野生の島のロズのレビュー・感想・評価
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生態学を知らな過ぎる映画
本作は、DreamWorks制作のお子様向けのファンタジーなので、堅苦しい批判は相応しくないのは自覚している。ただ序盤から設定の不備と、本作の動物描写が招きうる生態学的な誤解は誰かが指摘しておくべきである。
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1. 高性能なのに人と動物を区別できない?
序盤、ロズは顧客探しに奔走するが、ロズが人間の生活をアシストする為に開発されているなら、相手がヒトかそれ以外の生物かくらい認識するのは最低限の機能。都市部では野生の島ほど野生動物に遭遇しにくとしても、リスやハヤブサが生息する事を自慢するNYで、リスに話しかけてるようじゃ仕事は進まない。なのでロズが、ドラえもんのような出来損ないなハズレ個体というなら別だが、優秀な最先端機器という触れ込みには矛盾を感じる。
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2. 野生動物の言葉を短期間に学べ過ぎ
そもそも野生動物に言語があるのか? 無論、鳥やクジラのように音声コミュニケーションする種は実在する。音声じゃないが、ミツバチの8の字ダンスの事例もある。ただ、ヒト程複雑な概念を認識していたり議論できたりするのかは疑問である。仮に、AI技術が進めば映画同様短時間で野生動物の「言葉」を学習できるようになるかもしれないが、では何故標準装備されていない。ヒトの生活を助ける最先端ロボットなら、愛玩動物の犬猫、家畜の牛・山羊・鶏や、人里にも居るリス・熊などの「言語」は予め学習して標準装備しておくべきな気がする。ただ現実世界で、動物と話せるAIなど存在しない。犬や馬がヒトの意志を忖度して行動する例はあるが(ハンスの馬)、研究が進んでいるチンパンジーの「言語」する完全に理解されている訳では無い。
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3. 異種の野生動物どうしが話すなんてもっとあり得ない
ヒト程賢い生物ですら、ヒト以外の生物と流暢に会話できないのに、犬と猫が、アカギツネイ(チャッカリ, Fink)とカナダガン(キラリ, Brightbill)が、何の道具の助けも借りずに話せるなんて思わない方がいい。
特に、食う食われるの関係で、異種間コミニュケーションが共進化するのは難しい。被食者は逃げる為に捕食者の意図を必死で読み取ろうとしたとしても、捕食者は餌に意図を読み取られない方が餌を捕まえやすいので、餌に自分の意図を伝えるシグナルは進化し難い。
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4. 食物連鎖は「悪」の連鎖ではない
本作は、寒すぎる厳冬が訪れた際に、島の動物が暖をとれる場所に集まり、食う食われるの関係を保留する事を「平和」と呼ぶが、捕食被食関係を「悪」と捉えるのは無理がある。動物を殺して食べる事自体を悪という人は、今から菜食主義になるべきなのか? ただ、菜食主義者も植物を傷つけたり殺したりして食べている。植物は葉を齧られると、他の葉や周辺の植物等にその情報を伝え、植食者に備えている事はよく知られている。なので、生物学に詳しくなればなるほど、誰も傷つけずに食べる事なんてできないと自覚できるだろう。
光合成などを通じて、自身で有機物を生産する生物や、多種の排泄物を利用する分解者、他種のエネルギーを横取りする寄生者以外は、他種を食べて生きていくしかない。それを悪い事の様に捉える考え方の方が歪んでいるし、一種の精神疾患ですらあるかもしれない。少なくとも進化生態学的には、非適応的(maladaptive)な事は間違いない。
ロボット✖️自然の組合せで「設定」を超える
遅ればせながら、予告編が楽しそうな物語だったなぁと思い出して鑑賞。
そこまで期待してなかったこともあり、結果ボロ泣きでした。
自然の弱肉強食の世界と、ロボットがいるハイテクノロジーな世界が組み合わさっていますが、難しくなく、楽しく温かく見られます。
たくさんの動物が出てきて画面がわちゃわちゃして可愛かったし、クスッと笑うシーンも数多くありました。
それぞれの世界は違うけれど、どちらにも当たり前の「設定」があり、それらをどちらも超えるシーンは感動的でした。
あそこのシーンをもう一度見たいなと思います。
最後の終わり方もよかったです。
子供と一緒に見てもよかったなぁと思います。
吹替の綾瀬はるかさんの声で見る予定が、間違って字幕版で購入。
でも字幕が下だったので見やすくてよかったです。
(字幕が右に縦に出るものは私の中では見づらい)
気持ちよく見られます
すごーーーくおもしろい!という評価を見聞きして、期待して映画館へ。
結果、すごくおもしろい!と思いました。
いや充分おもしろかったんですが、事前に高評価を仕入れた弊害と言いましょうか、あらかじめの期待値が高すぎたんですね。もっと何かあると思ってしまいました。
無機質なはずのロボットが心を宿していくというのは目新しい設定ではないけれど、それが野生の島でひな鳥の子育てを通じてというのは新鮮でした。
秋が来てキラリが島を飛び立ち、越冬してロズの元に戻ってきた時が私の中で最高潮。
ハンカチを取り出して泣きつつ、え、上演時間短くね?もうそんなに時間が経った?
と思ったらここから話を変えて後半へ。
まあね、感情が芽生えたロボットを制作会社が放っておくはずもなく、そっちの決着もつけなきゃならないのは、わかる。
けど個人的には、ロボットが宿した母性だったり、親の愛を受けた子の強さや信じる気持ちだったり、そっちに終始した方が、ハンカチの枚数は増えたと思う。
でも、最後まで見て、無難にきれいにまとまったとは思います。(エラそうだな)
過去のデータを消去されたロズが、訪ねてきたキラリと微笑みあうラストで、すっきり気持ちよく映画館を出ることができました。
頭の中のデータは制作会社が消せても胸の中の思い出は何ものにも消すことはできない。
幼い頃に読んだ、清水玲子さんのマンガを読み返したくなりました。
今の時代言うまでもないですが、映像の美しさはすばらしいです。
チャッカリのモフモフ感が手に取るように。ここまできたのね。
昭和時代のベタ塗りアニメを思い出して苦笑しましたよ。
関係ないけれど、我が家では文鳥を飼っています。
はじめて目を開けた時に見たものを親だと思う、というほど厳密じゃなくてもそれに近くて、ひな鳥の頃から人間に育てられたので自分を人間だと思ってるふしがあります笑
動物ってひたむきでいいですよね。いつも掛け値なしでまっすぐ。
今回は舞台が野生の島だったから物語が成り立ったんでしょうね。
これが、ロズが紛れ込んだのが現代の人間社会だったら・・・心温まる物語とは程遠くなりそう。
ノーマーク大傑作
いいとこ取りだが絶妙に悪くない
期待をAlwayS超えてくる、素晴らしい配給会社。AlwayAさえ流れれば…
どうせロボットと動物たちのほのぼの交流映画でしょwと侮っといたかつての自分に熊の一撃を食らわせたくなる一作
もうきれいな3DCGの映像では満足を得られなくなったような観客でも、本作の筆致、そして動物の動きはかなり印象に残るのでは。緻密な描きこみかと思ったら細部は水彩画的であるなど、いくつかの画調を併置しつつ、それでいて全体として統一感のある映像を実現しているなど、単なる美しさにとどまらない精緻な映像を体感できることがまず至福です!
しかし本作を忘れがたいものにしている要因は、映像よりもむしろ物語にあり、疑似家族的に結びついたロズとキラリの行く末を感情を高ぶらせずに見通すことは(特に子育て中の親世代の方にとって)、かなり困難でしょう。
本作では動物たちを決して「善なる存在」として十把一絡げにはしておらず、むしろ捕食/被捕食関係、過酷な自然環境といった、「死に取り囲まれた生」を生きている存在として描いており、それがロズとキラリの関係の切実さを一層際立てています(そして作劇上のタイムトライアル的要素ともなっている)。
とはいっても、疑似家族的な物語としては、おおむね定番の要素を踏まえたもので、その意味で古典的な展開であるとも言えます。
しかし一つのエピソードから別のエピソードへの移行が非常にリズミカルで、かつ必ずちょっと意表を突くような仕掛けを施しているため、退屈さを感じるような瞬間がほとんどありません。全編にわたって、本作の編集がかなり練りこまれていると感じました。
本作単体でも忘れがたい印象を残すことは間違いありませんが、この時期であれば、『ロボット・ドリームズ』とロボット描写の違いを比較してみるのも面白いかも。
癒されたけど
親が子を育てる時、親もまた子に育てられる
物語は、無機質なロボットが“母”としての役割を担っていく過程を丁寧に描きながら、ロズとキラリの関係性を通じて「親と子」「論理と感情」「完璧と不完全」といった多面的な対比を作り出している。
渡り鳥であるキラリには「渡り」という期限があるため、タイムリミットが物語を引っ張る軸になり、時間の流れがあっという間に感じられる展開だった。
映像のクオリティがとにかくすごくて、自然の描写とロボットのメカニカルなデザインが違和感なく溶け合っている。野生の島にポツンと取り残されたロボットという異質な存在が、少しずつ汚れたり苔むしたりしながら、環境に馴染んでいくのが視覚的にもわかる。ロズの体が変化していくにつれて、思考もより感情的になっていくように見えたのが印象的だった。
音楽の使い方も秀逸で、中盤の音楽に乗せたストーリー進行のシーンは特に良かった。個人的には、もう少し音楽を多めに使っても良かったなと思うくらい、映像との相性が抜群だった。
ロズは本来、人間のために開発されたアシストロボットであり、どんな相手にも見返りを求めずに助けるよう設計されている。その思いやりの精神が、弱肉強食の野生の世界では異質な存在となり、最初は他の動物たちから煙たがられる。しかし、少しずつ信頼を得ていくことで、キラリの「渡り」に向けた訓練をサポートしてもらえるようになり、最終的にはロズの小さな思いやりの積み重ねが、島全体を結束させるほどの力になっていく。
「親が子を育てる時、親もまた子に育てられる」という言葉があるが、まさにそれを体現した物語だった。親子の形はそれぞれ違い、家庭の事情もさまざま。でも、大切なのは相手を理解しようとする気持ちと、自分から寄り添おうとする行動なのかもしれない。
ロボットと渡り鳥という極端な組み合わせで描かれる“親子の物語”だけど、根底にあるテーマはどこか現実とも重なるものがあった。シンプルなストーリーながら、じんわりと心に残る作品だった。
子どもから大人まで楽しめるいい映画
これぞ子供から大人まで楽しめるという映画のお手本
文句なしの傑作
休日の月曜日なので、ちびっ子を交えた家族連れでほぼ満席だったが、子どもから大人まで、どの世代にもちゃんと刺さる作品だと思う。
親子の愛情や友情などのテーマを、こういう設定で、こうやって描くのかと驚かされるが、メッセージは真っ直ぐに心に届く。吹き替えを担当した、役者たちの声の演技の素晴らしさも、それを支えている。
自分がいいなと思ったのは、死や弱肉強食の世界を曖昧にせず、かつ、過剰にも表現しないところ。
特に、ピンクシッポの母が子どもの人数を言い換えたセリフと、その後の子どものセリフからもそんな部分がうかがえてハッとした。
そして、今、このタイミングにおいては、チャッカリの演説シーンは、「本当にそうだよ」と思う人も多いのではないだろうか。
アニメーションの圧倒的な美しさ。動物たちの毛並みの質感の違いまでもが伝わってきて、劇場で観ることができて本当によかったと思った。
<ここからはちょっと考えたことの備忘録>
細かくは描かれていないが、渡りのシーンをみると、環境問題が深刻な結果をもたらした後の地球という設定なのかなと思う。だとすれば、ユニバーサル・ダイナミクスという会社って単なる鋭利企業なのかとか、国家間の関係は世界的にどうなっているのかとか、汚染ってどういうことなんだろうとか、作品の背景設定について、色々と想像が膨らんだ。
他に危害を加えないようにプログラミングされているロズに対して、攻撃的なプログラムが組み込まれているロボットの存在とか、ロズの経験と記憶をどのようなことに活かそうとしているのかとかも。
あと、餌として認識されている生物と、あの映画の中で、共に生きる仲間の動物として認識されている生物の境界線はどこなのかも中々難しいけれど、そうしたことはあくまでも、ヤボな私の個人的な問いで、私自身が答えを出すべきこと。
この映画の出来の素晴らしさは揺るがない。
天空の城のロボット兵
ドリームワークス食わず嫌いの人はぜひ
正直最近のディズニーピクサーより好きかも
ドリームワークスって言うとシュレックなイメージがあってちょっと…wという食わず嫌いな人もぜひ
て言うかピクサーもドリームワークスも人の交流は多そう?
ピクサーとはまた違った方向性のCGアニメーションを見せてくれて、こちらも単にリアルでは無い素晴らしい映像に感動
リアルとトゥーンと絵画的なのの間というか良さというか、その微妙なラインを良く創り上げたなぁ。。
先日モアナ2観てスゲェ…と思ったのに、こんな違う表現でまたスゲェ…と思わされた
お話は、ディズニーのあれとあれとあれを足して割ったような…っていう目で観ても良かったですが、、細かくあれはあの映画の…ってやるとしんどくなりそうだったのでwそれを排除して見るのが良いと思います
敢えてのオマージュ的なデザインとかシーンも色々あって、制作者はそういうのを楽しんで作ってるのかなと思いました
動物たちの弱肉強食をちゃんと描いてて良いなと思ったのですが、最後まで貫いて欲しかった気もする…のが少し残念に思ったかなぁ
肉食獣はやはり喰わなきゃ死んでしまうわけで…
そういうディズニーぽいところはちょっとイヤでしたw
王道子供向けアニメなのに技術力エグすぎ。
なんでもっと早く、IMAXで観なかったんだ!と少し後悔した。でも、吹き替えしかやってなくて、いつもなら字幕見るんだけど、吹替大正解でした。翻訳が素敵すぎる!
名前ひとつ取っても、子供向けに分かりやすく可愛らしく名付けられた日本名、とても良い。俳優さんたちの声もすごく合ってる。
超!王道のストーリーなんだけど、美しい背景や、計算された構図に、可愛らしいキャラクターの仕草が、全て子供たちを物語に引き込むようにとても丁寧に作られてて、これはちびっ子連れて観に行く映画過ぎる。なんで春休みに公開しなかったんだよ。
真摯に子供に響くように作られた作品は大人も感動する様になってるよね。泣いた泣いた。どのキャラクターもみんな愛おしい。
あと、アニメーションの技術力がエグい。どこまで進化するんだ。子供向け映画と油断してたけど、とんでもない映像美だよこれ。
【パンフレット A4変形36P 990円】
最初のページ開くと雁の渡りシーンが見開きでドーンとあって涙腺刺激される。背景は手描きらしいのだけど、その背景に馴染むCGで作られた手描きのようなキャラクターがほんとにすごいなと。劇中カットが沢山載せられてて、どのシーンも額に入れて飾れる映像美を改めて思い出せる。作品紹介、キャラクター紹介、あらすじ、米日キャストコメント、解説3本、プロダクションノート4ページ、監督インタビュー。宣伝2ページ。
欲を言えばもっとプロダクションノートとかメイキングとか欲しかったなー。Blu-rayにメイキングあれば買っちゃうかも。アニメーションの技術力の進化が感じられるほんとに凄い映像だったな。
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