「期待は超えては来なかったけど、ダイナミックで美しい映像美に酔いしれる2時間半」グラディエーターII 英雄を呼ぶ声 Jettさんの映画レビュー(感想・評価)
期待は超えては来なかったけど、ダイナミックで美しい映像美に酔いしれる2時間半
初めに誤解なきよう記載しておきますが、素晴らしい作品だとは思っています、なので★4つ付けてます
大傑作の『グラディエーター』(2000)の正統続編、そして今作も前作と同じリドリー・スコット監督作品、これで面白くないわけない、という期待どおりの作品、裏を返せばそれ以上に超えては来なかったので、観た直後の感覚はちょっと物足りなさを感じたのが正直なところです
作品全体通してとても良いし、ホントに悪くない、でも何となく手放しで◎が出せないのは何故だろう・・・?と考えた時、下記の理由かなと思いました
①24年も経た今、続編を製作する理由が全く分からない、本編を観ても答えは見つからなかった
オスカーも受賞したレジェンド級の前作、その続編をこのタイミングで作るのはよほどの理由とがあるんだろうと注目してましたが無い、全く理由がわからない、前作の数年後に作る様なただの後日譚
トム・クルーズさんが『トップガン マーヴェリック』(2022)で世界を唸らせる大成功を収めたから“ボクもそういうのやってみたいー!”みたいに思ってのことなんでしょうか、残念ながら全くその域には達せていませんでした
②主役のポール・メスカルさんには申し訳ないけど、①を思って観ているであろう世界中の観客に対するアンサーを背負うほどのオーラ(魅力)がない、そう考えるとラッセル・クロウさんは凄かったんだなあとしみじみ思いました
この2つだけでも本作の根本的で大きな釈然としない要因なんだろうなと思ってしまいました
とはいえ大巨匠リドリー・スコット監督作品、映像がとても美しく、最高にダイナミック
特にコロッセオと古代ローマの街を描いた空撮や街並みの映像は圧巻、冒頭のバトルシーンもリドリー・スコット監督作品らしく最高にエキサイティング、それ以外にも全体的に重厚で最上級のリッチ感を味わえる素晴らしい映像に大満足です
数カ月前に観た『エイリアン:ロムルス』のおかげでローマ入り口ゲートの上に鎮座するローマ建設者“ロムルスとレムス”のオブジェは直ぐに解り楽しめました、だから本作のおバカな皇帝も双子なんでしょうか
リドリー・スコット監督作品のオープニングロゴ“SCOTT FREE PRODUCTION”のアニメーションと同じ様な作風でオープニングに描かれる1作めのダイジェスト映像、どうやって本編に繋ぐか興味あったけど、何の捻りもなかったので、なんかこの時点で“スカしてるだけ”の雰囲気作品じゃなきゃいいけどな、と冒頭からいささか心配になりましたが前述の通り本編は良かった、あそこだけトーンが全く違うので何だろう?と。
サブキャストがとても良かった
前作から続投のルシウスの母ルッシラを演じるコニー・ニールセンさん、元々すごく綺麗な人だけど、今回さらにメチャクチャ色っぽいマダムになっていて素敵でした
そして奴隷商人で一国支配を目論むマクリヌスを演じるデンゼル・ワシントンさんがとても風格があってカッコよかったです
そして音楽も前作同様にメチャクチャ良かったです
今回の音楽は前作の名匠ハンス・ジマーさんからハリー・グレッグソン=ウィリアムズさんという方に変わってはいますが全体的にとても良かった、前作のオリジナルスコアも使われ、特に後半からラストにかけて効果的に流れてメチャクチャ盛り上がります
いろいろ書きましたが、それも期待値が高過ぎたが故の事で素晴らしい作品であることは間違いない作品だっと思っています