「幽霊も年を取るんだなあと思わせてくれる続編映画でした」ビートルジュース ビートルジュース Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
幽霊も年を取るんだなあと思わせてくれる続編映画でした
2024.9.30 字幕 MOVIX京都
2024年のアメリカ映画(105分、PG12)
1988年の映画『ビートルジュース』の続編映画
人間怖がらせ屋から逃げ切ったはずの霊能力者が再度付き纏われる様子を描いたホラー&コメディ映画
監督はティム・バートン
脚本はアルフレッド・ゴフ&マイルズ・ミラー
物語の舞台は、アメリカのコネチカット州ウィンターリバー
「ゴーストハウス」という霊能番組のホストを務めている霊能力者のリディア(ウィノナ・ライダー)は、数々の霊的な事件を解決に導いていた
だが、夫リチャード(サンディエゴ・カブレラ)が亡くなり、一人娘のアストリッド(ジュナ・オルテガ)との仲は最悪なものになっていた
さらに、リディアの元に母デリア(キャサリン・オハラ)から連絡が入る
それはバードウォッチングに出かけた夫チャールズが亡くなったというもので、彼は飛行機事故の末に、サメに喰われて死んでいた
リディアはそのことをアストリッドに伝えるために彼女の学校を訪れ、そして葬式への参列を促す
葬式は彼らの住むゴーストハウスで行われることになり、多くの参列者がそこを訪れることになった
リディアは、番組のプロデューサーのローリー(ジャスティン・セロー)と恋人関係にあり、彼は何を思ったか、通夜の最中にリディアにプロポーズしてしまう
葬式ムードは一転して結婚ムードに変わるものの、アストリッドはおかしな家族に愛想を尽かして、街を散策することになったのである
映画は、ある邸宅の壁をぶち破ってしまったアストリッドが、その家の青年ジェレミー(アーサー・コンティ)と出会うところから動き出す
ハロウィンを一緒に楽しもうと誘われ、それを快く引き受けるアストリッドだったが、実はそこには巧妙な罠が仕掛けられていた
実は、ジェレミーは街を揺るがした殺人鬼で、両親を殺害し、ツリーハウスに籠城したのちに転落死していた
彼はアストリッドから命をもらうことで生き返ろうと考えていて、彼女はその罠にまんまとハマってしまうのである
物語は、アストリッドを死の世界から救出するというのがメインで、そのためにビートルジュース(マイケル・キートン)を約束をするリディアが描かれていく
また、デリアも購入した蛇に噛まれて死んでしまい、あの世で再会を果たすことになる
さらに、ビートルジュースを執拗に追う元妻ドロレス(モニカ・ベルッチ)なども加わり、ついでにドロレスを捕まえようとする元俳優の刑事ウルフ(ウィレム・デフォー)まで登場する
キャラがかなり渋滞を起こしている感じで、本筋に不要なエピソードも結構多かった
映画は、ティム・バートンの世界を堪能するアトラクションムービーのようなもので、この世界観を楽しめるかどうかという内容になっている
また、約30年前に公開された前作との繋がりもあるので、予習しておいた方が楽しめる作品となっている
ところどころ「前作の関連」を匂わせるセリフや描写があるのだが、本当に観ている人に対するもので、関連を示唆する説明などはほとんどなかったように思えた
いずれにせよ、ビジュアルが結構グロくて気持ち悪いので、このダークな世界観が許容できればOKだろうか
また、あの世に行くまでが結構長くて、しかも余計なエピソードも多いので、物語の進み方が異常に遅いように感じる
いなくても成り立つキャラやエピソードが多いので、この辺りをもう少しラストに絡ませることができなければ、ドロレスのように出オチで終わってしまう
規約違反で契約が無効までは良いのだが、それによってドロレスから逃げられなくなるとか、その契約無効を示唆するのがドロレスとかでも良かったと思う
また、あの世で働いているビートルジュースがその規約を知らないというのも不思議な感じで、そこは「知っていたけれど」と開き直って、それを看過されるという流れの方が良かったように思えた