追想ジャーニー リエナクトのレビュー・感想・評価
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等身大で描いた箱庭の、その先へ
過去の後悔も幸福も、その経験を未来に活かせるのは、「人生」という舞台の主役である自分だけ。観終わった後に、「変わろう、一歩でも進もう。」と小さな勇気をもらえる、そんな作品です。
不思議な背景・時間軸の中でも、主演の松田凌さん、渡辺いっけいさんを筆頭に、キャスト陣の演技がとても自然体で違和感がなく、お話に没入できます。
舞台と映画、そして現実と夢の間に客席があるような、不思議な感覚・世界観に包まれる面白い演出です。
映画本編が66分と短く、とても集中しやすい。
サクッと観れる上に、内容も深く、満足感があります。
作品を生み出すことに興味のある方や、舞台好き・映画好きの方にオススメです!
退行催眠なら知ってるけど対抗睡眠は初めて聞いた ここだけの造語かな...
退行催眠なら知ってるけど対抗睡眠は初めて聞いた
ここだけの造語かな?
ご都合主義なところもなくはないけど、
短かったし場面展開早めだし、
サクッとまとまってて良かった
タイムスリップとも違うし、
塗り替えられる過去を見られるだけで実際変わるわけでもないし、
新しい流れですね
出演者のファンがみるものであって映画ファンが満足するものではない
舞台を映画で鑑賞するような体験は良い。
それ以外はせっかくの舞台を中途半端に使っている印象で
そこにいるのかいないのか夢だからどうでもいいのか。
芝居はいかにも日本の舞台の演技という感じです。
外国の人に言われる大げさな芝居というやつです。
できの悪い舞台でいい役者が奮闘している様子が見られる。
これが舞台としてお金払ってみたらそれはけっこうキツイだろうなと。
映画に落とし込んでるから「いいはなしだったかもー素敵なお芝居だったかもー」となる
でも結局夢なのでしらけてしまう。
あの時もしこうしていたらという話なので
年寄りには刺さるけど若い人には刺さらない
人生に悔いがある人におススメ。
後半だいぶ白けてしまうかもしれない。
でも映画館で爆睡していびきかくのはやめて欲しい。
わざわざ隅っこの席を陣取って足を前の席の上にドンっと投げ出して寝てたあのオッサン
出禁にならないかな。
イオンシネマさん何回も言ってるけど見回りしてくれよ。
2作目だから仕方ないけど
2024年劇場鑑賞268本目。
パンフレットが通常版1100円、豪華版5800円だったので、パンフレットコレクターとしては悩みに悩みましたが知らない人たちの写真集にそんな額出せないし断念しました。面白かったら鑑賞後買おうかとも思ったのですが・・・。
スランプに陥った劇作家が退行催眠をかけて三十年前の自分にアドバイスするという話なのですが、退行催眠ということが分かっている上で見るのでどんな展開になっても目が覚めたら無しになるのが分かっている訳です。これがもし退行催眠のくだりがなかったら不思議な話になって最後切なくなれたのですが・・・。何をやっても無駄のが分かっている1時間、まじできつかったです。
新感覚。
映画館なのに演劇を観ている様な不思議な風景が広がっていました。
可能性を持った自己責任感と他者への良い意味での諦観力の大切さ、感じました。
細部をまた観に行きたいです。
そして岸洋佑君の唄声を映画館で聴く事、応援者としての一つの願いでもあったのでとても嬉しい。
そして、本編と主題歌『表紙絵-samune-』が繋がったあの瞬間はずっと忘れない。
この素敵な本編も主題歌も、沢山の人の心に届きます様に。
追想の中では生きられないけれど
非常にコンパクトな作りでありながら、キャストの演技で引き込まれていく良作。人生において誰もがひとつやふたつの大きな後悔はあり、主人公に限らず彼に関わった人の後悔も滲みなかなかにしんどい。でもシニカルな笑いがあり暗くはならない。年齢の違う渡辺いっけいと松田凌、同一人物の演技は秀逸。惜しいのは彼等以外の台詞が音楽で聞き取りにくシーンがある。ラストのシーンは美しく余韻が深い。観る人のその時の感情で感じ方が様々なのでは?追想の中では生きられないけれど旅をして去るには悪くない。そういうお話。
もう一工夫ほしいです
脚本家の人生を退行体験するストーリー。
その体験を舞台上で表現した作品。
コンセプトは非常に面白い。
舞台が好きなので構成は非常に好みでした。
見せ方に工夫が欲しい
追体験しながら舞台上での並行世界の変化が分かりづらいです。
例えば演者が目を瞑るや頭痛がするような表現があると分かりやすいと思った。
亡くなった仲間への介入の時など強調したい際はいいのですが舞台なのだから、現代(30年後)の自分はスポットライトから外すなど。
このおっさん誰?と他者に言われながらも、急にそこにいないかなのような表現になったりと置いてきぼりをくらいます。
あくまでも追体験、退行体験で本人の見方という表現にこだわっているのかもしれませがそこに自己満足感を感じました。
過去は思うように変えられないといった定着したあるある概念とは一味違ったあくまでも退行体験というのは面白かったです。
総評はコンセプト、ストーリー構成は素晴らしいが生かしきれてないと言う印象です。あと一歩でした。
素敵な映画
66分間の映画ということでしたが、あっという間でした。面白かったです。
はじめは退行睡眠の意味がよくわからなくて、寝て起きたら現実が変わっているってこと?そんな都合よく?と思いましたが、最後まで見るとやっぱり都合よく人生は変わらないようでそこがよかったです。
結婚して子供もいる人生もあったのに、やっぱりうまくいかない。自分は自分なのだからそれは当たり前。
人生はままならない。
仕方がないことのほうが多い。
それでも、苦しくても、愛おしい。
人間は苦しいものを見たいんだよな、最後の舞台「JOURNEY」を見てそんなふうに思いました。
主演の松田凌さんのファンですが、舞台だけでなく映画も素晴らしかったです。特に、赤ちゃんの手がふわっと頬に当たった時の笑顔を見て幸せで満たされた気持ちになりました。
また、渡辺いっけいさんの病室でのやりとりにホロリと涙しました。
松田さんがスマホに驚くシーンがあったのですが、普通にスクロールしていてそこにすこし違和感を感じてしまいました。30年後の機械をそんなにスムーズに動かせるかな?と。それとも見逃した意図があるのでしょうか。批判ではなく個人の感想です。
こいじはからの御縁で松田凌さんへの再オファーとのこと、とても嬉しく鑑賞しました。
また追想ジャーニーのチラシが店頭にもうなくて、係の方に聞いたら奥から出してもらえました。イオンシネマのスタッフさんありがとうございました。
全国で上映してくれて観に行けました。嬉しいです。
不思議な爽快感
あまり前情報を入れずに鑑賞しました。
タイムリープもの?
なぜ舞台上で話が進行する?
辻褄が合うような合わないような……?
という疑問が浮かびながらも、現在・過去の主人公組の軽妙なやり取りが楽しく観ていたら、最後のオチで、なるほどそういうことか、と腹落ちしました。
設定を先に説明するのが良いのか、あとでネタバラシがいいのか、好みが分かれそうですが、個人的にはわからないまま観て良かったと思います。
ストーリーはあまり捻っておらず、展開は読めるけれど、コンパクトにまとまっていると思います。あさみ、峯井のパートは、安直というか、テンプレ的な展開に感じたので、掘り下げと捻りが欲しかったところです。そのテンプレ感も、もしかすると意図したものかもしれませんが。
渡辺いっけいさんの演技力、ラストのパートの演技、表情がとても良く、印象的でした。この映画のカラーを決めてくれていたと思います。
若き日の主人公役、松田凌さんも、ヘタレな主人公を、どこか憎めない等身大の存在として好演されていたと思います。
中村役の福松さん、粗削りな感じも受けつつ、重要な役どころを、視線やこまかな仕草でよく表現されていたと思います。気になる役者さんになりました。
決してハッピーエンドではなく現実的でシニカルな視点も感じるのに、説教くさくなくて、不思議と鑑賞後に爽快感がありました。
拾い物のタイムリープもの
前作があったことも知らなかったが、思わぬ拾い物だった。
売れない脚本家が30年前の自分に会いに行くお話。よくあるタイムリープものなのだが、舞台セットをメインに展開する物語が斬新。若き自分にアドバイスすることで過去自体がリアルタイムに改変していく様子がすこぶる面白かった。正直66分は短すぎる。
短いと言っても内容は濃密。時間遡行は開始2分で完了するし、スマホに驚く若い自分に「そこはいいから!」と話が進むのもコメディ的で笑えました。
あの時彼女に声を掛けていれば…もっと友人を大切にしていれば…という、まあ歳を重ねた人間ほど刺さる映画ですね。
渡辺いっけい、松田凌、新谷ゆづみといった出演陣が良い演技を見せてくれます。中でもですね、主人公の友人役の樋口幸平が素晴らしいんですよ。なんという心揺さぶるアクト。桃井タロウからの飛躍をドンブラザーズ好きも確かめておきましょう。
物語の幕引きだけはやや不満。もう少し綺麗にエンドロールに持って行って欲しかった。
何度でも、観たくなる。
舞台を人生そのものに見立てた演出だったり横田と峯井をはじめとする周囲の人々との関係性だったり、退行睡眠が紡ぎ出す未知の世界線が横田にもたらす影響についてや、ひいては本作品の鑑賞後には自身の人生のあり方見つめ方までも考えさせられたりと、まだまだ何度でも楽しめそう。
上映時間は短めだし登場人物が多いわけでもシリアスな物語というわけでもない、なのに物語の襞が多いというかものすごく色んなことを考えさせられる。かなりいい塩梅に、我が身に置き換える余地があるというか。だから何度でも観たくなる。
こんなにもだれかの人生に没入し興味をそそられるなんて思いもしなかっ...
こんなにもだれかの人生に没入し興味をそそられるなんて思いもしなかった。
主人公の横田雄二の仲間でもあり友人でもある峯井を演じた樋口幸平くんの峯井ゾーンとも呼ばれる泣きの演技にも注目です。
ほろ苦さにこめられた希望
壮年と呼ばれる年になった。未来への希望がないわけではないが、もはやエヴァーに乗れというオファーが来ないだろうという失望感はある。
あー異世界に飛ばされてぇな!
女神からチート級のスキルを与えられたり、今持っているなけなしのスキルを重宝がられたい!俺TUEEEEしたり、制服デートがしてみたい!
──そんな人生リセット逆転願望をお持ちの同年代にとっては、この映画は少しほろ苦い気持ちになるかもしれない。
しかし丁寧に鑑賞すると、そんなほろ苦さも丸ごと肯定してくれるような、実に希望に溢れた作品でもある。
この映画は、売れない脚本家が行き詰まった結果、【退行催眠】によって30年前の自分に会いに行き、人生をやり直そうとする話である。良い設定だ。ワクワクする。「早くいろんなことをやり直したい!!」という気持ちになる。
演出もいい。この映画のユニークな点は、演劇の舞台の上で大半の物語が進行していくところだ。舞台からの声の反響、足音の響きなどが臨場感あってワクワクする。
舞台の上手・下手の概念に、演者側の視界や客席からの視界も加わるのが楽しい。
寓話的なカッチョイー映画の雰囲気もある上に、大半のロケがカットできそう、という仕事のうまさに唸る。(とはいえ素人考えなので実際はロケより大変なのかもしれないが) こだわりの映画をみたなあ!という清々しい気持ちにさせてくれる映像作りだ。
俳優もいい。おじさんの方の脚本家(主人公)は渡辺いっけい氏。芝居がうまくてみていて気持ちがいい。他出演陣と比べるわけではないが、やはり表情や声の出し方が頭一個抜けている。ダメダメ感も好感が持てる。
若い方の脚本家は松田凌氏。この映画に舞台と映像の多くの経験をつんでいる彼を当てるのは正解だ。あらゆるシーンで見せ方がうまい。クライマックスシーンで、渡辺いっけい氏の演技とオーバーラップし、そして溶けていく「引き算」の演技が良かった。難点としては、設定としてはダメ男なはずだが、顔がいいのでまあいいか、と思わせてしまわないか?という羨ましさである。
主人公の胸に後悔の楔を打つ後輩役には、樋口幸平氏。ドンブラザーズが嫌いなやついるぅ!?いねぇよなあ!と贔屓目に見ていたが、儚い好青年の役が抜群にあっており、クライマックスシーンで泣かされてしまった。調べるとホリプロの若手。今後にも期待したい。
展開である。ネタバレをご容赦願いたい。
独身だった男が、愛を獲得し、子供にも恵まれる。デレデレとする主人公(若)にこちらもにっこりである。いいぞ。
そして、自分との「約束(夢)」を叶えようとしてくれた後輩の死に目に、今度はきちんと会える。男泣きしながら同志に感謝を述べる人生、いいじゃないか…!!
だが、退行催眠の世界線があやしくなる。
脚本は世の中から認められることはないし、妻子にも愛想を尽かされる。なぜならば、自分の弱さから逃げ続け、閉じこもっているからだ。
これは私の解釈だが、苦悩の種は最初から、成就できなかった「夢」や「愛」の呪いではない。「自分が何者でもなかった」と認められない弱さなのだ。自分が自分の人生を肯定しない限り、呪いは続く。辛い。
この映画のほろ苦さ、そして希望の話にもどる。
主人公が退行催眠に入る前と入った後。もちろん歴史は変わっていない。ほろ苦い。だが、どこか憑き物が落ちたような主人公(おじ)の顔が印象的だ。
たったひとつだけ、退行催眠でも行い、現実世界でも行ったこと。
「これが俺の人生だ」という苦しい肯定。
その物語を書き、そして上演する席で映画が終わるのだ。
私はこのシーンが希望だと思った。弱さや未熟さを抱えても、それが自分の一部であることを受け入れ、「それでいいんだ」と思える瞬間にこそ、私たちは救われるのかもしれない、と思ったのだ。
この映画は、昔に夢や愛などに強い目的意識をもってとりくみ、そして成就できなかった人たちには、大きな共感をもって迎えられるかもしれない。
しかし、なんとなーく生きてしまった私のような人間においても、「これが私の人生だよな、でもま、いーよな」という心の弾力性を与えてくれた。
華々しい成功や劇的な変化はあじわえない。
だが、この映画はこの現実を「悪くない」と思わせてくれる力がある。
いったんどこかで落ち着きたい壮年におすすめてある。
追想ジャーニー リエナクト
自分の人生を振り返ったり気持ちに折り合いを付けられて少し背中を押してもらえる作品。いわゆるタイムリープ物とはちょっと違って非現実なのにある意味現実的。舞台のような映画。時間が短くて集中が途切れない長さなのは良いけど少し掘り下げが足りないところもあってもっと彼らの人生を見たかった。
過去と現在の主人公のやり取りは本人同士だから遠慮もなくて小気味よい。
過去を変えるぞ!という積極的な感じではなくて残してきた自分の気持ちに折り合いをつける旅なのが派手さはないけど見る人の気持ちに寄り添ってくれるよう。
見終えてから自分の後悔や気持ちに触れて、だけどそれが悲しいではなく優しい気持ちになれるそんな作品でした。実際に退行睡眠という治療法が確立されたら心が救われる人がたくさん出るだろうな。
人生に後悔がある方に観てほしい
※第2弾とは言っても、前作とは「退行睡眠」という設定が同じなだけで、続き物ではないので、前作を見てなくても全く問題ないです。
誰もが胸に持っているはずの、もう戻れない日々の後悔。
あの時、違う道を選んでいたらどうなっていたのか。きっと誰しも考えることがあるはず。
本作は、渡辺いっけいさん演じる現代の横田が「退行睡眠」を使って、松田凌さん演じる過去の自分に会いに行き、過去に自分が選べなかった道を辿っていく話。
でも、タイムリープものとは違って、睡眠中の頭の中の出来事ということなので、あくまで自分の中だけの話なんですよね。違う世界線を辿っても、変わるのは自分の意識や心持ちだけ。そこが面白いところ。
また、退行睡眠の間のことは、舞台の上で、一つ一つの場面を切り取るように進んでいく。暗転でパッパと切り替わるのでテンポも良い。これも独特で面白いところ。
渡辺いっけいさんと松田凌さん、現代と過去の横田の、テンポの良い掛け合いが気持ちいい。お二人とも舞台経験も豊富なので、映像でありながら舞台上でもあるこの映画と、演技のテイストがばっちり合っている。
横田は、脚本が書けないとイライラしたり、周りに八つ当たりすることもある、自己中心的な男だけど、お二人とも、それを単なる嫌なヤツではなく、等身大の人間らしくチャーミングに演じているので、共感できる。
対して、樋口幸平さん演じる峯井は、とっても良い子。横田への献身が美しい。後半にあるシーンは感動しました。
福松凜さん演じる中村は、その2人の健全じゃない関係に、リアリストとして冷静な目線を入れてくれる人。中村がいることで良いバランスが取れていると感じる。中村も後半のシーンでグッと来ました。
短いですが、その分よくまとまっていて見やすい話だし、あとに残る、考えさせる後味があります。
もう少し時間を長くして、横田と峯井の関係性をもっと描いてほしかったかなーとはちょっと思います。共依存的な、深読みしがいのある関係なので…
でも全体的に面白くてオススメです!
どちらかというと、年齢を重ねて自分の人生に多少の後悔がある方の方が刺さるかも。
何度も見たくなる作品。
追想したいこと、やり直したいなって思う事や後悔した事って人生生きていたら1つや2つあると思います。私もあの時こうしておけゆ良かったなって思う事はあっても実際に戻る事はできないから、
作品を通して一緒に追想してるようで見ていて心地良かったです。初見だと最初不思議に思う事もあるけど、最後にはあーそういう事かって思うし、見終わると横田雄二と同じように晴れやかな気持ちになれて観てとても良かったなと思いました。
舞台を軸にしていてそれを映像として撮ってるので新鮮ど不思議な感覚でした。
また俳優さんの演技も素晴らしくて、主演の松田凌さん、渡辺いっけいさんはじめ自然な演技で自分がこの世界に溶け込んでるようで素晴らしかったです。表情ひとつとっても表現方法が素敵で良かったです。
舞台劇みたいで面白かった
次回作の筆が進まず悩んでいた還暦の脚本家・横田雄二のところに、過去の自分に会える、退行睡眠、の案内が来た。雄二は過去の自分に助言し、自身を売れる脚本家にしようと、退行睡眠を試してみた。30歳の若き雄二は、30年後の自分が目の前に現れ、理想とかけ離れていたことにガッカリしたが、未来の自分のアドバイスに応じ、彼女を作り、結婚して子が生まれ、親友の死に立ち会い、後悔したことをやり直していき・・・さてどうなる、という話。
自分の執筆する机、友人のベッド、公園のベンチ、の3つしか無い舞台での劇で低予算作品だが、還暦の横田が過去を悔い、改めていくとどんな人生になっていたのか、新たな世界でもやっぱり薔薇色の人生、ではないなぁ、とかなかなか面白かった。
還暦の横田役の渡辺いっけいがパッとしない脚本家を好演してた。流石だった。
30代以上の方に是非見て欲しい作品
前作「追想ジャーニー」を視聴した上で、今回の「リエナクト」を鑑賞しました。
前作を踏まえた二作目だからか「退行睡眠」に関する説明がバッサリと省かれていて、設定も知らず初見の方にはちょっと意味がわかりづらかったかもしれない。
なんとか脚本家として食いつないでいる60歳の主人公が、依頼仕事を苦悶しながらこなしている世界から、若いなりに行き詰まりを感じている30歳の自分に会いに行くお話。
ただし、夢の中で。
人は誰しも後悔や「たられば」を抱えて生きている。
もし、私自身が退行睡眠を体験したら、いったいどの瞬間にたどりつくのだろうか。
主人公の横田雄二が悔いを残してきた過去をひとつずつ追体験するのに重ねて、自分までもが退行睡眠を体験したような不思議な感覚に陥ります。
主演の松田凌さんは、現在は舞台を主軸に活躍されている俳優さんですが、映像においても確かな演技力が光っていました。
発声、表情、仕草など、30年後の自分である渡辺いっけいさんとシンクロする場面も多く、二人は確かに同一人物なのだと思わせる芝居がうまい。
編集の荒さが少し気になりますが(特にエンドロールに入る瞬間のSEぶつ切り)、普遍的なテーマを斬新な見せ方でコンパクトにまとめた良作。
自分の人生について立ち止まって考えたくなった時、きっとまた見直したくなると思います。
30代以上の方に是非見ていただきたい作品。
全51件中、1~20件目を表示