ぼくとパパ、約束の週末のレビュー・感想・評価
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自分を知り相手を理解し成長していく姿に感動した
こういう映画体験ができるから、映画鑑賞はやめられない。
まるで宝石を掘り当てたかのような気持ちで、映画館を後にできた。
幼い自閉症の息子をもった家族の話しは、過去幾度となく見てきたけれど、基本は周りの理解や、受け入れる側に視点を向けたものが多かったが、今作は自閉症のジェイソン自身の成長も描かれている点がすごく良かった。
自分がなぜパニックになってしまうのか。
なにが苦手でどういう行動が不快なのか。
周りに理解してもらうには、まずは自分が自分を理解して、それを相手に伝えられるようにならないといけない。
これはジェイソンに限らず、すべての人に言えることだと思った。
ジェイソンが自分で決めたルールにがんじがらめになり、パニックになるのも、ルールを簡単に曲げられて臨機応変に動ける人にとっては理解し難いし、面倒くさいと思ってしまう。
けれど、彼の頭の中で起こっている戦争を理解し、寄り添い、寛容してあげることで、お互いがポジティブな関係になれる。
ジェイソンと共に週末にサッカースタジアムを巡るお父さん自身も、息子を理解し、妻の大変さを理解し、自分のことを理解できた。親子だけれどひとりの人間と人間だ。お互いが旅を通してぶつかりながらも成長していく姿は、本当に胸を打つものがあった。
ジェイソン親子は今もスタジアムを回っていて、ジェイソンは今チューリッヒの大学で物理学を学んでいるとのこと。
本当に素敵な家族の形を見せてもらった。
予告を見て、直感的に響くものがあったら、それを信じて見に行ってほしい。
必要なのは粘り強い精神力
自閉症スペクトラムとは
きっといろいろなタイプの自閉症スペクトラムがあるのだろうとは思います
でも私には未知の世界で
今作品はとても得るものがあったように思います
幼い頃に自閉症スペクトラムと診断された10歳のジェイソンが推しのサッカーチームを見つけるお話ですが、すごく途方もない話だし、でもお父さんがそれを実現するために頑張ってる姿がすごい
というのか、ものすごく大変なことなのだと観ていて辛かったです
確かに知らなければ 何とも躾のなってないわがままな子供に、叱ることの出来ない親にもみえますから、周りの理解を得ようというのもまず難しい
でもそんなジェイソンを尊重して根気強く接する両親に涙が出そうになります
もちろん、1番生きづらいのはジェイソンなのでしょうが、周りで支える家族が本当に粘り強く見てるこちらが息をしづらいほどでした
ジェイソンとお父さんとで、推しのサッカーチームを見つけるためにスタジアムを巡りますが、これがまた過酷です
できるだけジェイソンに寄り添い守るお父さんに、マイルールを1歩も譲らないジェイソン
言い聞かせるとか、躾をするということは困難なのです
だがしかし、このスタジアム巡りにより、この親子が成長していく姿がみられるのは救いでした
本来 得意分野においてはわずか10歳なのにも関わらず人並み外れた知識を持つジェイソンですが、そういう分野を見出すのも両親の役目であるのだなと思いました
自閉症スペクトラム
もっと理解を深めないといけないと感じた作品でした
タイトルなし
なんてことのない実話
一般向けにわかりやすく表現してんのか、ASDの描き方にやや違和感があった。エンドロール前にはASDへの理解を求めるテロップが出るのだが、却って誤解を生みそうにも思えた。周りの音が気になるなら普通は耳を塞いだり、ヘッドホンさせたりするだろうし、10歳で量子力学を理解してるなんてASDというよりGiftedじゃね? 最初っから研究所に連れてってやれよ!という気にもなった。
まあ、テンポよく展開して笑いも入れて感動にもっていくという規定通りのイイ話だが、ジイさんとの会話がいちばんグッときて、他人の気持ちを理解しづらい気質の彼らにとっては、あれくらいの距離感が一番いいんじゃないかと思えたのと、ドイツ人はみんなサッカー好きというのがよくわかった。
よく練られた実話ベースの物語
本年、劇場鑑賞一本目。
自閉スペクトラム症の本人と、家族と、周囲の反応がとてもリアルで、よく練られているなぁと思ったら、エンディングで実話ベースの話だとわかり納得。本人の言葉の一つ一つになるほどと思わされ、父の関わり方、母の関わり方、それぞれから学ぶところが多かった。
劇的な変化は起きないのだが、ジェイソンが段々と自分のトリセツを周囲に伝えられるようになったり、こだわりを新たな考え方で置き換えられるようになったりしていくところがジーンとくるし、すれ違いながらも親子の絆を深めていく様子は素直に心温まる。また、祖父の関わり方も、その距離感を含めて、とてもよかった。
サッカーについては、スタジアム観戦の経験もなく詳しくないのだが、推しチーム探しの旅は、とても楽しそうで、ドイツの鉄道もとても魅力的だった。
<以下、この映画をきっかけに考えたこと>
*ちょっとだけネタバレ含みます。
本編から少し離れるかもしれないが、自分は、バス停での老婆に対する母のセリフが、一番考えさせられた。
何かしらの権威や立場を笠に着て、相手を屈服させようとする態度は、多くの人がNOと答えると思う。
そういう面で言うと、バス停での場面は、老婆が「年齢の差」からくる優位性を無言で笠に着てジェイソンや母に屈服を求めたと言える。
それに対して、見方によっては、母も、ジェイソンの「障害」を笠に着て、老婆をねじ伏せたようにも見える。
自分自身も、最初は、老婆に怒り続ける母の態度にちょっと引き、なぜそこまで強く主張できるのかという思いだった。
だが、母が老婆に投げかけた「そっちこそ何様?」の言葉にハッとさせられた。
自分も老婆同様に、譲れないジェイソンに対して「それはわがまま」と思っていなかったかと突きつけられた気がしたからだ。
母の言動に対する最初の違和感の原因は、自分が画面上から、自動的に「老婆=弱者」ととらえ、その立場から一連のやり取りをみていたためだろう。
ただ老婆は、身体の動く若い人たちに比べるとマイノリティだが、彼女自身は、こだわりなく席を譲ることが可能(自閉症的な特性はない)という点ではマジョリティでもある。
その点からすると、母の主張は、「その人自身にはどうにもならないことに関わるマイノリティの立場の者の訴え」であって、何ら非難を受けるいわれはない。
物事をみる側が、今回の自分のように「老人は大切にすべき」のようなわかりやすい一方的な見方のみに立っていると、母の言動のような非難を受けるいわれのない行為も、マジョリティ側が優位性を笠に着ている行為と同様に見えてしまう。
わかったつもりになっている自分も、よくよく気をつけないと、頭が硬くなってヤバいなということを感じさせられた。
まあ、母もあそこまで叫ばなくてもいいかもしれないが、自分もあの立場だったら、余裕を失って叫んでるかもしれないし…。
自閉症を個性と捉えれるか
幼い頃に自閉症と診断された10歳のジェイソンには、独自のルールがあり、それが守れなくなるとパニックを起こしていた。ある日、クラスメイトから好きなサッカーチームを聞かれたが、サッカーチームのことを知らず答えることができなかった。そこで、ドイツ国内のプロチーム1部から3部の計56チームを全て主催地で自分の目で見てから好きなチームを決めたいと言った。父ミルコは息子の願いをかなえようと、週末になると、ドイツ中のスタジアムを一緒に巡ることを約束し、多忙な仕事の合間を縫って列車の旅をしていく、という実話に基づく話。
自閉症は100人に1人の割合らしく、そう考えると、3クラスに1人くらいは居る計算になり、珍しい病気じゃ無いんだと改めて認識した。
これが実話に基づく話とは、そして現在19歳のジェイソンとまだサッカースタジアムを巡る旅を続けているとは、10年近くかけていくつのスタジアムを回ったのだろう?
ブンデスリーグの4部以下はアマチュアらしいので、プロ56チームを全て観た後は.4部103、5部245、6部599チーム全て行ったのだろうか?それともフランスやイタリアへも遠征してるのだろうか?興味ある。
お父さん役もお母さん役も素晴らしかったし、ジェイソン役の子も本当の自閉症かと思えるような熱演で素晴らしかった。
満員の劇場でなんとか観れて満足でした。
PKは自分で
自閉症の息子を持つ父親が、学校や夫婦間で様々な問題を抱えながらも、何かのキッカケになればと息子の推しチームを探すために旅に出る物語。
シリアスな雰囲気を見せながらも、コメディタッチな部分や明るいBGMが悲壮感を和らげてくれる。
ジェイソンの苦しみはよくわかる…なんて言葉で言うのは簡単だが、彼には彼にしか見えない世界があるのでしょう。席を簡単には譲らないお婆さんや注意してくる乗客達にも罪は無いわけで…。
改めて相互理解が大切だと、月並みな感想にはなってしまうが思わされた。
そんな中でも、スタジアムという自分の苦手がいっぱいな環境の中でも、やると決めたらとことん闘い続けるジェイソンの姿は逞しく見えたし、笑顔が増えていく様には見ていて嬉しくなった。
お父さん、よく頑張りました。そりゃあミルコだって人間だもの、悪態の1つも出るでしょう。それこそ、ミルコの置かれた世界も私達が中々に知り得ないものなのだから。
そして上司さん…あなた良い人過ぎだよ。。
俺もこんな上司の家族になりたいな…。
涙が出たり大きな笑いがあったりする作品でもなかったけど、色んなことがありつつも、ミルコ一家にしか見つけられない幸せを今後も手にしていって欲しいと思った作品だった。
親子両方の成長記
・父親は悪い奴ではないが不器用、接し方が下手で子供から逃げて、仕事に走っている。そんな父親が子供のために、動く、そして成長していく。常に正しい選択をできる人間ではないし、息子に酷いこともしてしまう時もあるが、それでも良い父親であることは間違いない。
・自閉症の方が感じ取っている世界が体験できる。音・光・接触をどのように感じ取っているのか分かりやすい。よく知らない人でも自閉症について簡単に理解できる。
・ところどころ笑いどころがあり、緩急がついていて良い。
・試合中はそれぞれのチームのファンの応援が主に映し出され、各応援の個性を楽しむことができる。サッカーをよく知らなくても、このスポーツ自体には詳しく触れないので大丈夫。
・最後に本人の写真や映像を見ることができる。いい笑顔でこちらにも幸せが伝わってくる。
ドイツのサッカースタジアムの臨場感にワクワク
ドイツのサッカーリーグにあんなにたくさんのチームがあるとは知りませんでした。
色んなサッカースタジアムの歓声や応援が映画館の大画面いっぱいで、なんだかワクワクしました。
にしても、毎週末スタジアムに同伴するパパの苦労は大変なもの。ゾッとするくらい汚いトイレで「解決して!」と言われても困ってしまう。パパ心身共にボロボロになって、それでも大事に息子を抱えて自宅のベッドにそっと戻すシーンには頭が下がります。
祖父の言葉も温かいし、ママもパパも深い愛情を持って息子を育てていることに感動しました。愛を感じられる映画は後味がいいですね。
ドイツでは錦鯉の人気が高いらしく、よく見ると、寝室の壁紙がブループリントの錦鯉!面白いなーと思いました。
ヨーロッパのサッカー熱の迫力
上司が最高✨
素晴らしい作品です
心無い人と優しい人
今や自閉症の人が登場する映画は珍しくなくなった。まだまだ彼らに対する理解が深まっているとは言えないが、様々な描き方がされるようになった。本作では、ジェイソンが感じるもの(どう見えて、どう聞こえて、どう考えるのか)に焦点を当てている描写が印象的だった。マイルールが破られたときに取り乱す様も、そんなことを踏まえると受け入れやすくなりそうだ。本作でたびたび登場する、ジェイソンを拒絶する人たちの言動もわからないではない。自分たちが想像できる範囲内で物を言えばそうなってしまう。そんな現状をうまく表現したシーンだった。完全には理解できなくても、ジェイソンがそのままでいることを拒否しない、心優しい人たちがたくさんいたことも印象に残る。
ジェイソンが推しのサッカーチームを選ぶための基準が独特なのも面白いところ。変なキャラがいないチームなんて果たしてあるのだろうか。キャラもいて、鳴り物が大音量で響く日本のスタジアムは、ジェイソンにどこまで受け入れてもらえるのだろうか、なんてことを考えてしまった。
推しのサッカーチームを見つける週末旅行の話だが、ドイツサッカーのことを知っていても、まったく知らなくても問題ない。サッカーのことはほとんど関係ないから。彼ら親子の関係性が深まる過程をとても愛おしく感じられればそれでいい。ただ、クライマックスに泣けるような大きな出来事が起こるわけではない。穏やかに温かみを感じる終わり方だった。そんな映画もありだ。
自閉症の少年が父親とサッカー観戦する事で徐々に自分の殻を破って行く感じのドイツ映画。 本年度ベスト!!
自分が年間20試合程度サッカー観戦しているので興味があり鑑賞。
ドイツの色んなスタジアムが見られてテンションが上がっぱなしだった(笑)
自閉症のジェイソン。
日常生活で様々な障害がある中、自分が推せるサッカークラブを探す為、父親と2人でドイツの1部から3部リーグ全56クラブのホームスタジアムで試合を観戦するストーリー。
ラストで本作は実話ベースと言う事に驚くけどジェイソンの為に試合に連れて行く父親、ミルコの行動力が素晴らしかった。
ジェイソンとミルコが訪れるサッカースタジアムが全て美しい!
各クラブのサポーターが歌う歌も様々で迫力満点!
特にドルトムントのサポーターが歌う「You'll Never Walk Alone」の迫力が凄かった!
自分が推しているJリーグのクラブでもこの歌をサポーターが試合前に歌うけど迫力が全く違った!
ミルコが働くハンバーガーチェーンもミルコに対する優しい対応が素晴らしかった。
あんな会社で働きたい(笑)
深夜、サッカースタジアムのピッチで寝転びながら夜空に出現するオーロラの美しさが印象に残る。
あんな体験が出来るのが羨ましい。
親子や学校との衝突がある中、ミルコファミリーが諦める事無くジェイソンと共に成長する姿が素晴らしかった!
鑑賞後、近くの人が「サッカー生で見てみたい」って言った言葉が何故か嬉しくなった!
自閉症のジェイソンを演じたセシリオ・アンドレセン君が素晴らしい演技が印象に残る。
個人的には主演男優賞を差し上げたいです( ´∀`)
自分じゃあんなできない…
接してみないと分からないもんだな
『僕が跳びはねる理由』でなんとなく自閉症について知ったけど、実際に接したことがないと分からないことも多い。
本人に悪気はないし、親も大変というのも理解できるのだけど序盤の、お前らが合わせろとでも言わんばかりのお母さんが若干モンスターっぽく感じてしまい、ちょっと辟易。
バス停でのコトも説明すれば分かるのに、あんな怒鳴らんでも。
音に敏感なのにサッカー観戦とは、と思ったら実話なのですね。
入場のボディチェックは、ジェイソンにとって大きな一歩でグッときた。
笑えるエピソードもあり、微笑ましい場面もありつつも、おぉい!ってのも度々あるから、相反する感情が行ったり来たり。
後半になって、お母さんも表情が柔らかくなり、ジェイソンも少し成長して良かった。
何よりお父さんの会社が理解ありすぎでドイツらしいというか、日本にはなさそうだなぁ。
自分の理解が追いつかない部分もあるけれど、良い映画だった。
残念なマスコット…確かにね…いやカワイイけどね。
家族の愛の話
自閉症の息子とどのように向き合うのか。の家族(主に父)話。
こだわりが強くても、物事を天秤にかけて合理性や事前説明があり、我慢できると思ったら我慢できることもある。そうするとやはりしつけの問題なんじゃないの・・・?と思ってしまう周りの気持ちも分かるな~って思った。つきっきりのお母さんが「愛しているけど辛い。」って本当に辛いだろうな。と。辛いし、そう思ってしまう自分も嫌で辛いだろうし。でもそれは障がいを持っていなくても反抗期などで辛いときもあるし、多くの親がとおる辛い瞬間なのかも。障がいの場合は瞬間ではなくずっとかもしれないが。
でも、作中でもあるが、「解決してよ!!!!!」を出来る人がいなくなった時どうなるんだろう。他人の気持ちは分からないけど、自分の気持ちは分かって欲しいって、心に余裕があり、さらに大人にしか出来ない。共感は求めて無くても自分のしたいことはしたい!だとそりゃ~世の中生きにくいよな。と思う。障がいだから仕方ないんだけどね。難しい。でも映画の中には概ね優しい人しか出てこないからハッピーな話。
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