野生の島のロズのレビュー・感想・評価
全302件中、101~120件目を表示
感情移入が
子供の情操教育にはいいかな。
ロボットと人間の共生というのは色々な映画でテーマになってきたが今回はロボットと動物と視点を変えてきた。
とは言っても動物の言葉も翻訳して理解してしまうので結局はロボットと人間の関係と変わらなくなってしまってるけど。
それにしても最新鋭のお手伝いロボットとはいえ有能過ぎるかな。
とにかく何でも出来ちゃうんだもんな。
こういう事が苦手とか弱みがあったりすると人間味?が出て感情移入しやすいと思うんだけどね。
ストーリーは申し分なく、ロボットが感情を持つようになるのだがそれが行き過ぎた表現になってないところがいい。
動物たちがイイヤツ過ぎるのが気になるけどね。
食物連鎖は大丈夫なんだろか。
アニメでしか描けない
2016年に出版されたばかりのベストセラー児童文学「The Wild Robot」をドリームワークスが映画化したディズニーには作れないであろう傑作アニメである。冒頭ロズが危機を乗り越えるために崖の這い上り方をお手本にしたカニがあっという間に鳥にさらわれ餌となる。人間がいない動物だけの島で食う食われるの生態系が端的に描かれ、擬人化とは逆に鳥や狐やビーバーに「擬動物化」された人間が「自然本能」を乗り越え人種や格差を克服して協力し「愛と平和」を勝ち取るというあまりにもベタなテーマに臆せず真正面から取り組んでいて純粋に泣ける。予告編でわかる通りロボットと鳥に親子愛が芽生え、動物たちが食べちゃいたい本能を抑えて一致団結する童話なのだけれど打ち込まれたプログラムが役に立たないロズと同じく動物たちもDNAプログラムに反逆してみせるという展開に戦闘のやまぬ現代人の理性が問われている。飛行練習で凧揚げのように鳥を腕に乗せて走り、渡りへの出発で一緒に駆け出し断崖で雁の群れを見上げる「半泣き顔の」ロズ、この素晴らしい描写はアニメにしかできないし繊細な画に支えられたカメラワークがこれぞ映画の醍醐味を味合わせてくれてやはりアニメは最強。吹き替えの綾瀬はるかもグッジョブ。
愛とは
期待は超えてこなかった
...かな。
ビジュアルデザインは好きな感じで映像もすこぶる綺麗でスゴイの一言なんですが。
生まれて初めて見たものを親と認識するひな鳥を"仕事"として育てることになって"感情"を持つに至ったお助けロボットの話。
見る前に「どうするのかな」と思っていたのは、まず人間が一人もいない世界で動物相手にロボットがどうやって会話を成立させるのかな?という点でした。これは動物が共通語らしきものをもって会話をしている、という設定でクリアです
この時点で、動物が完全に擬人化されてしまうので、"野生の島"前提が崩壊です。動物が人間社会的な世界に生きている設定は、この手のファンタジーでは常套手段なので驚きはしませんが、物語が進むうちにそれがちょっと行き過ぎてしまうために(ネタバレなのでココまで!)、全体的になんともつまらない話に落ち着いてしまいます。
確かに舞台は大自然なんだけど、実際は"野生"を描かないので、せっかく人間が出てこないのに、"野生のロボット"というコンセプト(決めゼリフ!!)がぜんぜん"入ってこない"ことに。この辺が今ひとつ期待を超えてこなかった理由だと思います
これだと泣けないんだよな〜的な。
オマケ:
ホントは字幕版を観たかったんですが、レア過ぎて殆ど観られません。綾瀬はるかさんもまぁ、合ってましたけど。ちょっと綾瀬はるか感が出すぎてしまったかもしれませんが。このへんは意見が分かれるでしょうね。(吹替キャスティングに話題性があり過ぎると字幕版を観られるチャンスが減りすぎて困りもんですね。)ニョンゴ姉さんでどんな感じになるか、すごく興味があります
綾瀬はるかさん良かったです
吹き替え版で見ました。
ロズが単なるサービスロボットから、だんだんと愛情を持った優しい母親に成長していく姿は、声が綾瀬はるかさんということもあり「義母と娘のブルース」みたいでとても良かったです
柄本佑さん、鈴木福さん、いとうまい子さんもみなうまくて楽しめました
ただ、最後の戦闘、よくよく考えると戦わなくてもよかったのではないかと(まぁ結果論ですね
愛が生まれた日
楽しく美しい”教科書”
映画のお手本のような作品でストーリーは楽しくスペクタクル。映像も美しく申し分ない。
メインのキャラクターから脇役までしっかり描き込まれてる。
ただし、何か心に深く刺さる要素もなく、教科書を読まされてるような気分でした。
あと綾瀬はるかさん、『リボルバー・リリー』の後は『ルート29』やって、大河の狐と本作のロボットの吹き替えですか。何かに目覚めたのか、迷走が続いてるのかはわかりませんが、綾瀬さんの声だとはっきりわかってしまうのも少し問題ですね。
⭐︎4.0 / 5.0
驚くほどの完成度と精度の、美しい映像美。
本当に映像は最高に美しい。
色彩が鮮やかでアートのよう。
音楽もボリューム感があって心地良い。
(普通の吹き替えで観ました)
ドルビーシネマやドルビーアトムズで観たら、
きっともっと良かったと思います。
無人島に漂着した人間のサポート・ロボットのロズ(声=綾瀬はるか)が
自我を持ち始める話し。
親からはぐれた雁の雛のキラリ(大人になった声=鈴木福)の
孵化を手伝うロズ。
鳥は最初に見た物体を親だと思い込む習性通りに、
赤ちゃんのキラリ(声=濱崎司・・・めちゃ可愛い)が
ロズに額をピターッとくっつけるシーンは、ホントにキューンとなった。
癒されました。
成長したキラリの福ちゃんの声は太くてやや違和感でしたね(笑)
ロズが母性に目覚めるのもそりぁ無理ないなぁ、と実感します。
捻くれ者のキツネのチャッカリ(柄本佑)。
柄本佑はもうひと暴れを期待したけれど、案外あっさりと
素直になるのでやや拍子抜けしました。
私は雁のリーダーのクビナガ(千葉繁)の一言、
《渡り、がいかに大変なことか》を語りキラリを訓練するシーンは
正直言って興味津々でした。
例えば、体の大きくて重い鳥は、2000キロ~3000キロ。
(白鳥や鶴)も渡る。
例えば小さな鳥は軽いから1万キロ(例=アジサシ)を渡り
飛ぶ期間は最長で9日間、
水も飲まず、何も食べずに飛び続けて、熟睡しながら飛ぶそうです。
その謎を知りたかったけれど、雁たちはあっさりトウモロコシ畑に
降りて台風を避けようとする。
そして見た目がロズそっくりのロボットを見かけて、
キラリがロズのように人間に害を与えないからと、声をかけて
・・・ところが怖いロボで大騒動になる。
本来サポート・ロボットは、お客さまに絶対服従するように
プログラミングされている・・・だよね。
カスタマーの依頼は絶対に断らないロズ。
最初の頃のシーンは笑いました。
ロズの口調が、“のんびりキャラ“の綾瀬はるかと
とてもマッチングするので、楽しい。
ストーリーには動物界の習性とそぐわないシーンが多い。
渡りをあっさりやめたり、
寒さで冬眠の穴から抜け出した熊や海の生き物アザラシまでいて、
ロズの炊いた薪の炎にみんなして温まるシーン、
自然科学ではなくて、ファンタジーなのですねー。
そのあたり(熊がネズミやキツネやウサギを食べない理由)
美しいけれど、ストーリー的には 深みは足りてない
気がするのでした。
ラストだって廃棄処分になって当然のロズが、抵抗して
動物たちも団結して《野生の島と生息する動物たち》を守るのだけど
ラストであっさりと修理された元の姿で、
しかもロズはキラリの記憶を失っていない。
(ややご都合主義的・・・なんだと、感じちゃうのです)
較べるのは変かもしれないけれど「トイストーリー」にある、
子供に振り向かれなくなる《不用品のオモチャ》の切なさが
込み上げてこないのも、正直なところなのです。
結局のところ、ロボット(AI)は何度も再生して、動物界との
共存が可能である。
そう言いたかったのかな。
それにしてもロズを迎えにきた宇宙船には、とても不気味な
怖さがある。
絵がメチャ美しくロズもめちゃめちゃ愛しいし、音楽も綺麗。
ストーリーに深みがないなどとと言うのは、
感受性の欠けた自分が、子供の心を失ったから・・・
そう思います。
"愛"は芽吹く
心とは何かどこに宿るのか 自然の生態系、食物連鎖に手を入れるのもど...
光の点滅に耐性がないとほぼアウトか
今年51本目(合計1,593本目/今月(2025年2月度)14本目)。
本作品、字幕版と吹き替え版が1:5くらいの割合で、どうしても原作は字幕版であり字幕版で見たかったので1週間遅れでみましたが(初回週はヘンテコな時間にばかりおかれていた)、それでも「準新作」と言える(1週間ズレということ)本作品が、tohoシネマズ梅田の比較的小さいシアター割り当てだったのはちょっとびっくり(トリリオンゲームに引っ張られた?あるいは、今でもやってる侍タイムスリッパー?)。
ロボットが野生の鳥を育てて育てる…というお話で、メインストーリーはロボットと解する向きもあるし(タイトルからはそうは読めないが)、それも良いかなというところです。日本のアニメや絵本ではなかなかない展開で、アニメ作品で時々気にされる方がいる、いわゆる「ぬめり表現」のようなものはなかったので良かったです。
ただ、本作品は公式サイト、映画館他でも注意書きがあるように、光の点滅が注意書きされているところ、序盤0分からこの連発で厳しかった…といったところです(準新作という本作品で、大きなシアターが割り振られていれば後ろ側を選びえたが、50人ほどが入れる小さいシアターが振られてしまった)。この点に耐性がないと日本語版でも字幕版でも何でも詰んでしまう(極論、字幕版は字幕を読まなきゃいけないのでその分むしろハンディがアップする)のが、作品としてどうかな…といったところです。
特段気になるような残酷な表現はなかったし、特にいわゆる情操教育を目的とするような明らかな部分もなかったし、普通にアニメ枠として家族でいく分については、日本のアニメ作品といえば、ドラえもんだったりコナンだったり、あるいはクレヨンしんちゃんだったりとだいたい相場が決まっているところですが、おススメ以上(ただし光の点滅には注意)といったところです。
採点は以下まで考慮しています。
--------------------------------------------------------
(減点0.3/光の点滅が極端に厳しい)
この点は作品や映画館の帰責事由というより、「一定のレベルを超えると注意書きを出さなければならない」というルールがあると思われるところ、その耐性もそれぞれで、また作品のその点滅具合によっても耐性具合は変わります。
ただ、本作品はその点滅シーンが序盤にまず始まり、いわゆるエンディング直前のクライマックスというか最大の見せ場シーンでも出てくるので、ややこの辺の耐性がないと、アニメ作品として見る場合、「ラストのバトルシーン」(のようなもの。要はアニメ作品における「見せ場」というもの)がほぼ見えないのは厳しいところです(なので、光の点滅の「ランク」に応じて、ランク1,2,3…みたいなものが欲しいなぁ、といったところ)。
※ したがって、字幕を見る必要がない日本語吹き替え版も視野に入るのでは、と思います(さすがに映画館に当該点滅部分のフィルムを差し替えるような権限はない)。
(減点0.2/英文法ミス(none of のあとの単数複数))
none of の後は、単数形に呼応する動詞(=be動詞ならis、一般動詞なら、-sがつく形)が来るのが正式な用法です(複数形でも許容はされる)。この点、特にストーリー上関係はしませんが、この点(none of のあとの単数複数問題)は、実は特にイギリス(英語の発祥地)においては、シェークスピアの時代から文法論争になっている英文法の論争では古典にあたるほどの問題で、現在はどちらも通りますし、この単数複数を問うような出題(英検なりTOEICしかり)は基本的に悪問ではありますが(一応、正式文法にこだわるなら、単数扱いするのが正解)、ここはちゃんとして欲しかったです(ただ、理解に何ら影響はしない。気にする人はするか、レベルのお話。英検寄りの知識を持っていると理解に躓く)。
--------------------------------------------------------
聖書から量子のもつれまで
【聖書から量子のもつれまで】
表面上のアニメーションやファンタジーの要素を超えて、
深層的なテーマを織り交ぜながら、
親子愛という普遍的なテーマを感動的に描き切る作品だ。
聖書的な思想から量子論に至るまで、
多彩な要素を取り込みながらも、
最終的にひとつの明確なメッセージ「愛の力」に行き着く。
ロズが自らのプログラムを無効化し、
子育てという「タスク」を続ける決断は、
単なる人工知能の倫理的な問題を超えて、
人間らしさ、
そして母性本能に迫る深い問いを投げかける。
プログラムという冷徹な論理を超えて、
ロズが選ぶのは「LOVE」という感情。
これはただのエンターテインメントの枠にとどまらず、
感情と理性、論理と愛が交錯するその瞬間こそが、
この物語の真髄である。
本作には、量子論を題材にした不可思議なシンクロニシティのテーマが暗喩的に随所に登場し、これが物語の大きな一つの軸となる。
一般的に昔から言われていた、群れをなして飛ぶ雁が象徴的だ。
彼らの方向転換がまるでシンクロしているように見えるのは、
果たして「あり得ないシンクロ」なのか?
いや、それが可能だとするならば、
それを動かすのは「LOVE」の力ではないかという、
ノーベル賞を受賞した〈量子のもつれ論〉との微妙な関連が浮かび上がる。
だが、この映画の本質的な魅力は、
難解な理論をあえて説教じみたものにせず、
巧みにエンターテインメントとして昇華させている点にある。
ストーリーの進行とともに、
観客に深い感情的な余韻を残しつつ、
普遍的なテーマを堅実に探求する。
感情のシンクロ、論理を超えた「愛」の存在は、
非常に強力なメッセージとして観る者の心に残る。
また、映画のビジュアルでも特筆すべきものがある。
背景が印象派の絵画のように描かれ、
細部にわたって手描きの質感が感じられる一方で、
キャラクターたちはCGで表現されている。
この対比が、ジブリやピクサーへのオマージュであると同時に、
(トム&ジェリーでも、トムが餌のヒナを育ててるうちに親として覚醒する回があった)
視覚的にも非常に斬新であり、観る者に新しい体験を提供している。
一方、ストレンジャーがコミュニティの生態系を救うという、
いわば「方舟的展開」もあり、
物語全体がスケール感を持ちながら、
他の動物たちにも、しっかりと尺が与えられているため、
物語に対する没入感は失われない。
特に、ロズとキラリの関係に焦点を当てる時間の使い方が見事で、
感情の繊細な動きを追いながらも、
子どもも含めた観客を飽きさせることなく物語に引き込む。
難点を挙げるなら、多くのテーマが同時に展開されるため、
少し過剰に感じられるかもしれない。
しかし、その「盛りだくさん」な内容が、
観客に対して新しい視点を提供し、
ヒックとドラゴン、リロ、スティッチと類似点はあるが、
様々な解釈を生み出すことを考えると、
これはむしろ意図的な作劇の一環であり、
映画の奥行きを増すには重要な要素であると言える。
まとめると、本作は、愛と論理、技術と芸術が見事に融合した作品であり、その感動的な結末に至るまで、
理論と感情、知性と本能が交錯する世界を描きながらも、
その最終的なメッセージ「愛の力」がきちんと昇華されている点で、
映画としての完成度は非常に高い。
全302件中、101~120件目を表示