劇場公開日 2025年2月21日

ブルータリストのレビュー・感想・評価

全186件中、21~40件目を表示

4.0良い

2025年3月13日
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僕には言語化出来ないけど、良い映画

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G列は貸し切り

1.5全部中途半端で散漫、しかも長い。

2025年3月13日
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ブラディ・コーベット監督初見。

物語の進行に特に関係ない挿話のオンパレード。
ユダヤ、ホロコースト、移民、レイプ、芸術の追求、映画向きの上っ面の概念を扱っているが、結局、統合したり不協和音が残ったり、意外な提示の仕方に唸ってしまうという要素は皆無。期待していた建築も微妙だから、何故こんな映画になったと呆然とする。しかも建物が完成してしまう安易な展開。

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ジャパニーズ先住民

4.5タイトルなし(ネタバレ)

2025年3月13日
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りゃんひさ

5.0多層的な世界

2025年3月12日
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久しぶりに映画らしい映画を観たな、というのが正直な感想。もちろん、映画は観まくっているのだけれど、大衆的ではなく、深みのある、特権的な映画、という意味で。

もちろん、大好きなマーベルシリーズも最近見たウィキッドもアンダーニンジャもどれもが映画だし、それらなりにメッセージ性はある。まぁ、根本的にジャンルが違うので映画論はさておき。。。

今のトランプ政権の状況とイスラエルの問題を見ていると、メタファーが効かないというか、そのまんま、と言ってしまってもいいものなのか悩ましい。

圧倒的な力で侮辱されても、媚びへつらい服従すべきなのか、それとも自由を求めるのか。強制収容所を生還した彼が見たアメリカは、強制収容所よりかは生存できるが、さぞかし生きづらいところだったんだろうな…。

強制収容所を明確に表現せずに、ただただ、生き延びた人たちを描くリアリズムを体感できた。
(ただし、彼らが本当に体験した語り得ない悲劇は、我々の想像を絶するものでそれについては何も言える事はないであろう。)

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そうたん

4.5才気溢れる監督の前衛的手法が満載です

2025年3月12日
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泣ける

知的

難しい

ユダヤ系ハンガリー人がドイツのバウハウスで建築を学び、ナチスの迫害を生き抜いた後でアメリカに移住して建築家として生きる大河ドラマです。70㎜フィルムでの撮影、短期編集などによるローコスト化、スタイリッシュなアングル、独創的なエンディング、視聴者に委ねるその後等、監督の挑戦が続きます。苦難するユダヤ人と傲慢なアメリカ人の対比が大きなテーマで、精神的障害や性的虐待、宗教問題、麻薬中毒、人種差別、移民の困難さ等を絡めて進み、4時間があっという間に過ぎました。監督のデビュー作もヒトラーを描いているので、ユダヤ系、ハンガリー、ハプスブルク家のルーツを持つように思います。ハンガリーから来た知人は映画の登場人物と同じ名前で、「ハンガリー人は放浪癖が有る」と言っていました。欧米人の持つ複雑な民族、宗教、歴史を考えさせる作品でした。
監督の次作はロバートキャパ、ゲオルグショルティ、ジョージソロスを予想します。

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ヨシリン

3.5面白いけど、長さに見合うかどうかは不明

2025年3月12日
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疲れていて後半気を失いそうになった。つまらないということではなく、暖房効きすぎでこの長さでレイトショーは落ちやすい。でも面白い。

思ってたのと全然違うなんかオシャレな映画だった。建築家の話でもあるけど、クレジット関係がまずオシャレ。オシャレとか言うと失礼かもだけど、音楽含めて全体的にハッタリ勝負の映画なんだな、というのが割に早い段階でわかり、なぜかマカベイエフの映画を思い出していた。ポルノグラフィティ的な目配せもありながら、なかなか出てこない嫁が出てきたと思ったところから嫁たちもかなり怪しいキャラクター。

描かれる世界がアメリカの野蛮なパトロンとブタペストからやってきたアーチストとアメリカの田舎社会がひとつになってアートなホールを建てようということになるが、そうは簡単にはいきません、という話。

この長さはまったく退屈しないのだけど、この長さなりの圧倒的な何かを持ち帰れるのかというとそうでもない。後半もう少し各キャラクターの過去の壮絶な何かがあるのかと思っていると、そっちではなかった。

偶然連続して、『アノーラ』『名もなき者』『ブルータリスト』観たけど、『アノーラ』が抜けてるのはよくわかる。それと、アメリカ映画というよりとても世界映画的なインディペンデントスピリッツのものが多くなった気がする。これもA24効果かな。というか、真っ当な大衆娯楽大作が少なくなったな。個人的にはアカデミー賞ってもっと大衆に向けた作品でいいと思うし、逆にそういうものをアメリカ映画には期待する

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ONI

3.5「コンクリか大理石か」

2025年3月11日
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知的

今年66本目。

アメリカに渡った建築家のお話し。
建物コンクリか大理石か中盤の見所。
アメリカは戦中、戦後、鉄鋼がとても大事だったその描写が印象に。
飢餓で骨粗しょう症に。
戦時中は食べれない人がいたことをどこかで忘れちゃいけない内容でした。

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ヨッシー

3.0翻訳ものの長い小説を読んだ気分

2025年3月11日
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難しい

翻訳ものの長い小説を読んだ気分。

海外文学をありがたがる気持ちで、最後まで、あきることなく鑑賞できたけど、よく理解できないのが正直なところ。

15分の休憩までトイレが我慢できなくて席をたってしまったし…

一度の鑑賞で、ちゃんと理解できる人がいるのだろうかと思ってしまう。小説なら読み返しはできるし、じっくり考えることもできるけど、どんどん物語は進んで置いてけぼりになっちゃうから、分かったふりをするしか手立てがなくて、戸惑ってしまうのですよ。

ホロコーストの体験をもとにした建築が後々再評価されるという結末で、大団円というところだろうけど、ホロコーストの描写はないし、アメリカに渡ってからの苦労というのも、特にひどいというところはなくて、十分アメリカに受け入れられていたように感じたけど、どこか見落としたのだろうか?

天才建築家の不遇感と苦悩は、凡人にはなかなか理解できないというところのだろう。

あの富豪が、主人公をゴーカンしたというくだりもよく理解できなかったなぁ…

もう一度鑑賞する気力はないので、youtubeに転がっている解説動画を捜してみ、このもやもやに決着をつけるしかないのかなと思う。

不完全燃焼です。

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うさぎさん

4.0それは真の解放を求めた人間の切なる思いを反映した建物なのかあるいは忌まわしき資本主義の墓標なのか

2025年3月10日
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悲しい

知的

難しい

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レント

3.0ガイ・ピアースは良かったけど

2025年3月10日
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ナチから逃げて渡米した建築家の顛末。

3.5時間観たのにドラマ感が感じられない不思議な作品。この映画は一体何が描きたかったのか。前半は多少興味を持って観れたけど、後半はちょっと雑じゃないか?

幾つかの受賞やノミネート、これも何気にユダヤビジネスの一環なのかと勝手に想像した。

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石岡将

3.5ユダヤ人被害者問題

2025年3月10日
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とにかく映像が洒落ててそこだけでも楽しい。スタッフロールすらかっこいいからね。

また例のあのシーンにもびっくりさせられた。が、ユダヤ人たちがアメリカやその他の国々にどういう扱いを受けてきたかというのを暗喩として示す最高のシーンだったと思う。あれが映画的表現だ。しかしカマを掘ってくるとはね(^^) 十年経ってもあのシーンだけは忘れないと思う。

ただなあ、今この時にこの手のユダヤ人が被害者サイドの映画は素直に楽しめない。ガザ地区の惨状がどうしてもチラついてしまう。そういうのなしに映画を楽しめばいいんだろうが。

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水原秀策

3.5長尺は気にならないが

2025年3月9日
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ちょっと深すぎよく分からない部分も多かった
始終居心地が悪い感じ
これはそういう映画なんだろうな

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三月☆うさぎ

3.0リベラルかつスタイリッシュなものが好きな人向け

2025年3月9日
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第二次大戦後混乱期のユダヤ人建築家の話なので、政治色、リベラル性が強く、今の保守に寄ったアメリカに警鐘を鳴らしているような作品でした。
そして、映像がかなりスタイリッシュ。
要は「通の好む」作品で、こういうのが賞を獲るんですよね。かなり長い(途中で休憩あり)のと娯楽性の少ないものでした。
僕はこういう「雰囲気」も嫌いではないので、楽しめましたが娯楽作品が好きな人は避けた方が良いでしょうね。

3時間半の長さを感じない隙のない大作ですが、唯一の隙と言えば、主人公の光と影、トラウマを描きたかったのか、女性の扱いがぞんざいというか、性的なオマージュにしか使ってない印象で、そこが残念でした。
時代がそうだったのかも知れませんが、わざわざこのシーンいるかなぁ?というのがいくつかありました。

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helio624

5.0皆さまのレビューで本作の価値観が大きく変わりました。ありがとうございました!!

2025年3月8日
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悲しい

知的

あくまでも個人の見解ですが、映画は大衆娯楽ですから、あまり難しく考えるのは苦手です。

それでも、この作品に限っては最低限の予備知識を持ち、漠然とでよいので、主人公の出自、生き様、感情に思いを馳せるとより楽しめると思います。

よって、知識吸収のため、これまで以上にレビュアーの方の感想を丹念に拝読いたしました。
本作鑑賞の際にたいへん参考になりました。深謝いたします!!

【私の最低限の予備知識】
・本作はユダヤ人ラースロー・トートが主人公
・演じたエイドリアン・ブロディもユダヤ系(ハンガリーの血も流れている)
・ホロコースト(ユダヤ人迫害および大量虐殺)とシオニズム(イスラエル建国)
・ユダヤ教と基督教(プロテスタントとカトリック)。シナゴークと基督教教会
・戦後のハンガリーから逃避した米国(ペンシルベニア州、フィラデルフィア)が舞台
・R15+の制限。暴力、性描写、麻薬摂取などのシーンがあるので中学生以下NG
・日本語コピーは「荒ぶる、たぎる」。主人公の感情の起伏を表現したものでしょう
・建築家の「半生」を描いたヒューマンドラマ。215分長尺映画。覚悟が必要(笑)
・皆さまの素晴らしいレビューの数々

で、鑑賞後は、エイドリアン・ブロディの演技力に驚嘆しました。
ゴールデングローブ、オスカーの受賞、当然の結果ではないでしょうか。

以下、ラースロー・トートの出自、生き様、感情について。

真珠湾以外に攻撃を受けなかった米国は建設需要は少ないはずで、ラースローは、建築家としての勲章は捨てたのだなと。それでも米国を目指したのは、ホロコーストから生き残ったことで、何よりも自分自身や家族の命と精神的な自由を求めることを優先したのかなと。
生きているだけで儲けものと思っていたところ、わらしべ長者的なラッキーが重なり、当然、人間としての欲が出てきます。芸術家としてのプライドやそれによる葛藤が生まれ、それまでは穏やかな性格で他人との衝突は無縁であったのが、時として無碍にエキサイトするシーンがインサートされます。

米国上陸直後の娼館を出たときに、タバコを燻らす娼婦から掛けられた言葉で彼の性癖は〇〇かも?と。その後、性的なシーンがいくつかありますが、ラースローの苦悩を表現するような表情のカットが印象に残っています。♂としてダメなのでしょうね。妻エルジェーベトとの関係性にも大きく影響しているように思います。
芸術家気質ゆえの繊細さでしょうか? アル中(?)、ヤク中(?)も加わります。
このバックグラウンドと誰にもわかってもらえない孤独を演じるブロディの姿は、私の素人眼に強烈なパンチを喰らわせましたね。

半生ですから、老後もあるのですが、自由発想で。私は、家族仲良く穏やかな時の流れをイメージしました。

以下、作品と撮影、音楽について。

やはり、同じ時代設定のゴッドファーザーを思い出さずにはいられませんでした。
コッポラもラースローのセリフと同じようなことを言ってましたよね。
コルレオーネ・ファミリーがニューヨークで暗躍した同じ時代に、やや西側に位置するフィラデルフィアとペンシルベニア州の田舎町(ロケ地はハンガリーか?)を舞台にストーリーは展開します。
ただし、超有名なフィラデルフィアのロケ地(ロッキーステップ)は、残念ながら登場しません。

シークエンスの切り替え時に車載カメラが捉える道、空、道沿いの緑が印象的です。
おそらく、ラストメッセージの伏線でしょう。

驚いたことに15分間のIntermissionがあります。歌舞伎じゃあるまいし・・・。
たぶん、配慮に見せつつ演出ですね。
なぜなら、休憩時間にスクリーンに投影されるポートレートが意味を持っているからです。多くの方がトイレに席を立つでしょうが、よく観ておくことお勧めします。

撮影班、ロケ地の素晴らしい景観も奏功してとてもよいです。AI画像も自然に思えました。
カット割りと音楽のシンクロ、カッコイイと思います。時代に合わせた選曲もグッドです。
ただし、スタッフロールだけは面食らいました。何があったの???

プリプロ(脚本、コンテなど)もポスプロ(編集など)も観客心理を考え抜いた結果の大作でしょうから、製作側にとっては、一欠けらのミスもないのでしょう。恐れ入りました。

おまけ。

ガイ・ピアース、いいなあ。L.A.コンフィデンシャルの頃から好きだなあ。
オスカー取らせたかったなあ。

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月イチひとりでシアターへ

4.0ストーリー➕壮大な景色が見応えあり

2025年3月8日
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ニョロ

3.5アメリカでのユダヤ人 リアルすぎるフィクション

2025年3月8日
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映像が素晴らしくどのカットも見応えがある、誰かが言ってたどのカットをTシャツにしてもいい映画とはこのこと。
音楽も素晴らしく、作品の憂鬱感と壮大さを反映していた。
休憩時間に入ってもらったパンフレットを読むまで実話に基づく伝記映画の類だと思っていたので、完全なるフィクションだとわかった時はすごいびっくりした。第2篇からフィクションだということを意識すると、映画のリアリティのあまり、気持ち悪ささえ感じた。何年かけて構想したんだ!?

アメリカの白人富豪達はどんな人種でも実力は十分に認めてくれ、仕事させてくれるが、やはり人として下に見てくるんだなと感じた。
にしても、この映画は決して差別される側に甘い訳じゃなく。アメリカにいるユダヤ人達の被差別意識をやんわり批判し、シオニズム運動という名の幻の居場所探しもネガティブに表現されていたと思う。

この映画はとてもデザイン性、アート性に優れていて、好きな人はとことんすきになる映画だと思う。私はまあまあ好き、でももう1回最初からは観たくない。

有識者に教えて欲しいのだが、人々がぞろぞろ丘に登るシーンはなにかのオマージュなのでしょうか、バビロンでも観たことがある構図だったので気になった。
もしかして一番最初らへんのゴジラ?

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すぱーくりぃ

3.5映画館で観る長尺映画が大好きです。 家とかスマホでは味わえない良さ...

2025年3月8日
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映画館で観る長尺映画が大好きです。
家とかスマホでは味わえない良さが有ります。

本作、期待は大きかったし、前半は期待持たせてくれましたが、、
カラーラの美しい映像からの理解し難いハリソンの行動からの妻の抗議が唐突過ぎて残念でした。

建築物の完成度も見せて欲しいですね。

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やまぼうし

4.0斬新で独創性が凄い。ドラマ的にも濃くて人間の郷の深さを炙り出す。

2025年3月7日
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琥珀糖

4.0余韻ブレイカー

2025年3月7日
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鑑賞方法:映画館

地味~で暗~い作品かと思ったら意外とテンポ良く見られるものでした。
結局誰が完成させたの?ぱぱんは何処行っちゃったの?など疑問は残るけど
私はいい作品だと思いました。
撮影では再現したの?いや、本物使ったのかな。鼻はどうやって曲げたのだろう
姪っ子ちゃんは失語症?英語は聞けるけど話せない感じ?
35年くらい前に日本でもコンクリ打ちっぱな建物増えたのはこの人の影響なのかな?
エンドロールの音楽は何?ポップ過ぎない?

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みのまる

2.0真実の重みを感じたかった

2025年3月6日
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知的

ハンガリー出身のユダヤ人建築家、ラースロー・トートは大戦中のホロコーストを生き抜き、戦後アメリカに渡った。彼は生き別れた妻を苦労の末に呼び寄せ、困難と闘いながら米国で再び建築家として成功する―。
本作は、そう描いているがトートなる建築家は実在せず、まったくのフィクション、作り話である。しかし、その「事実=物語は事実あった話を基にしたものではない」を知らないまま映画を見ると、よくできた話に引き込まれ、なかなかによくできた映画だ、と思った。
鑑賞後、調べてみるとそんな建築家はいないということを知り、なんだか白けた感じ、だまされたような気分になった。
映画は「お話」でしかない、それを味わえばいいとうのであれば、これはこれでいいとも思えるのだが、事実を基にしたフィクション、登場人物は本当に存在した人であれば物語にもっと重みと手触りを感じたと思う。
つまり、監督、脚本家―作り手―の都合に合わせたホロコーストをサバイブしたユダヤ人というある意味で類型的なドラマになっただけ、という点にどうにも軽さを感じた。
オスカーを獲得した主演のブロディの芝居は過不足なく登場人物になりきった名演なのだろうが、それがきれいにはまりすぎている点に飽き足りなさを感じた。
オスカー3部門を獲得した作品だけに、それをチェックしたい人は見ればいい。だが、そういうこだわりを持たないのであればわざわざ休憩時間まで設定された長尺作品を見るほどではない。
東京都心のシネコン、平日昼間の入りは3割ほどか。あまり観客からも熱を感じなかったのは、ぼくと同様な印象を持ったからではないか、と勝手に思っている。

にしても、戦後80年の今年、日本映画でそれをテーマにしたようなものはないのだろうか。
昭和のはじめから戦中戦後をはさんだ30年くらいには、現代人には想像できない数多のドラマがあったはずだ。もちろん、昭和50年代以前にはそうした作品もあっただろうが、21世紀の今、再びそういうものを撮ろうとする映画人はいないのだろうか。

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町谷東光