「バートンワールドてんこ盛り、前作履修後がおすすめ」ビートルジュース ビートルジュース しゅわとろんさんの映画レビュー(感想・評価)
バートンワールドてんこ盛り、前作履修後がおすすめ
幼少期からティム・バートン監督のファン。未見だった前作「ビートルジュース」を履修した上で劇場へ。
ダークでありつつもポップで楽しい世界観、ティム・バートン節が満載の作品であった。
冒頭詳細は伏せるが、「これこそまさしく『ビートルジュース』!」と言わんばかりのオープニングは、前作鑑賞者のテンションを一気に上げてくれる。当時劇場へ観に行ったりソフト等で何度も観ているようなオールドファンはこれだけでも歓喜するかもしれない。
前作で散々な目に遭ったリディアが、大事な娘の為に最後の駆け込み寺としてビートルジュースを頼る…というストーリーが約35年ぶりの続編としてはアツいポイント。そしてそれだけ時間が経っても殆ど変わらずビートルジュースを演じられるマイケル・キートン氏の演技には脱帽だ。
疎遠になってしまっていた親子が大冒険を経て絆を取り戻す、大事な人との再会……という家族ドラマの要素もあり、ストーリーだけを見れば王道な作りになっている。
前作をなぞりつつもCGや造形でさらにディテールアップされた死後の世界や、サンドワームのCGがストップモーション風になっていたり等、前作を好きであれば懐かしい気分に浸れる事だろう。また、前作を踏まえたニヤリとする小ネタや伏線が沢山なので、初見よりは前作を履修してからの鑑賞をお勧めする。
注意点だが、前作よりも造形技術が進歩した影響か、「本当にこの映画はG指定でいいのか?」と疑うほどかなりグロテスクなシーン・キャラクターが存在するので、カップルやファミリーで観るのはあまりお勧めしない。
個人的に言いたいことは幾つかあるが、前作やティム・バートン監督が好きな方は観て損はない一本だ。初見だけど観てみたい、という方は、可能であれば前作を観てハマるかどうかで鑑賞を決めると良いだろう。完全に初心者の方が観てしまうと、ハマるかかなり嫌いかの2極に分かれてしまいそうな気がする。