ポライト・ソサエティのレビュー・感想・評価
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ひと粒で2度、いや3度おいしい
既に多くの人々によって消費され尽くしているジャンルやテーマであっても、何かと何かを掛け合わせることで、全く新しい価値が生まれることもあるーーーと頭では理解できても、その”何か”を見つけるのは難しい。しかしパキスタン系イギリス人、ニダ・マンズール監督が放つ本作は、やや既視感はありつつも、かつてのジェーン・オースティン的な状況を現代英国に生きるムスリム一家の女性たちの身に置き換えたかのような、新たな時代の声をヴィヴィッドに伝える良作に仕上がった。その抑圧と新風の起爆剤となるのが主人公の抱える「スタント仕事に就きたい!」というたぎる様な願望、渇望、希求に他ならない。この青春映画お決まりの足元がしっかりしているので、意外なほど息切れせず、最後まで魅力が落ちない。アクションやカンフー面に過度な期待しすぎるとやや物足りなさが残るものの、軽い気持ちで臨む分には目と心を十分に沸き立たせてくれる一作である。
脚本に課題ありだが、今後が楽しみなパキスタン系イギリス人の新鋭監督
本作で長編監督デビューを飾ったニダ・マンズールは1990年生まれなので、現在は33か34歳か。パキスタン系イスラム教徒の家庭に生まれ、10歳の時にロンドンに移住したというから、自筆の脚本には十代の頃の実体験も反映されただろう。本作の前には短編映画とテレビドラマでキャリアを積んだようだ。
スタントウーマンを目指してカンフーの修行に励む女子高生リアが、大好きな姉と富豪の息子サリムとの縁談には何やら邪悪な陰謀があると考え、親友たちを巻き込んで富豪親子の秘密を暴こうと奮闘する青春アクションコメディ。話のテンポはまあまあ良く、リアのなかなか決まらない跳び後ろ回し蹴り?を中心にアクションもそれなりに見せるし、笑いのセンスもややベタだが悪くない。
残念ながら脚本にはところどころ難があって、まず前半の姉の縁談に対するリアの疑念が、いまいち観客に共有されない点。サリムと母親の親密ぶりは確かに過剰ではあるけれど、確証もないまま秘密を探るため犯罪行為を重ねる(男性更衣室に忍び込んでPCを盗み中身を見る、富豪の屋敷に不法侵入など)あたりは、愛する姉を取られたくないがゆえの妹の暴走に見えてしまい共感しづらい(ついでに、日頃リアは姉にあれこれ求めるばかりなので、姉に何かお返しをするような普段のエピソードもほしかった)。また、ある時点でリアは屋敷内のある場所で秘密の一端をつかむのだが、そこに入った後脱出したことをサリムと母が知りながら、何ら対抗策を打たないままのんきに結婚式を迎えるのも、リア側にとって都合が良すぎる。脚本をもう少し工夫すれば、主人公への共感度とストーリーの納得感が高まっただろう。
マンズール監督は、映画の道を志すずっと前の幼い頃はミュージシャンになりたかったそうで、サウンドトラックのレトロ寄りの選曲センスにも音楽好きがうかがえる。あるシーンで唐突に浅川マキの『ちっちゃな時から』が流れて思わず笑ってしまったが、鑑賞後に調べたら、2015年にイギリスのレーベルから浅川マキの独自企画盤(『ちっちゃな時から』はスタジオとライブの2バージョン収録)がリリースされ、欧州で静かに人気が再燃していたとか。
インド/パキスタン系イギリス人の女性映画監督といえば、大先輩のグリンダ・チャーダ(「ベッカムに恋して」「ジョージアの日記 ゆーうつでキラキラな毎日」など)がいる。欧米で暮らすアジア系が主人公の映画はまだまだ少ないという点からも、マンズール監督にはその境遇と経験を活かした意欲作を今後も期待したい。
いろいろ欠点はあっても、私は好き
「あらすじ」だけの予備知識で見た。
パキスタン系イギリス人の映画、という意味では、パキスタン移民を描いた「ビッグ・シック」を思い出す。でも本作では「親に押しつけられた結婚」のニュアンスは全然なく、
「夢に破れた女性が結婚に逃げる」という人種民族関係ない普遍的なモノになっている。
そして主人公の妹の目線では、「大好きな姉が結婚相手に盗られてしまう」という「トイ・ストーリー」にも近い感情がメインになっている。
この妹が暴走するのが前半だが、その暴走に共感するのは正直難しい。共感しないまでも「微笑ましく見守る」ことができれば、本作を楽しめるだろう。
あと、結婚式を舞台にした映画は数多くあるが、パキスタン系の衣装で踊り、戦う姿はなかなか新鮮。
それ以外にも、親子愛、友情、女性の自立、自己決定を描き、それをアクションコメディに仕立てた映画として楽しめる。
監督の次回作に期待。
イギリスのイスラム家族
主人公は親の期待を裏切ってスタントウーマンを目指している。
理解者は高校の友人達と、アーティスト志望の姉だ。
姉が富豪の御曹司と恋に落ち、結婚することになるが・・・。
誰も死なないので、安心して楽しめるアクションコメディだ。
今までに無いタイプのインド系映画
インド映画にありがちな無駄に長くて回数の多いダンスシーンに頼らないのは新しく感じる。
まぁ、主演がインド?パキスタン?の人ってだけでイギリスの映画だしな。ボリウッドとは違うよね。
内容は青春&コメディ&アクション。
青春要素強め。序盤の結婚妨害作戦で暴走する様は大分痛かったな。その後の展開や真相も個人的にはいまいち。
期待してた肝心のアクションももう少し頑張って欲しかった。
アクション映画じゃなくて青春映画と思えばそれなりに楽しめるかも。
あと、最近の映画ってなんだか多国籍化?多様化?が進んでるよな。登場人物しかりBGMしかり。
その風潮が良いのか悪いのかは知らんけど、何か無理してない?って思ったりもする。
めちゃくちゃめちゃくちゃめちゃくちゃ最高でした! もう、式の椅子バ...
めちゃくちゃめちゃくちゃめちゃくちゃ最高でした!
もう、式の椅子バーンのあたりからこの映画が観られるうれしさで号泣してしまい、しばらく前が不鮮明だった、、、、、。
ほぼ予告だけの前情報だけで観てしまったので、言語英語でインド映画か?(インドの割には文化が西洋化されてるけど大英帝国占領の影響もありこんな感じのエリアもあるのかな?)とか思ってた不勉強で恥ずかしいのですが、あとでパンフレットでパキスタン系イギリス人か!などなどめちゃくちゃ勉強になるパンフレットで素晴らしいかったです。
女性が気持ち良くなれる映画(爽快とゆう意味で)は近年増えてきた気がするけど、この作品のパワーは期待を大きく上回るものでした!
もちろん男性も楽しめると思うのは大前提だけど、女性用の映画ともいえる、映画大好きわたしたちもボンクラさ、怒り、友情、姉妹愛を大共感の楽しさで映し出すこの映画の素晴らしさよ、涙
カーン姉妹の、息のあった姉妹感!部屋での馬鹿騒ぎダンス、おねぇぇぢゃぁぁぁん!手伝って〜のくだり、大喧嘩(やりすぎ)。2人姉妹の末っ子として、笑っちゃうし愛おしいし、うぅぅ胸がいっぱい。
親友3人コンビの並んだ顔のバランスだけで好き。服も可愛い。ウェイウェイウェイ!ウ〜!のやつも最高。あと制服可愛いすぎ天才。
コヴァックスの1目見て女ジャイアン。。。。
クライマックスも最高。
ヒール母親の顔がヒールすぎ。
婚約者、南アジアディズニープリンスってパンフに書いてあったけど、まじプリンス顔面すぎってなった。
リアの両親も、娘が楽しんでやってることを無理矢理止めない優しさがあるのがうれしい。
映画全体に、監督と好きなものを共有できているような感覚になれるのもうれしかった!
脚本もシンプルな筋だけど、ここ!って思うときにちゃんと物語が動く気持ちよさ〜
1つだけ、おしいとこは
カーンvsエステ集団って文字出て欲しかった。バーンで文字出てくんの大好き。
スタントマンに対するリスペクトにも溢れた愛すべき作品で涙です!!!!
決まるか⁉️540キック‼️
コメディでありながら、アクションも織り交ぜつつ、ストーリーはちょっぴりスリラーな
ジャンルてんこ盛り作品です。
ビジュアルが素晴らしいのですが、私はパッと見、インド映画かなと思ったのですが
イギリス映画でした(笑)
ロンドンで暮らすパキスタン系イギリス人のムスリム家庭の女子高生が主人公なんですね。
主人公のリアがスタントウーマン志望で、日々練習に明け暮れつつも、
姉のリーナに協力してもらってカンフー動画を撮影しているというのが、
何とも今どきですし、ゆるさもあって好感が持てました。
姉が嫁に行くことになる話の軸が、割とミステリアス且つスリラーっぽいので、そのあたりのバランスも絶妙で
なかなか良かったのですが、惜しいのは、主人公リアがちょっと姉に対する執着心が強すぎて
まわりから「いい加減にして!」的な扱いを受けちゃうこと。ここは確かに観ていてしつこさを感じたので
もうちょっとこの拗さが薄れた方が良かったかなと思いました(と言っても、どうすればよいかは思いつきませんが・・・)。
ドラマシーンもそこそこ笑えて面白いのですが、
アクションシーンがもう少しガチだと良かったのに!!と思いましたね。
というのも、直近で『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』(ドキュメンタリー含む)を観ているだけに
どうしてもアクションを比較しちゃうんですよね。
ベイビーわるきゅーれレベルのガチなキレッキレアクションは無理にしても
もうすこしガチだと良かったですね。
ただ、リアの540キックはビジュアル的にも見どころではあるので、この技が繰り出されるシーンは大好きです。
※あらためてベイビーわるきゅーれの凄さを感じることにもなりました
仲良し同級生クララとアルバのコンビも良いキャラづけでしたし、何と言ってもジャイアン的なコヴァックスが
とてもいい感じの調味料になっていたと思います。劇場版ドラえもんのジャイアン的な感じなのが好きですね。
パンフレットもオシャレでオススメです。デザインは大島依提亜さんでさすがのクオリティです。
気楽に観れるてんこ盛り映画でした。
笑わせようと頑張ってるんだと思うけど
なんか微妙にデタラメで…
どこかで決めたい「私は怒りの権化!」
みんな大好き!
スタントウーマンを目指す女性の姉に結婚の話が。しかしその裏には恐ろしい陰謀が…と言った物語。
姉に近づく胡散臭い男とその母に、友達の力を借りつつ結婚式をぶっ飛ばそうと計画を立てるが…。
抱腹絶倒って感じのシーンがあるわけでもないが、仲良しの姉を取られ夢に挫折しかけ友達とも喧嘩し…といったトラブルを乗り越えながらカンフー炸裂で進むストーリーはシンプルながら面白い。
また、日々鍛錬を積むリアは良いとして…アンタもアンタも果てはアンタらも皆強いんかいw
そして急な"お嫁に行っちゃうんだろぉ〜♪"にはビックリしたw実は日本リスペクトしてくれてる作品なのかな。怒りの権化ってのも◯イヤ人っぽいし。
あとは、スポーティーなイメージでずっと気づかなかったけど、ダンスシーンのリアは滅茶苦茶可愛かったですね!!煌びやかな緑ドレスと小柄ながらに強い目ヂカラ!!翻して闘う姿も◎
その他にも、ベタは使える…とか地味にグッとくる名言も多かったような。平均点かな〜と思った所に、助けてと聞こえたから!だけでも☆+0.5ですね。白々しい、リーナはこっちだ!…も(笑)
しかしヤツらの計画…。それを達成した所で、人格はそのままなんだろうから、やり直しできる!!…ってことにはならんのでは?
…まぁコメディだし細かいことは気にしちゃダメですね(笑)
とにかく、難しいこと考えず肩の力を抜いてみれる作品として中々に良作だった。
不満は多い!! でも最高だ!
脚本や演出、アクション、キャストの演技など、どれも「もう少し頑張ってほしい」というのが、正直な感想です。しかし、英国のパキスタン系社会を舞台に、スタントやカンフーをメインとしたコンセプトには大いに評価したい。
稚拙な面はたくさんあるものの、物語の根本的な部分に初期のタランティーノ作品にも似たプリミティブな魅力があり、こういった作品を今後とも作り続けてほしい、と思い、あえて高い評価の星をつけておきます。
中華街に行くと気になる鳥の丸焼きを…羨ましい💦
勢いがある!
最初は、
シスコン妹の空回りドタバタコメディかと思っていて、
「中傷をつくる!」と意気込んだあたりで、
えー、それはやり過ぎ~と、冷めそうになったところに、
あらぁ~、そんな裏が?!みたいな驚きの展開で、
そこから、一気にテンション上がり、
テンポ良く最後まで楽しめました!!
そこからのストーリーは、なかなかの面白さでした。
さらに、魔女のような母親含め、
周りの登場人物のキャラクターが、みんな個性的で最高だった!!!
特に、アルバがお気に入り。
あと、イギリスが舞台のイギリス映画ではあるのだけど、
インド映画へのリスペクト満載なので書きますが、
インドに旅行に行った時にも感じたけど、
インドの方って、人間に勢いとうか、人間強さというか、
とにかく、陽なパワーを頂けるのですよね。
子供が作ったタランティーノかパロディみたいで感情移入できない
バカバカしくて楽しい、ぶっ飛びすぎて清々しい
溌剌とした女性たちが活躍する、はちゃめちゃなバトルコメディです。
イギリスを舞台にしたムスリムの姉妹が主人公です。(インド系かと勘違いしてました)
スタントウーマンを目指す主人公・妹リアは、とにかく男性・家父長制への反抗心が強く、姉リーナの結婚相手を信用できずに、あの手この手で姉の結婚を破談にしようと奮闘します。
面白いのが、主人公の敵となるのもまた女性という点です。
男性と女性の対立になるのかと思いきや、、女性の世代間のギャップ・対立の構図になっていいます。
女性であるがために自分の人生を選択する権利が奪われてきた親世代の女性と、学び・職業・生き方を自身で意思決定できる子世代の女性。
全体的にライトに観られるコメディだけれど、根底にはヘビーなテーマがあるのかなと思わされました。
姉リーナがとても素敵で、物語の転換でいつもグッとくるシーンを作ってくれています。
姉妹と無邪気にはしゃぐ姿、画家になる夢への苦悩、恋人や家族への人情深さ、逞しさ力強さ。
人として多様な側面が表現されていて、とても魅力的で印象的なキャラクターでした。
なんだか新鮮でした
楽しめました。全体的にアクションのキレが無いんだけと頑張ってる感じが良かったです。
予告では敵は大悪党とか恐ろしい陰謀とか言う触れ込みながら個人的な目的で大して巨悪でもないじゃん。
演ずるのがあの娘たちなので良かったのでしょう。失礼ながらムスリムの事は何も知らないので衣装が綺麗だなぁとか豪邸だなぁとかビンテージアメ車などの見た目の印象が強いですね。
この作品を日本人キャストで作ろうとしてもあの娘たちのようなキャラクターにはならないでしょうね。
笑いどころもたくさんあったし、特にリアの仲間2人と1人大活躍でしたね。多様性の時代だわ。拍手。
たまたまかなぁ、「友情」「努力」「勝利」の少年ジャンプ三原則がベースにあることがこの作品のストーリー安定の基なのでしょう。ベタだけどね。
気軽に観れる
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