「よく分からない所だらけなのに結構たのしく観れた」ブルータリスト リコピン大王さんの映画レビュー(感想・評価)
よく分からない所だらけなのに結構たのしく観れた
4時間が長く感じず、
見ている間は次の展開が読めずとても楽しかった。
でも何か観終わった後は「結局なにがテーマだったの?」という感じで印象がぼやけてしまった。
ユダヤ人の歴史や、建築の歴史、ブルータリズム建築の位置付けなど
より深い知識があるとより深く理解できるのかもしれない。
自分はイラストの仕事をしているので、
いかにも資本主義の塊のような支配者と、
仕事を得るには従属して支援を受けるしかない芸術家
という対比に興味があった。
芸術家でもイラストレーターでも作品を作る立場だと
食っていくためにはパトロンとか企業とかの言う事を
全く無視するのは不可能。
でもその中で自分の出来る表現をする。
主人公はパトロンのためにユダヤ人でありながら
十字架が象徴的な建物をデザインした。
でも建物の中にこっそりと収容所の寸法を潜ませていた事が最後に分かる。
主人公の芸術家としてのプライドみたいなものを感じる
好きなエピソードだった。
映像についてはずっとかっこいい感じで見ごたえがあった。
建築をテーマにしているだけあって
オープニングタイトルとエンドロールがとにかくかっこよくて
好きだった。
特にオープニングはあそこだけ繰り返し流してたいくらい。
金持ちのおっさんの書斎が出来上がったところ、
みんなで丘を登るシーン、
イタリアの大理石の採掘場など
とても美しかった。
1番印象に残ってるのは冒頭の自由の女神。
めちゃくちゃ興奮したとかはないし腑に落ちない所だらけだけど
インターバル初体験とか、
ハリウッド超大作の文法とは少し違う構成とか
色々新しい経験が出来たので観て良かった!