ぼくとパパ、約束の週末のレビュー・感想・評価
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(時と場合により)ルーティンなんてぶち破れ!
原題: Wochenendrebellen
あー、うぉちぇーんどれべれ??
…失礼。
グーグル先生によると「週末の反逆者」ですか。
反逆者とはそうジェイソン君のこと。自らのルーティンや規則との闘い。心と心の闘い。愛情たっぷりの両親がサポーターとなったジェイジェイの反逆の勝利!でした。
権威的なオバチャンと衝突してしまうバス停での一幕にて「この子の苦労の何がわかるんですか?」と訴えるママの心境、見ているこちらも心が痛い。その他、登場し行き交う人々に悪人は少ないのは気休めとなった。(トイレで手を出してきたキッズは別ね)
至って普通の、むしろ優しさのある人しか出てこなかった物語であるが故に、一般的な社会通念とぶつかりまくってしまう主人公の障害の辛さ、切なさを際立たせていたように感じた。
物語のクライマックスは教室でのスピーチ。レビューで何度か触れている事だけど、やはり人と人の分かり合いは「言葉」なんだよな。にんげんだもの。
障害を持つ側も、社会側も、互いにすり寄る姿勢の「通念化」が必要というお話ですね。
実在モデルのジェイソン君は19歳。努力の末、自己と環境の分析は済んでそうな雰囲気でよかった。宇宙物理の学者さん、ぜひ実現して!本作のエンドクレジットにその後についての説明文を追補してくれたらいいですね。
***
The 欧州サッカーファンの私としては、実在テーマの「サッカーチーム全部見たい」については、ええ、ええ、いいじゃない!とお爺ちゃんと同じく無邪気に賛同してしまいたいところだ。が、しかし!例えば浦和レッズのゴール裏で想像してもですよ…。ハンディキャップの有無に関わらず子供連れでの観戦は、受け入れ体質はさておき、親としては…イヤーどうかなーっ(^_^;)て感じですよね。我が家はおとなしくメインスタンドから見てます。
そして毎週末はキツすぎる〜笑 あんな素晴らしい会社は滅多に無さそうですし。
私の好きなチームのひとつだけども、作品がドルト推しなのはなぁぜなぁぜ(言っててイラっ!)まぁいいけどね。
コマンやムシアラなど映って眼福、スーパースター軍団のバイエルンは、こう見るとやっぱりスゲ〜(*_*) アンチの気持ちも、わかるぞい。
接してみないと分からないもんだな
『僕が跳びはねる理由』でなんとなく自閉症について知ったけど、実際に接したことがないと分からないことも多い。
本人に悪気はないし、親も大変というのも理解できるのだけど序盤の、お前らが合わせろとでも言わんばかりのお母さんが若干モンスターっぽく感じてしまい、ちょっと辟易。
バス停でのコトも説明すれば分かるのに、あんな怒鳴らんでも。
音に敏感なのにサッカー観戦とは、と思ったら実話なのですね。
入場のボディチェックは、ジェイソンにとって大きな一歩でグッときた。
笑えるエピソードもあり、微笑ましい場面もありつつも、おぉい!ってのも度々あるから、相反する感情が行ったり来たり。
後半になって、お母さんも表情が柔らかくなり、ジェイソンも少し成長して良かった。
何よりお父さんの会社が理解ありすぎでドイツらしいというか、日本にはなさそうだなぁ。
自分の理解が追いつかない部分もあるけれど、良い映画だった。
残念なマスコット…確かにね…いやカワイイけどね。
アスペルガーの息子を持った夫婦。一人では支えきれなかった。選手交代しながら、祖父母という強力なサポーターに支えられながら、本人もゆっくりと変わっていく姿が描かれます。
アスペルガー症候群の少年が主人公の作品です。
ドイツ作品は余り鑑賞した事がないかも ということも
あって鑑賞することにしました。・_・
鑑賞開始。さて。
主人公の少年が誕生する時点から始まります。
素直に喜ぶ両親だったが、定期的な健診を受ける
うちに、医師から告げられる。
” この子の発達段階に正常ではない特性がみられます ”
突然の告知を、すぐには理解できない両親。 …分かる ・_・;
” それは治るものなのですか? ”
” いいえ この状態は治るコトはありません ”
納得しがたい現実に向き合いながらの生活が続く。
母親が仕事をやめ(翻訳?だったか)世話をする。
父親は… どうやら仕事に逃げているようだ。…うーん。
母方の祖父母が、何かと生活の面倒をみてくれている。
両方ともサッカーのTV観戦が大好きなようだ。
この少年=ジェイソン君は10才になった。
普通の小学校に通っている。 …のだが
小学校の同級生とは上手く行かない。
自分のルールやこだわりが強いのだ。 …分かる
宇宙のことに興味と才能がみられるようなのだが
それすら同級生のからかい対象になっている。
” 太陽系の惑星って何がある? ” と訊かれ
太陽に近い順番では 水星 金星…
大きさの順番では 木星 土星…
同級生たちは、同じことを何度も尋ねるのだ。
聞かれるたび、同じように応えるジェイソン君。
ある日、応援するサッカーチームも無いのかと言われ、
無いと答えると、普通はあるものだと言われる。
ゆりかごの中で推しチームは決まるのだ とも。
” 自分には推しチームが無い ”
そのことが妙に気になり、帰宅後両親に、それぞれの
推しチームがどこかを尋ねる。
サッカー好きの祖父母も話に混ざり、ああだこうだ。
話を聞いただけではぴんと来ない。それなら…
ジェイソン少年、推しチームを見つけるにはスタジアム
で実際の雰囲気や環境、サポーターの質などなど
自分の目で見て判断したい と主張する。
気軽にジェイソンとその約束をした父親。
どこにしようかと決めようとすると、ジェイソン君。
” 最初のチームはくじで決めるから ”
” 最初? ”
” 1部から3部、全部をみないと決められないよ ”
” … …” …気持ちは分かる
こうして、週末ごとのドイツ国内観戦の旅が始まる。
ブンデスリーガに所属するクラブのスタジアムを全て訪問
実際に観戦し、どのクラブが自分に合うかを決める。
そういうことの約束だ。
ブンデスリーガのチーム数は多い。
1部から3部までを数えると、チーム数は50を超える。
絶望的な困難を予想しながらも、実行に移す父。
仕事中心だった父の、息子との行動に安堵し、旅の成功を祈る母。
贔屓チームをTV観戦で応援する祖父母も、父と息子を後押しする。
一つ目の訪問から苦難が続く。
移動中の電車。パスタに付いたソースがガマンできない。
” 解決して! ”
食堂車から席に戻ろうとして、パスタの皿を落としてしまう父。
少年の頭と心が悲鳴をあげる。
” 食べるものをムダにしてはダメなのに!”
多難すぎる前途に、父親の心も悲鳴をあげる…
自分のルールに合わないモノを受け入れない息子と
解決してと言われても出来ないことの方が多い父。
そんな中での父と二人で国内を電車で移動。
スタジアムではサポーター席で試合観戦し周囲の様子を観察。
それに付き合う父と、ゆっくりと
自分のルールを変えることも覚えていく主人公。
そして観戦の旅を重ねていく内に…
◇
と、いう感じのお話でした。
決して悪い内容の話では無いのですが、
「解決して!」と騒ぐシーンの多さ。
観ていて頭が痛くなってきたのも正直な感想です。・_・;ハイ
そんな中でも
家族の理解が素晴らしかった。特に祖父母。
祖父は「自分の父親とジェイソンは似ている」といい
さらに「私は父親のことが大好きだった」とも口にする。
” 周りに自分の理解者がいる ”
そのことの大切さに改めて気付く作品でもありました。
観て良かった。
◇あれこれ
■アスペルガー症候群
作中で「最近流行りの病名」という言われ方をしてました…。
うーん。最近になって出現したわけではなく、昔からあった
病気・症状だろうとは思います。
・落ち着きの無い子
・夢中になると周りが見えなくなる子
・周囲の輪の中に入れない子
あれ? 自分も当てはまる… うーん。そうかも。
有名になっただけではなく、周囲の理解も進むといいなぁ と
そう切実に願います。
■タイトル
翻訳:週末の反逆者(…うーん 物騒)
自分のルールへの叛逆 だったり
周囲の価値観への叛逆 だったり
ゆっくりとでも、周囲を受け入れることも必要
自分を少しでも、周囲に分かってもらうことも大事
自閉症の人間も、少しずつゆっくりとでも
変化も成長もするのだということを改めて
認識できる作品です。・-・
◇最後に
地元にJリーグのチームがあって、スタジアム観戦が日常
生活になっていたり、そこまででなくともスタジアム観戦
の経験がある方のほうが、共感しやすい内容なのかも
そんな風には感じました。
静かな環境が好ましい方にはちょっと…かもしれません。
その点で、現実のジェイソン君も頑張ったなぁ…と。
※本人の画像がエンドテロップに出てますがイケメンです♡
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
家族の愛の話
自閉症の息子とどのように向き合うのか。の家族(主に父)話。
こだわりが強くても、物事を天秤にかけて合理性や事前説明があり、我慢できると思ったら我慢できることもある。そうするとやはりしつけの問題なんじゃないの・・・?と思ってしまう周りの気持ちも分かるな~って思った。つきっきりのお母さんが「愛しているけど辛い。」って本当に辛いだろうな。と。辛いし、そう思ってしまう自分も嫌で辛いだろうし。でもそれは障がいを持っていなくても反抗期などで辛いときもあるし、多くの親がとおる辛い瞬間なのかも。障がいの場合は瞬間ではなくずっとかもしれないが。
でも、作中でもあるが、「解決してよ!!!!!」を出来る人がいなくなった時どうなるんだろう。他人の気持ちは分からないけど、自分の気持ちは分かって欲しいって、心に余裕があり、さらに大人にしか出来ない。共感は求めて無くても自分のしたいことはしたい!だとそりゃ~世の中生きにくいよな。と思う。障がいだから仕方ないんだけどね。難しい。でも映画の中には概ね優しい人しか出てこないからハッピーな話。
彼が乗るEVは宇宙に続いているが、一緒に乗る人がいないと2階にも辿り着けない
2024.11.21 字幕 MOVIX京都
2023年のドイツ映画(109分、G)
原作はミルコ・フォン・ユターセンカ&ジェイソン・フォン・ユターセンカの自伝『Wir Wochenendrebellen: Ein ganz besonderer Junge und sein Vater auf Stadiontour durch Europa(私たちは週末の反逆者:ヨーロッパのスタジアムを巡る特別な少年とその父親)』
自閉症の少年が推しのサッカークラブを探す旅に出る様子を描いたロードムービー
監督はマイク・ローテムント
脚本はリヒャルト・クロプ
原題は『Wochenendrebellen』、英題は『Weekend Rebels』で「週末の反逆者」という意味
物語の舞台は、ドイツ北西部のハーン
バーガーショップのスーパーバイザーとして働くミルコ(フロリアン・ダービト・フィッツ)は、ドイツ中にあるチェーン店のアドバイザーとして奮闘していた
彼には妻のファティメ(アイリン・テツェル)との間に10歳になる息子ジェイソン(セシリオ・アンドレセン、幼児期:ヴァエンティン・アンドレセン)がいて、妹のルーシー(Florina Siegel)は生まれたばかりだった
ジェイソンは自閉症スペクトラムと診断されていて、なかなか周囲に馴染めない中、自らが作り出した「ルール」によって日常を過ごしていた
ある日のこと、クラスメイトのエマ(Charlotte Hübner)から好きなサッカーチームのことを聞かれたジェイソンは、意味が分からないまま家族に相談することになった
同級生のヘンリー(Otis Ray Whigham)の言う「ゆりかごの時に決まっている」は、「生まれた地域のチームを愛する」と言うものだったが、父も母もハーンのチームを推しにはしていなかった
そこでジェイソンは、父と共に週末にスタジアムに行って、自分の好きなチーム探しをすることになった
そして、ミルコは上司のブリンクハウス(Leslie Malton)に直談判し、週休2日の職務に就き、週末はドイツ中のスタジアムを回ることになったのである
映画は、自閉症のリアルを描きつつ、それに翻弄される父親と、少しの間解放された母親との関係が描かれていく
祖父のゲルト(ヨアヒム・クロール)は自身の父が自閉症だったと語り、それゆえにジェイソンと仲良くなれると言っていた
実際に過ごす時間が長くても理解できないこともあるし、わずかな時間でも理解できる人もいる
要は、ジェイソンをどの視点で見るかによって変わってくるものがあって、その視点に行かなかった自分の本性と言うものも見えてくる
ジェイソンが言う「パパは僕から仕事に逃げている」と言うのは、彼自身からはそう見えている部分があり、ミルコ自体は否定したい気持ちを言葉にはできなかった
この温度差を理解するに至るのが「EVに乗っているジェイソンを見ること」になっていて、彼は何度もEVを上下させていた
一緒に乗っていると、複数回上下させる意味はわからないのだが、俯瞰してみるとその意味が見えてくる
ジェイソンは「そのEVにずっと一緒に乗ってくれる人」を探していて、一過性で乗り降りする人では彼の人生に寄り添えないことを訴えていたのではないだろうか
いずれにせよ、かなりリアルな自閉症映画なので、あまりの行動に苛立ってしまう人がいるかもしれない
バス停の席で揉めた老女(Nela Bartsch)のように、ジェイソンが自閉症で、自閉症がどんなものかを知っていないと同じ行動を取る人は多い
母親も含めて、関わりたくないので場所を空けると言う人がほとんどだと思うが、関係なく躾がなっていない子どもとの区別を瞬時につけるのは難しいと思う
まずは自閉症についての正しい知識の浸透が必要なのだが、通りすがりの人にまで配慮や理解を求めるのは無理だと思う
なので、それを理解している人が端的にフォローに入れば良いのだが、それはそれで過酷な道のりのように思えた
男の子の視点
ドイツにて。自閉症の少年と、その家族の物語。 どのサッカーチームを...
ドイツにて。自閉症の少年と、その家族の物語。
どのサッカーチームを応援するか決めるため、
ブンデスリーガ1,2,3部の全56チームを、
すべて現地で観戦して回ろうとする様子。
勉強熱心で賢く、頑固で、決めたことは絶対に譲歩せず。
自閉症あるあるかもしれませんが。
近くにいると、疲れることも多いでしょうが
自分の言葉で意志を都度話せるところには、感心するのみです。
(日本人だと、自分の考えを自分の言葉でよどみなく言える場面、ほぼ見かけませんよね。老若男女問わず。)
いちサッカーファンとしては、
さまざまなスタジアムや応援模様が映るところ、
眺めるだけで高揚感がありますね。
観客や施設をみて、本場の長年の積み重ね、端々から感じ取れました。
テレビの前で、一家三世代が集う、
4部リーグでは、照明施設が折畳み式でも、公式戦開催可能、
ナチス時代の建造物を、そのまま利活用したスタジアムもある、
入場前に、手荷物はコインロッカーに入れる、
など。
パパの推しチーム Fortuna Düsseldorf の帽子に、日本語の平仮名 "ふぉるとぅな" が刺繍されているのにも驚き。
旅行好きな目線では、駅や列車内、車窓なども、高揚感を抱くところです。
(私事ですが、ドイツには過去に2度行き損ね、まだ未踏のままです。)
原題 "Wochenendrebellen" すなわち "Weekend Rebels"
男の子のやんちゃぽくて、無性に好きです。
拍手。
自閉症の子を持つという事とは。。。
24-132
実話を元にしてたとしても創作は入るし、 症状は千差万別と分かっては...
実話を元にしてたとしても創作は入るし、
症状は千差万別と分かってはいるものの、
ちょっと都合の良い症状に思えてしまった
それに気付かなければ3.5か4でも良かった
未だ探し続けているそうで、
それは応援したいです
まさかの実話…
かなり微妙
バディ物 / ドイツのチャント(魂の歌)を聴け!
歓声と熱狂!!スタジアムの圧!!
グッバイレーニンといいドイツは家族愛の描写が上手い。
流石ドイツ🇩🇪といった感じ
自閉症啓発映画かと思っていたら騙された
ドイツ、熱狂、家族愛、地元愛、旅行、成長、自己選択、責任とは、異文化、なによりテンポの良さと皮肉の多さ! 哲学少々...
地元愛っていいね!家族愛を拡大すれば地元だろ!?
スポーツ観戦が好きな人に勧めたい。ドイツ人のサッカー愛と圧を感じて欲しい
飽き性故にテンポの良い映画だけ見たい私のような方にも勧めたい。たった110分。丁度よい長さ
タイトルや題材から家族愛は当然として...
個人的にはスポーツ仲間や学生時代の部活仲間、意外と会社の同僚と見たいと思った。バディ映画的なのりの良さがある
馬鹿やっていた若い頃の気持ちを思い出したり、仕事に追われている今の自分と重ねてみたり、どちらも否定されない働く大人に優しい良いストーリー
父親が四苦八苦しているのでご夫婦やカップルで見に行くのも良し?奥様方は日頃の溜飲が下がり夫婦仲の改善に一役買え...るかもしれない。知らんけど
概要
ひとりひとり違って素敵、という福祉的な話よりは障害健常関係なくその人個人の快不快が生きる喜びや根源でありそれ故の個々人の価値観や幸せ、的な今流行りの自己理解やマインドフルネスっぽさを感じた。知らんけど
掴みの映像美。
目まぐるしく行われる試合のテンポの良さ。
英語のロックミュージックとドイツ語のサポーターの応援歌が混在していてバランスも良かった。
息子の言動にはヒヤヒヤしたけど元々そういう題材だし、それより息子のひねくれた(ように聞こえる。本人は至って真面目な)一言や、皮肉や冗談が沢山あり笑いどころが多く楽しい。
シリアスなシーンにもどこかしらに笑いどこが含まれていて終始楽しめた。
科学の話や時折入る哲学な話と構成、難解な息子の発言に悩んだり(自閉症の息子の考えや立ち位置が容易には理解できなかったので頭を使う程よいプレッシャーになって良かった)、家族愛に感情を掻き立てらて、思考とエモさも良いバランスだったと思う。
息子も父も祖父も皆演技が良い。欧州の子役は上手なイメージがあったが、期待以上で驚いた。
1.5h結構あっという間だった。
結論、とっても楽しい映画。
個人的な笑えるハイライト
・パパの推しチームの帽子にひらがな発見に笑顔
・パパがシャイセ(物理)で笑った
話は単純で想像がつくこともあるが、宇宙の話も一人ひとり違って同じにはなれないようにも感じたり、オチも起点とよく合っていて、ストーリー構成は理論的で無駄だと思うシーンがない映画だった。
矛盾なくカッチリした感じは流石ドイツといったところなのか
(星に関してはやりすぎな気がするが実態を知らないので...)
前半の勢いの良さからはちょっと意外な余韻のある落とし所だった。
息子が問題を起こすシーンを別にすれば、ヒーローのポジションは父親や祖父ではなく、エレベーターの中で戦う息子が私達のクソな常識やシャイセな価値観をヒロイックに壊してくれることだと思う。
檻の中に居るのは彼らではなく私達かもしれないと前向きに教えてくれたように思う。
私達も普段から自分の楽しみや不快感にもっと素直に自由になって良いのだろうなと思った。
ドイツや欧州人のライフワークバランスの良さは、子供のように熱狂できる場所があってオンオフの切り替えが容易な社会に支えられていて、それも障害の人の生活のしやすさに一役買っているのでは?などと考えさせられた。
登場人物の誰に共感しても面白く出来ていてとても良かった。
その他
日本語訳がストレスフリーで助かった!
最後のパパとお父さんの呼びは方は変えてもよかったかな。しらんけど
皮肉をこれでもかと多用しているところを考えると、息子のグリーンな発言は風刺にも感じた
試合の臨場感と主要な役者の演技が良かったので観客席の雰囲気の落差や間がもう少しリアルだったら...と及第点か
アメリカ映画イマイチで他の国の外国映画が思い白い法則があるのかと思う程最近は良い映画に当たる。ある意味満足できる映画のエンカウント率が上がっているので幸せなのかも
全ての教育者、親に見てほしい
確かに経済面でも職場環境(上司)にも恵まれているが、それを差し引いても余りある両親の愛情に支えられたなかで「成長」して行く自閉症児を見事に表している。子役の迫真の演技もすごい。
そんな中で本作は、子供(人)を育てる時に最も大事なことは、「指導」することではなく「受け入れる」ことだと教えてくれた。多分障害児に限ったことではなく普遍的な原理なのだろう。作中ではそこに至るまでの家庭、世間、学校などの無理解や反感もあり、両親自身も「正義の味方」ではなく、それなりの葛藤もあったことが丁寧に描かれている。
エンドロールで実話であることが紹介されるが、この物語を「恵まれた例外」にしてはならないと感じた。障害に限らず欠点のない子供(人)はいないのであって、それを「指導」するのではなく「受け入れる」ことで見えて来る世界がある。
ドイツ映画は深いものが多いが、本作は特に秀悦。
ゆるキャラは人気あるねんでー
ジェイソンが、56ものサッカーチームを巡る旅は、
単なるスタジアムツアーではない。
それは、五感で世界を捉え直し、
自らの内なる声に耳を傾ける、壮大な自己発見の旅だ。
文字通りの、書を捨てよ街へ出よう、だ。
発煙筒の煙、古いトイレの臭い、ビールを浴びる、
大歓声、身体検査、スタジアムの振動、
これらの五感で得られる情報は、
wikiには決して記されない、
SNSにも発信されていない、
生の体験から得られるジェイソンだけの生のデータだ。
ジェイソンは、これらの感覚を頼りに、
自分にとっての「正解」を導き出していきながら、
ブラックホールの終焉までを、
ジェイソン脳に蓄積、
実存するカオスもファイル化していく。
言葉という抽象にごまかされない、
その為にも重要な事は譲らない。
それは、頭で理解する前に、体で感じるという事。
センサーは心臓、ドキドキすればGO、
まずは体感的な選択肢をあげる。
ママパパの選択肢ではない、
ドイツの選択肢でもない、
ジェイソン自身がルール化した選択肢だ。
本作が更にに際立っているのは、
彼が単にサッカーチームを選ぶだけでなく、
自分自身を見つめ直す過程を家族と共に描いている点である。
彼自身は、家族や社会が定めた枠組みから飛び出し、
自分の感覚を信じることで、
新たな自分へと成長していく。
と同時に、
ママパパ、家族は、
まるでトム・クルーズが「レインマン」で、
ダスティン・ホフマン演じる兄から多くのことを学んだように、
守る側と守られる側の関係が逆転するような、
深い共感と成長もみせる。
パパのセリフ「攻守交代だ!」が象徴的だ。
単なる感動的なヒューマン作品にとどまらない。
現代社会において失われつつある、
あらゆるスペクトラムの源泉である、
人間の感覚や直感の重要性を再認識させながら、
個々人にとってのインクルーシブという考え方、
行動のしかたを、
再考させてくれる作品でもある。
【最後にジェイソンへ】
残念なマスコットは日本では、
ゆるきゃらって呼ばれて、人気があるんやでー
先々の不安は一杯、だけど日々やるしかない!
日本国内でも障害のある人をメインに据えた作品は数多く、TVドラマや映画で目にすることができるし、扱いやすい(目に付きやすい)テーマだからか、近年その数は増えているように感じます。
でも大抵の作品は外の世界から見たその人を描いているからなのか、人物像がテンプレート化されていると思うのですが、本作は主人公JJ君の内なる発露というか思考・感情の具現化がなされているところがとても良かったなぁ、そんな感想を抱きました。
JJ君が語る「ボクの中で戦争が起きている!」そうだろううね、そうだろうとも。
両親が語る「私たちはいずれいなくなる、その後に……」だよな、だよだよ。
どれも正解は出せないまま、でも今日という一日は精一杯、そして明日に繋がる何かを掴もうと行きつ戻りつ進んで行くしかない。
もちろん、主人公一家は恵まれた環境の中にいるのでしょう、多くの人々はそうではないかもしれませんね。
でも、幸福を求めることをみんなで考えたくなる、そんな良作でした。
(ちなみに、ワタシが日々顔を合わせながら一緒に仕事をしている仲間にもひとり自閉症の若人がいて、ある程度は踏み入った会話はするものの、中の中まではいまだ知り得ないのですが、本作を観て納得する部分が多かったなぁ)
話しは作品内容から逸れますが、本作を角川シネマ有楽町で鑑賞しました。
何故だかわかりませんが、ほぼ満席!何年も当劇場に足を運んでいますが、こんなの初めてでした。宣伝が凄くされているとは思えないのですが、何か他の要因があったんでしょうかねぇ?
自閉症特性を知る教材
全56件中、21~40件目を表示