「夢暴ダンス」私にふさわしいホテル ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
夢暴ダンス
本当は31日に1本観る予定だったけど色々予定変更も重なり2024年の締めは今作に。
スカッと爽快に笑えるコメディ、毒っ気の混じった文学劇などなど要素モリモリでも笑いっぱなしで超楽しい作品でした。
著名な小説家・東十条宗典に酷評された事によって今の今まで苦労している新人作家の中島加代子が、作家憧れのホテルの「山の上ホテル」で泊まった日が同じ日だったのを良い事に復讐を仕掛けていくというなんともワクワクさせてくれる導入でした。
そこから仕掛けるイタズラがまぁ姑息な事姑息な事。
深夜にルームサービスと偽ってシャンパンを届けて、それをぶちまけて、そこからの長話で時間を稼ぐという練りまくり作戦で引っ掻き回し、それに東十条先生もまんまと騙されちゃったりとドッタンバッタンしてて笑いっぱなしでした。
文豪コールで思わず吹き出してしまいましたし、彩り豊かな笑いの猛攻にやられてしまいました。
そこから一端の小説家になってからもまだまだトラブルが起こっていき、再び東十条とのやり合いが発生していくんですが、もうワチャワチャ感が早速お馴染みになってきて安心感すらありました。
もう性格の悪さが滲み出ているのに不快感よりも圧倒的にコミカルさが勝つのが不思議でしょうがなかったです。
東十条と中島が共謀して、若い作家に希望を見出した遠藤をハメに行く展開とか悪童同士が手を組むワクワク感満載でした。
サンタとトナカイの格好をしながら娘たちの元へ行ってあたふたした後喧嘩したりと短い間にドンドンドンドン大暴れしていくもんですから安っぽいコスプレ含め笑いっぱなしでした。
カリスマ店員にポップを置いてもらおうと画策する中で挫折しつつも、持ち前のガッツで万引き犯をとっ捕まえてそこから飛躍していくというのも中島らしくて素敵でした。
なにぃ東十条が審査員だと!?となってからの行動力も凄まじいものがあり、演劇部の活動の経験をフルで活かして東十条家を明るく騙しまくる展開で、よく頭回るなぁってレベルの活躍っぷりには舌を巻きました。
その後の展開もうまく纏まりつつ、しっかりと前へ行くガッツのあるものになっていてホクホクしました。
のんさんの魅力がこれでもかってくらい発揮されていました。
過去作で見せてきた爛漫さと、近年見られるようになった毒っ気と、醸し出す繊細さとが組み合わさってのんさんにしかできない爆発力が見られて最高でした。
田中圭さんのどっしり構えた感じも素敵でしたし、滝藤賢一さんの曲者感も最高でした。
80年代のレトロな服装がこれまた美しく、それをバッチリ着こなすのんさんの似合いっぷりがこれまた良かったです。
「早乙女カナコの場合は」へと繋がるのもまた良いですし、なんて事ないセリフが繋がるのはゾワっとしました。
こういった作品でのクロスオーバーはワクワクしちゃいます。
どうぞ来年も楽しい映画をよろしくお願いします。
鑑賞日 12/30
鑑賞時間 13:25〜15:15
座席 G-2