劇場公開日 2025年1月31日

「死と向き合うこと」ザ・ルーム・ネクスト・ドア masa.kさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0死と向き合うこと

2025年2月2日
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鑑賞方法:映画館

知的

ベネチア国際映画祭金獅子賞作品。末期癌に侵された60代女性戦場カメラマン(ティルダ・スウィントン)、安楽死を願うが、病院でも1人でも死ぬのを拒み、長年疎遠になっていたが昔からの知り合いの女流作家(ジュリアン・ムーア)に最期を看取ってもらうように頼みます。二人が最後に暮らす数日間の物語。死を覚悟しながらも、自分の思い通りの生活をする、それを見守りながら死と生の間で揺れ動く、二人の女性の心理が見事に描かれています。ティルダ・ウィンストンの映画は初めてですが、演技派で長身、スレンダーなスタイルがかっこよく役柄に合っています。ジュリアン・ムーアもアカデミー主演女優賞を取るほどの演技派。私としては、マドンナ主演の「ボディ」での引き立て役や「ハンニバル」のジョディ・フォスターの代役などを経ての円熟した現在の演技が素晴らしいです。監督ペドロ・アルモドバルはスペインの監督らしく、赤・青などの色使いが鮮やか、雪の色が印象的です。ラストシーンがとても素敵です。

masa.k