「ふつうに面白いが、惜しくも感じた」劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来 aooniさんの映画レビュー(感想・評価)
ふつうに面白いが、惜しくも感じた
これが鬼滅でなければ、満足で終わったかもしれない。期待値がどうしても上がってしまい、見終わって「惜しいな」と感じてしまった。
迫力という意味では他の追随を許さず、見応えがある。感動するシーンもある。
では一番の問題は何かというと、特に前半部分にある。
無限城ではキャラクターが分かれて各々敵に遭遇し、戦っていくことになる。
敵と遭遇、戦うが、回想が入る。戻って戦うが、また回想。
違う場所でも敵と遭遇、また回想。
という流れが幾度かある。
つまり、場面替わりがありすぎるので、その度に見ている方が気持ちを切り替えなければならない。しかも正直省いても良いような回想があったりした。
原作を忘れてしまったが、こんなに説明過剰だっただろうか。
とにもかくにも無限城は編集泣かせだったのだろうが、そういった意味では神楽の回想でも出てきた「無駄を省く」ということが出来ていない。編集の妙とはいかに、無駄をそぎ、必要なものを残すかということにあるはず。ジブリを見てもそうだが、傑作には決して無駄がない。その点が惜しい。尺も短くできたろうし。仮に尺を長くしたいなら、もっと前作の振り返りを長くするだけでよい。
ここで一つ思ったのは、なんとか見ている人に感動してほしいからこうなってしまっているのだということ。しかし、中途半端な回想は興ざめにしかならず、リズムも失われる。そして多すぎてくどい。無限城編はどちらかというと、バトルに重きを置くべきなのでは?
(それこそアニメーターの腕の見せ所)
逆に後半は(それまでを犠牲にしているともいえるが)「猗窩座との対決」をクライマックスにしたいと対象を絞っているから、見やすいし、丁寧に描かれているので感情移入もできる。(死ぬまでが少し長いけど)
別に回想を入れるなという風には思わない。必要な回想ももちろんあった。しかし蛇足になるくらいなら入れないほうが良い。今思うと回想だけの話ではないかもしれないが(セリフやシーンなども)、もし蛇足になるなら、たとえ原作にあったとしても削るということをしなければならないと思う。
ただ決してつまらないわけではない。感動もする。やはり鬼滅という映画に対する期待値が異常に高いのだ。
よかったところは、やっぱり戦うところです。
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