劇場公開日 2025年2月7日

野生の島のロズのレビュー・感想・評価

全191件中、121~140件目を表示

5.0ロボットの親と孤独なヒナの心の物語

2025年2月9日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

幸せ

ユニバーサルダイナミクス社製のAIロボット「ロッザム7134」
彼女は事故によって漂着した無人島で起動し自らに任務を与えるはずの人間を探し回るが、目にするのはロボットを見て逃げ惑う野生動物ばかり。そんな中偶然にもガンの卵を発見し、その卵が孵化してロッザムを親と認識してしまい――

ドリームワークスがピーター・ブラウンの児童文学『野生のロボット』(2016年)をアニメーション映画化。
人工知能のAIロボットと野生動物溢れる大自然、という相容れないものの関係性が徐々に変化していく過程がおもしろい。
そしてロズはガンのヒナと触れ合い、ヒナの面倒を見る内に自らに起こる予期しない変化に気づく。

子育て、という親にとって一番難解な課題をプログラムでしか動かないAIロボットが懸命に対処し、またロボットの親を持つ変わったヒナと周囲から奇異の目で見られるキラリの繊細で複雑な心理をよく描いている。
小さなお子さんと我が子を懸命に育てる親御さんに特に見て欲しい素晴らしい作品です。
(もちろんそれ以外の方の胸にも響く普遍的な良作です)

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映画ファンさすせそ

4.0機械のピュアさ

2025年2月9日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

幸せ

「機械」というと、融通が利かないとか冷たいとかそういうイメージでしょうか。でも本来、機械というのは人間がある目的のために、その目的の遂行のためだけに、雑念とかそういうのがなく動けるよう、ある意味純粋さを託したものだと思うんです。
ロズは与えられた仕事をこなす、そのためだけに動いていて、その純粋さに心を打たれるんだと思います。つまづきながらも困難を克服していく姿には、同情などではなく、畏怖や憧憬をもって感動してしまいます。
日ごろから人間は機械に学ぶところが多いと思ってます。SFもので架空の存在ではありますが、ロズを見習おうと思います。

映画としてはとにかく絵がキレイ!
おおざっぱな設定やキャラクター性はハリウッドらしい感じでしょうか。

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うら

2.5う〜ん、イマイチ泣けない

2025年2月9日
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自然の厳しさを伝えたいのか、動物達が食べられたり死んだりする描写があり、小さな子供にはショックかもしれません。PG12でもいいかも。
その割にはロズの周りの動物は死なずに、ご都合主義な展開が最後まで続きます。

ロズ自身の描写が不足しているため、観客が脳内補完しないと心情の変化について理解しにくい面があり、AIや機械の知識が薄い小学生には少し難しい内容かと思いました。
中途半端にロズに人間性を持たせるくらいなら、ベイマックスのようにコンピュータとして最後まで振る舞いながら無償の愛を表現した方がよほど良かったと思います。
泣けるかと思ったら全然泣けませんでした。
同じ系統のベイマックスの方が余程泣けます。

手塚治虫も苦労した食べる食べられる描写の動物漫画パラドックスはこのアニメでも解決できていませんでした。
他の動物達との交流や島の動物コミニュティを描くと、パラドックスにぶち当たるので、ロズは鳥だけと交流が出来る設定にして、他の動物達は全て敵として描いた方が物語の流れがスッキリしたのではないかと感じました。
ポリコレ的なみんな仲良く生活しましょう描写はとても嘘臭く感じます。
そしてこの映画冒頭で弱肉強食の殺伐とした殺し合いを描いた後に、食について解決策の提示なくしてお花畑のポリコレを持ち出されても説得力や納得感はあまりないです。

映像はとても綺麗です。
声優にタレントを使うのは本当にやめてほしいです。
あとエンドロールは最後まで観ましょう。
エンドロールが流れると、競争でもしてるかのように出ていく方が必ずいるのですが、トイレでも我慢してるのでしょうか。
この映画でもオマケ動画があるので最後まで観る事をお勧めします。

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れんげ

5.0パフォーマンス10

2025年2月9日
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鑑賞方法:映画館

期待どおりの魅力がぎっしり詰まったエンタメ・アニメに大満足でした。色々な要素が沢山あって詳しく考察しようと思ったらそこそこ時間がかかるので、感じたままに3つくらい書いてみます。まずは、映像の美しさとテンポのよさですね。CGによるリアリティの追求より印象派の絵画のような表現を選択したとプロダクション・ノートにありましたが、まさにそこが実写ではないアニメの可能性であることを再認識しました。島の風景や主役でもあるロズ(ROZZUM 7134)の造形は宮崎駿作品からもインスピレーションを受けたとありましたが、あらゆるシーンが絵ハガキのように美しく、温もりが感じられました。次は、ロボットが心を持つのかという今日的なテーマへのアプローチがとても興味深いところでした。AIロボット同士の対話を見たことがありますが、それぞれが学習してきた経験値の違いによるものかわかりませんが、保守とリベラルのような意見の対立がみられ、明らかに感情的になっているように見えて驚きました。それを心と呼ぶのか、そもそも人間の心でさえ、単なる脳内における物質の化学反応であって、AIロボットとの本質的違いはないのかもしれない、という未知の分野が巧く物語にはまっていて感動的でした。3つ目は、物語に秘められたメッセージの部分です。シンボリックなあるシーンでノアの箱舟を想起しましたが、「親切こそが生き抜く力になる」というような台詞もあり、無秩序的に対立する世界情勢への製作者たちの祈りのような思いに共感しました。他にも魅力は尽きませんが、ドリームワークス・アニメーション30周年に相応しい名作だと思いました。

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赤ヒゲ

4.0ロズを心から応援したくなる!

2025年2月9日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

幸せ

予告を観てすぐに鑑賞を決め、公開を待っていた本作。初日は時間の都合が合わず、公開2回目に鑑賞してきました。休日の昼間とあって客入りは上々、初日のレビュー評価も上々で、今後のヒットが期待できそうです。

ストーリーは、輸送中に嵐に見舞われ、無人島に流れ着いて起動した最新型アシストロボットのロズが、島に暮らす動物たちから行動や言語を学んでいたある日、たまたま見つけた雁の卵から孵化したひな鳥に「キラリ」と名付け、無事に渡りの日を迎えられるようにすることをミッションと捉え、子育てに奮闘する日々の中で、しだいにプログラムを超えた変化が現れてくるというもの。

率直に言ってメッチャよかったです。前半は、偶然出会った雁のひなを渡りができるまでに育て上げるロズの姿に心を打たれます。島の中で異質な存在のロズが、動物たちから怪物扱いされようとも、なんとかうちとけようと奮闘する姿やキラリと名付けたひな鳥の世話を懸命に続ける姿に、熱いものがこみ上げてきます。圧巻なのは、最終ミッションと位置付けた飛行訓練。渡りの日が迫る中、キラリと二人三脚で励む様子が涙を誘います。それを息を飲むような映像美で見せる渡りのシーンは、ロズとキラリの心情と相まって本当にすばらしいです。

後半は、ボッチとなったロズが島の仲間と団結する姿が描かれ、こちらもまた熱いものを感じます。ロズの背景としては情報不足でわからない部分も多いのですが、キラリ、チャッカリー、他の動物たちとの交流を通して、ロズが心を手に入れていく様子が沁みます。吹替版で観たのですが、綾瀬はるかさんのやわらかな声もキャラにマッチしていて、しだいに人間らしさだけでなく、母性まで感じさせる演技に、心が温かくなります。

前半だけでも一つの作品として十分に成立する内容なのですが、後半にロズ自身の物語を描き、作品の奥行きを増し、見応えのある作品に仕上げています。ロズやキラリはもちろん、チャッカリーの変容も爽やかに描いています。また、他の動物たちの相互理解と協力の姿も描き、分断が加速する現実の世界に警鐘を鳴らすかのようです。

ロボットと動物の交流を、子どもにはわかりやすく、大人にとっても見応えのある、美しい映像と感動的なストーリーで描く本作。ぜひ多くの親子に鑑賞してほしいと思います。おすすめです。

吹替版キャストは、綾瀬はるかさん、柄本佑さん、鈴木福さん、いとうまい子さん、千葉繁さん、種崎敦美さんら。声優さん以外はご本人の顔がチラつく面もありますが、全体的には悪くなかったと思います。

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おじゃる

4.0全人類におすすめ

2025年2月9日
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2025年4本目『野生の島のロズ』
大傑作。話はベタだけど、アニメーションの美しさに何度も息を呑んだ。これはもう見てとしか言えない!全人類におすすめできる映画。『インサイド・ヘッド2』を個人的に偏愛しているけれど、アニメーション"賞"はこの作品しかありえない

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Jongo

4.025-019

2025年2月9日
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鑑賞方法:映画館

親が子に与えるもの、
子から親が受け取るもの、
ロボットのプログラムにはない。

ロボットには理解できないんだろうなぁ、
と思ってたんです。

心を理解することは素晴らしいこと。
愛を知ることは美しいこと。

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佐阪航

4.5親子で見る映画としては満点です。

2025年2月9日
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鑑賞方法:映画館

予告編が面白そうなのと第97回アカデミー賞にいくつもノミネートされているとの事で鑑賞。
無人島で目覚めた最新型アシストロボットが様々な経験を得て愛情を覚えつつ冒険を続け自然と共存を考えるストーリーです。
予告編では自然を破壊し動物達を迫害する悪党ロボット達との戦いが露骨に描かれていましたが、実際は共存共栄の為に妥協も重要という脚本が現実社会をかなり意識してるのが理解できます。吹き替え版を見ましたが綾瀬はるかがロズにピッタリで感心しました。
家族で見る映画としては満点です。お子さんとぜひ一緒に見てください。

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Yoji

2.5予告編PVで見せすぎ。

2025年2月9日
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鑑賞方法:映画館

いや、面白いですよ。

ホントに。

設定といい、ストーリーといい。

予告編を映画館で見せられてさえいなきゃ。。。

ラスト付近のクライマックスまでは予告でださんといて欲しかった。。。

それがなきゃ随分評価は変わったのに残念。

例えばベイマックスの日本公開前のプロモーションでは、あんな後半のスリリングなバトルアクションな展開なんか想像もつかないようなほのぼのした予告映像しか流れておらず、見事に予想を超えてきたので鑑賞前後の作品の印象がガラリと変わった。いい意味で。
(米国では逆に後半パートに寄せた真逆のプロモーションだったらしい。)

アレが予告編の正解例だと思う。

配給会社もいかに映画館に足を運んでもらうかギリギリのところを狙ってPRしてるんでしょうが、もうちょい考えて作ってほしい。

ホントに劇場に来てくれた観客の琴線に触れさせたら、今の時代、ネットの口コミでいくらでもハネるんだから。

今回のは明らかに失敗。

ジークアクスの予告を見習え。

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ヒビノミライ

4.0映画二本分楽しめる

2025年2月9日
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結論、良い作品。
家族に限らず、いろいろな立場で解釈できる。

物語としては、かなり「定番」の部類だと言っていいだろう。
製品としてプログラムされたロボットが、人間や動物といったキャラクター達と心を通わせ、最後は…というあのパターン。

前半はガンのキラリが旅立つまで、後半はロズが自身のアイデンティティを見つけるまでという構成なんだけど、前半で作品一本分のドラマを見せておいて、後半でさらなる大スペクタクルが待っている。
お話は定番の部類と書いたが、ここで描かれる「与える」と「もらう」のバランスが絶妙で、もちろん家族の親と子の話にも見えるし、社会的弱者や外からやってきた他者がそのコミュニティの中で自分の居場所を見つける話でもある。

動物界には「狩る」「狩られる」が、人間界にも宗教や民族同士などの対立があり、簡単に同じ屋根の下で暮らすなんてできない。
「でも、そこに秩序もルールもなくなったら、いつの日か皆が全滅する未来しかないよね。」
っていうメッセージは、社会への警告であると同時に、過去からある動物モノのストーリーにも一つの解答を提示している様にも見える。

その意味では、冒頭にピンクシッポとの話のちょっとしたすき間に「生と死」を織り込むなど、現実に向き合ってるのも好感が持てる。

ホントならもう少し★を高く付けたいんだけど、この声のキャストが私にはあまりピンと来なかった、というか、事前に声優をタレントが担当してるとは知らなかったのに、登場して一声で「あ、綾瀬はるかじゃん」「柄本明の息子じゃん(ごめんなさい。ご兄弟の名前がどちらか判然としなくて)」「福くんじゃん」と、俳優の顔が頭に浮かんでしまって、前半はフワフワした感じで眺めてた。
でもその辺は徐々に気にならなくなるし、キラリの旅立ちではちゃんと泣ける。

ただ、このロズは「どうなったら(ロボットとして)死ぬのか」がちゃんと提示されないので、眠ったのか電源が落ちたのかバッテリーが切れたのか壊れたのか、それともこれで死んだのか、観ながら心の持って行き場をどうすればいいのかよく分からないってのはあったかな。

とは言え、映画として良くできているし、「画」にもすごくこだわったシーンが多いのも魅力。音楽もいい。

パンフレットも、作品の「画」としての素晴らしさをちゃんと残してくれてて、解説やインタビューも充実。この映画が好きな方なら満足できる内容だと思う。

春休みまでに是非劇場でご覧頂きたい。

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キレンジャー

4.0野生の島にロボット

2025年2月9日
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鑑賞方法:映画館

知的

幸せ

感情を持たないはずのロボットが雛を育てることで感情を持つ。雛との出会いは犠牲を伴っており、人間では罪悪感に苛まされそう。科学と自然とが要素にうまく取り込まれ感動できる。

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ショカタロウ

3.5予告編見たことなければ★4、見たことあれば★3.5

2025年2月9日
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作品としての出来は素晴らしいです。さすがディ●ニーとは違いますね。ただ、予告編で壮大なネタバレを食らっているのと、作品の素晴らしさと面白さは別であることを考えると★3.5に落ち着きました。
予告編はなんとかしてほしかった。映画行くたびに見せられるものだから不可抗力ですよ。あれのせいで、だいたいの展開が読めてしまう感じ。

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PINO

4.0なんで雁なんだろうって思ったんだけど、 ミッションを与えられてなる...

2025年2月9日
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鑑賞方法:映画館

なんで雁なんだろうって思ったんだけど、
ミッションを与えられてなるほどね。ウサギやクマでは成り立たないのかも
涙涙と聞いて泣くもんかと思ったけど、なんか勝手に涙が流れてた。
ストーリーの先読みしなければおもしろい。
言い換えたら思った通りの物語。
ロズ、ボロボロになりながらも結構長持ちしたね。苔が生えたり、足が木になったりして可愛かった。
ロボットって性別ないと思ってたけどなんで女なんやろ?ママって言葉を引き出したいから?

小さい子が多かったな。みんな大人しく見ててエラ〜い。

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花

4.5アニメなんです!

2025年2月9日
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後半は涙がずっとウルってました!吹替ですが鈴木福くんがお上手ですわ!説明できないがずっとプチ感動動物達がいっぱい出てて癒されました!エンドロール後のお楽しみも有りました

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Kayo

4.0キャラクターと映像美が最高

2025年2月9日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

楽しい

ストーリーはありきたりで誰でもある程度予想出来る展開なのだがキャラクターと映像は素晴らしい。感受性の高い時期のお子さんと一緒に観るのがオススメ。
泣けますよ。是非劇場で。

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よう

4.5 AIを存分に所有、駆使できる企業や国が覇権をにぎる時代を目前にして、この作品の何と暗示的なことでしょうか。

2025年2月9日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

幸せ

 アメリカの作家ピーター・ブラウンによる児童文学「野生のロボット」シリーズを原作に、野生の島で起動した最新型ロボットが感情がないはずなのに心が宿るという王道の展開です。
 でも、設定を少しひねれば物語はいかようにも広がっていきます。「シュレック」や 「ボス・ペイビー」を手がけたドリームワークスの最新作は、人間をサポートするために作られた最新のロボットが、無人島で「子育て」に奮闘する様子を描く長編アニメ映画です。

●ストーリー
 嵐の影響で、ユニバーサル・ダイナミクス社の輸送機がロッザムロボットを失い、ロボットは大自然に覆われた無人島に流れ着きます。ロボットの中で唯一生き残ったロッサム7134、通称「ロズ」(声・綾瀬はるか)は、野生動物によって偶然にも起動ボタンを押されて起動します。
 都市生活に合わせてプログラミングされたロズは、野生の島では動物たちを怖がらせるばかりで全く機能できませんでした。それでもロズは学習機能を駆使して野生動物たちと意思疎通できるようになりますが、疎まれてしまうのです。助けを必要とする存在を見つけられないロズは、製造工場に帰ろうと救助信号を送ります。しかし雷に打たれ、動物たちに襲撃されてしまいます。凶暴なクマのソーン(声・田中美央)から逃げる途中、誤って雁の巣を潰してしまい、一つの卵が残ります。ロズはその卵を空腹のキツネのチャッカリ(声・柄本佑)から守るのです。卵から孵った雛に「ママ」と呼ばれたことで、ロズに思いもよらなかった変化の兆しが現れます。
 多くの子を持つオポッサムのピンクシッポ(声・いとうまい子)から助言を受けたロズは、雛が冬の渡りに備えて飛べるようになるまで世話をすることを決意し、雛に「キラリ」(声・鈴木福、濱﨑司(幼少期))と名付けるのです。チャッカリもロズと共に暮らすようになり、ロズの住処作りを手伝うことになります。キラリは成長するにつれ泳ぎを覚えますが、他の雁たちにからからかわれます。やがて、ロズがキラリの家族を死なせた原因であることを知ったキラリは怒り、ロズと仲違いして飛び去るのでした。
 島に残ったロズの優しさに触れ、怪物として彼女を拒絶していた動物たちも、次第に島の“家族”として受け入れていきます。
 動物たちと共に厳しい冬を越えた頃、回収ロボットが彼女を探しにやってきます。果たして、築いてきた動物たちとの絆から引き裂かれようとするロズの運命は?島の存亡をかけたロズと動物たちの戦いが、いま始まろうとしていました。

●解説
 ロズはひな鳥に「キラリ」と名付け、飛んだり泳いだりと、渡り鳥には欠かせないスキルを手探りで教えていきます。プログラミングが通用しない環境で悪戦苦闘するうち、想像もしなかった喜びに出会うのです。ロズに感情が芽生えていく過程は、同じような経験を思い起こして共感する人も多いことでしょう。
 監督は、老練クリス・サンダース。趣向の数々がみごとに決まっています。特にロズの造型が面白いのです。シンプルなスタイルですが、実に表情豊かです。目や胴の放つ光彩や身振りをうまく使っていると思います。
 雁の雛がかえって、初めて目にしたロズに 「ママ」というところなど心憎いかぎりです。この瞬間、なんとロズに「母性」が芽生えたのでした。機械であるロボットにあり得ない展開なのに、AIの学習機能の結果、そんな突然変異が起こり得るのかもしれないと思わせる展開が巧みです。
 ロズは、チャッカリなどの協力を得て、キラリを立派な渡り鳥に育て上げるのですが、そのくだりも華麗に見せてくれます。キラリが交流することになる雁の大群は3万羽近く、ロズが遭遇する蝶の群舞は8万頭が登場して、その映像美に圧倒されました。
 季節の移り変わりとともに進む物語は絵画のように美しいシーンの連続。手描きで表現された自然豊かな島の背景には、CGだけでは出せない温かみと深みがあったのです。サンダース監督は、いわばアニメ技法のありったけを披露してくれました。

 物語は後半、がらりと様相を変えます。ロズの体内の回収装置が始動して、大都会の本部がロズの回収にかかるのです。前半の動物たちの家族愛、共生、多様性といった温もりに人間が水を差し、戦いが始まります。
 私たちはいま、AIを存分に所有、駆使できる企業や国が覇権をにぎる時代を目前にしています。この作品の何と暗示的なことでしょうか。

 日本語吹き替え版では綾瀬はるかがロズの声を務めています。序盤の機械音声のような口調に、徐々に人間らしい感情がにじむ様子を繊細に表現していました。

 日本語吹き替え版では綾瀬はるかがロズの声を務めています。序盤の機械音声のような口調に、徐々に人間らしい感情がにじむ様子を繊細に表現していました。

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流山の小地蔵

5.0まじめ優しいロズに感動

2025年2月9日
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鑑賞方法:映画館

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単純

幸せ

動物だけの島に流れ着いた最新型ロボットと動物たちの交流を描いたドリームワークス・アニメーションによるアニメ映画。

驚かされるのは、全編に亘る美しいアニメーションだ。波濤や鳥達の群れ、季節により描かれる島の大自然の描写に圧倒。開始後すぐに、観客も島の住人になれるのだ。また、キャラクターデザインも好感。とくにお手伝いロボットとして開発されたロズのデザインと各機能の詳細はよく練り込まれていると感心。

ストーリーは、正直言うと予告編から大体の想定は出来るが、ひな鳥「きらり」の巣立ちにロボットとして試行錯誤する不器用なロズをこちらも優しく見守ってしまった。背景設定は割と大人目線で考えさせられる点が二つあった。一つは多品種少量動物たちで構成された島、もう一つは詳細は割愛するが、渡り鳥達から見た島以外の世界だ。

さて、私は吹替え版を観たのだが、綾瀬はるかロズはばっちりハマっていて、まじめ優しいお手伝いロボットの声として聴き心地が良かった。最高水準の美しいアニメと随所で盛り上げてくれる音楽、安心して観られる良質な作品でした。今度はIMAXの字幕版を観てみよう。

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ihatakaeight

4.0綾瀬はるかにジワる…

2025年2月8日
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違和感しか無かった綾瀬はるかが後半に向かう毎にハマっていくのが意外でした。
まぁあれだけのロボットが動物の種類如き認識出来ないのはかなりおかしかった?けど(爆)

綾瀬はるかが『義母と娘のブルース』の亜希子に近いのが気になりましたよね。
やっぱり声優と言うプロに任せた方が吉だとは思います。
突っ込み処多いけど子供向け?って思えば許せる作品だと。
ただ時期的に子供さんを呼び込むには…?

日本ではそんなにヒットしないだろうね。

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REGZA521

3.5このロズの優しさが微妙

2025年2月8日
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鑑賞方法:映画館

単純

野生の島のロズ

ロズは何故こんなにも優しくできるのか?
これを無償の奉仕と言うのであろうか、と考えて見た。
これを母性の愛と啓蒙しているのかと勘ぐりたくもなる。

でも、このロボットが提供しているサービスにはとんでもない技術と費用が要されていて、無償の奉仕や母性愛などと言ってられない費用を計算してしまう。

損傷しないボディー
無尽蔵エネルギー
環境観測能力に対応ボディー
遠隔操作可能小型ロボット搭載
環境即応自己処理生成AGI搭載ロボット
つまり不老不死の人間を超えたロボットなのだ。
その他色々…
これは、可愛いではなく、金喰い怪物ですね。

こう見て来ると優秀なスパイ兵器でもあると思える。

こんなロボットを作った組織はとんでも無く怪しい?

そして、このロボットが奉仕すべく購入する者は動物ではない何者だろ?

人間?侵略してきた高度文明の宇宙人?
もし、人類としたらかなりの超富裕層だろうなぁ

こうして、小島の野生動物と最先端文明を比較してみると残酷な作品に見えてしまう。

さらに、奴隷時代に置き換えるとロボットが奴隷にも見えて来る。

やはりこの辺は西洋文化アニメの限界かも知れない。

こう見ると児童文学書から随分とかけ離れた文明批判のアニメとなってしまった。

オッサンがファンタジー観たらダメですね。

(o^^o)

野生の島のロズ
劇場公開日:2025年2月7日 102分

アメリカの作家ピーター・ブラウンによる児童文学「野生のロボット」シリーズを原作に、
野生の島で起動した最新型ロボットが愛情の芽生えをきっかけに運命の冒険へと導かれていく姿を描いた、
ドリームワークス・アニメーションによる長編アニメ映画。

大自然に覆われた無人島に流れ着き、偶然にも起動ボタンを押されて目を覚ました最新型アシストロボットのロズ。

都市生活に合わせてプログラミングされた彼女は野生の島では全く機能せず、動物たちの行動や言葉を学習しながら未知の世界に順応していく。

そんなある日、雁の卵を見つけて孵化させたロズは、ひな鳥から「ママ」と呼ばれたことで、思いもよらなかった変化の兆しが現れる。
ひな鳥に「キラリ」と名付けたロズは、動物たちにサポートしてもらいながら子育てに奮闘するが……。

監督は「リロ&スティッチ」「ヒックとドラゴン」のクリス・サンダース。
「ブラックパンサー」シリーズのルピタ・ニョンゴが主人公のロボット・ロズの声優を務め、
ペドロ・パスカル、キャサリン・オハラ、ビル・ナイ、キット・コナー、ステファニー・スーが声の出演。

日本語吹き替え版はロズ役を綾瀬はるかが担当し、
柄本佑、鈴木福、いとうまい子らも吹き替え声優として参加した。

第97回アカデミー賞では長編アニメーション賞のほか、作曲賞、音響賞の3部門にノミネートされた。

野生の島のロズ
劇場公開日:2025年2月7日 102分

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カール@山口三

4.0私は野生のロボット

2025年2月8日
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人間の為に作られたお手伝いロボットが人間のいない無人島で動物達と成長していく物語。
ロボットに育てられた小鳥と命令も目的もない島でロボットがどうしていくのかって斬新さはあったけど、後半もう少し盛り上がって欲しかったなってのが個人的な感想(^^)

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ぐっち