「得体の知れない不気味さ」ロングレッグス nakadakanさんの映画レビュー(感想・評価)
得体の知れない不気味さ
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寒々しい木々や家の風景など、不穏な緊迫した空気感が漂う映像が良かったです。
赤と白の不気味なコントラストのオープニングも印象的でした。
マイカ・モンローのどこか捉えどころのない張り詰めた佇まいや、ニコラス・ケイジの異様な挙動不審さなど、俳優陣の演技も不穏な空気感にとても合っていたと思います。
とは言え、ニコラス・ケイジは特殊メイクしてるのか?とか考えてしまったり、取り調べではよくあるヒャッハーな犯人の印象になったりで、恐怖感が軽減されてしまったような気も。
最後の家族など大まかな展開は予想できるものでしたが、事件は常に娘がいる家族で父親が犯行を行っているというところは、娘に対する父親の虐待が連想されるような。
ロングレッグスの外見もアルビノのように見え、母と父への憎しみとも取れるセリフもありますし。
主人公家には父親がいなかったので一家殺人には至らなかったということなのかなと。
母親が娘を守るために共犯者になったのというのはやるせないですが、崇拝者になりどこまでが娘のためだったのかという疑問も。
この10年で一番怖い、と言われるとそうでもないかもという感じですが。
しかし、ロングレッグスの得体の知れない存在感や何度でも来るという言葉には、やはり理不尽な悪意や暴力の象徴のような恐ろしさを感じます。
キリスト教やサタンに関する知識があれば、もっと面白かったのかもとも思いました。
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