「才気溢れる監督の前衛的手法が満載です」ブルータリスト ヨシリンさんの映画レビュー(感想・評価)
才気溢れる監督の前衛的手法が満載です
ユダヤ系ハンガリー人がドイツのバウハウスで建築を学び、ナチスの迫害を生き抜いた後でアメリカに移住して建築家として生きる大河ドラマです。70㎜フィルムでの撮影、短期編集などによるローコスト化、スタイリッシュなアングル、独創的なエンディング、視聴者に委ねるその後等、監督の挑戦が続きます。苦難するユダヤ人と傲慢なアメリカ人の対比が大きなテーマで、精神的障害や性的虐待、宗教問題、麻薬中毒、人種差別、移民の困難さ等を絡めて進み、4時間があっという間に過ぎました。監督のデビュー作もヒトラーを描いているので、ユダヤ系、ハンガリー、ハプスブルク家のルーツを持つように思います。ハンガリーから来た知人は映画の登場人物と同じ名前で、「ハンガリー人は放浪癖が有る」と言っていました。欧米人の持つ複雑な民族、宗教、歴史を考えさせる作品でした。
監督の次作はロバートキャパ、ゲオルグショルティ、ジョージソロスを予想します。
コメントする
琥珀糖さんのコメント
2025年3月12日
はじめまして
「アノーラ」に共感ありがとうございます。
「アノーラ」はラストはほろっと苦かったですが、
そんな感動するような映画なのか、
首を傾げてしまいました。
「プルータリスト」の方が、ずっと好きですし、
楽しめました。
映画は「プルータリスト」のように新しい可能性を目指して、
暴言を試み、新境地を切り拓く映画が、
アカデミー賞作品賞に
相応しいと思います。
よろしくお願いします。