劇場公開日 2025年1月31日

「これは青春映画だ!!」ザ・ルーム・ネクスト・ドア グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0これは青春映画だ!!

2025年2月2日
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鑑賞方法:映画館

いきなり何を言ってるんだか、というタイトルで済みません。

ある高校で同じ文芸部の親友だとします。
ひとりが不治の病にかかり、残り少ない高校生活の最後を看取って欲しい、と親友に懇願する。病に罹った女性の親は町で一番の総合病院の経営者で、小さなころから優秀であった彼女は、病院内の見取り図や警備体制を熟知しており、ある日そっと例の薬物を手に入れる(映画的には、それくらいのことをやってのける賢さを持つ二人だからこそ感情移入もできるし、リアリティも感じられる)。高校生活最後の秋から冬にかけて、彼女の親友には受験勉強もあるし、その他諸々の障害はあるけれど、遂には親や教師の目を逃れ、最後の時を迎えることになる。残された手紙は親友あて、それぞれの両親あて、学校もしくは警察あて。
なんて想像で置き換えても、私にはなんの違和感も無いのです。

世界的に高齢化=長寿化が進み、高齢者の老いや死をテーマにした作品が増えているが、認知症を発症するにはまだすこし時間的猶予のある中高年からすれば、そのようなテーマは決して他人ごとではないことも十分わかっているし、その切実さも身に染みて理解できるが、あまりにも救いがないように感じることもある。
まだ現役バリバリの世代からすれば、今さら甘酸っぱい青春時代を気取るつもりはないけれど、〝死〟というものに対して単なる諦めとか悟りではなく、自分の選択として受け止めたい。文学的素養をもって、迫りくる死や人生について親友と語らうことの、なんと哀しく、そしてなんと貴い時間だろう。

選択肢というのは、自分で何かを起こせる未来があるからこそ存在する。
未来を選択できるのは、決して若者だけの特権ではない。

グレシャムの法則
hkr21さんのコメント
2025年2月2日

美しいコメントありがとうございます!
笑顔で見守っているマーサが目に浮かびます。

hkr21
talismanさんのコメント
2025年2月2日

そうなんです!イングリッド、とってもよかった!だからなのか、今まで見てきた中で今回のムーア、本当によかったと思いました!

talisman
talismanさんのコメント
2025年2月2日

そうですね、心からそうだね、と思いました。ありがとう

talisman