「20年後の今は」花嫁はどこへ? かばこさんの映画レビュー(感想・評価)
20年後の今は
インドの伝統的男尊女卑にめまいがしそう。
これが21世紀の話なんて。
女性に生理用品を普及させ、自立のシステムを作っていく「パットマン」も、2001頃の話だった。
ジャヤの夫とその一族以外、良い人ばかり。悪玉と思っていた警部補が実は有能、人情味あふれる人物で、最後で胸のすく仕事をしてくれる。ハッピーエンドで良い話なんだが、「ジャヤの夫の前妻の焼死が、自殺だったのか殺されたのか」という話が頭に引っかかって、それ以降の話があまり入ってこなかった。
インドの田舎の嫁いびりは激しく、持参財が少ないとか子供を産まないとかで殺されたりすることもあり、特に生きながら焼き殺すという残酷な手口が多いらしい。法律で禁止されているが目が行き届かないため撲滅とはなっていないと数年前に読んだことがある。今はどうなのだろう。
仕事でインドのオフィスのインド人の女性とやり取りすることがあるが、皆さん普通にパソコンを使いこなし、普通に英文を書いて、仕事上のやりとりは成立する。少なくとも10年前でもそうだった。彼女たちは学校へ行き勉強して、現代の職種で就職できる人たちなのだろう。インドが輩出するIT技術者にも、女性はいる。
どこの社会でも、日本だってそうだが、古臭い価値観を頑なに捨てず、それを押し付ける人たちはいるし、それを当然とするコミュニティもあるし、そうでないところもある。混在するのは当たり前のことだが、インドの格差はひどすぎる。
これが2001年の話、女性の自立に向けて歩みだしたふたり。
そのころに差し込み始めた光が、20年経過した現在は大きなものになっているんだろうと思わせるものがある。自立のしかたを限定せず、それぞれにあったやりかたを肯定しているのも良い。
少女妻のプールがかわいい。ムキになって「私は母から家事をきちんと教わったわ!」と言い返すところ、めっちゃかわいい。彼女のパートは、ジブリ作品みたいでした。
ジャヤはひと目見てため息が出るほどのインド美人。知性溢れて強くたくましく、かっこいいです。頑張れ、と応援したい。
二人の美女とインドの風景、画が綺麗で良かったです。
インドの抱える問題をたくさん入れ込みながら、ミステリー要素も混ぜて、重苦しくならずさらっと描いて心温まるエンタメ作品に仕上げた監督・脚本の手腕はお見事。伏線の回収もばっちりでした。
コメントありがとうございます。
まだ人口が増えている、若い国インドの底辺が旧態と悪習に支えられていると考えるとやりきれないです。いずれは少子化になって行くんでしょうね・・。
コメントありがとうございました!脱線しますが人気のポッドキャスト「COTEN RADIO」がインド・ムガール帝国について話していて、歴史的なインドの成り立ちや民族性によってことなるインド映画の作風にも触れており楽しいです。踊り歌う映画とそうではないインド映画は実はそれぞれの民族そのものが違うとか…目から鱗でした!
いま現在力を持っている人にとって、変革なんて自分の地位を脅かすだけですからね。
少し前に観た作品で、
「有力な政治家は若者を選挙に来させようなんて思ってない。浮動票なんて不確定要素なだけだから」
みたいな台詞があったのですが、さもありなん…
共感ありがとうございます。
ブリーダー関係でも♀側が♂側に種付け料を払うそうで人間にも・・酷いなぁと思ってしまいますよね。もう人間の自然繁殖は望めないんですかね? 大分映画から飛躍してしまいました・・。
共感ありがとうございます。
私もインド人と仕事した事あるし、何度もインドへ出張に行ってましたが、カーストはまだ残ってるのでしょうが、英語が出来る人と出来ない人の格差が大きい気がしました。
男尊女卑も酷かったのかもしれませんが、偏ったイスラム教徒による統治が行われてる地域、例えばタリバンなど、による女性差別を見聞きすると、まだインドはマシかと思ったりもします。
あと、プールは可愛かったですね。