劇場公開日 2025年1月3日

「風も吹かないし、粉も舞わない」カルキ 2898-AD つとみさんの映画レビュー(感想・評価)

1.0風も吹かないし、粉も舞わない

2025年1月3日
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鑑賞方法:映画館

「新年明けましてインド映画」というわけで、プラバース主演の「カルキ 2898-AD」を観て来た。
個人的なことなので恐縮だが、そもそもつい昨日まで「サラール」を観ていたせいでまさかの連続プラバース、プラバース過剰摂取である。

「カルキ」はSFということで、SF好きでもある私としてはマサラとSFの融合を楽しみにしていたのだが、SFはSFでもスペースオペラ系だった。そっちかぁ〜、そっちは求めてないんだよなぁ。
「スター・ウォーズ」シリーズが好きなら好きかもしれない。あと、ちょっぴり「マッドマックス」風味でもある。
一番しっくりくる表現は「インド映画版北斗の拳」かも。

これは観る前にちゃんと調べておくべきだったのかもしれないが、シリーズ第1作なので話は全く完結しない。そもそも主人公であるはずのバイラヴァが多分状況を一番分かってない。状況把握力ではライアにも負けてるかも。
昔の神話、SF世界観、やたら強い爺さん、転生、神の母、どれか1つでも1本映画が撮れそうなものを全部乗せしていて、それはインド映画あるあるなのだが、説明に割く時間が長い。
話をまとめる気もさらさら無いので、展開ものんびりというか、関係ありげに出てきてあっさり退場するキャラも多い。そのエピソード削ったらもうちょっと進めたんじゃないか?もしくは踊れたんじゃないか?

前にレビューに書いたことがある。民がインド映画に求めるものとは、風とダンスとスローモーションなのだ!というようなことを。スローモーションは他の映画でも観られるが、アホみたいに吹く風と何度も衣装チェンジして皆で踊るダンスはインド映画でしか観られないのだ。
ハリウッド超大作みたいな作品も良いかもしれないが、風と踊りの精神は忘れないでほしい。
このマサラ、スパイスの配合間違ってますよ!

と、ここまで書いて思ったのだが、外国人からしたら「なぜ日本が舞台なのに刀もニンジャも無いのだ!ニンジャを出せ!」という気持ちになるのも分からなくはないなぁ。今私が書いてることと根っこは一緒だよね。
日本はもっと時代劇を世界に売り出したほうが良いのかもしれない。

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つとみ