「いささか話の整理が悪いような」2度目のはなればなれ みる子さんの映画レビュー(感想・評価)
いささか話の整理が悪いような
懐かしいマイケル・ケインは、そのまんま老いていた。鋭い光は消えたものの、哀しげな瞳が相変わらずミステリアス。
グレタ・ジャクソン、残念ながら若い頃は知らないが、なんてコケティッシュなおばあさま。白い肌、よく動くハシバミ色の瞳。可愛く昔懐かしい感じの藤色のセーターがよく似合う。粋というのか、こんな風に老いたいと思わせる。
この2人の演技に圧倒された。90歳も近いのに、まったく俳優とは!セリフを覚えるのも大変だったかもしれないのに、そんなことは微塵も感じさせない。老練の魅力でもたせているのではなく、現役の確かな演技力で役柄を生き生きと見せてくれる。
ストーリーがシンプルなので、これは盛らねば、と思ったのか、老夫婦以外のエピソードが多くて編集がバラけてしまったように思えた。群像劇としてならわかるが、バーニーとレネ夫婦の話だと思っていたから。
実話にせよ、大脱走とマスコミに騒がれた顛末は、あまり映画の本筋には関係ないし、もっとバーニー自身のトラウマ、1度目のはなればなれのときの情景、その後の2人の一緒にいられた長い時間をもっと知りたかった。老人ホームにいるからといってお子さん、お孫さんがいないとは限らないし、よく背景がわからないので、ちょっと不完全燃焼でした。
コメントする