「「みにくいアヒルの子」を雁に置き換え、迷子ロボットの心(プロセッサ)の葛藤を重ねた冒険ファンタジー」野生の島のロズ kazzさんの映画レビュー(感想・評価)
「みにくいアヒルの子」を雁に置き換え、迷子ロボットの心(プロセッサ)の葛藤を重ねた冒険ファンタジー
素直に、面白い。
まず、アシストロボットのデザインが良い。
関節がない蛇腹式の長い腕は『天空の城ラピュタ』のロボットみたいだし、球体のボディは『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のBB-8みたいではあるが、それらを組み合わせたとしても、あの動き方は実に機能性に富んでいて面白い。
お腹の中が空っぽなのには驚くが。
次に、背景が良い。
3DCGアニメなのだが、不透明水彩の絵のような味わいがあって、それがキャラクターと親和的かつ滑らかに動くのがなんとも心地よい。
どうやら、全面CGではなく手描きが加えられているという…驚きの技術。
孤島に墜落したアシストロボットのロズと雁の子キラリに狐のチャッカリが加わった疑似家族の絆の物語に、島の動物たちとの共生の物語が伴う。
ロズはミッションを見失っている。キラリは自分の出生の秘密を知らされて戸惑っている。チャッカリは自分が島の嫌われ者だと自覚している。
孤独を抱えた三人が寄り添いながら、キラリの巣立ちを目指す様子に心打たれる。
キラリの旅立ちまでの大特訓、雁たちが遭遇する危機と島を襲う大寒波、さらに、ロボットたちと動物たちとの大決戦と、アクションもふんだに盛り込まれている。
人情と家族愛に溢れた物語に、ハラハラ・ドキドキの見どころも満載だ。
『ショート・サーキット』や『アイアン・ジャイアント』などとも共通する、ロボットと人(本作の場合は動物)との交流の物語には、「鉄腕アトム」で描かれた人間の創造物が〝心〟を持つことは可能かというテーマが隠れていて、『ターミネーター2』などにもその影響は見られた。
それは「ピノキオ」や「フランケンシュタイン」の時代から様々な切り口で連綿と追求されているテーマだ。
本作ではとりわけ〝母性〟という分かりやすい心理作用にスポットが当てられているから、雁のヒナが成長していくと同時にロボットに母性が芽生えていく様子に違和感なく共感できる。
私が鑑賞した劇場では数名の老人会的なグループが横一列に座っておられて目を引いた。上映が終了し、口々に満足の言葉を発しながら席を立つその人たちを見て、どんな世代にも楽しめる健全なのファミリー向け映画なのだと確信した。
私も老人に近いのだけれど…😁
kazzさん 早速のご返信ありがとうございます!
酷い事を書いたり、誹謗中傷をした事もないのですが…そう言う事が逆に大嫌いなので。何かサイトの方に連絡が入ったか、気になって点があったのでしょうね…⁈ 只、削除はされてないのでそれだけが救いです。何か問題点があればサイトの方で連絡をくれれば良いと思うのですが。。kazzさん色々とありがとうございました‼︎