「あの煽り文句は(追記加筆)」ロングレッグス 自分BOXさんの映画レビュー(感想・評価)
あの煽り文句は(追記加筆)
ニコラス・ケイジという俳優を「映画はつまらなくてもニコラス・ケイジを見ている分には飽きない」と評された方がおられまして。
ごもっとも、全くその通り!
で、本作はそのニコラス・ケイジがなかなか出て来ないです。
ということは……
はいっ、お察しのとうりです。
『ここ10年で一番怖い映画』という煽り文句。
あれは多分、10才の子供が言ったんですよ!そう思えば嘘ではないし、子供の言ったことに目くじらを立てるのも大人げないと納得は出来る(出来るかー)
(ここから追記)
と、酷評したが一晩寝て思い返したら、なんだか面白かったような気もしてきて不思議。
冷静な頭でもう一度考え直してみよう。
不穏で不気味な雰囲気のなかニコラス・ケイジをチラ見せしたオープニングは確かに良かった。FBI捜査官リーが直感を発動させ相棒に警告するも、それを無視した相棒が即射殺されるシーンで期待値も爆上がり。
が、暗号解読の辺りから冗長になり作品中盤でやっとニコラス・ケイジ登場。
「今回のニコケイはそう来ましたか!」と再度期待値が上がったが、思い返せばここら辺から作品のテイストがサイコサスペンスからオカルトホラーにハンドルを切っていたんだよなぁ。
ただ「おいおい、そっち方向へ行くんかい!」という急カーブではなく緩やかにオカルトホラーへとハンドルを切っていたので、ラストまでサイコサスペンスだと思い込んでいた自分は「殺人の仕掛けは悪魔の超常能力でしたって、そりゃねぇだろ!」と理不尽さを感じた。
他のレビューで黒沢清監督の影響を言及されている方が数人おられ、確かに不穏な雰囲気作りや今まで提示した物を急にうっちゃって物語がカーブしていく様子は黒沢清みを感じ納得した。だったらいっそ、謎に有能な助手とか出してくれたら良かったのに。
思い返しても酷評気味だったが、ニコラス・ケイジを見ていて飽きないのは実際にその通りだったし、黒沢清フォロワー監督の作品だったと考えると多少親しみも覚える。
『ニコラス・ケイジが出ている黒沢清フォロワー監督のオカルトホラー』と言われれば面白そうだし、そういった点を踏まえて鑑賞し直せば評価も上がるかもしれない。けど、その為にもう一度二千円払うのはちょっと……。
配信かレンタルでまた会いましょう!