「バートンの嬉々とした表情が目に浮かぶ」ビートルジュース ビートルジュース 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)
バートンの嬉々とした表情が目に浮かぶ
バートン作品には幼少期からの趣向を祝祭的に爆発させたものも多いが、36年ぶりの続編は相変わらずのこだわりと共に、自らが築いてきたバートン世界にすらセルフオマージュを捧げるかのような目配せ的な描写がいっぱい。序盤からウィノナ演じるリディアの現在地に納得しつつ、新旧キャストの饗宴、ボーダー柄、ユニークすぎるあの世、うねるような大樹といった馴染みのアイコンを目にするや、彼の作品群と共に育った身としてはどうしようもなく心が躍る。無尽蔵に飛び出す怪奇な人、物、事象。その全てに最新VFXではなく、ストップモーションや特殊造形、合成などの伝統技術によって命を与えるこだわりも健在だ。過去、何度となく続編製作が持ち上がった本作だが、ジェナ・オルテガを得たからこそ機が熟した側面は強い。『ダンボ』の頃から一点し、今好きなもの、やりたいことを存分に詰め込んだバートンの嬉々とした表情が目に浮かぶご機嫌な一作である。
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