「美しさの中に」野生の島のロズ 豆之介さんの映画レビュー(感想・評価)
美しさの中に
小さな命と触れ合った時ロボットに母の心が一杯に生まれる…ではなかった。
ロボットを野生の島に出しながら無闇に機械感を出さず、自然に入って行く。本当に美しかった。お伽話だけれどそれでいて野生の厳しさが見えて心痛む時もある。
めでたしめでたしを迎える物語。でも私のような馬鹿者はその後を考えてしまう。お伽話に現実を持ってくるなんて野暮というか何というか。でも「野生」とタイトルにあるので頭が行ってしまうのだ。
野生である限り喰い喰われの世界。それは話でも触れている。そして動物達には寿命がある。
それはロズにも言える。新しいものがすぐ古くなる人間の世界でロズはどれだけロズでいられるか。
野生である限り来る生涯の終わり。それを皆は自然のこととして受け入れるだろう。様々な動物達を一度に登場させるが、根本に野生があると感じさせ隅から隅までハッピーに染めず、そっと厳しさも見せるこの物語。それが安心感を覚えさせる。
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