「弱みに付け込む、付け込まれる。」悪い夏 ヤマッチさんの映画レビュー(感想・評価)
弱みに付け込む、付け込まれる。
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社会保険事務所のケースワーカーである佐々木。生活保護受給者と対峙していますが、一癖もある生活困窮者を相手に正直さと真面目さで勤務しています。腰痛を理由に不正受給していても許してしまう。そんな佐々木が職場の先輩の不正をきっかけに知り合った女性に好意を持ったことから普通の生活から足を踏み外してしまう。
不正受給の小悪党、ヤクザ、貧困のシングマザーが入り乱れて、絶望の淵へ追いやれる展開。原作の既読しているので、物語の刺激性は感じませんでしたが、未読者の場合は、生活保護という社会保障システムとは、貧困生活の生々しさを感じる事となります。
騙され、裏切られた佐々木が自暴自棄となり、ラストのバトル・ロワイアルとなりますが、原作よりかなりマイルドなのでやや緊迫感がありません。原作には全く救いがありませんでしたが、本作品は救いのある終わり方でした。個人的にはこのラストが好きです。
「パラサイト半地下の家族」のように生々しくなく、邦画独特のドロドロもなく淡々とした造りはもっとも評価できるところと思います。
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