「大脱走したマイケル・ケインは杖(ケイン)をついてビーチに立つ。」2度目のはなればなれ Mr.C.B.2さんの映画レビュー(感想・評価)
大脱走したマイケル・ケインは杖(ケイン)をついてビーチに立つ。
12月11日(水)
TOHOシネマズシャンテで公開終了直前の「二度目のはなればなれ」を。
「何を着ているんだ、ブルックス・ブラザース?駄目だ、これで仕立てて来い」と言ってカードを渡す「TENET」の時は英国紳士然としていたマイケル・ケインも、すっかり90歳の退役軍人だった。
「TENET」のあと常連ノーランの「オッペンハイマー」の出演を断って実話の映画化の本作を引退作に選んだようである。
グレンダ・ジャクソンも本作撮影終了後2023年6月に亡くなり遺作となった。
2014年、バーニーは杖と手押し車を使っての朝の散歩から施設に戻る。部屋の入口のマットにはwelcome。
Dデイ70周年記念式典への参加申し込みが遅れた90歳のバー二ー(マイケル・ケイン)は、妻レネ(グレンダ・ジャクソン)と住んでいる介護施設を抜け出し、一人ノルマンディーへと向かう。
レネに「あなたは行くべきよ」と背中を押され、戦争に出兵した時以来の二度目のはなればなれ。
ドーバーを渡るフェリーの中で知り合ったイギリス人の元空軍兵アーサーに誘われ、式典への参加チケットも手に入る。
フェリーに乗る時に手を貸してくれた若い乗務員も元軍人でアフガンの戦闘で義足になっていた。
バーニーは70年前のあの日に戦ったビーチに杖をついて立つ。あの日の戦いの記憶が蘇る。バーニーがノルマンディーに来たのはDデイで戦死した戦友の墓参りのためだった。
70年前に戦ったであろう元ドイツ兵と手を握り合い、式典参加チケットを元ドイツ兵に渡し、バー二ーは5千人の兵士が埋葬されている墓地に向かい戦友の墓を見つける。Dデイの日に彼から預かった彼女の写真と手紙が入った缶を墓に手向ける。
五千の墓が並ぶ墓地で彼は呟く「無駄死にだ」
施設ではいなくなったバーニーを探して大騒ぎになっていた。捜索願を出した事から警官のSNSで90歳が一人でフランスまで行った事がマスコミの知る所となり、施設にもカメラや取材が押し寄せ、新聞に写真が掲載され時の人となる。
施設に戻って来たバーニーはwelcomeのマットを踏む。
翌早朝、車椅子を押して海岸に出てレネと一緒に美しい朝日が昇るところを見るのである。70年前のあの朝のように。
「私たちは結婚してから1秒の時間もむだにしていない」
バーニーはその6ケ月後に、レネは更にその1週間後に亡くなった事が字幕で告げられる。
70年間相手を想いあって来た夫婦とそれを巡る周囲の人たちとの交流を描いた可笑しく、悲しく、楽しく、そしてちょっとつらい映画であった。
今日も世界の何処かでは、戦争で兵士や民間人が無駄に死んでいるのだから。
バーニー、自転車の空気抜いちゃだめよ。
こちらこそ今年もよろしくお願いします。本文でも書きましたが、良い映画を観るのを後押ししてくださってありがとうございました! 墓地のシーンは、なんでたばこカンをダグラスの希望どおり彼女のもとに送らず持っていたのかは、多少気になりましたが(笑)。
お知らせありがとうございました~。
コメント欄見ると、他の皆さんも同様の現象が出てるようですが、何ですかね?気になりますねぇ🤔
私は今のところinfo 通知されてますが、そもそもログインが急にできなくなった方とかもいらっしゃるから、ちょっと心配です。
共感ありがとうございます。
戦没者墓地に詣でるのに、現状の戦争に対しては?アフガン従軍兵士を出したのが僅かな色ですかね、俺たちの戦争ではないって事か。
グレンダジャクソンの愛情溢れる文句が愛らしかったですね。
Mr.C.B.2さん、コメントありがとうございます。・_・
>INFOに皆さんの共感・コメントが通知されません。
>レビューの下の共感で共感を知りました。
>ログインし直してもダメです。
この症状、私もです。スマホでもPCでも。@△@
日付が変わってから、通知がされなくなった気がします。
映画.com側のシステムの問題 てせないかと推測。
もうしばらくは静観しようかと思っています。
それはそうと。
オッペンハイマーの出演を受けず、この作品を引退作品に
選んだとの事。オッペンハイマーを観ていないので比較は
できませんが、この作品が最後の主演作品で良かったので
はないかな と思っています。