「魔法系ファンタジーアクションなので、ホラーを期待してはいけません」憑依 Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
魔法系ファンタジーアクションなので、ホラーを期待してはいけません
2024.9.12 字幕 MOVIX京都
2023年の韓国映画(98分、G)
インチキ祈祷師がガチの除霊騒動に巻き込まれるファンタジーアクション映画
監督はキム・ソンシク
脚本はパク・ジュンソプ
原題は『천박사 퇴마 연구소: 설경의 비밀』で「チョン博士の退魔研究所:雪景色の秘密」、英題は『Dr. Cheon and Lost Talisman』で「チョン博士と失われた設経」という意味
物語の舞台は、韓国のどこか
インチキ祈祷師として活動しているチョン・ドンシク博士(カン・ドンウォン、幼少期:ムン・ソンヒョン)は、助手のインベ(イ・ドンフィ)にカン祈祷師を演じさせ、様々な小道具を使って依頼者を納得させていた
夫(パク・ミョンフン)が妙なものを買い込んで困っている主婦(イ・ジョンウン)の依頼では、謎の石像のせいで中学2年生の娘(チョ・イヒョン)がおかしくなったと思い込んでいた
だが、実際には娘はただの反抗期で、妻は除霊を目的として、夫の趣味をやめさせたかった
そして、チョン博士はそれを見抜いて儀式を執り行っていた
そんな活動はインベの編集によって動画サイトに投稿されていたが、ある日、その動画を見て一人の女性が彼らの元にやってきた
彼女はケチョン郡に住むオ・ユギョン(イ・ソム)という女性で、彼女の妹ユミン(パク・ソイ)が何者かに取り憑かれたという
ユギョンには「何か」が視えていて、動画を通じて、チョン博士たちが悪霊を呼び寄せていることにも気づいていた
二人はユギョンの依頼を受けて村に向かうものの、そこは誰もが村を出ようと躍起になっていて、数々の忌まわしき出来事から、村人の死体が散乱しているような場所だった
ユギョンの家に着いたチョン博士たちは、そこで何者かに取り憑かれているユミンと相対する
チョン博士は七星の剣をもってユミンに憑いていた何かを斬り捨て、それは憑依者・梵天(ホ・ジュノ)へと伝播する
梵天は、ユギョンの持つ眼を欲しがっていて、それで妹に取り憑いたのだが、彼の前に本当の能力者が現れた
そこで梵天は村人たちに片っ端から憑依して攻撃し、チョン博士たちは応戦しながら、何とか村から脱出することができたのである
チョン博士は常主と呼ばれる祈祷師の一族の末裔で、彼だけはその能力を有していなかった
彼には弟のトンウ(ソ・ユンヒョク)がいて、祖父(キム・ウォンへ)は能力のある弟を後継者に抜擢した
だが、梵天は弟に憑依して祖父を殺すことに成功し、それによって封印が解かれて世に出ることになった
チョン博士はその因縁を感じていて、それを断ち切るためにインチキ祈祷師活動を行っていたのである
映画は、何となく続編を匂わせる内容で、梵天を封印していた「設経」と呼ばれる札を探す旅になっていた
二つに分かれた設経を一つにし、そこに七星の剣を突き刺すことで梵天を封印できるというもので、映画のテイストは陰陽師のようなファンタジーアクション映画になっていた
邦題やポスタービジュアルの雰囲気から「ホラー映画では?」と思ってしまうのだが、実際には魔法CG大戦のような映画だったので面食らった人は多かったように思えた
いずれにせよ、能力系CGアクションだと思えば問題ない作品で、今後はユギョンがチームに加わって、いろんな難事件を解決するシリーズになりそうな気がする
途中で登場するチョノン仙女(ジス)とか、それを召喚する法師(パク・ジョンミン)などは意味不明だったが、韓国では一般的な存在のようだ
そのあたりの解説を探すのも難しい作品で、最近の映画なのでハングルでググってもあまり情報がなかったりする
それでも、サイキックバトルが好きなら大丈夫だと思うので、そう言った趣味層に向けてのアピールをすればここまでコケなかったのではないだろうか