ロングレッグスのレビュー・感想・評価
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ハッタリ上等!ジャンルシフトもありがとう。そして後ろのおばちゃん、ありがとう!
毎年1、2本くらいホラーを映画館で観るようになっている。もちろんそれなりに選んでいくわけだが、大体いい気分で家路につくことになる。去年2024年でいうと、「オーメン ザ・ファースト」、「悪魔と夜ふかし」が大当たりで、ちょっとガッカリは「エクソシスト 信じる者」ぐらいで、これだって、お祭り気分で行ったようなもので、それなりに楽しませてくれた。
第一、凡百の、配信ホラーなんか観るくらいなら、どんな結果だろうが、自己責任で映画館で観るのは、大人として、映画ファンとして当たり前の心構え。そもそも思ったとの違ってたのは、自己責任以前に、それを楽しまないでどうするの、という話。そしてホラー映画とはまさしく、映画館で観てなんぼ、のジャンルとも思っている。おおよそはレイトショーで、何を考えているか良くわからないような客層(もちろん、オレが筆頭)を背後に、最高のシチュエーション。
で、この10年にいちばん怖い映画、っていうじゃない。いいじゃない、ハッタリ上等!ホラー映画なんて、そもそもハッタリを楽しむもの、だまされに行くようなもんだしね。
あしながおじさん
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児童小説、というくくりらしいのだが、ちゃんと読んでないまま、オレはおっさんになってしまったわけだが、今あらすじを読むと、相当気持ち悪い話だな、と思ってはいたが、まあ、本作、そのまんまだった。
ロングレッグス
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オープニングから、まあ、よくある手法だが、荒いフィルム風の画角に、巧みに写さない、あいつの顔。白い家とホラーでおなじみ、赤と黒のタイトルバック。
劇中ポスターが貼ってあったが、白と黒と赤で構成されたT-REXの「The Slider」のジャケットこそ、本作を象徴している。あいつの白塗りの、不細工を人形技師らしく、自身でいじくって失敗したかのようで、どこか中性的な顔。ジャケットの顔がボケているのも、序盤ニコラスの顔を写さないところとつながってそうだ。
ニコラスは、自身の母親の精神疾患時の姿を参考にしたというが、中性的な部分まで演技に取り込んだとすると、相当ヤバい役者魂。そしてニコラス自身、本作の最も恐ろしいテーマを自身で体現しているということになる。
映像はとても凝っており、どこかで見たことのあるは、ここでは誉め言葉。だってどこから、ってキューブリックやフィンチャーを想起させるのであれば、十分でしょ!
問題の、皆さんのお怒りの、「羊たちの沈黙」、「セブン」設定、雰囲気からの、シフトチェンジは、オレには特に違和感はなかった。最初の半エスパーな設定は、ちょっと説明が足らないのだけれども、「繋がっていた」からであり、「半」なのは、「記憶」がないためと思われる。ここがちょっと弱くって、暗号解読のエピソードがグダグダになって、皆さんがブーブーいうのもわからなくはない。まあ、正直暗号文字や逆三角形は雰囲気だけだよね。
作中の母親が、恐ろしい局面にあって、やむを得ずエライことをしでかすことになるが、無償の愛ゆえ。そしていつしか「憑りつかれてしまった」その母親を殺す主人公。ニコラスに至っては、シリアルキラーの演技の参考に母親の一番「つらい」姿を採用する。
作中も、そしてニコラスも「母親を自身で葬る」、「ホラー映画という、低俗なものに母親を捧げる」という、悪魔にしてみれば、イェッスな狂っている映画なのだ。
そういう意味では、いささか本作はキレイに仕立てられ過ぎているかもしれない。「うますぎて怖くない」というのが、正しい感想か。
終盤の、母親がちょこんとソファーに座っている姿が、「エクソシスト3」の看護師ばばあを想起させて、わくわくしたのだが、ちょっとラストが弱くって、「イット・フォローズ」で「伝染する」(でキャスティングされたとしか思えない)マイカ・モンローが、「伝染」したのか、してないのか。がポイントになるのに、「続編ちらつかせ」に見えてしまっているため、気持ちよく帰ってもらうホラーの持ち味(後味とかいう意味ではない)を損ねている。
追記
映画館でホラーを観る楽しみの大きな一つにジャンプスケアがある。ジャンプスケアで驚かす、怖がらせるホラーを否定する気には到底なれない。だって映画館でしか楽しめないし、なんなら、オレを含め、誰かがビクっとしたら、楽しいよ。
今回のも、ショットガンを持つ母親が忍び寄るところで、客席の後ろのおばちゃんが「後ろ!」ってマジで声を上げていた。うれしいねえ!ありがとう、おばちゃん!
歌声からニコケイがにじみ出る
正直、まったく怖いとは思えず、お話的に面白かったとも言えないのだが、マイカ・モンローやニコラス・ケイジはもちろん、脇にいたるまでみなさんがキャラ立ちしていらっしゃって、またどの瞬間瞬間も異様さと禍々しさに満ちていて、興味が途切れることなく観てしまった。つまりは演技と演出力に引き込まれたわけで、パーツパーツが面白いが全体としてはそこまででもないといういささか困った案件ではある。前情報ほとんどなく観たため、ニコラス・ケイジがどこに出ているか途中まで気づかず、アイツが歌い出したところで「あ、ニコケイか!」ってなった。役者としてみごとに擬態していたと思うのだが、ニコケイの渾身の演技をもってしても、歌ってどうしても本人がにじみ出るものなのですねというのもいい発見でした。
監督の父は「サイコ」のアンソニー・パーキンス。家族の秘密が映画に影を落とす
オープニングクレジットで"Nicolas Cage as Longlegs"と早々に紹介してくれるのは親切。予備知識がなければ、大きな付け鼻とおばちゃんのような髪&メイクのせいでニコラス・ケイジと認識できない観客が続出しそうだ。
主演のマイカ・モンローは、「イット・フォローズ」や「神は銃弾」での印象的な演技に比べると、本作では役のキャラ立ちが弱いこともあって少々物足りない。「滅多に姿を現さない連続殺人犯vs.FBI捜査官」という話の都合上、ニコケイとモンローが対峙するシーンが少ないのも一因だろう。2人が演技合戦を繰り広げる尺がもっと長ければ化学反応もより大きくなり、彼女の表現力と魅力がもっと活きたはず。
監督・脚本のオズグッド・パーキンスは「ロングレッグス」が長編4作目。父親のアンソニー・パーキンスは「サイコ」で演じたノーマン・ベイツの強烈なイメージが以降のキャリアにつきまとい、ある意味でホラー映画にとらわれた俳優だった。アンソニーは同性愛者でもあったが、妻のベリーはオズグッドら2人の息子にその事実を隠していたそうで、母親のそうした態度が本作の脚本に反映されたと明かしている。パーキンス家の秘密が、映画に暗い影を投げかけたと言えるだろうか。
Descent to Madness
Cage is back in one of his most unique roles. His performance is dialed up to full crazy as he portrays a demonic murderer, more iconically than the clown from It. It’s not just the prosthetics that make him unrecognizable. Stylistically, the film follows the two-decade-long trend of imitating ’70s grindhouse, but its atmosphere is far creepier and more effective than many of its contemporaries.
ニコケイの無駄遣い
大勢の方が"羊たちの沈黙"や"セブン"をイメージして鑑賞したようですが、私も少しそれをイメージしていました
だって、若くて美人なFBI捜査官VS変態連続猟奇殺人者となれば誰でも期待しますって!
オープニング〜前半はイイです
いかにも猟奇殺人感な臭いがプンプン漂って来ます
少し勘のイイと言うか直感力の優れた若くて美人だがコミ症のリー捜査官が参加します
30年前から10件続く一家殺害事件、犯行は父親だが、現場には10件ともロングレックス名義の手紙が置かれているが証拠も無く、接触した気配すら無い
結構ちゃんとしたミステリィで期待値も上がって来ました
TVドラマの"クリミナル・マインド"っぽさも感じました
演出で気になったのは、音響でビビらるという低レベル感がひど過ぎて、ホラーの苦手な私でも逆に恐怖心が無くなります
後半はサタンや聖書だとか魔術臭や宗教臭が濃くなって来て旗色が悪くなったかな
リー捜査官とロングレッグスの対決を期待したが、意外とあっさり終わるのもなー
もう少し冷静なニコラス・ケイジが見たかった
良質なミステリィ・ホラー作品が何故か並で終わったって感じかな
ニコラス・ケイジは良かった。雰囲気も最高でした。
ラストで賛否
1990年代のオレゴン州を舞台に、新人FBI捜査官リー・ハーカーが、父親が家族を殺し自殺するという不可解な連続事件を追う。現場には必ず「Longlegs」という署名の暗号文が残され、やがて事件は彼女自身の過去とも深く結びついていく。不気味な田舎風景や静けさを活かした映像は強烈な不安感を醸し出し、ニコラス・ケイジの怪演がさらに狂気を際立たせている。
一方で、この作品は前半のサスペンス的な緊張感から、後半になると一気にオカルト寄りの解釈へと振れていく。その“毛色の変化”をどう受け止めるかで評価は分かれるだろう。最後のオチを受け入れられない人には厳しいが、むしろそこに魅力を感じる人もいるはずだ。
個人的には『ヘレディタリー/継承』を思わせる部分があり、宗教的な観念を前提とした恐怖が根底にあるため、宗教観の薄い日本では理解しづらいと感じる人も多いかもしれない。それでも、静かな画面からじわじわと広がる不穏さ、説明しすぎない余白、そして観る者の想像を試すラストは確かに印象に残る。ホラーとしての“怖さ”よりも、“不気味さと宗教的狂気の余韻”を味わう作品だと思う。
謎のロングレッグス
う〜ん
なんというか、いや、そうやならんやろって気持ちが大きい作品。
あと、画面が暗い。
画面が暗くてよく観えないってストレスになるんだよね。
事前情報を入れてなかったので、キモいおっさんが出た時「it」とか思い出しちゃってそれ系とか思いながら視聴。
当然、この少女は死んでるだろうなぁとか思ってたりするよね。第一村人はだいたい死ぬってのがホラーの鉄則だったりするし。それにしてもキモい。
後々にこの少女は主人公だと知るのだけど、謎の力を持ってたりとなんだか怪しい。
直感?どころか超能力だよ、あれは。
なんとなく、謎パーツもちらほら。
母親との電話に「なんですぐ出ないの?」なんて執着したワードを使ってみたり、上司の娘の「子供でいて欲しいみたなの」とか。仔牛の足を縛るとか子供らしくないことをいうなぁ。でも意味深である。
十字架の下、家族を殺してる映像もなるほどな〜って思う。
しかし、肝心の「ロングレッグス」がよく分からない。
悪魔信仰してるみたいなことがわかるが、その間何故その事件が「ロングレッグス」の仕業として成り立っていたのか。そもそも、あしながおじさん。なんでそんな名前ついてるの?
唯一生存してた少女も人形の脳(ボール)を壊したら死亡。うぅ〜ん。
ロングレッグスを捕まえたはいいが共犯者が発覚。
まさかの母親。
なんで母親だと思ったのか、リーの記憶の彼方に残った記憶が戻ったのか。
ついに真相を知る。
魂のこもった人形を作るロングレッグスがリーに出会う→リーを守るため母親はシスターになりきり他の家庭へその家の少女に人形を送る→父親による一家惨殺。
その図式が本当に分からない。
ロングレッグスはいつから何のために人形を作ってたのか、なぜたまたま母親が運び役に選ばれたのか。
惨殺するのは何故父親なのか。
何故誕生日プレゼントだったのか、頭に入ってたのは心?
地下にいる男とはロングレッグスのことだろうけど、まだいたのかな?サタン的な。
結局、2人ともサタン万歳でお亡くなりになるので、母親は元々だったのかロングレッグスのせいなのか悪魔崇拝者だったという事実もよく分からずモヤっとする。
最後、上司の娘の誕生日に向かうが時すでに遅くぼんやりと人形によりそう娘、キッチンで起こる惨劇、動じず再び人気の側に座る娘。
母親を撃つリー。
「ロングレッグス」という謎の怪物のような殺人鬼を連想するワードでかなり期待したのだが、あまり恐怖の象徴として扱われる事なく、むしろリーの謎の力の方が不思議でわからん!って気になっていろいろ頭に入ってこなかった。途中から、その能力使ったっけ?
曲はとても良かった。
悪魔崇拝者のロングレッグスが特級呪物の呪い人形を作って娘の命を守るために代わりに他の少女へと母親が送り込み悪魔崇拝者になる。そして娘に執着し続ける。
そんな話でOK?
そんな彼らが亡きいま、街に平和が残ったのかしら。
本当にあっさり死にすぎ問題のせいで、嫌なモヤモヤが残る作品。
ニコラスケイジどこ?
大好物です。
あくまおじさん
全米ではスマッシュヒット&高評価。日本ではどちらも不発。
こういう事ってよくあり、明暗の違いの理由も幾つかある。
文化や価値観の違い、期待していたものと違うトリッキーな作風。
本作はそのいずれにも当てはまった気がした。
いきなりネタバレしてしまうが、事件の真相に悪魔崇拝が関わる。やはりこれが日本人にはちとピンと来ない。
洋画で度々悪魔に取り憑かれた少女とか悪魔の恐ろしさは目にしているが、それが真に私たち日本人や日本の心底に根付くものには捉え難く、何処か別の国の価値観や考えに感じる。神も悪魔も宗教の類いも欧米その他の思想なのだ。
悪魔が欧米その他のDNAに組み込まれた恐怖なら、日本人のDNAに組み込まれた恐怖は呪いや怨念や因習なのだ。
作品自体がちょっと期待していたものと違う…というのも分からなくもない。
1990年代のオレゴン州。父親が家族を殺しその後に自殺する…という不可解な事件が過去30年の間に10件も発生。
FBI新人捜査官のリーは、並外れた直感力や分析力で事件解決した事からこの事件を任される。数少ない証拠や謎めいた暗号文から犯人と思われる“ロングレッグス”を突き止め…。
90年代、FBI捜査官、連続殺人鬼…。『羊たちの沈黙』や『セブン』などサイコ・スリラー全盛期のあの頃の作風を彷彿。スリリングで、凄惨で、見てはいけない人の心の暗部を見てしまったような衝撃…。
本作もそれらに期待したかった所だが、ダークさやスリリングさは充分だが、見るものを引き込むミステリー要素が弱かった。
被害娘たちの誕生日を合わせると逆三角形になるとか、犯人のアルゴリズムとか、あの人形とか、よく分からん…。
それより本作が重点を置いたのは、人の心の暗部。事件にリーの過去が関与する。
不穏さや異様な雰囲気に溢れ、何と言うか人の精神を逆撫でするような薄気味悪さや恐ろしさは肌に纏わり付くが、話の面白さまでには結び付かなかった。
全米での評判の一つに、ニコラス・ケイジの怪演。
特殊メイクを施して一瞬本人と分からないニコケイは、本来の演技技巧者としての実力と一時期の怪優としての両面が活かされたインパクト。これだけでも一見の価値あり。
ニコケイ演じる“ロングレッグス”が犯人なのか…?
不気味でイカれた奴だが、彼による殺人シーンは無い。
謎めき意味深な言動の数々…。
ロングレッグス=足ながおじさんは薄幸の少女を導く存在。
本作でも陰を抱えるヒロインを誘う。衝撃と恐怖の底へ…。
思わぬ真犯人。従わざるを得ない状況だったとは言え、そうなってしまったのは自分の弱さ、愚かさでもある。
ヨハネ黙示録の引用、「?」に感じた台詞やエピソード、過去の記憶など、終盤繋がっていく様は悪くない。
マイカ・モンローも複雑な役所を熱演。彼女が魅力的だったから何とか最後まで見れた。
ところでモンロー演じるリーの開幕事件で見せた直感力の要因は何だったんだろう…?
なので最初はスーパーナチュラル系のスリラーかと思ったが、猟奇殺人事件の傍ら人の心の暗部を覗き見、悪魔崇拝が真相。
つまらなくはなかったが、どう捉えていいかちょっと分かり難くもあった。
予告編が気になって鑑賞しました
あ〜くまのちから身につけた〜
あの金属玉は何だ?
何で知らないご家族に人形を送り付けたら、一家惨殺の事態になるんだ?
悪魔崇拝は分かるがオカルトな話だから、マインドコントロールとか説明してくれるのかと思ったけど、ホントに超常的な力みたいだし…。
ロングレックスって名前の猟奇殺人鬼が暴れる内容かと思ってたら違った。
またぞろニコラス・ケイジは奇っ怪な役だが難なくこなしているのでトラブルばかり起きる俳優だけどやはり凄い俳優だ。
リー捜査官も固い表情だが神経の参る事件を担当しているからまぁ当然だ。演ずるマイカモンローは整った美人だが如何せんひ弱い印象を感じる。
リー捜査官の母親も浮世離れした雰囲気を漂わせて胡散臭い。
と、キャスティングは整い、雰囲気あるなと思いながら見始めると、事件の暗号や符号を結構簡単に読み解いてしまう。少し観客に分かりやすければ入り込めたかもしれない。
ただ1970年代の時代背景から科学的捜査は見られず、捜査官たちの行動も事実の確認が出来ない感じだし、昔の捜査で冤罪とか簡単に出来そうな気もする。
最近絶好調なニコラス・ケイジ氏
ホラーって言われると「・・・。」だが、サイコスリラーとしては中々スリリングである。何と言ってもニコラス・ケイジがロングレックスを演じているのである。これは観ない訳にはいかない。実際のところ登場シーンはわずか数分。それでも誰よりも印象に残るのは、明らかにおかしいその佇まいである。大作映画に多く出たかと思いきやメジャー業界から身を引き、B級路線まっしぐらに進んでいたが、ここ最近の活躍ぶりはやや嬉しいものがある。
FBIと連続殺人犯の戦いとなると、宣伝文句に使われている「羊たちの沈黙」や、「セブン」がちらつくが、それをイメージしてみるとどうだろうか。やや軍配は過去作の方に上がるのでは無いか。
主人公がエスパーという設定は非常に斬新であり、実は同じ能力をもつロングレックスとの頭脳戦、攻防戦が繰り広げられるのかと期待に胸が弾むのだが、意外に後半にくるっと方向転換し、一瞬置き去りになるのではとさえ思ってしまう展開になる。ここまで来て緻密な捜査と自身の能力を屈指して追い詰めてきたロングレックスをこういう形で失うとは。登場人物も観客も何ともいえぬ喪失感に襲われる。
ハリウッド製のホラーは描写が激しく、要らんシーンもあったりする、"B級テイスト"が売りかも知れないが、静かでもじわりじわりと追ったり追いかけたりの描写と、主人公含む周辺の人物描写も分かりやすい上に丁寧であり、世界観にどっぷり浸れるタイプのサイコスリラーである。その辺は確かに「羊たちの沈黙」等の名作と似ている部分があるかも知れない。引き込まれたからこそ、後半にやって来る怒涛の展開には驚きを隠せず、人によっては良い方に転ぶだろうし、最後にがっかりするタイプの人も居るだろう。それを含めてこの世界観に観客を没入させる手腕には拍手を送りたい。
どうしてそうなるのか。
朝の情報番組で、アメリカで話題沸騰!かの羊たちの沈黙を超える怖さ!あのニコラス・ケイジ主演でサイコキラー!
誰だってそそられるじゃないですか。あのニコラスさんですよ?
この作品の前に主演した映画よりも高評価だったけど、レビューの蓋を開けたら…
意味深な事件と犯人の記憶は確かに羊たちの沈黙っぽい気はするが、中身は似て非なるもの。いや、宗教は同じか?
全編通して、残り30分までが長い。主人公が特殊能力者並みに発揮して解いていく。
薄々と出ていたけども、主人公の母親が宗教家です。ロングレッグス(ニコラスさん)に襲われた時に、娘だけは助けてと望んでから共犯者になります。次第に闇に飲まれる母親は心酔していきます。これは娘のためだからやってもいいことなのだと。
んなわけあるかい。
ロングレッグスは取調室で自殺を図ります。死んだかはわからないです。
何よりもわからないのは彼の動機。レクターとは違うのです。幼女だった主人公に惚れたとかなら分かりやすいかもしれませんが、一家惨殺に至る経緯。
一時間40分ちょいある作品ですが、羊たちの沈黙より軽く、中身の脚本も軽いです。
カルトを出されようが、闇魔術を出されようが、宗教を出されようが。
圧倒的にニコラスだったことしかわからないのです。脚本を食ってしまっている…
サタン、ばんざい!
…んなわけあるかいっ!
ニコラスさんが好きな人ならきっと、これ、ニコラスさんじゃなくてもよかったんじゃあ…となることでしょう。わたしは主演を知らなかったら鑑賞してません。もはや、この時点で、多分制作側の勝ちなのかもしれません。
カルト×宗教×ニコラス・ケイジ
そそられちゃいますよね。
ロングレッグスの過去が知りたい
全201件中、1~20件目を表示















