劇映画 孤独のグルメのレビュー・感想・評価
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お祭り企画としてはご祝儀込みで星5つ、五郎の身体を張った食材探し
中年男性がただ美味しそうにメシを食うだけでドラマ的展開は薄いが、週末の深夜にその気楽さと単純な娯楽性がマッチする。また、土曜の昼や年末年始に隙あらば再放送されているが、何年それが繰り返されても何となく見てしまう。
それが、今や押しも押されもせぬテレ東のキラーコンテンツ「孤独のグルメ」。
美味しそうな料理のビジュアルと共に、井之頭五郎を介してひとり飯の自由さと店やその街のそこはかとない情緒をも味わうことができる。物語の展開が少ないからシリーズ途中から見ても何の支障もない。それがコンテンツとしての間口の広さにもなって、13年という長寿に繋がっているように思える。
そんなシンプルなドラマのクオリティを、松重豊の「食べる演技」の確かさが支えている。
私自身、ドラマの全作品をコンプリートしているわけではないが、長年日常的にこのドラマに親しんできているという感覚がある。原作本も持っている。そのため、気持ちの中に他の映画とは違うものさしでの評価が湧いてくる。ドラマの劇場版(本作は「劇映画」だが)とは、本作に限らず得てしてそういうものかもしれない。
まず、好きな作品の映画化というのはそれだけでやっぱりちょっとアガる。
その一方一抹の不安も生じるもので、本作は松重豊が初めてメガホンを取ると聞き、過度な期待は禁物という予防線を張っていた。それが意外と見られる形になっていたので(ハードル下げ過ぎ?)、そこも相対的にプラスの印象を持った。
流石にいつもの「腹が……減った……」からの食事シーンの繰り返しだけでは2時間持たないのでそれなりのストーリーが作られていたが、サップボードで韓国に流されるなど展開に意外性があったので飽きずに見られた。「韓国ならまだいいが……」はなかなか攻めた台詞で笑った。
普段のひとり飯だけではなく、人から見られながらの食事シーンもなかなか新鮮。ユ・ジェミョン演じる韓国の入管審査官の心のつぶやきが面白い。
メタネタ的ドラマ「孤高のグルメ」にも笑った。実際韓国でも「孤独のグルメ」は大人気らしい。
昔から共に悪人の脇役というフィールドで活躍し「バイプレイヤーズ」で共演した遠藤憲一、自身が脚本・演出を手がけたNHKドラマ「オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ」に出演した松重豊に本作ドラマのオマージュ的な台詞を当てたオダギリジョーなど、松重豊の俳優業の足跡が感じられるキャスティングもよかった。
五郎がフランスの一郎に届けた絵画は、原作漫画の作画を担った谷口ジローの作品だそうだ。リスペクトの感じられる描写がいい。
一方で、他の映画と同じものさしで見て率直に感じたこともある。
前宣伝ではフランスロケの映像のインパクトが強かったが、蓋を開けてみるとそれは導入部だけで、あとはほぼ日本と韓国での話だったのは「あ、そーなんだ……」という気分になった。まあ、考えたらそこまでお金かけられないか……。
昔フランスに住んでたのにフランス語がほぼしゃべれない五郎さん。
千秋(杏)が五郎のかつての恋人である小雪(さゆき)の娘であること、さんせりて店主(オダギリジョー)と志穂が別居した理由、などは状況の提示だけでさして展開や種明かしのないまま終わり、中途半端な印象が残った。
長崎の奈留島からサップボードで流れ着くような韓国の離島、あるか? 死んじゃうよ……
ドラマの方のスペシャル版などでもご都合だったり不自然な展開は以前からあるから、今更なツッコミではあるが。
原作漫画とドラマではグルメの毛色が結構違うので個人的にはよく似た別物だと思っているのだが、劇場版にはそのドラマともまた違う方向性を感じた。
話の核になっていたいっちゃん汁を探す話(いつの間にかそれはさんせりてのラーメンスープだということになっていたが、なんでだっけ……)、あれは孤独のグルメというより「美味しんぼ」的だ。
普段と違うテイストも悪くはないのだが、観終えたあとはドラマのシンプルで気楽な「いつもの味」が少し恋しくなった。
何を求めるのかで満足度が変わってくる、料理を食べる描写に優れた連ドラの映画化作品。
「グルメドキュメンタリードラマ」というジャンル分けがなされている本シリーズ。
本作は、パリ在住の日本人から「子供の頃に母親が作った“いっちゃん汁”をもう一度食べたい」と依頼され、それを再現しようと主人公が奮闘する物語です。
長崎県の五島列島から始まり、食材探しに奔走します。
展開についてはあまり深く考えずに「主人公が訪れた先で美味しい食事を探して食べる様を見る作品」と捉えれば、主人公が実際に美味しそうに食べるので満足度は高いでしょう。
ただ、「グルメドキュメンタリードラマ」という括りで考えると、ドキュメンタリーというようなリアリティーには欠けている印象があります。
例えば、未知の汁を再現する際に食材の数までを判断できる情報もなく、遭難などで偶然みつけた食材が目的の物と偶然一致していくような作りになっているからです。
そのため本作は、深く考えずに雰囲気を楽しむのに適した作品と言えるでしょう。
娯楽映画の佳作にしてグルメ映画の新たな金字塔
五郎も老けたものだ
ちょうどいい
井之頭五郎が映画のジャイアンくらい違う
面白い映画ではあったんだけど
良いところ
料理が本当に美味しそう
?なところ
原作者公認なんだろうけど、井之頭五郎の行動に違和感
映画だからって劇的なイベント要らない
必要経費や報酬の見えない仕事は胡散臭い
なんか原作からドラマ見た人間としては、井之頭五郎という人間は約束は守るけどどちらかというと安全や危機回避をきちんとやる、無茶や無謀とは疎遠な「大人の行動」を取る人物で、だからこそ食事にだけはちょっとおかしいレベルのやんちゃをするイメージ。天候を調べてない、というわざとらしい前振りから見えているからと言ってあんなもので海を渡ろうとするところは正直帰りたくなった。もっとどうにか出来なかったものか。キャラクターや人格を作ってからストーリーを作ってない、という感じ。ストーリーのためにキャラクターが動くのは違和感しかない。
そもそもパリのあの老人が金持ちかなんかわからんけど、自分のことだけしか考えてない迷惑さで、人を働かすことを当然と捉える傲慢さしか見えない醜悪さがどうやっても拭えなかった。じゃなきゃボケた懐古老人。
とまあ、キャラクターにはロクに共感出来なかったし、ご都合主義にも程がある無理矢理さだが、そもそも見たいのはそこじゃないし、料理が美味しそうだったからそれでいい。ドラマも一度見たら、前半のドラマ飛ばして食事シーンだけ繰り返し見てる。アジフライの回は何度見たことか。実際にあの店行ったし。
あの老人、最初は原作者のカメオ出演かと思ったけどちゃんとした役者さんだった。作画の先生が亡くなって続きは読めなくなったけど、あの世界観が続くのは悪くない。
笑えた そして美しい
パリのオニオンスープが美味しそうでした(^-^)
見に行く予定は無かったのだけど、口コミサイトの評価が意外に高くて行って見る事に。。
サブスクでドラマは見ていました。
テレ東ドラマが見れないエリアに住んでるけど、好きな感じのドラマが多くてサブスクなんかで追っかけて見ていました。
まほろ~、ヨシヒコ~、きのう何食べた?等、ハマったドラマも多い。
舞台は、パリ、五島列島、韓国、東京とさすがは映画といった豪華さ。
パリの街並みはキレイでした。
大きいスクリーンで見ると合成っぽくも見えたけど、杏ちゃんが出てきたしパリでロケをしたんでしょうね。
五島列島からは、かなり無理のある展開となったのが気になったかな。
もともとのドラマをコメディとして見ていなかったので感じた違和感。
おそらく監督の松重さんの中ではコメディ要素が強かったのかもしれないですね。
その違和感を乗り越えれば、出てくる役者人は豪華だし、謎のアーミーも笑えるんだと思う。
今回の映画での一番のシーンは、パリのレストランで出てきたオニオンスープ。
めちゃくちゃ美味しそうで、本場のオニオンスープを飲んでみたいと思った。
この感じが、孤独のグルメの一番の楽しいところなんじゃないでしょうか?
本当に自分自身も食べたくなる感じを今回も味わえました。
他の韓国料理、チャーハン、ラーメンはそこまで至らなかった。
私自身の評価は、事前に口コミサイトで見ていた点数ほどでは無かったかな。
この辺は好みなので難しいですね。
ドラマ、続いて欲しいです。
孤独な仲間は世界中にいる、そんな実感に感動するロードグルメムービー
パリ、日本、韓国、あちこちに井之頭五郎が出張しながら、沢山の面白い、美味しい粒を拾い集めている。
それに付き合って旅しているような、言ってみたらロードグルメムービー、だろうか。
一部展開のそんなことある?は皆さんのご指摘の通りですが笑 まぁそこは見逃してもいいのかなと。
私のような人は珍しいかもしれませんが、この映画に感動したのです。
映画内の五郎の旅を通じて、孤独に美味しい食べ物を楽しむという体験を、同じように誰かもやはり感じている。そのことをイメージできるシーンや流れが特に終盤ところどころにあって、それが物凄く救いになります。
テレビやサブスクの孤独のグルメは、視聴者がそれぞれ個々人の時間で視聴しているだけですが、映画という立体的な場に移って、同じ映画館内には視聴者が実際にいる、という意味でも、映像の中でも、外でも、孤独のグルメワールドが拡張されて共有されたように思います。
誰にでもあるような、なんでもない日常を楽しむことをクローズアップしてみたり、個々の体験でしかないそれを、肯定的なものとして、他者に理解・共有・共感されるって、本当に素敵なことだと思います。
そういう、孤独のグルメの良さを、映画をみながら再確認する、そんな時間を過ごしました。
だんだん大食いできる歳ではなくなってきたかもしれないけれど、松重豊さんにはぜひもうひと頑張り、お願いしたいところです。
矛盾を超えてくるのが名画ならば、これは名画でも映画でもなく、ただのファン感謝祭だ
TVドラマ版をほとんど鑑賞せず、映画版を観るパターンとして、
「ドクターX」が良く見えた成功体験を経て、こちらもチャレンジ。
自分の当初の予想ほどは、ハマらなかった印象。
仕事の過程で、何か派手な事が起こるわけではない物語で、
素朴な日常の朝昼晩の食事に、
スポットライトを当てた世界観のお話なのに、
主人公が「豪華な映画版」ゆえに、超人化するストーリーは、
これが通常モードなのか、特別モードなのかで、戸惑う。
嵐の出来事で、死なない設定もそうだったが、
五島列島~韓国(仮に済州島として)の、物理的距離の案件で、
超人的主人公だとしても、
出来の悪いフィクションだな、と思ってしまった。
そこは船で救出させるパターンじゃ、アカンかったのかなとも。
「親しき中にも礼儀あり」ではないけれど、
「緩い作風の中にもルールあり」は、
映画が名画になる上で、必須条件だと思うのだ。
で、この作品のルールはどこぞやと、考えてしまったりする。
もしかして監督の前提が「フィクションだからルールは最初から無い」だとすれば、
ドラマを映画化する理由も無くなってくる。スペシャルドラマでいいじゃんと。
とするとこれは、映画ではなく、最近映画館でよくある、
「ライブビューイングの、ファン感謝祭的なイベント」なのかとも。
それは、映画が映画である事を自己否定する事になると思うのだ。
ルールはやっぱり必要で、
同時に「辻褄が合わない矛盾を、超えてくるのが名画」でもある。
たとえば、SFモノで「なんで酸素が無いのに呼吸できるの?」を、
「スターウォーズ」では感じない。
スターウォーズには、整合性を超えてくる何かがあり、
孤独のグルメには、それが無かったのかなぁ、と思ってしまった。
期待しないで見るのがちょうど良い
冒頭の機内の場面はいつもの井之頭さんのやや間抜けでシュールな感じを少し長めに大げさに描いており、これはリアリティのないお話ですよと告げている。こちらもそこで腹が決まる。テレビ版よりもコメディパートがたっぷりの尺で楽しい。しっかり笑わせてもらった。片手間に緩く見れるドラマの感じはそのままにしつつも予測不可能、飽きさせずに見せるの良かったです。約2時間があっという間だった。激しい映画だと感情が揺さぶられすぎて疲れることもあるんだけど、たまにはこういうのも良いね。
嵐の海に漕ぎ出し冒険譚、かと思いきや人情話を交えて、ちょっとだけ切なくしたスパイスが効いている。ハッピーエンドでもなく、かといって悲しい結末でもない。うまくいくこととうまくいかないこと、楽しいこととそうでもないことが描かれて人生ってこういうものよね、と。わかるわかる。どこにでもありそうでなさそうなエピソードがちょうど良い。
最近テレビ版は見てなくて、すっかりおじいちゃんになった井之頭さん、大口開けて食べるの大変そう。
期待しすぎちゃだめですよ、映画とはいえ孤独のグルメですから。突っ込みどころもご愛敬。韓国料理が食べたくなった。
テレビ版にわずかなドラマ風味を加えて
映画化ということで期待を胸に膨らませ観に行きました。なんというかまあ満足のいく出来ではなかったなと思いました。ストーリーをテレビ版より強くした結果、両方が中途半端に終わった気がします。店の人に許可無くサップを借りるところは五郎さんぽくないですし、ストーリーも一貫性が感じられませんでした。また孤独のグルメの醍醐味である料理シーンが少なかったのであまり楽しめませんでした。映画の帰りに食べた牛カツが美味しかったです。
美味しそうな料理
テレビ版未鑑賞。松重さんの食べっぷりが、良い。本当に美味しそうに食べているので、見ているこちらもつい「少し頂けますか?」とつい心の中で叫んでしまった。他の出演者 内田有紀さん、磯村さん、杏さんもよかった。食という字は、分解すると「人に良」となるので、グルメに成るとは言わないまでも、自分の体に良いものに気をつかって食することに心がけたい😅。
う〜ん……
フランスをメインに期待して観た観客にとっては裏切られたきもちになりました。
あと普段の五郎がサップで島渡りなんて判断下さないしサバイバル状態で得体の知れないキノコを食べたりするか?とにかくツッコミ所しかなく韓国推しがワザとらし過ぎて楽しめませんでした……
素敵な作品でした。
全338件中、1~20件目を表示