「QBハウスは台湾にもある」本日公休 TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)
QBハウスは台湾にもある
今まで何となく見落としてしていた本作。なのに先週末、不意にそのタイトルが目に留まって見過ごせなくなたため、すでに公開から3週遅れとなりましたが、サービスデイの本日にシネスイッチ銀座で鑑賞です。午前中の回でしたがシアターは残念ながらガラガラ。。まぁ、3週目なのでしょうがないですかね。
「男は習慣の生き物だから」作品序盤のあるシーンで次女リン(ファン・ジーヨウ)が言うセリフですが、確かに。私も数年前まで30年以上同じ美容室に、店名が変わっても、移転しても通い続けた口。現在は経済的なこともありQBハウスへ乗り換えましたが、本作を観て「QBハウスは台湾にもある」ことを知りちょっぴりサプライズ。
海外は疎か旅行そのものにあまり興味がない私。ところが本作の舞台である台中はノス味深めで懐かしさを感じ、ちょっぴりそそられる雰囲気。(あと、出来ればちゃんと「ローカル飯の食事シーン」があるとよかったけど)ただ、そんな場所だからこその交通の便が悪さはまさに「地方ならではの事情」であり、ほぼそのことがきっかけでいろいろ起こる「ある1日」が作品の大筋。時系列の入れ替えなど軽いギミックはありますが、基本的には働き者で情が深いアールイ(ルー・シャオフェン)の優しさとちょっとした可笑しみを感じるストーリーで、終始ほのぼのと観られます。そして、親と子達の双方向それぞれの目線で描くことで、肉親だからこその愛と甘え、お互いの距離の取り方などがより浮かび上がって見え、そのぎこちなさが観ていてもどかしかったり切なかったり。そして決して劇的さはないだけに、むしろじんわりと沁みてついつい亡母のことも重ねたり、とても感慨深く鑑賞しました。
比較的、台湾映画はあまり観てきていないため、初めて観る方、或いは出演作は観ていても記憶できていない俳優さんばかりでしたが、皆さん印象に残って素敵な方ばかり。そしてそんな中にお一人、登場時こそかなり奇抜な髪形で気づきませんでしたが、アールイによる散髪でようやくチェン・ボーリンだと判りました。やはり知っている俳優には思い入れも格別。折角なので、これを機に他の出演者の過去作品も掘り下げてみたくなりました。
と言うことで、「気づいてよかった」とても素敵な一本でした。