劇場公開日 2025年2月21日

ブルータリストのレビュー・感想・評価

全186件中、41~60件目を表示

4.0逆自由の女神は逆十字架

2025年3月6日
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劇中にも出てくる建築ビエンナーレの展示作品のような映画だ。

映像や音、構成において、芸術的かつ実験的な手法を駆使しており、
IMAXで、
教会の建築シークエンスから、
【もっと光を】のシーンは観る者に一種の美的衝撃を与える。

ストーリーテリングは、
もちろん典型的なエンターテインメント映画とは一線を画している。

物語の中心には、主人公ラースロー(ラザロの復活とは無関係ではないだろう)のブルータルなパッションがひたすら描かれ、
彼の内面の葛藤や欲望がそのまま視覚的に表現されていく。

登場人物やストーリーの論理的な繋がりを可能な限り削ぎ落とし、
感情の爆発を直接的に伝えるスタイルが、
アート映画の枠組みを超えて、A24らしい独自の力強さを持つ。

映画の中盤で挿入されるインターミッションは、
この作品の特異な構成(ブルータルな建築のような)を象徴している。

100分が経過し、
急転直下でアメリカスティールの歴史が怒涛のように展開され、

観客は一瞬の休息を得ることになる。

劇場の照明がアップし15分の休憩、

効果音で観客の感覚をリセットさせた後、
再び映画は加速する。

この緊張と緩和のリズムは、
視覚的な印象を強烈に残し、
観客の感情を揺さぶり続ける。

色調においてもカメラは常に変化し続け、
シーンごとに色調やフレームが変化するのはA24作品ではおなじみだ。

特に60年代ハリウッド映画風の色調が際立っており、
4原色でいうとCMYKの「Y(イエロー)」を強調した映像が印象的だ、

しかし、A24らしい転調の連続でY好きな観客は消化不良化かも。

色のトーンが一瞬で変わることで、
観客はその予測不可能性に引き込まれるのも、
狙いなのかもしれない。

ガイ・ピアースが演じるキャラクターは、
作劇の観点ではあり得ない展開を見せるものの、
文学的な解釈の下では非常に魅力的である。

そのキャラクターの存在自体が、
映画全体のテーマにうまく溶け込んでおり、

観客にとってはその不条理さこそが魅力となり、
映画製作そのものをイメージする人もいるだろう。

逆自由の女神は、
ワイダの逆十字架、

山の端シルエットは、
ベルイマン、

巨大建築物を引いて、
小さな存在にみせるのは、
ダヴィアーニ兄弟のカメラと、
美術、

カメラは名機ARRI435を使用はスピルバーグか、

昨今流行りの、
プリントに白パラ(白いゴミ)。

本来は白は技術的なミス、
黒は何度も映写されている証し、
ビエンナーレの狙いであればよし・・か・・

そういうのは風化していくのだろう・・・

他もいろいろ。

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蛇足軒妖瀬布

4.0無にも満たない

2025年3月6日
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悲しい

怖い

知的

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カズユキ

5.0 天才建築家と傲慢なパトロンの確執…という「フォックスキャッチャー...

2025年3月5日
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 天才建築家と傲慢なパトロンの確執…という「フォックスキャッチャー」的なストーリーよりも、建築そのもの(とその建造過程)こそがこの本作の主役。それぞれに悩みや欠点を抱えてドロドロとした人間模様を遥かに見下ろし、大地に屹立する建築の、なんと荘重な姿!作中で建築家の理想、として掲げられる以上の偉容で、抜群に決まった劇伴も相まって、この3時間超のドラマを一瞬も弛緩させない迫力に満ちている。冒頭の移民船の狭苦しさから、外へ出て目にする逆さまの「自由の女神像」のシーンが示すように、緊張と解放、明暗のコントラストが凄まじい。冒頭は左から右へ、終幕ではななめに流れるスタッフロールも実に洒落ている。おそらく前述の理由で人間ドラマとしては敢えて描き切っていない部分もあるが、ガイ・ピアースの暴君ぶりは劇中随一の怪演として褒め称えられるべき。

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sugsyu

2.5な、ながすぎ…

2025年3月5日
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私にはピンとこない映画やったなあ。前評判でアカデミーを狙いすぎとか言われていたが題材からして確かに意識しすぎなのかなとは思う。
上映時間脅威の215分。絶対にお手洗いいきたくなるやん!何考えてんねん!なんて思っていたが100分くらいで15分休憩が入るのでトイレ心配な人はご安心を!
3時間を超えるような長い映画はこの映画のように休みを入れてくれるとほんとにありがたい🙏

物語冒頭は収容所から無事脱出した後のシーンからスタート。アメリカンドリームに期待する主人公。収容所での困難はおそらく時間の問題で入れられなかったのかな?アメリカに渡った主人公に困難が…とか思いきや割と幸運が続き責任ある仕事を任せられることとなる。仕事の重圧とハリソンとの不和によりラースローと妻の間には歪みが生じていく。序章、第1章まで物語に入り込むことが全くできず関係ない仕事のことを考えていた。2章の妻エルジェベートの出演開始くらいからようやく集中。フェリシティジョーンズの夫思いで苦しみを抱えた妻役、熱演やったなあ。
ほぼ4時間という大作ではあるんやけど物語の緩急がほとんどないため眠気に負けそうに(1章あたりは負けました)

今回主演男優賞でノミネートされていたのは実在の人物を演じた人たちが多かった!
ボブディランに扮したティモシーシャラメ、トランプ大統領を演じたセバスチャンスタン…ラースロートートは実在の人物かと思っていたがフィクションだと知り驚き。皆さん熱演には違いない。
ただ、このラインナップみるとどうしても主観バリバリでセバスチャンスタン(トランプ政権化ではとれないよね)やティモシーシャラメよかったやん…ブロディ、戦場のピアニストで取ってるからええやんなんて思ってしもた🙄

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める

3.0いろいろと、はてな

2025年3月5日
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難しい

インド映画好きとしては休み時間はいらなかったな。フッ。
???多くてもやもや。
ユダヤ人ものはこういう感じだよね。だいたい。

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色即是空

4.5ユダヤ人建築家ラースロー・トートの半生を通してアメリカの闇が見え隠れする秀作

2025年3月5日
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知的

初のIMAX鑑賞です。なぜ今まで見てこなかったかというと料金が高いからです。そしてなぜこの作品をIMAXで見たかというと都合の良い時間はIMAXしか上映がなかったからです(笑)
エイドリアン・ブロディのアカデミー主演男優賞受賞に納得の作品でした。215分の長尺に尻込みしてましたが、途中休憩が15分あり、内容的にも映画に没入でき上映時間は全然気にならなかったです。リアル・ペインもそうでしたがこの作品もホロコーストを内包した映画でした。なんだか最近多いように感じます。

1951年ホロコーストを生き延びたユダヤ人建築家ラースロー・トートはブダペストからアメリカに渡るが、そこは決して安住の地という訳ではなく苦難の連続で…というお話で、昔から建築に興味のあった私には興味深いお話でした。
入場時に「建築家ラ―スロー・トートの創造」というリーフレットをもらったので、てっきり実在する建築家かと思ってましたが上映後調べてみると創作だったことに驚かされました。ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展とか実際にある祭典まで登場するので、リアリティを追求する徹底ぶりがすごい。それに加え、エイドリアン・ブロディの迫真の演技。
映像美も随所に感じられました。画面構成など美術センスも良い映画だなあと感じました。
大理石の白い採石場のシーンも印象に残りました。

ラースローは結局実業家ハリソンに振り回され続ける訳ですが、この富と権力を振りかざす嫌な人物がまるでアメリカを象徴するかのような人物として描かれているのですが、昨今のアメリカとシンクロするようでそれはそれで恐ろしいと思いました。
ホロコーストの影響で骨粗しょう症になり歩けず痛みの発作に苦しめられる妻エルジェーベト。
話すことができなくなってしまった姪のジョーフィア。
そしてラースローはドラッグ中毒から抜け出せない。
しかし、ハリソンにとっては所詮他人事なんです。
彼にとっては富と権力と名声が大切なのであって、それ以外には関心がない。
逆に鉄道事故などでそれらが脅かされたときには平気で雇い人をクビにし、とにかく自己保身が最も重要といわんばかりの行動をみせる。
もっとも許せないのはラースローの才能に嫉妬し支配欲に駆られ〇〇〇するところです。
妻エルジェーベトがハリソンの屋敷に単身乗り込み告発する場面は見応えありました。
そして行方不明になったハリソンを捜索中にラースローの設計したコミュニティセンターの教会の天窓から月の光が差し込み十字架が映し出されるという見事なオチ。
大作だけあって中身の濃い映画でした。これはこれで一大叙事詩ですね。
しかし、実業家ハリソンという人物を通して現在のアメリカの闇が見え隠れしてしまうとは、結局のところそれが主題なのかもしれませんね。
今のアメリカは決して自由の女神に象徴されるような自由な国ではないのだと。

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ノブ

1.5長い割に全く面白くない

2025年3月5日
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暗い、長い、抑揚そんな無い、ノンフィクションじゃないらしい、内容濃くもないわで別に3時間半もかけて観るような内容じゃないな

という評価です。

感動も興奮も何もありません。

もっと時間削れるし、
もっとテンポ良くできるし、
もっと盛り上げれるんじゃないですか?と見ていて思いました。

そんな面白くありません。

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山本ゆっきー

4.0アメリカの差別と偏見の現実

2025年3月4日
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Tofu

「重厚」だが「浅い」のでは?

2025年3月4日
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 ホロコーストを生き延びてハンガリーからアメリカに移住した建築家が、人種偏見や様々な問題に苦しみながら創造的建築に挑もうとする物語です。シネコンでの上映としては破格の3時間半の長編であり、それなのに通常料金というのも驚きでした。

 完璧に作り込んだ映像と音楽・物語は、まさしく堅牢な建築物を思わせる重厚さで、3時間半の間、疲れを感じることは全くありませんでした。しかし、これだけの時間があるのならば、個人の内面や社会性をもっと深く描けたのではなかったかな。「重く」「厚い」が、まだ「浅い」と感じられる作品でした。

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La Strada

2.0自分の人生を建築物に取込

2025年3月4日
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難しい

自分の人生をメタファーとして建物に取り込んでゆくユダヤ人の建築家の話
どうもノミネート作品とは、過去から合わない僕には、なげーけど、何が言いたかった?と最後には疲れが残っただけの作品 これ必要といった場面も多々あり、期待ハズレ
建物や建築が好きな人には最高なのかもですが…

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ろくさん

4.5完璧すぎて、少し息苦しいかも。

2025年3月4日
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インターバルもある長い映画で、もちろん見るべき映画だが、なぜか満点を付けかねる。強いて言えば、完璧すぎるのか。今の時代、アメリカではトランプ派にも反トランプ派にも、このユダヤ・ストーリーは支持されるだろうし、かつてはアメリカでもあった差別感も描かれているのだが、そこがちょっと文句も言えないくらい押し過ぎというか、少し息苦しさもある。主人公の身内のイスラエルへの熱い思いも本当だったろうけれども。

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Boncompagno da Tacaoca

2.0十字スリットで爆笑

2025年3月4日
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仕事柄ブルータリズム建築を楽しみに行ったら、学生レベルでがっくり。タイトルに使うならちゃんと建築深掘りしてくれ。長さだけ大作風の映画でした。

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ミートソースグラタン

4.5「到達地」より「旅路」を愉しむ映画

2025年3月4日
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知的

難しい

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LittleTitan

2.0アメリカンドリームって到着点が大事

2025年3月4日
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ヤマッチ

3.5お尻がブルータル。

2025年3月4日
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3時間20分あるから椅子の良い映画館を選ぶべし。

全く実在しない人間をよくここまで史実のように描けたなぁと驚愕する。たぶんそういう裏テーマで制作してだんだろう、脚本がすごいのか役者が凄いのか監督が凄いのか、、、全部か。
しかしぶっちゃけまいどのユダヤネタ映画なのでホロコーストや収容所の辺りはまだ分かるが、当時のアメリカでの風当たりや宗教的な異端視など不勉強な日本人にはピンとこない部分が多い。という訳で自分が完全にこの映画を楽しめてない事が残念である。
もう一つの軸は支配階級と下級市民、そして才能という物への羨望ってなかんじ。

話は大戦後生き残り才能あるユダヤ人の上がったり下がったり人生なんだけど、なんか後半の石切場のくだりが無理やりで唐突でイヤな感じがしたんだが、昔「パピオン」だったか「バーディ」だったか見た時に侮辱の仕方としてのレイプという存在が有ると知ったんだけど、それだったのかなぁ、、、。
あと最後の回顧展での説明は何だか設計思想が急に矮小化された感じがして残念に思ったなぁ。もっとスマートに中盤とかでやる事は出来なかったのかな?
音楽はその時代に合わせた作りになってるせいで最後がチャラい、、、と思ったら関心領域的後半無音、、、
どうしたいんじゃい!と思った。

あ、あとバウハウス出の主人公だからオープニングとエンドロールのタイトルデザインがカッコよい、マネしたい。

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masayasama

3.0ユダヤ人建築家の半生

2025年3月4日
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ふわり

3.0スクリーンから緊張感が伝わらない。

2025年3月3日
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知的

 アカデミー賞のエントリーの段階で本作品を鑑賞しました。
個人的には素材やストーリー及び刺さるセリフもあったが、何故か緊張感が伝わってこなかった。
この様な映画でありがちなセリフ主体で最初から終わりまでセリフを聞き逃すまいと終始緊張を強いられる作品がありますが、当作品にはそれを感じられなかった。
もうひとつひとつの場面を丁寧(画面構図・サラウンド・場面に映し出される物)に描いていればもっと芸術性があがり緊張をもって鑑賞できたのではないでしょうか

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ユメノトチュウ

3.5いきなり自由の女神!

2025年3月3日
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アメリカにたどり着くまでの苦難の旅が前半かと思ってました。最後の光の十字架のシーンはよかったな。

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あらじん

4.0アカデミー主演男優賞おめでとうございます。

2025年3月3日
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3月の寒い朝、映画館に入りインターミッションもある長尺の作品を観たら冷たい雨は雪混じりに変わっていた。ハンガリーに生まれホロコーストを生き抜いたユダヤ人のラースロー・トートの物語だったので、彼はもっと寒い思いをしてきたんだろうなぁ、。とか思い家に帰ってから、映画館で渡された小冊子を観たら、最後のページの下に小さく「本編の内容は一部を除きすべて架空の内容」とあった。色々検索したら実はフィクションでしたのオンパレード。
実話感たっぷりの映画だったので、戦禍の中のホロコーストの画像は無くてもユダヤ人の苦難が想像できたし、最初の図書館や丘の上のコミュニティセンターの建築の様子は実在するブルータリズムなんだな、。とか思ってました。
壮大な歴史物語で色んなものが詰まっているが、観客に突きつけたいものが何なのかが凡人の私にはわからない。もう一度、ちゃんと見直してみてから考えてみたい。
本日がオスカー発表日、作品賞は逃したがエイドリアン・ブロディは主演男優賞を獲得。歴史に名を刻んだ作品となった。

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アベちゃん

1.5私には難解過ぎる

2025年3月3日
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知的

難しい

アカデミー賞作品賞候補作は(なるべく)劇場で見ることにしている。
長い上映時間に躊躇するも見てみる。

「映画は『省略』の芸術」と言われることがある。
要は、見せずとも観客に「想像」させれば良いワケで。

本作もその系統、だと思う。
説明を排し、観客の解釈や判断に委ねる、と。

それにしても本作の「建物」は何のメタファーなのだろう?
人生、国、社会、創造性?

単に「ユダヤ人の苦悩」だけではないと思うのだが。

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みっく