アイミタガイのレビュー・感想・評価
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相身互いを観ている人が実感できるようにしたかった
原作は未読。元々は短編の小説と聞く。この映画を観て思い出したのは有川浩の「阪急電車」。この作品の方が阪急電車を通じてそう繋がるかと心に残った。
梓と叶海が二人で聴いたピアノ。そのピアノを弾いていた老女は長年ピアノを弾いていなかったのに、梓の話で金婚式のピアノを弾くのか。澄人の本で叶海の父を起こし、叶海と父が最後の時を過ごす。梓と澄人は結婚しなくても、よい関係だったのではないか。話のつながりも、都合良すぎるように思う。叶海はなぜ施設にプレゼントを送ったのか。説明はあったが、叶海の心の動きは見えない。なぜ、両親に内緒にしていたのか、梓は知っていたのかは分からない。
梓と色々な人が繋がり、それが伏線回収のように明らかになる。そこまで作らなくても良かったのではないか。登場人物は誰も気づかず、映画を観ている人だけが、梓と叶海が聴いていたピアノは老女が弾いていたと分かるとか、澄人の本で起こした人が叶海の父だったとか、最後に繋がっていたことが分かるようにするなど。登場人物が相身互いを感じるのではなく、見ている人が相身互いを実感できるようにした方が良かった。
ただ、黒木華さんは、純と愛の頃から好きで、小さいおうち、澪つくし料理帖、凪のお暇も良かったです。
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たまにはこういうのも良い
人の縁の巡り合わせを描いた映画です。ヒロイン梓さんの親友である叶海さんの事故死から始まるストーリー。キーになるのは深い喪失感を抱えた梓さんと叶海さんの両親です。彼らがちょっとした出来事・不思議な巡り合わせに遭遇しながら徐々に前に進んでいく姿が描かれています。時間の静かに流れている感じがとても良いです。
この映画では悪人が出てきません。叶海さんの父親の「良人しか出てこない小説はリアルじゃないと思ってきたけれど、そういうのを信じたい時もある」(→すみません、うろ覚えです)という台詞が、この映画にぴったりですね。私は幸せな気持ちになれました。見て良かったです。
★注意点
作品情報に出てくる「あらすじ」では、この映画の良さは伝わってきません。もう少し、うまく書かないと宣伝にならないように思います。
ご縁ですね
予告編の歌が流れてすぐ、これ絶対観ようと思いました。40年以上前のテレビドラマの主題歌です。桃井かおりさんが洋食屋さんの跡取りで、研ナオコさんや八千草薫さんが出ていた、ホンワカして楽しいドラマだったと思います。ドラマのタイトルも曲名も忘れていました。パルの「夜明けのMy Way」本作では黒木華さんが歌っていて、優しい歌声が沁みます。
歌に導かれて出会った本作は、ご縁の映画でした。偶然か必然か、一つの縁からまた新たな縁が生まれて、人はつながっていける、知らないうちに助け合っているという話です。温かい気持ちになれます。
主人公は親友を亡くした悲しみがなかなか癒えずにいたけれど、気が付いたら沢山の優しさに包まれていました。
彼氏、いつもタイミングが悪くて頼りないと思っていたのに、実は肝心の時には必ず側にいてくれる、超タイミングのいい奴でした。
<追記>
主人公の梓を演じた黒木華さんがとても美しかったんですが、親友の叶海がすごく魅力的でした。
藤間爽子さんが子供たちと映っている写真の笑顔が素敵です。回想シーンの白鳥玉季ちゃんも良かったです。
<追記2>
私が観た映画館では上映予定が11月中旬までなんです。お早めにどうぞ。
あったかい気持ちで見られる映画。今週おすすめ。
今年401本目(合計1,492本目/今月(2024年11月度)7本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
月曜日、仕事始まりのこの曜日に7割がた埋まっていたのが印象的でした。
舞台としては三重、和歌山のあたりになるのかな。このあたりの地理勘があると有利かな、といったところです。
誰しも一人で生きているわけではないし生きられるわけではないので、助け合いの精神があることは程度の差はあってもどこの国でも同じですが、日本国内においてもその微妙な差があって、この映画はそれを描いたものですね。大阪から見れば三重・和歌山は近くになりますが(近鉄らしきものが出ます)、文化が結構違うんだな、というところで驚きです。
お話の軸としては、現在と過去がある2軸ですが、そこで混乱することはないと思います(結構丁寧。3軸目はないはず)。「やや」ご当地枠かなという指摘もないわけではないでしょうが、今週迷ったらおすすめといったところです(というより、11月2週はまるで全部見るのが無理なくらいありすぎ…。一気に本数減りそうなので見たい方はお早めに)。
フランス映画ではなく純粋たる日本映画ですが、フランス映画のように余韻を残すタイプの映画(細かいところはあえて省略され、個々考えてね、みたいな展開)であったのもよかったです。
採点に関しては以下まで考慮しています。
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(減点0.2/心裡留保の相手方保護要件)
心裡留保は善意無過失の相手方、あるいは善意の第三者には対抗できません。
(減点0.2/婚姻の成立要件)
婚姻の成立要件は単に届け出を出すだけでは足りず、成人2人以上の証言または署名がないと成立しません(739条。離婚につき本条文を準用)。
(減点0.2/(緊急)事務管理と無権代理)
緊急事務管理であっても、対外的に第三者を巻き込む構成にすると、本人の追認がない限り無権代理にしかなりません(ただ、特に緊急事務管理のケースで第三者が管理者(事務管理を始めたもの)の追認を問題視するケースはかなりレア)。
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悪い人がいない世界
黒木華にハズレ無しという自分の思い込みだけで視聴。原作未読。
オムニバス形式の小説だそうで、色々なエピソードが少しずつ交わり、最後にすべてが繋がっていたという話、それを上手く映画化されていました。
この映画は悪い人が出てこないのが良かったです。心が大きく動くことは無かったですが、全編心が洗われるような話であり、心が汚れた中年以降の人は是非観てほしいと思いました。
ただし、若い人の死、煮え切らない若いカップル、という個人的マイナス要素が2つあったため★3です。いきなり相手の祖母の家に押しかけちゃうとかも苦手なので、ちょっとマイナスかな。
なんだか最初の方から涙が出てきたのよ
土の上に投げ出されたスマホに届くメッセージ、そこから引いたスクリーンに映し出される無残なバス。その辺からストーリー展開に関係なく涙が頬を伝い続けてしまいました。
子供を失った親の気持ちに自らを重ねて没入しすぎてしまったのか、正常な感覚で観られなかったのがいけないのでしょうね。
そんな気持ちをふと和らげてくれたのが中村蒼さんのちょっと頼りない彼氏像で、良いアクセントになっていましたね。
お話しも、色んな絡みが次々に回収されて行って心地よいエンディングになりました。
ただ、ラスト部分で二つの世界が描かれるシーンはカットが細かく切り替わり過ぎる気がして、没入しようとする感情がどちらの場面に肩入れして良いのか迷子状態になってしまったのが個人的には少し残念でした。
それでも「悪い人が誰も出てこない物語は退屈だと思っていたけれど」ってセリフのように、善き人ばかりが織りなす良質な心温まる物語をワタシも書いてみたい!
そんな風に思わせてくれた素敵な作品でした。
星になった(なってるのか?)ヤツのことを改めて大切な存在だと気づかせてくれてアリガトウ。
あたたかさが映像から滲み出る
久しぶりに清々しい涙を流させてくれた映画です。梓(黒木華)と叶海(藤間爽子)の学生時代からの支え合いがよく流れとして理解できました。大切な人を失ったことや、消化しきれない感情の状態も…事細かく丁寧に描かれていて、なんとも言えない気持ちになりました。彼氏役である澄人(中村蒼)の人柄も素敵でした。(黒木さんとお似合でした!役だけではなく)この二人の関係性があたたかい。前に進めない複雑な思いが、少しずつ前に進んでいく様が愛おしかったです。叶海の両親、宝石店などなど繋がりすぎですけどね(笑)これはまぁエンタメ性として良しとします。万人におススメできる作品です。
しかし西田尚美さんが見るところ見るところ、全部の作品にでているなぁ(笑)お忙しい中で色んな役をこなせる才覚に感心します。昔と変わらないですしね。
レベルが高い
演技のできる役者だけでやるって誰かが決めたんだろうね。
シーンに安定感があってレベル高いなと思うの。
観ててボロボロ泣くね。
喪失から立ち上がってくる話だから心の動きが分かりやすくて感情移入しちゃう。
そして事情の絡ませ方がうまい。
エピソードをじわじわと準備していって、ラストにこれでもかとやってくる。
アイミタガイがタイトルになってるの納得だよ。
西田尚美よかったな。
近藤華が目当てで観に行ってやっぱり良かった。白鳥玉季も良かった。
冷静に振り返ると練りに練ってエピソードを絡ませただけの話にもみえるの。
でも人の死が中心にあって、そこで嫌でも心が動くので、ストーリー重視でも面白いね。
それでも「信じたい」と言わなければならない大人は「現実」を直視しているのだと思う
2024.11.5 イオンシネマ京都桂川
2024年の日本映画(105分、 G)
原作は中條ていの同名小説
親友の死と向き合う女性の再生を描くヒューマンドラマ
監督は草野翔吾
脚本は市井昌秀&佐々部清&草野翔吾
物語の舞台は、三重県桑野市
ウェディングプランナーとして働く秋村梓(黒木華、中学時代:近藤華)は、恋人・澄人(中村蒼)と、「結婚を前提としない」お付き合いをしていた
その為か、仕事ではどことなく行き詰まるところがあり、そういった愚痴は親友の郷田叶海(藤間爽子、中学時代:白鳥玉季)と共有し、彼女が唯一の精神的な支えになっていた
いつものカフェでいつもの会話をして、それぞれの近況を話し合う
それは永遠に続くものと思われていた
だが、叶海は、ボランティア先で呆気なく事故死してしまう
叶海の父・優作(田口トモロヲ)と母・朋子(西田尚美)は49日を過ぎても受け止めきれずにいた
そんな折、叶海の死を知らないかのように梓からメールが届き続けるのだが、朋子は「彼女も私と同じように受け入れられていない」と感じ、そのメッセージを受け止め続けることになった
映画は、梓を支えようと考える澄人が「一歩踏み出そうか悩む」というシークエンスがあり、梓の行く先々に同行する様子が描かれる
そして、梓の祖母・綾子(風吹ジュン)
との出会いの中で、「相身互い」という言葉にふれていく
「相身互い」は「意図せぬ行動が巡って自分に返ってくる」というもので、映画では「優しさが巡って返ってくる様子」が描かれていた
この物語と並行して、優作と朋子は娘に届いたメッセージカードから、生前に娘が何をしていたのかを知るエピソードが綴られる
見知らぬ孤児院からそのカードが届き、当初は何かの悪戯だろうかと考えていた
だが、そのカードの送り元の孤児院の羽星(松本利夫)から思わぬことを知らされる
それは、毎年のように彼女が来訪し、撮った写真をトイレの壁に飾っていくという
そこで、二人は娘の痕跡を追って、施設を訪れることになったのである
物語は、「相身互い」を体現するような作品になっていて、方々で起こるエピソードがうまく絡んでいく流れになっていた
この言葉が登場するのがほぼ中盤になっていて、後半のエピソードの収束によって、梓自身がその意味を理解する、という展開を迎える
とは言え、「相身互い」は「同じ境遇や身分の人々が互いに同情し合い、助け合うこと」という意味もあるので、少しばかり映画の引用は意訳されている部分もある
それぞれの行動に意図があるかどうかというところも重要だが、映画の意味合いだと「世の中は持ちつ持たれつ」という前提の上で、「些細な行動の連鎖が自分に戻ってくる」という感じに描かれていた
そう言った世の中であることを理解できれば、自分の身の回りで起こっていること、自分自身の行動の余波というものが見えてくるので、その精神を理解すれば、世の中がよく見えるという意味にも通じるのではないだろうか
いずれにせよ、心洗われる系の作品で、基本的には悪者は出てこない
だが、優作の「善人ばかり出てくる物語を読んできて、それは嘘くさいと思っていた」という言葉があるように、映画で描かれていない部分にはマイナスの行動もあるのだと思う
優作から見れば、娘は親不孝ものに見えるし、残したものが命と引き換えのお金だけだったりする
彼がそれを手放しつつも、「善人がいる世界を信じたい」と言ったのは、相身互いの精神を持ってしても、世の中はそこまで美しくはないと言いたかったのかな、と感じた
それは、ある意味において、この物語で心が洗われた気になっている人への戒めなのかもしれません
色んな出来事が繋がる度に心が暖かくなる感じの作品。 本年度ベスト!
本作のタイトルが出るシーンで悲しい映画と想像するも、心が暖まるシーンが盛り沢山な感じだった。
黒木華さん演じるウエディングプランナーの梓。
藤間爽子さん演じるカメラマンの叶海。
この2人の中学生の頃のエピソードを交えながら展開するストーリー。
ストーリーに全く関係ない様な登場人物やエピソードが多め(笑)
それが後に面白い程に繋がって行く感じに引き込まれ、涙がでるシーンもある感じだった。
不思議だったのは自分には全く刺さらないシーンでも周囲で泣いている人もいて、観る人によって泣けるシーンが異なっていた感じ。
自分はタクシー運転手の車屋のセリフが一番泣けたかも。
運転手の車屋まで繋がっていたとは思ってもいなかった。
そんなストーリーの中、梓と中村蒼さん演じる澄人の煮え切らないラブストーリーが同時進行。
駅のホームでのプロポーズのシーンで鞄から出したものが笑える。
プロポーズの後、梓が後ろ向きに倒れるのを澄人が支えるシーンが一番好き。
後ろ向きに倒れる行為のメッセージの意味も過去に繋がっていて、梓のプロポーズの答になっている感じ。
ベテラン女優の草笛光子さんや風吹ジュンさん演じるキャラクターも良いし素晴らしい演技だった。
やっぱり黒木華さんって素晴らしい役者さんだと再認識。
白鳥玉季さんが大きくなっててビックリ(笑)
子役から女優さんに切り替わった感じの作品になっていた!
エンドロールの黒木華さんの歌声が素晴らしく、その美声に癒されました( ´∀`)
この世は良き縁によって生かされている!
久々に繊細で心が優しくなれる美しい映画を見た気がしました。ヒロイン(黒木華)の大親友である女性カメラマンが、外国で亡くなったこと以外は、淡々と進む日常が描かれます。しかし、実はそれこそが本当の幸せを含んでいるということを、見事に端々に表現しているこの作品に、ものすごく感動しました(正直5回ぐらい泣きました)。ドラマチックな人生でなくても、日常はこんなにも多くの愛が潜んでいるのだということを、改めて教えていただいたようです。家に帰ったら、家族や隣人たちをもっと大切にしたくなりました。タイトルの「アイミタガイ」は、実に含蓄が深い言霊です。その意味は、人間は縁によって生かされているということなのでしょうか。劇中では「アイミタガイ」を「持ちつ持たれつ」と表現していましたが、私たちの人間関係において、誰にもお世話にならないで生きている人などいないということなのでしょう。良く因縁(物事の持っている定まった運命)という言葉を使いますが、この作品では見事にそれを日常の中で再現しています。ヒロインの彼氏が電車の中で本を落として起こした人物は実は亡くなった女性カメラマン父親だったとか、ヒロインに結婚指輪を作ろうと出かけた店の店主が、ヒロインの携わった結婚式に出席していたとか、それらの幾つもの出来事の偶然(必然?)に思わず唸ってしまいました(びっくりする設定です!)。この世は全て縁で繋がり偶然など一つもないような気さえしてきます。そして登場人物たち、ひいては人間全てが自然に幸福の方向へ、愛の方向へ、間違いなく進んでいるという表現に滂沱の涙でした(感謝!)。きっと、良い人だけ登場する作品も嘘偽りではないのかもしれません
いい人ばかりの物語
真面目で優等生のような、作られたいい映画って雰囲気が予告から伝わってきて、全くと言っていいほど期待していなかったんだけど、これはやられた。最後は思わず泣きそうになってしまうほど。
「仕事柄、本を読むことが多いんですが、いい人たちばかりが出ている物語は嘘くさいなと思っていました。でも、今はそういうのを信じたいです。」鑑賞前に抱いていたその不信感、そして映画前半でも感じていた違和感を一気に払拭させてくれた、田口トモロヲ演じる父の言葉。この言葉があるから、この映画は素晴らしいものになっている。
相身互い。その言葉通り、ある人の些細な思いやりが誰かを救い、そしてまた新たな思いやりが起きる。その優しさの連鎖が巡り巡って、またある人の元に優しさが帰ってくる。日本人が古来から信じているその精神を、群青劇として見事に映像化した本作。綺麗すぎるなと思う部分もあるけど、この精神、心持ちは日本人として大切にしたいなと感じた。
最近はいまの日本社会に対して異議を申し立てるような映画が多く、自分自身も世の中に強い不満を持っているからそういった映画を好んでいたんだけど、こういう状況だからこそ、本作の人の温かさに触れるような映画もまた心に留めておきたいし、多くの人に見てもらうべきだと思う。
失礼な事だと承知の上で言うけど、主演級のキャストが居ないこともあって絵に派手さがない。それは演出的な問題もあるだろうし、敢えてそうしているとも捉えられるけど、それでもやっぱり地味で深く記憶に残りにくい映画だった。前半は特にパッとしないな〜と感じてしまい、なかなかストーリーに乗れない自分がいた。せっかく映画館で見るのなら映像での見応えには重きを置きたいし、人の温かさに触れるという面で似ている「ぼくが生きてる、ふたつの世界」はその点、作品の色合いや構図にこだわりを感じ、最初から最後まで見てて飽きなかったなと。
ただ、後半からの伏線回収、絵変わりはとてもよく出来ていて、前半との対比にはすごく感動させられた。まさに、〈相身互い〉という言葉に合った物語の展開。巡り巡って自分の元に戻ってくる思いやりは、他には変え難い美しさがあったし、一連の流れがよく出来すぎていて作り物っぽいなと一瞬思ったけど、今日もまたこの映画のような優しさの連鎖がどこかで起きているんじゃないかと、田口トモロヲの前述の言葉と最後に起きた優しさで、すごく納得させられたし、人を想うってやっぱり尊くていいものだな〜と感じた。そして、人生何があるか分からないからこそ、自分のことも、周りの人のことも大事にしたいなと思わされた。
黒木華が歌う夜明けのマイウェイも良かった。心に染み渡る。。。物語にものすごい相乗効果を与えてくれる。。。
いい人たちばかりで、世の中こうは上手くいかないだろうと思いつつも、それでもやっぱり〈相身互い〉の気持ちを信じたい。そう強く思えるとてもいい映画でした。見ず知らずの人に優しくするのは少し難しいかもしれないから、まず周りの人から。優しいの連鎖。いいね。
「自分も誰かしら影響を受けている」
こんなんダメよ
すごく美しい映画だった。
便所の3人以外に悪い人がいない。
『夜明けのすべて』くらい優しい世界。
登場人物がそれぞれ繋がっていて、小出しにちょっとずつ見せられるたびに、ああココで⁈みたいに驚かされる。
普段でも何かあると「誰々が守ってくれた」とかあるけど、叶海が引き合わせた色々な出会い、チクショー良い話じゃないか。
冒頭に叶海のことを、見ず知らずの人を勝手にパシャパシャ撮ってヤダなぁと思ってごめんなさい。
草笛さん、90歳を過ぎて背筋もシャンとしていてハイヒール履いて素敵だった。
金婚式の披露宴って良いなぁと思っていたら、そんなところまで繋がってるなんて、よく出来てるなぁ。
澄人くんは頼りないけど、ほっとけなくて可愛らしくて、なんだかずっと観てられそう。
ロケ地は桑名と津なのかな?素敵な町並みだなぁ。
そういや配給会社にいた頃、ワーナーマイカル桑名ってのがあったな。
とても心地良く、穏やかな時間を過ごせる
地味なキャスティングなので、宣伝も地味だったが、見かけた予告編が心に引っ掛かるものが有ったので観賞。
観て大成功の作品だった。
【物語】
ウエディングプランナーの梓(黒木華)には中学時代からの無二の親友・叶海(藤間爽子)が居た。しかし、カメラマンの叶海は撮影に出掛けた異国の地で、山道崩落に遭遇し急死してしまう。梓は叶海を失ったショックを整理し切れず、日々の出来事を叶海宛にLINEで送り続けていた。
一方、叶海の両親の優作(田口トモロヲ)と朋子(西田尚美)は娘の死後に知らない養護施設から娘宛ての郵便物を受け取る。それをきっかけに生前の娘とその施設との関係を知ることになる。また、母親は娘のスマートフォンにメッセージが届き続けていることに気づく。
故郷の小さな町を中心に様々な人の温かい気持ちの繋がりが描かれる。
【感想】
劇中の主人公達のセリフにも
「アイミタガイ?」
「初めて聞いた」
とあるのだが、当然俺も初めて聞いた。「困ったときはおたがいさま」くらいの意味のようだ。
作品の主題は、「他人が困っているときに手を差し伸べることは、必ずしも自分が犠牲になることではなくて、巡り巡って自分に返って来るものだ」というところだろうか。
他にも「世間は狭い」的な人の繋がりが描かれる。
まあ、「ちょっと“世間”が狭過ぎだろ」的な都合良過ぎる偶然もあるものの、とにかく人間の温もりを感じられる心地良い作品だった。
真実として、人の心の闇や世間の理不尽さを描く作品も有って良いのだが、たまには善意や優しさが満ちた世間を描いた作品も良いものだ。
「今日は心穏やかな休日を過ごしたい」みたいなりきに超おススメ。
悲しみをいくつかのりこえた大人のための寓話
ソットナク
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