「中国の若者の青春の蹉跌」国境ナイトクルージング アベちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
中国の若者の青春の蹉跌
朝鮮族が一番多く居住している街がこの延辺朝鮮族自治州の延吉市とのことである。冒頭、バスガイドをしているナナが朝鮮族の挨拶の発音が韓国語と微妙に違うこととか、友人の結婚式に参加したハオフォンが朝鮮族式の披露宴を体験するとかが出てきたので民族としての苦悩の物語が展開するかと思ったが、そうではなく純粋に中国の若者たちの青春の蹉跌の話であった。
男2人と女1人のドラマは数限りなくあるが、簡単に入れそうな国境、歓楽街のナイトクラブ、凍てつく雪山や湖のスケート、氷の迷路などなど3人が戯れ過ごす数日間は束の間に輝いていてとても印象的。それらのシーンの繋ぎ方が映画作りとして評価された点ではないだろうか、。
ありがちな大きな事件や事故もなく(熊に近づかれるシーンもあるが)、「全部を終わらせたいと思ったことは?」と問われるシーンも崖から落ちていく衝動に駆られシーンもスーっと通り抜けていくのも良い。
中国映画はよく知らないが、独特な空気感が異国情緒を醸し出す佳作だったと思います、。
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