「散っているのではなく、散らしている」ゆきてかへらぬ イオナさんの映画レビュー(感想・評価)
散っているのではなく、散らしている
この映画を観るまでは、中原中也の事は、本当に全然知りませんでした。
彼が作った詩も、学校で習った作品しか知らないです。
興味もなかったです(笑)
映画を観て、初めて彼の事を調べてみました。
実家は医者で、小さい時は優秀な人だったようです。弟の死をきっかけに、詩を書くようになったとか。
それも8、9歳の時だったようで、才能に恵まれた人だったようです。
さて映画ですが、泰子との出会いも同居も唐突すぎて、え?って感じの所が多くて、前半はおもしろく感じなかったです。
中原は17歳、泰子は20歳で、なんだかおままごと様にしか見えなかったですね。
しかし、東京へ引っ越して、小林が出てくるようになってからは、どんどん映画の中に引き込まれていきました。
いつも思うのですが、広瀬すずという俳優は、表現力が飛び抜けてますよね。
メイクによってもですが、目つきなどの表情も役柄により変えてくるので、素晴らしいですね。
中原が持ってきた柱時計が鳴り響く時の、狂った演技には鳥肌が立ちました。
それでいて、遊園地で遊ぶ顔は無邪気で可愛くて、同じ人に見えなかった。
実際の泰子は、結婚と離婚を繰り返し、子供も産んだそうです。
全体を通して、大正時代の街並みや、部屋のなかの装飾品は、ノスタルジックに浸れて良かったです。
泰子が着る衣装も、可愛かったです💕
「桜は散っているのではなくて、自ら散らしている」🌸
本当にそうかもしれないです。
自分の終わりまでも、演出できたらどんなにいいでしょうか。
コメントする