介がしたいわけでも無さそうだし、何を感じれば良いのだろうか。
合わなかった。
高尚すぎて レベル高すぎて 俺には全く響かず 不毛の215分でした。俺が実力不足で悪い。映画エリート必見かと・・“
俺って 基本的に他の人のレビュー見ないで 書いてるわけね 通常。
だから アカデミー賞🏆候補で ゴールデン・グローブ賞🏆3部門だから
間違いなく 俺の能力の無さ が 本作に追いつかなかった。
きっと 名作です。素晴らしい力作です。
俺の🧠頭脳が追いつかず ちなみに俺 同じ長尺でも エピソードたくさんでわかりやすい 『シンドラーのリスト』byスピルバーグ 生涯映画ランキング 不動の第二位の人です。
まあ 俺の映画の基準は 面白いかどうかだけ❗️
喜怒哀楽 興奮 考えさせられる それが 私の全て❗️
本作 難易度高すぎて 無理でした。
『普通の成績の人が 灘高校 東大理3』受けるような ムリムリ観ありました。
ちなみに 🈶有料パンフ 事前リーフ ホームページ 劇場で渡される 美術的なちっこいパンフ
も事前に隅から隅まで 完読全て精読済み。勿論事前動画も10回くらい見ました 予告編
あっ 有料パンフ🈶は普通でした 主題を知りたい人は必要かも
ただコラムの人の記述が 極めて バラけてた印象。是非購入してください。
でも 重要なのは 本作は based on では無くて フィクションです❗️無料リーフの段階で書いてあるし
劇場で渡される ちっこい美術的な冊子 最後にチッコク 一部を除き・・と書いてある
まあ要するに ドイツ🇩🇪バウハウス【コレは昔から知ってました😊】からの 機能重視の無骨な建築🏗️
➕ ホロコースト後の アメリカ🇺🇸移住者 こういう人いただろな 作品かな❓
事前に🈶有料パンフ読み込んでたから
VISTA フィルム撮影 主人公『戦場のピアニスト🎹』以来 久しぶり❗️
権力者🆚天才 人の心の闇 とか 色々なその他たくさんの要素は知ってました。
もう 散文的に 要素 その他 たくさん でした。盛りだくさん
もう ちょっと 主題が テーマが分からず。映画界のチョモランマ K2 谷川岳一ノ倉沢🏔️レベル
凡人の俺には なんか無機質 が気になって 理解に至らず。
この掲示板愛用の方 キネマ旬報愛読者さん 御用達 だと思うので 映画偏差値高い人には 超オススメです。❗️
あっ 凡人は 遭難の危険があるので 是非 準備万端で挑んでください 道は開ける byカーネギーさん❗️
一番良かった点は 途中 15分のインターバルがあること 最高です
映画 席予約より前にどこかに表示して欲しかった 『プレミアム席💺で 端っこ』
という いつでも トイレオシッコ スクランブル発進 体制 野球で言うと9回裏バックホーム体制
で 準備万端だった俺 膀胱が 『普通の席で真ん中で良かったジャン』と言っておりました
観客 お客様 は グリーンベレー アメリカ海兵隊
みたいな 精鋭揃い 咳一つ無く インターバル時間も寡黙
の強者ばかりでした。 あっ❗️『落ちこぼれ』た俺を除いて❗️
もう少しお客様居ても良かった。話のタネにはなります 好作品かどうかは その人次第かと・・
映画エリートは必見❗️に相違ない→褒めてます。
ふつしくい…!!!
精巧に作り込まれた架空の天才建築家の物語
35mmフィルムによる圧倒的な撮影とアメリカ映画とは思えない欧州アート映画の手触りが長尺を圧縮してくれる
事前知識0で見るとやや取っ付き難い作品ですが、アメリカ映画とは思えない構造を持った作品で、横に流れるオープニングクレジットのモダンさに、まず圧倒されて引き込まれて、架空の人間伝記ドラマとしての出来は高水準で、特に主人公である建築家ラースロー・トートを優しさとダメさとクリエイターとしてのエゴを体現した主演のエイドリアン・ブロディの素晴らしい演技(喫煙姿の粋さ)や存在感にもウットリ出来る。
近年は喫煙場面があるだけで、嫌悪を持つ人も多いが、この映画の舞台となった時代は男性の喫煙率は確か7割あったのと、紫炎を燻らせる映像の光も含め美しい。
ネタバレあり
この作品の一つの見どころに撮影とロケがあり、特に大理石の採石で有名なイタリアのフィレンツェから近いカッラーラ山の場面の美しさと迫力が、まだまだCGでは表現が、難しい部分だと思う。
ここで起きる惨劇が、物語に影を落とすが、ナチスの迫害から逃れたユダヤ人であるトートを、おそらくアメリカに移住してきたドイツ系移民の子孫である富豪ハリソン・ヴァン・ヒューレン(ドイツ系の名前が入っている)が、レイプする場面は、非常に暗示的で明らかに告発的でもある。
あとハリスンは、黒人を露骨に差別しており更にトートの奥さんも悪名高い絶滅収容所として有名なダッハウ強制収容所の生き残りだったり、姪であるジョーフィアはイスラエル建国の為に行動するなどユダヤ人の受難を強調してる。(でも今のイスラエルの非道な行為を容認出来ないけどね)
レイプ(蹂躙)が、国や地位を象徴して関係性を暗示する演出は映画に多くあり、有名な作品だと『アラビアのロレンス』(1962年)のイギリス人のロレンスがトルコ人の将軍に蹂躙される場面やジョン・ブアマンの『脱出』(1971年)における田舎の土着民が、都会人を蹂躙するところやアフガニスタンが舞台の『君のためなら千回でも』(2007年)でも、アフガニスタンの伝統芸でもある凧揚げ(のこ作品の原題はThe Kite Runnerカイトランナー)の達人のハザーラ人少年が、対立するパシュトゥーン人に蹂躙されるのを、過去に多くの国や近年のソ連やタリバンなどに蹂躙されたアフガニスタンを投影されているので象徴的に使ったも原作者が言っていた。
もう一つの特徴として最近では非常に少ない35mmフィルムによる撮影をしており、冷調な深みのある圧倒的な撮影とアメリカ映画とは思えない欧州アート映画(個人的にはポーランドの巨匠アンジェイ・ワイダ作品を想起する)の映像で語る突き放した見せ方や手触りを、持っておりメジャー作品としては取っ付き難い部分がありながら、215分の長尺を圧縮してくれる演出を見せてくれる力作である。
余談
ちなみにいくつかの記事に、本作は70ミリフィルム撮影とあるが、フィルムを提供したコダックの告知では35ミリ撮影とされており、カンヌなどの上映用プリントが70ミリであると明記されているのでそちらを参照してます。(不確認ですがクレジットにあるコダックの文字が一部消されるている様子)
長い割には狭い世界の話
率直に、予告編や事前の触れ込みほどではなかったかな
そして内容的にも時間は半分でも充分すぎるくらいで、すごくヒマで時間を持て余していない限りキツいかもです
壮大な人生ストーリーと多くの建築作品への美学・・と思いきや、一施主との一つのプロジェクトに特化した比較的ピンポイントなお話でした
この建築家については存じ上げませんが、有能さと狂気(brutal)が紙一重のタイプなのでしょう。
アメリカ国内の戦後復興への移民の貢献、苦労や苦悩については作品を通して勉強になるが、本作は一人の視点であり、ユダヤ人全体がそうではないと考えないと要らぬ偏見を生むような気がしました。
比較的静かな作品ですので周囲の音が気になる方は、思いっきり人の少ない座席を空けた方がベターです
休憩時間に買って食べ始める方もおられますので
主人公の壮絶な半生に心が震えました
主人公のハンガリー系ユダヤ人のラースロー(エイドリアン・ブロディ)が
ホロコーストを生き延びてアメリカに渡る冒頭から、
食い入るように映画内に没入することができました。
映像×音声の見せ方が素晴らしかったです。
特に逆さまにうつった自由の女神🗽
アメリカに渡ってからは不遇な日々を過ごすラースローですが、
建築家の才能が認識されてから、人生が上り調子になっていきます。
それもすんなり行くわけではなく、やはり人種として平等・公平には扱われない
苦しさ、生きづらさ等、ビシビシと感じました。
このあたりの謙虚なラースローは好きでしたね。
※奥さんが生きているとわかって泣きながら喜ぶ
ラースローの表情がすごく良かったです
インターミッション15分をはさんで後半です。
後半は、あらゆる設備を備えた建築物に取りかかるのですが、
これが七難八苦で思うように全然進まないことで、
ラースローがどんどん荒れていくところがリアルで、実に痛々しかったです。
後半の冒頭で、奥さん(フェリシティ・ジョーンズ)と姪も渡米して一緒に
暮らすことになりますが、奥さんが難病を抱えており、
これも痛々しかったです。
と感じると同時に、フェリシティ・ジョーンズの演技は鬼気迫るものがあり
素晴らしかったですね。映画ファンになって以来、大好きな俳優です。
ラースローの雇い主ハリソン(ガイ・ピアーズ)もイイやつかと思いきや、、、
という後半の豹変っぷり、悪辣っぷりが、この作品をより面白いものにしていました。
ラストに大きくなった姪が語った
「他人が何をどう言おうとも大事なのは到達地だ。旅路ではない」は至言だと思います。
エンドロールはまさかのナナメスクロール。
アートだけど、読ませる気はないなと思いましたね(笑)
215分と長尺ながらも、濃密な時間を体感できました。
「何があなたのために在るのか?」「何が私のために?」そう静謐に問いかけてきます
1.
この作品は、超傑作です!!!
長いと言われる時間を全く感じさせない。完璧とも呼べる作品です。
天才芸術建築家の「生き様」をアメリカの現代史と絡めながら展開する語り口は最高です。
「天才」であることがどのような意味を持つのかを密着して見つめつづけます。その「天才」が何故に創造するのかを観客に問いかけます。
「何があなたのために在るのか?」
「何が私のために?」
2.
僕の感覚では、ビスタビジョン・サイズでしたが、
大まかにアップ・ミディアム・ロングのショットをその寄り方や引き方のカッティング編集を余りにも巧みに織り込んている為、
何の違和感もなく「大画面」の視覚インパクトを醸し出していましたよ。
何もシネマスコープ・サイズだかといっても、スケール感覚の欠ける作品は多いですから、
「ブルータリスト」でビスタビジョンを選んだ監督の意図は、
観客により親密に映像世界に溶け込んでもらいたいという一心、
作品世界で観客に共に生きてほしいという願いだと、僕は感じました。
そして、僕はそのように3時間半ほどを生きました。
繰り返しで申し訳ありませんが、見事な映画です。
ホロコースト・サバイバーの苦難の人生を描く一級の風格を備えた名作
総時間3時間35分だけど体感2時間ぐらいに感じるほど引き込まれた見事な演出とストーリー展開
途中15分あるインターミッション(休憩)が久しぶりに劇場で味わえ懐かしく新鮮、やっぱり3時間を超える作品にはこれがあるとありがたいな
ブラディ・コーベット監督がこだわった70mmフィルムで撮影された映像とビスタビジョンの画角を余すことなく映し出したスクリーンの重厚で美しいこと、惚れ惚れしました
一部限定のIMAXでは観られなかったのでシネスコサイズに上下カットされてしまうのかもと心配しましたが、ちゃんとビスタサイズの画角だったので安心しました
エイドリアン・ブロディさんとフェリシティ・ジョーンズさんの演技が素晴らしかった
超高難易度と言われるハンガリー語での会話や訛った英語、そして人生の浮き沈みや新天地での絶望感を体現する神がかった演技に強烈なインパクトを受けました
そしてそんな彼らを呑み込む資本主義国家の象徴とも言えるハリソンを演じるガイ・ピアースさんがお見事!円熟味を増し、めちゃくちゃ渋い初老の“独裁者”を凄みたっぷりに演じ、これまた強烈な印象を残します
作品を通して建設されるブルータリズム形式の“マーガレット・ヴァン・ビューレン・コミュニティセンター”はエイドリアンさん演じる主人公ラースロー・トートが自らの生涯の象徴として生み出したもの
それが明らかになった瞬間、全てのパズルが嵌まったような心打たれる感動と納得感に包まれました
エイドリアン・ブロディ充できたけど…
15分のインターミッションのお陰で長く感じなかったけど、正直そのシーンいる…?(特にR指定の要因となったもの)というのは多々あったのでもう少し短くできてたらよかったかも。パワポのスライドショーみたいになってるとことかちょっと笑ってしまった。
奥さんに会えてひとつのめでたしを迎えると思いきや、この人に最後まで今ひとつ感情移入できなかった。
エイドリアン・ブロディの繊細な演技には見惚れました。ここのところ主演作がなかったので存分に見られて大満足。
最後に最初のシーンが一瞬映る演出、あれは何だったのだろう。
気になって見返したいんだけど、長いのよ…
建物には人の想いが宿るもの
第二次大戦後、ホロコーストを生き延び渡米したユダヤ人建築家の半生を描くヒューマンドラマ。
冒頭数分間で一気に引込まれ鳥肌が立った。215分長尺だが、音楽・映像の演出は秀逸で話にメリハリを効かせていた。劇中メロウな曲からフリージャズ・流行曲まで流れるが、セリフとサンプリングしたり、途中からディストーションが入ると、物語は一気に締まり観客を緊張させる。映像も要所でカメラが前へ疾走するシーンが入るが、各チャプターの転換点としてメリハリがあった。図書室の陽だまり、採石場の明暗、礼拝堂の灰色の静けさ、まるで美術館にいるような独特な空気感があった。
主人公のエイドリアン・ブロディは御見事。教授然の振舞いもピンチ涙目八字眉も見惚れた。建築家の職能も踏まえたクリエイターの狂気と弱さをほどよく演じていた。また主演男優賞取るだろうか。妻役フェリシティ・ジョーンズも、信仰的背景と夫婦愛を踏まえた難しい役どころながら存在感があった。寝室での二人のやり取りをどう捉えるか、も映画の見所の一つだろう。
物語は、バウハウス出身の近代建築家がアメリカ新興富裕層に依頼された多機能礼拝堂を建築するだけだが、建物には人の想いが宿るもの。例えマイホーム・工場・駅・教会でも各々に人のドラマがある。重層的なドラマの切り口が映画内で上手く機能し厭きさせない。
鑑賞後にフィクションであった事に安堵したが、戦後心身共に傷ついたユダヤ人達の、多くを語らず現実と向き合う葛藤は伝わった。映画鑑賞としては、ストーリ中心に楽しむも良し、伏線も多そうなので深く考え没入し楽しむも良しだ。
幕中やエンドロールの音楽にも工夫があり、じっくり聴ければもう一つの楽しみがあるかもしれません。IMAXでプレミアシートに座っての観賞もいいかもです!
全160件中、121~140件目を表示