ACIDE アシッドのレビュー・感想・評価
全58件中、1~20件目を表示
じわじわと恐怖が込み上げ侵食していく
フランスでこのような異常気象パニック&スリラー映画が製作されるとは驚きだ(同様のものをハリウッドで製作したら全く別物が生まれたはず)。つまるところ、本作は空から降り注ぐ強酸性雨があらゆるものを溶かしゆく様子を最初は静かに、やがて鬼気迫るタッチで描きつつ、さらには家庭内の人間模様にも焦点を当てる。そもそも物語の始まりにも、父親(彼はこの物語の主人公ともいえる)の性格を如実に炙り出す導入部が設けられており、こういった前提から語り口を徐々に広げていく手法もまたフランス映画らしところ。描かれているのは理想でも道徳的規範でもなく、あくまで個人としての人間なのだ。絶望状況を前に彼はどこへ向かうのか。その行動と心理が気象状況と並んで、いやそれ以上に、不穏な空気を作品に注ぎ込んでやまない。観賞後は小雨に触れることすら怖くなる。そしていざという時、自分がどんな人間性を発露させるのかについても考えさせられる。
ハリウッドではGOが出ないだろう物語
ジャンルとしてはディザスターパニックなのだろうが、ちょっとしたスリラー作品でもある。というかスリラーの方が多いか。
冒頭でデモの中心人物として警官隊をシバキあげて保護観察処分になった男が本作の主人公である。デモの国ヨーロッパでは当たり前なのかも知れないが、そのせいで離婚、仲の良い娘とは一緒に暮らせず、同居している娘と母はギクシャク…と良いことが何も無い状態で、主人公ミシャルには新しい恋人が居る。ハリウッドではこんな家族でもやはり力になるのは家族の愛、さぁ、手を取り合い助け合おうじゃないか!と絆を深めていく物語なのだろうが、フランスではそうはならない。まず、酸性雨の猛威がいよいよ自分達にも降りかかって来た時、ミシャルはもう新しい恋人の事しか考えておらず、それに娘も"こいつダメだわ"とさじを投げた様になり、更にはこんな時でも言い争いを止めない夫婦が描かれ、だんだんイライラして来る。
パニック映画において、ド迫力の映像に圧倒されるのが最もな醍醐味だが、その中で人と人との助け合い等の展開を観てみたくなるものだが、それが本作には欠如している様に思う。とにかく主人公らは肌が溶けて助けを求めてきた人物を蹴り飛ばしたり、匿ってもらった挙げ句飯まで用意してもらった老夫婦なのに、いざ酸性雨で家が溶け出したらその家の車を奪って逃げてしまうし、かなりクソ野郎すぎて中々主人公一家に感情移入出来ない。自己犠牲等は考えず、利己的な考えのみで突き進む描写で終始進むのだ。恐らくこれは人間の悪の所業として、散々環境を汚染させて来たせいで実際に酸性雨が降り、温暖化など様々な影響が出ており、それら全て人間の悪行として根強く残り、その代償として強酸の雨が降ったという事になる。少し宗教の教えの様にも取れるが、利己的に突き進んだ結果主人公一家に取っては失う物が多い形で幕を閉じたのではないだろうか。だからといって完全にバッドエンドにするかと思いきや、そんな事もなくどっちつかずの展開で幕を下ろすのが流石フランス映画だ。個人的には監督の前作で、Netflixで配信中の「群がり」の方がしっくり来た。
純粋なディザスターパニックを観たいならば絶対に本作はオススメ出来無いが危機的状態の人間は実際にはこうなるのかも知れない。理性やモラルの崩壊により、もっと酷い可能性だってある。そのへんの生々しい"リアルさ"はかなり優れている作品である。
大風呂敷を畳まない
『ツイスターズ』みたいな作品だといいな〜と期待して鑑賞しました。
が、しかーし、全然違いましたね(笑)
こんな強力な酸性雨って突然降ってくるものなのかな〜と考えちゃいまして、
頭の中が整理できないまま、
酸性雨から逃げる主人公家族(元夫婦&娘)の話がスタート。
主人公ミシャルと今のパートナーと思しきカリンとの関係性が冒頭に描かれ、
ミシャルはカリンのところに行こうとしか言わないから、娘セルマもイラついちゃうというか
あ、ダメだこいつみたいになって自由奔放に動くので、ミシャルもめっちゃ困るという
そんな感じなんですよね。
元妻エリーズもパートナーカリンも亡くなってしまうので、なんともせつなく、悲しいですし、
逃亡中関わった母子も恐らく亡くなっていますから、
サバイバルな状況であり、そこから自由奔放に動く娘セルマを守り抜く父ミシャル。
ここで娘の信頼も得られるというか、カリンのとこへ行くのが大事というより、
家族を守ることが大事だったんだなということがわかります。
だから、人間vs酸性雨とかではないのですよね〜。それが観たかったのに!
率直に申し上げて、監督が何を伝えたかったのかな?というのは
私としてはハッキリとしませんでしたが、結局は家族の絆的なことが言いたかったのかなぁと
思いました。
殺人酸性雨、今後どうなるんでしょうね。全然畳まないし、これ、解決しなかったら人類滅亡ですね。
という、モヤっとした映画でした(笑)
鑑賞動機:あらすじ10割
エイリアンの体液…は言い過ぎか。
序盤から中盤のパニック描写は良かったんだけど。共感得にくい人物ばかりだと、関係性の変化への興味も湧きにくい。厚みを出せそうなネタはいくつもあったように見えたが、惜しい。グロテスク描写はもう少し見せても良かったかも。
酸性雨が怖いのはわかるが
そこまで酷くないと思いました☔️
建物はもちろん、動植物も溶かしてしまう程の酸性雨
魑魅魍魎でもヒトコワでもない
(ちょっとヒトコワあるけど)
自然が人間を襲う、それも雨。
隠れる場所も逃げる場所もない。
もちろんツッコミどころは多々あるけれど
ジワジワと迫る雨雲(恐怖)とパニックは
ハリウッド作品とまた違う演出や
ヨーロッパ独特の醸し出す陰鬱な雰囲気があって
個人的には好きでした。
ヒステリックに泣き叫び当たり散らす娘も
自分と、遠く離れた恋人のことしか考えられない
父親も実にリアリティあって良き。
確かにフランス流
それを言ってしまうと
それ以外に
予告と本編のギャップ!
もう、逃げ場はない‼️
高濃度の酸性雨が降る。
『ブレードランナー』(’82)のロサンゼルスに降っていた雨とは比較にならない強さの酸。
硝酸かそれ以上の強度であらゆるものを溶かしていく。
車の中も、家の中でさえも酸性雨は侵食してくるのだから安全な場所などない。
なんとも恐ろしい。
スマートフォン撮影と監視カメラの画像を繋いだような映像で、ある会社での労使間の騒動の様子を映し出して映画は始まる。その騒動は暴力沙汰にまで発展する。
暴力事件を起こした男の職場の同僚と思われる女性が労災事故にでも遭ったのか、入院している。二人は恋人同士のようだ。
男には別居している妻と娘がいる。
娘は、母親の兄の支援を受けて高校に通っている。学校で、傷害事件を起こした父親のことでイジメられている。
どうやら男は仮釈放中か執行猶予中らしく、足首にGPSアンクレットが巻かれている。
…といったことがなんとなく汲み取れる程度に説明を止めて、地味な人間模様がダラダラと描写される。
このあたりはハリウッド映画とは違い、悪く言えば緩慢で面白くないし、良く言えば登場人物の人間性をあぶり出している。
さて、酸性雨からの避難が始まると、父と娘のサバイバルが展開される。
襲いくる酸性雨から逃げ惑う人々。我先に逃げようと争う人間の行動には説得力がある。
男=父親(ギョーム・カネ)は、何に怒ったかは別として傷害事件を起こす気の粗さがある。娘のことは愛しているが、妻に対する気持ちは失せている。そして、他人に対してはまぁまぁ酷い。酸性雨に打たれて車に逃げ込んできた人を足蹴にしたりする。
娘(ペイシェンス・ミュンヘンバッハ)は、母親と伯父を嫌っているわけではないが、父親を慕っている。
だが、一緒に避難している中で父の人間性に疑問を持ち始める。疑いを持ってしまうと、何からなにまで怪しく見えるものだ。
クライマックスでは、自分たちを助けてくれた親子を見捨てた父親に反発した娘が窮地に陥る。
酸の水浸しの中、自分がどうなろうとも娘を救おうとする父親の姿には迫力がある。
彼らを一時的に助けた、人工透析が必要な幼い息子を持つ女性は、酸性雨によって腐蝕していく住まいの中で覚悟を決める。
この母の姿もにも、親の凄まじさを感じる。
雨水が浸水してくる恐怖から息子をかばうように抱きしめる…。
諦めない親と、絶望した親の姿…。
この映画はパニック映画に見られるような教訓などはない、ホラー映画だと受け止めるべきなのだろう。
物語は一旦終りを迎えるが、彼ら父娘にも、そして人類にも安息は約束されず、救いはないのだ。
怖い映画でしたね
最初ドキュメンタリー映画かと思った
いきなりスマホ画面の市庁舎だかに抗議に集まる
市民団体 責任者を吊し上げて何かやらかした責任を
取れ❗って機動隊巻き込んで大乱闘の場面
やはりヨーロッパの人間は抗議活動が積極的で実に
羨ましく思いました 日本人は毒入り注射で200万人
死んでも殆ど黙ってるからね
それで主人公の彼はこれから手術をしようとする女性
に付き添うが奥さんか?身内か?はたまた不倫相手か?
そこに彼の子供らしき女の子 後から奥さんと見られる
女性が出てきて 最初の女性は不倫相手だと判る
いきなり強烈な酸性雨の話はなくてテレビニュースから
外国の話ではなくてフランスにも起きているニュースが
流れてから話は浴びたら大惨事になる強烈な酸性雨の
恐怖がじわじわと迫ってくる
これがフランス映画の脚本なんだ
ハリウッド映画みたく酸性雨で溶けていくような場面は
なくて普通に降ってる雨が地面に落ちてから何かが
溶けて湯気が立つシーンからこれがただの雨ではないこと
がわかり始める じわじわと迫ってくる恐怖
しかしこの映画はどんどん悪い方に向かいあらゆる場面が
絶望的になっていく いったいどんな終わり方するのか
水道水も飲めない 川に落ちたら.....彼の奥さんのように
大火傷して死んでしまうとか 正に絶望的な世界を
描いてますね 最後の最後に自動車がぬかるみに
はまり娘がさまよった場所から彼が救出に向かうが
足はどんどん酸性雨の水溜まりに侵されていく
これで終わりならどうしようもないな
と思ってたら翌朝 軍が奇跡的に救出に来てから
やっと安堵したのでした
酸性雨の原因は世界中にDS の連中が空から
大量に毒物を撒き散らすケムトレイルだよ
ありとあらゆる毒物を撒いてるからだ
地球は病んでいく
テーマとしては興味深いが、ツッコミどころ満載。酸性雨の被害は、この映画ほどではないが、現実にある。他にも、PM25とか、言い出したらキリがないだろう。強酸性雨が、降ってきたら、車では逃げれないでしょう...真っ先にタイヤが溶けてしまうから。アルカリ性のキッチンハイターでも大量に散布して、中和できたら少しはマシかな?それはさておき、避難の方法をもっと考察して映像化して欲しかった。いずれにせよ、2024年の夏も猛暑だったし、悲しいかな地球は病んでいく。
表現したいことは?矛盾も多すぎない?
橋落ちちゃう雨なのに、草木は緑色の状態保ってるって。。。
あのレベルの酸性だったら雨上がりも呼吸しんどいし。。。
予算が無いんだな〜って鑑賞途中で頭をよぎる残念感。
所々、映画の中に入り込めない矛盾を感じました。
この映画で伝えたかった事も観ててわからなかったし、訴えかられている感も無かった。
国家レベルの大災害を描くには、制作規模不足
♪メ〜ルト〜 溶〜け〜て〜し〜ま〜え〜ばいい〜
冒頭いきなり暴動が始まって、スクリーンを間違えたかと思った。
案の定なんの関係もなかったし、主人公一家が自己中過ぎて、バッドエンドを願いながら鑑賞。
警官隊へのタコ殴りは暴動の理由自体が不明だし、物理的クソ食らえは相手も悪いから目を瞑る。
しかし、人を撥ねておいて罪悪感どころか気にもしてないのは異常。
酸性雨を浴びた誘導員を、まるでゾンビのように「中に入れるな」と蹴り出すのは正当防衛にもならない。
(何の対策もしてない彼らも阿呆だが)
ネコを被検体に使うことへの躊躇いも皆無。
避難させてくれたデボラに「食べ物を分けてくれないから外から取ってきた」と嫌味を言う。
必要となれば平気で殺して奪うタイプだろ、アレ。
そんなんだから、エリーズが亡くなっても哀しくない。
ミシャルが何も感じないことはないだろうが、「コイツ妻より大切な人がいるんだよな」と頭を過ってしまう。
入院中の愛人という、娘にとって何の価値もない目的地を強要するし。
セルマは比較的まともだが、嘆いて批判するだけで前向きな発言行動がゼロ。
ひと雨で終わる問題でもないのだから、一時避難はまだしも大規模移動に意味はあるの?
それより酸に耐えられる素材で安全地帯をつくることが最優先ではないのか。
先の誘導員同様に、何の対策もせずに平原を行軍してる様も正気の沙汰とは思えません。
何一つ好転も悪化もしないままとりあえず保護されて終了、と何をしたいのか分からない作品でした。
登場人物が、、、
全58件中、1~20件目を表示