「大脱走(1963)と一字違い」2度目のはなればなれ りあのさんの映画レビュー(感想・評価)
大脱走(1963)と一字違い
2014年のイギリス、ブライトン。老人ホームで暮らす老夫婦バーニーとレネは、互いに寄り添いながら人生最期の日々を過ごしていた。ある日、バーニーは誰にも言わずフランスのノルマンディーへひとりで向かった。ホームの人たちが周りを探しても見つからず、警察に届け、彼が行方不明という事がニュースとなり、テレビや新聞で大きく報道された。彼は1944年のノルマンディ上陸作戦に参加した退役軍人で、70周年のDディ記念式典に参列しようとしていたのだった。実は、バーニーとレネが離ればなれになるのは、今回が人生で2度目だった。2人が付き合うようになり、結婚し、レネがホームに入らないといけなくなったらバーニーも付いてきて、決して離れないと誓い、過ごしてきたのだったが、バーニーにはどうしてもフランスに行きやりたい事が有ったのだった。そんな実話に基づく話。
終活としてやり残した事が有ったんだなぁ、という事だね。
しかし、あの戦友から預かってた小箱は彼女に渡して欲しいと言われてたはずなんだけど、なぜ渡さずずっと持っていたのだろう?
それを本人の墓に返したかったのはわかったが、その前の、なぜ彼の頼みを果たさなかったのか、そこが疑問。
もしかして何か見落とした?
ホームの人たちに黙って行ったのは、反対されるからなんだろうけど、90歳の入所者が行方不明になったら騒動になるってわからなかったのだろうか?認知入ってるようには見えなかったが。
その2点の疑問が最後まで解決出来ず、モヤモヤが残った。
原題The Great Escaperって1963年のスティーブ・マックィーン主演映画・大脱走(The Great Escape)と一字違いだなぁ、って思った。もしかして、狙ったのかな?
イギリスでは2023年10月に公開されたが、公開前にレニ役のグレンダ・ジャクソンは他界し、ほんとに遺作になったそうで、彼女のご冥福をお祈りします。
また、バーニー役のマイケル・ケインも本作を引退作としたようで、2人の名優の最後を飾る作品となったようです。
共感、コメントありがとうございます。
「なぜ、彼の望みを叶えなかったのか」私もそれ、帰り道歩きながら色々考えてしまいました。ひとつは、「自分が死に向かわせたような罪悪感で彼女に合わせる顔がなかった」「彼女に会うのが怖かった」「戦後の生活が忙しくて先送りにした」等々、アーサーがなかなか弟を探しに行けなかったみたいに、弱さから来ている可能性が高いような気がしました。
戸田奈津子さんの遺作! ですよね、そうなる可能性もあるんですよね。。。