「歳を老いる毎に」ザ・ルーム・ネクスト・ドア Rayさんの映画レビュー(感想・評価)
歳を老いる毎に
何とも言い難いというか、予想以上に重石のような余韻
当方も、病気ではないが怪我で生活にかなり不便な状況を三回経験して、1、2回目の時は精神的にも追い詰められた時があった。
状況ではなく身体的なものは、自身から避けることが出来ない。
多分、そういう経験のある人はこの映画を足し引き無しにありのまま観了出来た気がする。
嫌味なく、昨今の環境・親子・尊厳問題なども取り入れられていて、
共通の元彼のセリフ 「世界中の詩人が詩で訴えても1本の木も救えない」
が特に印象的だった。
怪我・病気をしていなくても、歳を経過していくと興味を持つことすら本当に薄れていく。
生きていく持続力だけで気力・体力が限界に近づいていっていると否応なく理解する。
雪は『洗い清める』という意味合いもあるので、主人公の深層心理はやはり『救われたい』だったんだろう。
でも自我が無くなっていくのがそれ以上に耐えられないというのは解らないでもない。
こういう重いテーマの映画ではあまり無い、色彩使いの華やかさが、
重石のように纏った空気を清浄してくれるようだった。
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