「インドの闇を照らす、強く美しい女性の生き様」花嫁はどこへ? やまちょうさんの映画レビュー(感想・評価)
インドの闇を照らす、強く美しい女性の生き様
2001年というから今から23年前、インドの田舎の婚礼の際に花嫁がベェールを被ったまま義実家へ嫁ぐという風習のせいで、取り違えられた花嫁二人が巻き起こすコメディタッチのヒューマンドラマ。ちょっとサスペンス要素もあります。
現代のインドのその地域においてどうなってるかは存じ上げませんが、女性の社会的地位が総じて低く能力のある方々がそれを発揮できず埋もれていたり、その中で特に家庭内でのお嫁さんの自由が束縛されている描写が、違和感なくストーリーに溶け込んでおりました。
二人の花嫁さんはどちらも美しい容姿ですが能力や性格などは対照的に描かれてていて、かたや見た目は花嫁然として可愛らしく一通りの家事などはこなすが、おそらく彼女はこれまできちんとした教育の機会を得られたと思えず、いろんな面で依存的です。もう一方は勉学に励むうち自立した考えを持ったと思われ、自らの能力で率先してリーダーシップをとるタイプです。
それぞれの置かれた立場は違い、ストーリー上遭遇する至難のレベルも種類も全く別物ですが、彼女達が頑張って苦難に立ち向かう姿は美しく光り輝いてみえました。彼女らに感化された周囲の女性達が人生の輝きを取り戻す様も大変結構でございました。
逆に言えば、その光に照らされて浮き上がるインドの闇は暗喩レベルでも相当悲惨なもので、一部の悪習は今でも残っているのでは・・・と嫌な想像をしてしまいます。
最後は意外な結末で、日本人の倫理観からするとちょっとびっくりですが、巨悪?は滅ぶべし・・・なのであの強引さはむしろ好きです(笑)。
ぜひ、ご覧になってください!
共感ありがとうございます。
男の暴力も珍しくないようでした、さすがに署で行われると見過ごせない様でしたが・・追い出した売店のおかみさんは特別なんでしょうね。