エストニアの聖なるカンフーマスターのレビュー・感想・評価
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65~70点ぐらい。B級カルトなコメディ映画
開始から数秒で、絶句!!
あー…ダメだ…この映画…と、あきれつつ鼻で笑いながら半信半疑で観ていると、ブラックサバスの黒く重たい曲に、カンフーを操る革ジャンの男(笑)
なんかオシャレな、ツボるシュールなコメディ具合。
シュールな感じからデヴィッド・リンチっぽさも感じていると、ルースターズの「ロージー」にソックリな曲も流れ、テンションがブチ上がり!!
開始15分が経つころには、傑作かも?と期待して観だしたけど、最終的には迷作で怪作で落ちついた(笑)
エストニアとカンフーとブラックサバス、そこにコメディ、この化学反応がスゴイ(笑)
そして、音楽がイイ!!
あんなダークでシリアスな『ノベンバー』と同じ監督と知って、ビックリ!!
その『ノベンバー』にも出てたリタ役のエステル・クントゥは、なんかエマ・ストーンに似てる。
お馬鹿っぽいアホっぽい映画だけど、古いフィルムのように時おりノイズが走ったり、計算つくされて作られてるのが分かります。
エンドロールもオシャレで良い。
僕は好きですよ(笑)
カンフーとメタルに装飾されたB級アクション映画・・・に見えるけど実は、
多分10人中9人は「監督は一体全体何がしたいんだ??」となる映画なんだが、とりあえずカンフーする修道士のおじいちゃんたちが可愛いので観て損はないです。
長老役の役者さんはファイトコレオグラファーらしい。どうりでスタント使ってないのにあんなに動きが軽やかなはずだ。おじいちゃん格好良い。
カンフーとメタルに装飾されたB級アクション映画…に見えるけど実は内面的修行の話である。
<以下ネタバレあり>
餃子を投げ合うシーンを見ながら「一体何を見せられているんだ…」と思いつつ、ふと長老の助言や修行の内容にデジャビュを感じる。あれだ、本質的なテーマはパウロ・コエーリョの「星の巡礼」と同じなのだ。あの本もキリスト教の修行の話でありながら突然野犬と闘ったり穴を掘ったりする話だった。一見何やってるのかよくわからないが、つまるところ、序盤で長老が言うように「謙虚」が話のテーマである。
この話の主人公ラファエルは実のところ何も成し遂げてない。長老の助言にもろくに従ってない。それにもかかわらず彼に触発されイリネイは自分の嫉妬心と向き合うことになるし、リタは本音をぶちまけ自分を解放するし、長老は後継を決めることになる。結局ラファエルは神様が寄越した触媒なのだ。
「星の巡礼」もそうだが、自分が手に入れることを諦めて初めて手に入れる資格を得ることがある。謙虚さによって道が開かれるのだ。
修道士役は地元の人たちを起用したらしい。ちょこちょこ一列で動いたりバケツリレーする様がなんとも可愛い。
いわゆるB級映画だと思います
カンフーコメディというより修道士コメディ
IMDbに「合わない人には合わないが、好きな人は100回観るだろう」という強烈なキャッチコピーをつけられた、「ノベンバー」のライナル・サルネット監督の青春コメディ。私は割と合う側の方で、また観たいと思えるくらいには楽しめました。流石に100回は無い(笑)
予告を観る限りでは、エンタメに振り切ったコメディかと思っていましたが、少し違いました。前半こそテンポの良い、まさにブラック・サバス✕カンフーのシュールなコメディなのですが、中盤以降、宗教観やら愛についてやら始まってカオスな展開に。コメディ演出も抑え気味になり、人間臭い雰囲気が漂います。多分、このあたりが賛否分かれるところなのかと。終盤はなんだか感動的。ちょっとウルッときましたよ。
カンフーコメディというより修道士コメディとして観たほうが良さそうですね。「謙虚、謙遜」とか「悪魔の誘惑」とか、キリスト教絡みのストーリー展開になっているので。爆笑ネタはありませんが、小ネタでクスクス笑わせてくる感じです。
音楽については、ひたすらブラック・サバスが轟音を響かせております。加えてグレゴリオ聖歌(多分。よくわからん)なんかも流れてなかなか良い雰囲気。この2つの音楽の対比は全編通してのテーマのメタファーだったのかなと思うと感慨深いです。ブラック・サバスというバンドの背景を少しでも知っているとより楽しめるかも。
前半のコメディ全開!からの少し落ち着いた雰囲気の展開には驚かされましたが、なんやかんやでみんなハッピーです。これでいいのだ。
苦行
ヘンテコ映画の最高峰。
ヘンテコ映画です。
まずそれは言っておきます。
けどこれ見に行く人、そういう映画だと思って見に行くわけでしょ?
はっきり言いますが、良さをわかんない人は見なくていいです!
だって見ても何の得にもならないし、何もいいことないから(笑)。
しかし、ヘンテコ映画としては、全く隙がない、凄まじい出来栄えかと思います。
この種の映画の最高峰と言っていい。
まかり間違って生涯最高の映画と言ってしまうおかしな人がいてもおかしくない!
これ、真面目に褒めてます。
とにかく気合いが入ってるのは間違いない。
どうしてこんな変な映画にこんなに真面目に力を注げるのか謎ではあるけど(笑)、そのわけのわかんなさがまたよい。
主人公は結構イケメンでスタイル良くて華があるし、動きもシャープ。
もちろんすごいおバカなんだけど、なんか気骨があるというか、悪ふざけが悪い方にいってイラッとするようなとこがない。
脇を固める俳優陣も堂々としたもので、完成度が高くてキャラも立ってて、実はみんなかなりいい役者さんだと思う。
ヒロインというか、役どころのよくわからない女の人、ちょい太めだけど表情がとても魅力的で、ハマり具合が素晴らしい。
マスター?たる老神父たちも、何がしたいのかわかんないんだけど存在感あって、あと妙に仲がいいのが微笑ましくて(笑)。
KGBだかなんだかわからない老紳士も上品さとバカバカしさのバランスが絶妙で、あと何気に服がオシャレ(笑)。
全体に衣装はセンスいいです。
その他アクションとかも実はよくできてるし、セットも凝ってるし、風景の映像とかも美しいし、全てにおいて、腑抜けた薄味な感じは全然ないです。
そりゃ変な演出はありますよ?
何これ!って言いたくなるような。
でもそれはもう、これはこれで美味しく味わう、珍味みたいなもんじゃないですか!?
ほんとこれ、生半可なことじゃ作れませんよ、こんなものは。
企画が通ること自体すごいと思うけど(笑)、ちゃんとここまでのクオリティで出来上がってるっていうのは、ほんとどっから出てくるのかわからないが、この作り手の熱量は大変なものだと思う。
その熱がいたる所でダダ漏れしてて制御不能になってる感じで(笑)。
エンドロールにもそれが出ちゃってます。
グニャ〜って文字が曲ってんのよね(笑)。
その意味不明さ加減がなんともね。
うまく説明できないけど、これいいなーって、満足感に浸りながら見てました。
傲慢と謙虚
カンフーじゃなくてもいいんだけどね
邦題が秀逸!
初っ端から、不思議感覚全開で掴みはOK!
不思議なテンション、不思議な展開、ストーリーも、わかるようなわからないような…
でも、主人公の乗る車が年代物で、いかにも単純な作りで小さくて可愛い。
(ちょっと調べてみたら、シュコダという車っぽい)
出て来る東方教会の黒装束の修道士さん達の動きが、ヘンテコでオシャレで、とってもキュート。修道院の建物や、地下のイコンの間、長老さん…
場面場面にキュートさがだだ漏れです。
しかし、今一つ物語の意味が掴めず、ギャグも素直に笑えるかと言えば、微妙…
監督は、モノクロームで幻想的なお伽話「ノベンバー」(2017)のライナル・サルネット監督って、ちょっと、あまりに作風違わくないですか⁉
ヘンテコ、キュートな怪作ではあるので、カルト映画になるのだろうか…
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