破墓 パミョのレビュー・感想・評価
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その墓を暴いてはならない
正直、幽霊とか祟りとか全く信じてないから怖いとかはないけど、先の展開がどうなるのか興味津々で最後まで釘付けになってしまった。さすがに韓国映画は見せるのがうまいねえ。
巫女の美女と風水師の中年オヤジがチームを組んで難事件を解決するというよくあるパターンだけど、とにかくこの墓の改葬の儀式が結構リアルで生々しい。そのうえなんと重葬なんて聞いたこともない事態が明らかに。
家族に災いをもたらす先祖の墓を清めて霊を滅ぼし一件落着かと思いきや、この先祖の墓はさらに地中深く埋められた悪霊の墓を盗掘から守るためのカモフラージュでしかなかった。その地中にはとても人間のものとは思えないような巨大な棺が立てて埋まってたなんて、まあ恐ろしい。
ゴーストハンターとかそんな能天気なもんじゃない。とにかくこの禍々しさは半端ないよ。
それで悪霊の正体がなんと関ヶ原で討ち死にした武将の霊だなんて、まさか石田三成じゃないよね、頭蓋骨が行方不明らしいし。
なんで韓国の地に埋まってるわけ。この武将の霊に難儀した子孫が当時統治下にあった朝鮮半島に埋めて厄介払いしたってことかねえ。まあ当時の朝鮮半島は日本の領土だからねえ。にしても迷惑な話だよ、大量に地雷埋めて知らんぷりしてるようなもんだよ。
巫女の女の子と中年風水師にはあまりにも荷が重すぎる。凶悪過ぎる悪霊相手にどうやって立ち向かうんだか。
チェ・ミンシクは相変わらずの安定感。今回ちょっと太りすぎだけど、お腹の脂肪のおかげで命拾いしたんだね。
二時間超える作品だけど鑑賞中一切緊張感途切れることなく見れたな。でも「コクソン」の面白さには及ばないけどね。
過去を掘り起こす
韓国都市伝説朝鮮の呪いを韓国祈祷アベンジャーズで。
過去を掘り起こせば、どこの国も同じなのでは。
前半は日本に通じる神霊説得力なんだぁと
思いきや、途中から過去の朝鮮にしてきた
怨みつらみを捩じ込んでくる。ある意味自分達
の歴史に落とし込むのが卓越。
積もり積もった気持ちと土には掘れば掘るほど
出てくる内容。
勝手にお墓荒らしの作品かと思っていたが
狐の陰陽師、関ヶ原の戦いなど出てきて
反日要素の盛り合わせのオカルトホラー。
2024年には母国で大ヒットした映画。
少し複雑な気分になるが、過去に対しては
申し訳ないとしか言えない。
ミュージカル?
作中の人物的には真剣なお経や儀式なのでしょうが、作中突然歌って踊るミュージカルが始まった気分になります。 話自体は風水をベースにしているので割と理解はしやすいものでしたが、最後は、まあ、うん、いつものw もちろん映画としての誇張やフィクションは多々あるでしょうが、韓国では本当に風水が大事にされているのか、異文化に興味がわくきっかけになるかもですね。 嘔吐(というか吐血)シーンが割と多いので、苦手な方は注意した方がいいかもしれません。
オカルト好きには楽しめるか?
理解が難しい展開だったので、自分なりに理解できたことを要約すると
原因不明の病の治療のため、霊能力者的な2人が登場する。
↓
原因解決のために仲間を訪ね合流する
↓
儀式や改葬を行い棺を掘り起こすが、いらん事したやつが棺を開けてしまう
↓
何かが出てきた(ホント何?)
↓
何かはどうやら昔の侍の成れの果てらしく、さらにそこに陰陽師だか何だかみたいなのが絡んでいたらしく、意味不明だけどとんでもない化け物が誕生した
↓
なんのかんのした末、化け物退治完了。皆元の日常に戻りましたとさ。めでたしめでたし。
なかんじの内容です。
書いていてやっぱり意味が分かりませんが、中二オタク心をくすぐるような要素は満載の作品ゆえ、たとえば同時視聴とかでやいのやいの言いながら見たりするには良いかも知れません。
前半100点、後半0点
なんの予備知識もないまま拝観。 前半は、効果音の不気味さも相まって、かなりスリリングで引き込まれましたが、 後半は、一点、時代遅れのあいつがでてきてきらは何となくしらけてしまい・・・ 理由のわからない終わり方をして終劇 ちなみにこれっぽっちも恐くないです。
ホラー
は好きじゃないので、観てないのですが、この作品は「サスペンス・スリラー」になっているので騙されたと思って観ました。ホラーではなかったですね。4人の役割があって、面白かったですが、こう言う作品に付き物な、クライマックスな部分は、暗い背景が多く、何が映っているのかわからない面があって、少しトーンダウンしてしまいました。
何かが出てきた
ザメハの監督だと知り怖いかな?と躊躇していましたが舞台挨拶が当たったので鑑賞 前半はうっすら見える何かが怖いなと思いましたが後半はでっかい何かはちょっと笑ってしまいました。ホラーゲームのようで楽しめました。 オールドボーイのイメージだったチョミンシクさんサービス精神旺盛なお茶目なおじさまでした。
何かが出てきた
韓国を代表する演技派俳優チェ・ミンシクと人気女優キム・ゴウンが共演し、風水師と巫堂(ムーダン)、葬儀師が掘り返した墓に隠された恐ろしい秘密を描いて韓国で観客動員1200万人の大ヒットを記録したサスペンススリラーは、予想の斜め上をいく展開で観客を恐怖のどん底に突き落とす。 巫堂ファリムと弟子のボンギルは、跡継ぎが代々謎の病気に罹るという奇妙な家族から、高額の報酬と引き換えに依頼を受ける。 先祖の墓が原因であることがすぐに判明し、お金の臭いを嗅ぎつけた風水師サンドクと葬儀師ヨングンも合流する。 4人はお祓いと改葬を同時に行うことにするが、墓を掘り返す儀式を始めた矢先、不可解な出来事が彼らを襲う。 「プリースト 悪魔を葬る者」のチャン・ジェヒョンが監督・脚本を務めた本作では、「オールド・ボーイ」のチェ・ミンシクが風水師サンドク、ドラマ「トッケビ 君がくれた愛しい日々」のキム・ゴウンが巫堂ファリム、「コンフィデンシャル」シリーズのユ・ヘジンが葬儀師ヨングン、ドラマ「ザ・グローリー 耀かしき復讐」のイ・ドヒョンが巫堂ボンギルを演じている。 棺から出てきたのは何なのか、そして風水師と巫堂、葬儀師は、それを調伏して負の連鎖を断ち切ることが出来るのか?
雨天決行
墓を建てた土地が悪い場所だったらという珍しい視点からお送りするミステリーという事で目の付け所が良すぎるわ〜とニコニコしながら劇場へIN。
風水師が土地を調べ、葬儀師が手続きを進め、巫堂&弟子が儀式を行なって墓を立てていく中で悪霊を呼び覚ましてしまうというワクワクな展開をパート分けして進めていき、どの展開も後々の展開に繋がっていくので楽しみが持続してくれます。
火葬だったり埋葬だったり、その現場を生でお目にかかることは滅多にないもんですから、火葬するタイミングが天候によって変わったりするなど勉強になる面もありつつ、そんな大胆に掘り起こしていくんだと驚かされたり、簡単に検問突破できるんだと腰を折られたりもしつつ見入る事ができました。
主要キャラ4人が個性的で前線に立って活躍してくれるのも良かったです。
サンドクは胡散臭さはありつつも風水で場所を見定める確かな力があり、それをフル活用して行動しまくってくれるので頑張れ〜と応援しがいがありました。
ヨングンは葬儀を一手に担ってやってくれるのでどっしりと構えて詠唱をしてくれるので見せ場十分ですし、ユ・ヘジンが演じてるのも相まって愛嬌の良さがキャラに彩りを加えてくれていました。
ファリムは完璧に武闘派な巫堂で悪霊に怯む事なく対峙してくれますし、舞う姿がとてもカッコいいのでそれだけでも見応え抜群でした。
ボンギルは淡々と太鼓を鳴らす場面が多かったと思ったら悪霊に取り憑かれて血反吐吐きまくるので前半と後半のギャップが凄まじいことになってて面白かったです。
日本の武将が出てきた時には思考が追いつかず一回置いてかれましたが、流暢な日本語を喋りまくるし、ファリムもしっかり日本語で応答していくもんですから、日本の歴史と食い違いまくってるけどそんな事気にすんなな勢いで突き進んでいくので身を任せっぱなしでした。
ボンギルが見事に取り憑かれてからは遠隔で痛い目に遭いまくっていくのは可哀想でもあり面白くもあり…。
そこからは全員の力を合わせてゴリ押しと勢いで武将を取っちめていく胸熱展開が繰り広げられ、近接・中距離・遠隔での総攻撃なのでどのシーンを切り取っても見応えがありますし、もう終わったらみんな弾け飛ぶんじゃないかってくらい力が入っていたので応援上映だったら声出して応援していたと思います。
呪文やらなんやらは全く分かりませんでしたがそれでも楽しめたのは確かです。
ラストは日常に戻って飯を食らって、でもどこかに悪霊が潜んでいるような感じで終わっていくので余韻も残しつつ、1本の映画としてしっかり完結してくれたので良かったです。
ミステリー色強めなのでホラーを期待して観にいくと肩透かし食らうかもしれませんが、長尺でもしっかり楽しめるのでオールオッケーです。
小山力也さんが武将だったところが一番おったまげました。本当ナイスキャスティング!
鑑賞日 10/21
鑑賞時間 15:00〜17:25
座席 E-4
深く考えすぎずに観るのがお勧め
最初からスピード感ある展開で、最後まで集中力切れることなく、 ハラハラしながら楽しんで観ました。 細かい疑問やツッコミどころはありますが、 そこら辺はざっくりな総体のイメージとして、あまり深く考えずに見たほうがよいかも。 短時間のカット割りにたくさんの小ネタ、イメージ画像を入れてる部分も多く、 意図的にそのように鑑賞させる狙いがあるようにも思います。 一方で韓国の習慣、風習、宗教的な儀式などは丁寧に描写されていて、 ひじょうに興味深く、いろいろ知りたくなりました。
今年韓国で大ヒットのホラーが、この程度か
ストーリーは2段構え。 前半の先祖の悪霊は、姿もよく見えず、怖くもなく、睡魔に襲われかかった。 後半の、日本武者の悪霊は、日本語で巫女と会話したりするが、火球になってみたり、どうもよく分からない。 シャーマン的な韓国の風習は興味深かったが、このごたごたしたホラーが今年前半韓国で№1のヒットとは、とても信じられない。
オカルトです。
まずサスペンススリラーではなく、韓国土着の風水、宗教、信仰を土台としたオカルト作品だと思います。
イメージは残穢風エンターテイメントかな。
最初にキャラクターの立ち位置を説明してくれるのは国外を見据えてだと思いますが有難いし作品の流れも丁寧で安心して観れ、好感の持てる主人公達と相まって作品の完成度は高いと思います。
ただ、途中までは地味ながら陰鬱な雰囲気で良い展開だったのにいきなりオカルトに振ってしまったのは残念。
オカルトや宗教、土着信仰に根ざした謎の解明に奔走する主人公達を見たかったし全てが解明されてないのではないかと思います。
いきなり日本が悪者にされましたがホラー映画の世界では細かい事は無しですね。
韓国のこういう、 シャーマン的なものが絡んでくる系は好き でもホラ...
韓国のこういう、 シャーマン的なものが絡んでくる系は好き でもホラーって感じじゃないかな もう少し短くまとめた方が良かったかな
将軍様。
予告から漂う不穏さ、墓を暴いたら必ず悪い事が起きる!?チェ・ミンシク、ユ・ヘジン兄貴が出るので韓国ホラーだけにエクストリームな作品と期待したら、いきなり大日本帝国!?その後は朝鮮出兵!?と明らかに年代ががおかしく、死霊の祟りとは言え自分の一族を呪い、日本との関係も消化不良。ヤクザや軍人、大日本帝国をいくら悪者にしても面白ければ良いけど中途半端。何で武将が生で鮎を食うんだ…。
まあ、クオリティの高い韓国映画でも極たまにトホホな作品に当たるけどホラー映画は予想外だった。
国によって文化や霊、生死感の違いを見るのは面白い
湿度が高めの理不尽ホラー系だと思ったら、謎解き要素ありミステリーありで仲間と共に悪霊を倒そうという熱い展開になり大変面白かった。 それぞれのキャラクター性と際立っており、スピンオフか続編を期待してる。 日本人の知らない韓国の宗教感や死生観、儀式が見れるのも興味深かった。パンフレットを読むと、監督はこれは妖怪映画だと言っていて、なるほど!と思った。 韓国には物に神が宿るという考えがないらしいので、 兜に宿った鬼はすごく日本リスペクトの妖怪だったんかなと…水木しげる好きらしいし… ちょうど同時期にトッケビのドラマを見ており、トッケビについても調べていたけど映画の中で何度かトッケビという言葉がでてきて、おぉっとなった。 (なんとトッケビのヒロインと巫堂のファリムが一緒の女優さんという驚き!)、 そういう日本と海外の霊や妖怪、神話の違いなど学ぶきっかけにもなると思う。 私も実際、巫堂や風水、日帝風水謀略説という都市伝説も調べた。掘り下げていくと面白い。
二時間、たっぷり、展開に目が離せません
巫堂(ムーダン=朝鮮半島のシャーマン)と風水師、葬儀師の四人が掘り起こした墓から出てきたものは先祖、親族の祖父、だけど、それだけではない、もっと奥深くに埋められていたものが目を覚まして、それを鎮めるために四人が苦戦するという話で、風水は日本と同じ、シャーマンはイタコみたいなものかなと勝手におもつたけど話が進むうちに血みどろ、ホラー要素も出てきて人ならざるもの、精霊、狐が出てきて日本の武士が出てきたときにはびっくりしました。
呪うほど恨んでしまった元のあれは一体、何者だったのか。
最初は棺を処分すれば金持ちから大金の謝礼がもらえると思っていた四人、話が進むうちに被害者も出てきて、これは自分たちの手では無理だ、見て見ぬふりをして終わらせよう、でも仲間が傷つけられて未来のことを考えると、なかったことにするということにはできないという結論になるんですが。
欲と業が深く、呪うほどに強いとろくなこと、結果にならないとしみじみ実感しました。
時代が変わって四人の仕事も色々と変わって生活はカツカツなのか、その中でも風水師のサンドクが、今回請け負った仕事で娘の結婚費用がという行にはいい父親だと思ったのですが、最後にこの思いがあったこそ、皆もだけど彼自身も死ななかったと思うとほっとします。
娘の結婚、妊娠した娘と同じくらい腹が出た彼はかわいいおじさんだと思ってしまいました。
恐ろしい恐れぬ心
朝鮮出兵と日本領時代の朝鮮半島。日本と朝鮮の暗い過去が描かれており、日本人としてはかなり心が痛くなる。この映画が本国で大ヒットした背景には、反日的な思想がまだまだ根強いことを表しているだろうし、風化させてはならない過去として代々語り継がれているんだろうなと思った。 そういったことを考えていると、日本人の自分が手放しに面白かった!と言っていいのかと少し複雑な気持ちになるけれど、シンプルに一種のエンターテインメント、サスペンススリラーとしてめちゃくちゃ面白い作品で、テーマがテーマなだけに賛否は分かれるだろうけど、ここ最近ではいちばんオススメしたくなるすごくよく出来た映画だった。 韓国映画特有の湿っぽい空気感に今回もまた惚れ惚れ。日本映画でも似たような作風のものが増えてきたけど、やっぱりホンモノには勝てない。エンドロールで我に返るほど入り込んでしまうし、定期的に襲いかかるえげつない緊迫感に心臓が爆発しそうになる。〈墓〉というテーマは韓国映画にピッタリで、知ってはならないことを知ってしまった、見てはいけないものを見てしまった、といった恐怖が土を掘り返していく度に増してくる。目に見えないものを、見えるもので体感させる。深入りしてしまうことを絵で見せるそのスタイルは、「パラサイト 半地下の家族」を彷彿とさせるあまりに秀逸な演出だった。 風水師と葬儀屋、巫堂とその弟子。登場人物4人のバランスがこれ以上考えれないほど完璧で、お金儲けというワードから既に不穏な空気を感じる。結構暗いテーマだから後半とか特にエンタメに昇華出来るか心配だったけど、葬儀屋のヨングンがお笑い担当のような陽気な雰囲気を常に出してくれるから、暗くなりすぎない、絶妙な塩梅で物語を進めてくれる。 このメンツでいちばん年長のサンドクを主人公に充てたのも功を奏したと思うし、仲間でも友達でもない4人ってのが、個人的に「コンフィデンスマン」が過ぎってすごく好きだった。 あんまり考えたこと無かったけど、確かに日本人ってめちゃくちゃ恐ろしい。別に自分は左翼でも無ければ韓国寄りでもないんだけど、客観的に日本人という民族を見た時、その植え付けられた信念にゾッとしてしまう。恐ろしいを恐れぬ心。愛国心、仕えるものとしての使命がどの民族よりも強い。日本人にとっての当たり前は他の民族からみれば、それはそれは怖いだろう。 本作では陰陽師のようなファンタジックな色合いによって映画的なものになっているけど、朝鮮人にとっては日本はまさに脅威であり、恐怖の最大の象徴とも言えるのだろう。ツッコミどころはあるけど、おかげでこの映画はフィクションであることを示しているかのようで、妙にリアル過ぎないのが日本人の自分にとってはどこか安心したし、ここまで楽しめた要因でもあった。 終盤に掛けて畳み掛けすぎるがあまり、ちょっと間延びした終わり方になってしまったけど、尾を引く私生活に影響を及ぼすほどの面白さがあって、相当好きな作品だった。4DXによる太鼓の地響きもまた良かった。 難しいことたくさん書いてきたけど、先入観なしに新ジャンル《墓ホラー》を堪能する映画だと思って見て欲しい。賛否は分かれるだろうけど、韓国映画はやっぱりこのくらい攻めたものが面白いのよ。パミョ!
民間信仰も歴史認識も国それぞれ
韓国で大ヒットしたスリラー映画。
近い国でも宗教事情は違って当然だし、そこに迷信が絡むとなおさらのこと。
物語終盤で魔除けのために全身に経文を書き込む場面は、『耳なし芳一』で馴染みのある日本人には違和感ないが、中国と韓国との間でこの魔除けの手段を巡ってSNS上で論争になったとか。
社会主義国なんだから、難癖つけるなら「霊魂なんか信じてるのか」と言えばよさそうなものだが、いずれにせよ画一化できないデリケートなテーマ。自国との相違を揶揄してはいけない。
朝鮮王朝(李氏朝鮮)以来、仏教より儒教を伝統的に重んじてきた影響が色濃く残る韓国。
儒教は基本的には霊魂否定的の筈なのに(『論語』にも「鬼神は敬してこれを遠ざく」や「怪力乱神を用いず」などの文言ではっきり示されている)、シャーマニズムの因習が現代もなお深く根付いている。
一方、北方騎馬民族からの侵略への警戒心が影響しているともいわれる風水の思想。
そんな心配の必要ない日本には平安期以前に学問として摂取され、独自の陰陽道が形成されている。
日本では鬼門ですら、最近は気にする人が減りつつある。改葬を巡って葬儀業者や霊媒師が絡むモチーフなんて、故・伊丹十三監督なら違う視点で映画にしそうなテーマだが、この辺のお国柄の差をある程度は理解してから観た方がいいかも。
作品の筋書きは簡単にいうと二段構えのストーリー。
前半は富豪パク・ジヨンから以来を受けたファリムと弟子ボンギルの若い巫堂(霊媒師)がベテランの地師(風水師)サンドクと葬儀師ヨングンを仲間に引き入れ、いわくありげな改葬に挑む話。
後半は改葬した墓が重葬だと判明し、そこから蘇った邪悪な鬼と巫堂たちが対峙するストーリーへと転換するので、もっと単純化して説明すると、前半はサスペンス・ホラーで後半はモンスターパニック。
作品の前後半とも、日韓の歴史が重要なモチーフとしてプロットに関わってくる。
改葬される依頼者の祖父が日本占領下での「親日(売国奴)」で、その下に戦国時代の日本の武将が重葬されたことは豊臣秀吉による朝鮮出兵という、忌まわしい過去も想起させる。
真偽は別として、いわゆる「日帝風水謀略説」は、無念を抱いて関ヶ原で斬首された武将の骸が明治になって韓国に縦向きに改葬された経緯を理解するためにも必要な知識だが、個人的には映画を観るまで知らなかった話。
両国間の負の歴史を扱っているので、日本での賛否が別れる作品と思うが、隣国との関係を損なった要因を認識するためには観ておくべき作品ともいえる。
それだけに、センシティブな題材を扱いながら、武家政権下での将軍の位置付けや神仏分離以降の僧侶の正体が陰陽師など日本側の歴史検証に甘さが散見できるのが残念。
映画の感想としては、前半の祖父の改葬にまつわる部分はなかなかの出来だと思う。
祖父の霊を直接見せずにガラスに映り込ませ、恐怖を募らせる手法は定番とはいえ効果的。断末魔の叫びを発した蛇が一瞬人頭に変化する手法も秀逸。
一方で、子孫を道連れにするほどの祖父の怨念の理由が明快でないのは大きな不満。
日本語に日本語の字幕が出るのもヘンだが、どうせ意味の分からない経文(呪文?)の字幕も、映像に集中するためには余計だったと思う。
そのくせ、鬼と化した武将が法華経の寿量品を唱えるシーンは字幕表記がないし、誰に配慮したんだか。法華経は日本固有の経典じゃないんだけど…。
CGではなく着ぐるみなのか、鬼の動きがぎこちない。どうせ悪者なら、もっと大暴れして欲しかったし、風水の相克が理由でツルハシで倒されるのも、なんか情けない。貴様それでも、もののふか?!
個人的には、霊の存在を全否定こそしないが、呪いや祟りの類いは一切信じていない。
作品を観賞した動機は『ソウルの春』(2023)を引き合いに語る媒体が多かったからで、本来、好みのジャンルではない。
それでも観点を変えれば自分のようなタイプの映画ファンにも見どころはある作品。
レビューを投稿する前に風水について調べようと検索したら、『AIによる概念』で掃除の際にどうしたらいいとか、水回りはどうしろとか迷信じみた話ばっかり。コンピューターのくせに、こんなの信じてるなんて…。
貴様、それでもAIか!!
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