ACIDE アシッドのレビュー・感想・評価
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じわじわと恐怖が込み上げ侵食していく
フランスでこのような異常気象パニック&スリラー映画が製作されるとは驚きだ(同様のものをハリウッドで製作したら全く別物が生まれたはず)。つまるところ、本作は空から降り注ぐ強酸性雨があらゆるものを溶かしゆく様子を最初は静かに、やがて鬼気迫るタッチで描きつつ、さらには家庭内の人間模様にも焦点を当てる。そもそも物語の始まりにも、父親(彼はこの物語の主人公ともいえる)の性格を如実に炙り出す導入部が設けられており、こういった前提から語り口を徐々に広げていく手法もまたフランス映画らしところ。描かれているのは理想でも道徳的規範でもなく、あくまで個人としての人間なのだ。絶望状況を前に彼はどこへ向かうのか。その行動と心理が気象状況と並んで、いやそれ以上に、不穏な空気を作品に注ぎ込んでやまない。観賞後は小雨に触れることすら怖くなる。そしていざという時、自分がどんな人間性を発露させるのかについても考えさせられる。
大風呂敷を畳まない
『ツイスターズ』みたいな作品だといいな〜と期待して鑑賞しました。
が、しかーし、全然違いましたね(笑)
こんな強力な酸性雨って突然降ってくるものなのかな〜と考えちゃいまして、
頭の中が整理できないまま、
酸性雨から逃げる主人公家族(元夫婦&娘)の話がスタート。
主人公ミシャルと今のパートナーと思しきカリンとの関係性が冒頭に描かれ、
ミシャルはカリンのところに行こうとしか言わないから、娘セルマもイラついちゃうというか
あ、ダメだこいつみたいになって自由奔放に動くので、ミシャルもめっちゃ困るという
そんな感じなんですよね。
元妻エリーズもパートナーカリンも亡くなってしまうので、なんともせつなく、悲しいですし、
逃亡中関わった母子も恐らく亡くなっていますから、
サバイバルな状況であり、そこから自由奔放に動く娘セルマを守り抜く父ミシャル。
ここで娘の信頼も得られるというか、カリンのとこへ行くのが大事というより、
家族を守ることが大事だったんだなということがわかります。
だから、人間vs酸性雨とかではないのですよね〜。それが観たかったのに!
率直に申し上げて、監督が何を伝えたかったのかな?というのは
私としてはハッキリとしませんでしたが、結局は家族の絆的なことが言いたかったのかなぁと
思いました。
殺人酸性雨、今後どうなるんでしょうね。全然畳まないし、これ、解決しなかったら人類滅亡ですね。
という、モヤっとした映画でした(笑)
鑑賞動機:あらすじ10割
エイリアンの体液…は言い過ぎか。
序盤から中盤のパニック描写は良かったんだけど。共感得にくい人物ばかりだと、関係性の変化への興味も湧きにくい。厚みを出せそうなネタはいくつもあったように見えたが、惜しい。グロテスク描写はもう少し見せても良かったかも。
酸性雨が怖いのはわかるが
フランスの空に酸性雨を降らせる危険な雲が現れ、その酸性雨は人間や動物のみならず車や建造物までも溶かしてしまう恐ろしいものだった。北部に住むミシャルと元妻エリースは、寄宿学校に預けていた娘セルマを救出したが、避難中も酸性雨はあらゆるものを溶かし、大勢の命を奪っていった。一家は安全な避難場所を求めて移動するが、群衆パニックと、高濃度酸性雨の恐怖が襲ってきた。さてどうなる、という話。
酸性雨が怖いのはわかるが、川全体があんな酸性の強い濃度になる?pHいくつの設定?
で、最後まで観ても何がいいたかったのかさっぱりわからなかった。
ただ単にひゃーひゃー言って逃げ回っただけの作品に思えた。
そこまで酷くないと思いました☔️
建物はもちろん、動植物も溶かしてしまう程の酸性雨
魑魅魍魎でもヒトコワでもない
(ちょっとヒトコワあるけど)
自然が人間を襲う、それも雨。
隠れる場所も逃げる場所もない。
もちろんツッコミどころは多々あるけれど
ジワジワと迫る雨雲(恐怖)とパニックは
ハリウッド作品とまた違う演出や
ヨーロッパ独特の醸し出す陰鬱な雰囲気があって
個人的には好きでした。
ヒステリックに泣き叫び当たり散らす娘も
自分と、遠く離れた恋人のことしか考えられない
父親も実にリアリティあって良き。
確かにフランス流
単なる「近未来『もしも』物語」に対して無粋を承知で言えば、フランスに強酸の雨(文字通りの酸性雨)が降り出して金属も人も溶かし始めるという設定をはじめとして各所に突っ込み所満載で、何度か「ちょっと待てい」と呟く事になりお話に入れませんでした。しかし、ハリウッド流のディザスター・ムービーとは一線を画し、困難な選択に迫られ時に苦しい言い訳を繰り返す個人の内面を見つめる視点とエンディングの苦みは如何にもフランス映画だったかな。
酸性雨がメインではない?
酸性雨は単なる舞台装置であって、それに翻弄される家族がメインという感じ。
この内容なら舞台装置になるものはなんでも良さそうなので、酸性雨の猛威みたいなのを期待して見るとがっかりしそう。
それを言ってしまうと
132本目。
労働者対会社の映画なのかなと思う始まりが、思ってもなかった方向へ。
パニック、サバイバルな方向へ進むし、そりゃそれで怖いとは思うんだけど、そもそもあの状況じゃ無理でしょと。
まあでも、それを言っちゃあとなってしまうんだけど。
それ以外に
まぁ実際のところは出来ることも余りなくて、ヨーロッパなら石造りの建物に立て篭もるくらいしか出来ないんだろうし、あんな風に思いもしない方向に向かわざるを得なくなったら大差ないんだろうと思う。思うけど、映画的なカタルシスがないまんまで良いとも思わない…
なんかなかったのかね、父と娘の絆、以外に…
予告と本編のギャップ!
観ました、アシッド。
予告の感じから勝手にディザスターパニックかと思ったらヒューマンホラー時々ゾンビムービー的仕上がりで、終わり方はなんとも欧州風な………
予想と違う展開、と既にご覧になられた方から聞いていたおかげで楽しめましたwwwその前フリ無かったらトレイラーとのギャップに「ナンヂャコリャ」となってスコア2点台付けてたかもしれなかった😅
もう、逃げ場はない‼️
高濃度の酸性雨が降る。
『ブレードランナー』(’82)のロサンゼルスに降っていた雨とは比較にならない強さの酸。
硝酸かそれ以上の強度であらゆるものを溶かしていく。
車の中も、家の中でさえも酸性雨は侵食してくるのだから安全な場所などない。
なんとも恐ろしい。
スマートフォン撮影と監視カメラの画像を繋いだような映像で、ある会社での労使間の騒動の様子を映し出して映画は始まる。その騒動は暴力沙汰にまで発展する。
暴力事件を起こした男の職場の同僚と思われる女性が労災事故にでも遭ったのか、入院している。二人は恋人同士のようだ。
男には別居している妻と娘がいる。
娘は、母親の兄の支援を受けて高校に通っている。学校で、傷害事件を起こした父親のことでイジメられている。
どうやら男は仮釈放中か執行猶予中らしく、足首にGPSアンクレットが巻かれている。
…といったことがなんとなく汲み取れる程度に説明を止めて、地味な人間模様がダラダラと描写される。
このあたりはハリウッド映画とは違い、悪く言えば緩慢で面白くないし、良く言えば登場人物の人間性をあぶり出している。
さて、酸性雨からの避難が始まると、父と娘のサバイバルが展開される。
襲いくる酸性雨から逃げ惑う人々。我先に逃げようと争う人間の行動には説得力がある。
男=父親(ギョーム・カネ)は、何に怒ったかは別として傷害事件を起こす気の粗さがある。娘のことは愛しているが、妻に対する気持ちは失せている。そして、他人に対してはまぁまぁ酷い。酸性雨に打たれて車に逃げ込んできた人を足蹴にしたりする。
娘(ペイシェンス・ミュンヘンバッハ)は、母親と伯父を嫌っているわけではないが、父親を慕っている。
だが、一緒に避難している中で父の人間性に疑問を持ち始める。疑いを持ってしまうと、何からなにまで怪しく見えるものだ。
クライマックスでは、自分たちを助けてくれた親子を見捨てた父親に反発した娘が窮地に陥る。
酸の水浸しの中、自分がどうなろうとも娘を救おうとする父親の姿には迫力がある。
彼らを一時的に助けた、人工透析が必要な幼い息子を持つ女性は、酸性雨によって腐蝕していく住まいの中で覚悟を決める。
この母の姿もにも、親の凄まじさを感じる。
雨水が浸水してくる恐怖から息子をかばうように抱きしめる…。
諦めない親と、絶望した親の姿…。
この映画はパニック映画に見られるような教訓などはない、ホラー映画だと受け止めるべきなのだろう。
物語は一旦終りを迎えるが、彼ら父娘にも、そして人類にも安息は約束されず、救いはないのだ。
怖い映画でしたね
最初ドキュメンタリー映画かと思った
いきなりスマホ画面の市庁舎だかに抗議に集まる
市民団体 責任者を吊し上げて何かやらかした責任を
取れ❗って機動隊巻き込んで大乱闘の場面
やはりヨーロッパの人間は抗議活動が積極的で実に
羨ましく思いました 日本人は毒入り注射で200万人
死んでも殆ど黙ってるからね
それで主人公の彼はこれから手術をしようとする女性
に付き添うが奥さんか?身内か?はたまた不倫相手か?
そこに彼の子供らしき女の子 後から奥さんと見られる
女性が出てきて 最初の女性は不倫相手だと判る
いきなり強烈な酸性雨の話はなくてテレビニュースから
外国の話ではなくてフランスにも起きているニュースが
流れてから話は浴びたら大惨事になる強烈な酸性雨の
恐怖がじわじわと迫ってくる
これがフランス映画の脚本なんだ
ハリウッド映画みたく酸性雨で溶けていくような場面は
なくて普通に降ってる雨が地面に落ちてから何かが
溶けて湯気が立つシーンからこれがただの雨ではないこと
がわかり始める じわじわと迫ってくる恐怖
しかしこの映画はどんどん悪い方に向かいあらゆる場面が
絶望的になっていく いったいどんな終わり方するのか
水道水も飲めない 川に落ちたら.....彼の奥さんのように
大火傷して死んでしまうとか 正に絶望的な世界を
描いてますね 最後の最後に自動車がぬかるみに
はまり娘がさまよった場所から彼が救出に向かうが
足はどんどん酸性雨の水溜まりに侵されていく
これで終わりならどうしようもないな
と思ってたら翌朝 軍が奇跡的に救出に来てから
やっと安堵したのでした
酸性雨の原因は世界中にDS の連中が空から
大量に毒物を撒き散らすケムトレイルだよ
ありとあらゆる毒物を撒いてるからだ
地球は病んでいく
テーマとしては興味深いが、ツッコミどころ満載。酸性雨の被害は、この映画ほどではないが、現実にある。他にも、PM25とか、言い出したらキリがないだろう。強酸性雨が、降ってきたら、車では逃げれないでしょう...真っ先にタイヤが溶けてしまうから。アルカリ性のキッチンハイターでも大量に散布して、中和できたら少しはマシかな?それはさておき、避難の方法をもっと考察して映像化して欲しかった。いずれにせよ、2024年の夏も猛暑だったし、悲しいかな地球は病んでいく。
表現したいことは?矛盾も多すぎない?
橋落ちちゃう雨なのに、草木は緑色の状態保ってるって。。。
あのレベルの酸性だったら雨上がりも呼吸しんどいし。。。
予算が無いんだな〜って鑑賞途中で頭をよぎる残念感。
所々、映画の中に入り込めない矛盾を感じました。
この映画で伝えたかった事も観ててわからなかったし、訴えかられている感も無かった。
国家レベルの大災害を描くには、制作規模不足
殺人的酸性雨という国家レベルの大災害を扱うには、明らかに制作規模が足りない。
そのため、主役の一家中心に逃げ惑う人々を描くばかりで、災害全体を俯瞰するシーンがまったくないし、酸性雨のすさまじさも、突っ込みを入れたくなるところだらけの雑な加減。
登場人物に感情移入できないのも致命的。とくに、わがまま娘の勝手な言動にはいらいらさせられっぱなしで、主役級なのに、早く死んでくれないかなと願ってしまった。
酸性雨の雲が迫ってくるシーンだけは、不気味でよかった。
♪メ〜ルト〜 溶〜け〜て〜し〜ま〜え〜ばいい〜
冒頭いきなり暴動が始まって、スクリーンを間違えたかと思った。
案の定なんの関係もなかったし、主人公一家が自己中過ぎて、バッドエンドを願いながら鑑賞。
警官隊へのタコ殴りは暴動の理由自体が不明だし、物理的クソ食らえは相手も悪いから目を瞑る。
しかし、人を撥ねておいて罪悪感どころか気にもしてないのは異常。
酸性雨を浴びた誘導員を、まるでゾンビのように「中に入れるな」と蹴り出すのは正当防衛にもならない。
(何の対策もしてない彼らも阿呆だが)
ネコを被検体に使うことへの躊躇いも皆無。
避難させてくれたデボラに「食べ物を分けてくれないから外から取ってきた」と嫌味を言う。
必要となれば平気で殺して奪うタイプだろ、アレ。
そんなんだから、エリーズが亡くなっても哀しくない。
ミシャルが何も感じないことはないだろうが、「コイツ妻より大切な人がいるんだよな」と頭を過ってしまう。
入院中の愛人という、娘にとって何の価値もない目的地を強要するし。
セルマは比較的まともだが、嘆いて批判するだけで前向きな発言行動がゼロ。
ひと雨で終わる問題でもないのだから、一時避難はまだしも大規模移動に意味はあるの?
それより酸に耐えられる素材で安全地帯をつくることが最優先ではないのか。
先の誘導員同様に、何の対策もせずに平原を行軍してる様も正気の沙汰とは思えません。
何一つ好転も悪化もしないままとりあえず保護されて終了、と何をしたいのか分からない作品でした。
登場人物が、、、
酸性雨の恐怖は感じられました。
ただパニック映画として、登場人物に魅力がまるで感じられないのがいまひとつ。それがリアルな人間の姿なのかもしれないけど。
・映像4点
・ストーリー展開1点
・登場人物1点
で平均☆2個になりました。
酸っぱい評価しかできないけど、「ASID」には辛辣なと言う意味があるのだよね
2024.9.4 字幕 TOHOシネマズ二条
2023年のフランス映画(100分、G)
酸性雨の到来によって逃げる人々を描いたパニック映画
監督はジュスト・フィリッポ
脚本はヤシネ・バッダイ&ジュスト・フィリッポ
原題は『Acide』、英題は『Acid』で、ともに「酸」という意味
物語の舞台は、フランス北部のアラス
工場勤務だったミシャル(ギョーム・カネ)は、ストライキの時に興奮し、機動隊に暴力を振るったことで収監されることになった
それが原因で妻エリーズ(レティシア・ドッシュ)と離婚し、娘セルマ(ペイシェンス・ミュンヘンバッハ)と会う時間も限られるようになった
ようやく外出許可が出るものの、足にはGPS付きの装置が付けられていて、その時間もわずかなものだった
ある日、セルマがクラスメイトのオーロレ(Blandine Lagorce)と喧嘩になり、そのことでミシャルとエリーズは学校に呼び出されることになった
久しぶりに顔を合わせるものの、小言と暴言の応酬で、セルマはさらに苛立ちを見せていた
映画は、この3人が悪魔の酸性雨から逃げると言う内容になっていて、この舞台では精巧な雨雲レーダーのようなものは存在しない
被害状況がわかるサイトのようなものがあるが、それもかなりざっくりしたもので、とにかくフランスはヤバいぐらいのノリにしか思えない
また、ミシャルには元同僚のカリン(スリアン・ブラヒム)という恋人がいて、彼女は足が悪く入院加療を続けていた
ベルギーのアントワープにある病院での手術も決まっていて、ミシャルは家族そっちのけでカリンの元に心が行ってしまっているようにも思える
さらに、エリーズの方もミシャルの兄ブリス(クレマン・ブレッソン)との関係を匂わせているし、彼は弟を頼っただけでブチ切れていたりする
ともかく沸点の低い人ばかりが登場し、会話よりも叫んでいるシーンの方が多い
なので、この登場人物を見ていると、早く全滅しないかな〜とか、どんな最期を迎えるのだろうとか、余計なことを考えてしまうのである
後半になると、とある民家に助けを求めることになるのだが、そこの住人デボラ(マリー・ユンク)とその息子ウィリアム(マルタン・ベルセ)との会話も不穏なところが多い
ウィリアムは透析が必要で、自宅でそれを行っているのだが、デボラは極端に警戒心が強いので、まともな会話にならない
食料を分けてもらえないので隣家に押し入るのだが、なぜかそこから食料を持ち帰り、デボラのところに戻ったりする
普通なら、隣家に行ったらそのままそこで夜を明かすと思う
なので、いろんな不可思議な行動が目につく感じになっていて、そのどれもが瞬間湯沸かし器のような即物的な精神反応に由来しているところに脱力感があるのではないだろうか
いずれにせよ、叡智を結集してパンデミックに挑むではなく、スマホがあってもロクな使い方もしない
訳のわからない動画を見たり、電力を無駄に消費するビデオ通話をしたりと、起こっていることに関する想像力がほとんどない
誰もが自分の欲求に従う行動を見せていて、それがずっと積み重なっていくのだが、運だけはあるので生き残ってしまった
しかも、政府が機能不全に陥っている中で、足枷が外れて無罪放免っぽくなっているのでも微妙で、それでハッピーエンドっぽく演出しているのも、何だかなあと思ってしまった
見どころとなる印象深いシーンもほとんどなかったので、せめて橋崩落でエリーズが巻き込まれて死ぬとか、デボラの車で逃走したけど、ホイールが外れて制御不能になって大事故を引き起こすぐらいの派手な絵面があった方がマシだったかもしれません
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