劇場公開日 2025年3月20日

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「生活保護は本当に困っている方へ」悪い夏 なかじwithみゆさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5生活保護は本当に困っている方へ

2025年3月26日
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鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

単純

城定秀夫監督、今年2作目。
フットワーク軽くて観客のコチラも観やすい。
前作よりは面白かった。

生活保護の闇を扱ったといえば、 真面目で哀しい『護られなかった者たちへ』を思いだしたが、
城定監督がそんなヤワなモノ撮るわけないよなぁ〜 と楽しみだったが、
原作脚本があるので、これが限界かもしれない。

俳優さんは皆さん魅力的だが、定番の存在感と演技。
新鮮さはない娯楽映画である。

己の言葉は己を返ってくる。
潔癖さを訴えるケースワーカーは己の不倫を正当化して 罪悪感の欠片もない。
なにが潔癖さなのか、
僕のなかで笑いが止まらなくなった。
人間なんて、そんなものである。
み〜んな悪い人間ばかりである。

僕の人生のなかで福祉の仕事をしていた時期があり、僕の感覚では理解が追いつかない事があった。
母子寮でケースワーカーとして働いていた後輩が、
入所していた、なんと三人の子連れのお母さんに手を出してしまい妊娠が発覚。
愛を前面に出して結婚、後輩は職場をそのまま、四人目を妊娠しているお母さんと子供達はケースワーカーの実家(横浜の一等地)で同居。
そのケースワーカーは現在、年金を満額受け取っている。
世の中なんて、そんなものである。

正直者はバカをみる。
もし窓口で生活保護を断られたら、
本編のように自殺未遂(あくまでも未遂、決して死んではなりません)で発見されたら、
(財産や身寄りがなければ)生活保護を受給できる。
この映画が、本当に困って受給できない(酒やタバコやパチンコもしない)人々の役に立てたら、 いいですね。

なかじwithみゆ