ボレロ 永遠の旋律のレビュー・感想・評価
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いまひとつピンとこない
ラヴェルが名曲「ボレロ」を生み出すまでだが、生みの苦労がいまひとつピンとこない。3人の女性との関係も、ダンサーのイダ以外ははっきりせず、ドラマとしての盛り上がりがない。
劇伴とボレロの演奏は、さすがに素晴らしい。
美しい情景、壮厳な音楽
ラヴェルの絹糸のような感性が痛い…😢
フランス文化華やぐ20世紀初頭、印象派美術、ジャポニスム、アール・ヌーヴォー、映像の隅々に漂う時代の風情。ラヴェルを取り巻く女性達は、自由でエレガントなココ・シャネルのドレスを纏う。セーヌ川がまだ美しかりき頃のパリのたおやかな空気感。時間を忘れて浸りました。
ラストシーンのボレロと指揮演奏、力強いダンスは、まさにカタルシス。
ただ、ミシアをもっと美しく、ラヴェルに相応しい繊細なイメージの女優さんに、ロシアンバレリーナ、イダを、もう少し若く靭やかな身体を持つ女優さんに演じて欲しかった。
キャスティングに些か難有りかと… 残念。
伝記読む感じでなんとなく行っただけなのに なんか予想外にすっごく良...
伝記読む感じでなんとなく行っただけなのに
なんか予想外にすっごく良かった
失礼この上ないけど
そんなに期待はしてなかった
前半は
ここまで主人公と共鳴したことあったかと思うほど入り込み
最後の方では
モーリスがなんだか愛おしくて仕方がなかった
いまになって思えば
初っ端の、パッチワーク的なボレロを聞いた時から
きっともう心を持って行かれてた
予想外過ぎたので、甘めに5
あと、これ、書くか迷ったんですけど
ミシアがたまにラウールに見えたのは私だけですか?
顔がとかじゃなくて、なんか全体像っていうか
情熱的であり、官能的であり、機械的である
作曲家の苦悩と重圧、そしてラヴェルの音楽に身を捧げる姿を観ながらも、その本心は決して見せなかった。
曲を知っているからこそ、作曲途中に時折「ボレロ」の片鱗が垣間見える。
やはり天才にはわがままな女性がよく似合う。
曲と同調する音と気配
ボレロは大好きだけどラヴェルのことはほとんど知らない素人です。
赤裸々な性的表現がなくてもつたわるエロチシズム、時計や目覚まし、貧乏ゆすりで暗示させられるボレロの旋律。
流行歌などに示唆を得ながらもなかなか形にならないメロディー。
私も書面を書く仕事なので,産みの苦しみを思い出して苦しくなりました。
映像だけでは拾えなくても音と想像力で物語を紡げます。
終わり方はボレロの曲そのもの。
名作だと思います。
折角の題材なのに中途半端の極み
あの名曲「ボレロ」の出来るまで、って思ったら、そうでもなくほぼモーリス・ラベルの半生を描いて中止半端なのが致命的。確かに本作は冒頭の工場の響き、そして徹底した「音」にフォーカスし、ボレロに収斂するスタンスだったのに。
著名なバレーダンサーからの依頼、しかも官能と言うテーマをストレートに与えられての作曲依頼。しかし、当然に閃きは訪れず難航する辺りが映画の柱のはず。そこで描かれるのが、スペインに近いバスク地方の出身と言う事、恋人との奇妙な付き合い方、ローマ大賞なる顕彰に落選続きだった意味、全米ツアーでの大成功、そこで接した黒人のジャズの衝撃、スイスの時計職人と呼ばれる意味、怪しげな娼婦の館でのプラトニック、扇子の音、旋律よりリズムだと声高に叫ぶ、そして母との追憶、戦地での体験、友人との交流などなど、エピソードは多数用意されてます。しかし、それがどうした、同一のリズムが保たれ、2種類の旋律のみが繰り返されるという特徴的なボレロの構成に辿り着くまで、映像的に何にも伝わらないのです。
それを言うなら、冒頭の大型機械の繰り返し繰り返す多様な騒音で十分でしょ。何故開巻早々に彼女を工場に呼び寄せたのか、それこそを描くべきではなかったか。なにより熟練のダンサーであるイダ・ルビンシュタインの過激なセクシュアリティにほぼ答えは出ていたのではないか。メンタルよりもフィジカル、その肉体の反応と言えば避けようがない程に性的な悦楽にとどめ刺すはず。だから、娼婦にサテンの手袋を着けさす微音をもっと発展させ、連れ添った彼女とのベッドシーンをも描いて欲しかった。
にも関わらず、パリ・オペラ座での初演の大成功以降のボレロフィーバーに皮肉にも苛まれ、さらに認知症に至るまでをも描いて、これがモーリスですって、面白くも何ともありませんね。残念なことにラベルに扮したイケメン役者さん、まるで色気がありゃしない、生の発露がゼロの酷さ、官能の「か」の字も感じさせない。さらに彼のミューズとなったミシアに扮した女優さん、実際があんなだったのかも知れませんが、とんとミューズに相応しくなく気持ちがどんどんスクリーンから遠ざかってしまう有様。
ひょっとすると生家も含めて、実際の建物を撮影し、ベルエポック的な極楽を背景から衣装に染み込ませた、流石のフランス映画の芳香だけはスクリーンが溢れ出しているのに。米国のレストランを出た2人がタクシーから降りたらセーヌ河を散策するってシーンがあります。似たような女の服装だから、いきなりフランスに帰ってきたの? 多分これは本国バージョンではなく何かしらカットを施し無謀な繋ぎを施した結果かと。他にも、暗いシーンからいきなり明るいシーンに、普通はあり得ないモンタージュの個所もそんなコトだと推測出来ます。
なんだかんだ言っても、あのリズムが響き渡れば観客は否応なく引き込まれてしまいます。ことにもタイトルバックあたりで、多様な楽器を使っての旋律の演奏が次々と登場し実に素晴らしい。だから、ラストには改めて演奏されると予測したら、その通りにスタジオでのオーケストラを指揮するシーンが登場しましたが。なんとツマラナイ映像に成り下がったのか、本作の安っぽさを象徴するかのようでした。
まさかの流行歌!?
モーリス・ラヴェルのポレロ作曲秘話。
オペラやクラッシクに明るくない自分でも名前ぐらい知っているラベルが、1927年にロシア人バレエダンサーに次のバレエの曲作りを依頼され巻き起こっていくストーリー。
ホント全然知らんかったけれど、作曲家でありピアノ奏者だったんですね。
イベリアを編曲すると述べてアメリカツアーに出かけ、戻ってきても手をつけず、そしてなんと今度は権利がうんたら。
と思ったらバレンシア?全然気にしたことなかったけれど確かにこれって…。
ボレロの作曲秘話と言いつつも、常に寂しさや報われない想いに生きたラベルの半生が主という感じで、観賞後に調べて補完したけれど、劇中では描かれないタクシーでの事故がどうとかいうエピソードもあったんですね。
半分時間潰し的に観賞したけれど、哀しく儚い物語でなかなか面白かった。
クリエーターの悲哀
優れた芸術家であっても、評価されない時期があったり、依頼者の無茶振りに応えなければならないときもある。期待に応えるために心血を注ぎ込んで傑作をつくり上げたとしても、その使われ方が自分の好みに合わないことも多い。
突出した作品を産み出すクリエーターは狂気にも近い集中力を備えているが、リソースのほとんどを作品を産み出すことに費やす彼らの人生を映画にすると、展開がやや単調な映画になるのかもしれない。
作中の時系列が入れ替わっていたり、各シーンで凝った演出を組み込んでいたりと、単調な展開を回避するための工夫は随所に見られる。しかし、ひねりが効きすぎているためか監督が何を伝えたいのかがわかりづらく、「スタイリッシュだがよくわからない映画」といった印象が残る作品だった。
YMOと
ラヴェルが出会ったら
どんな会話を繰り広げたのだろうか?
そんな妄想を膨らませながら視聴した。
時代はまだオーガニック。
オーガニックであることが普通だった時代に
メカニズム、ループの概念を取り込み
見事な音楽へと昇華したラヴェルのドキュメント
最後、病院の手術室へと向かう結末は
宇宙の真理を受け取ってしまった才人の最後の姿
それをまざまざと見せつけられたような気分になった。
宇宙の真理にハイソも大衆もないのだ。
ただあるのはテンポとリズムの波動のみ🎵
名作をまた観れたことに感謝する◎
星はいつも三つです。
アンヌ・フォンテーヌ監督『ボレロ 永遠の旋律』
ラヴェルの生涯を追った伝記映画ではなく、『ボレロ』を作曲した1928年にフォーカスし時系列や場所をけっこう自在に行き来させた構成。晩年には脳の疾患によって記憶や現実認識が困難になっていったというラヴェルの意識を映像にした趣がある。
Aフォンテーヌ監督、なかなかです。
パリの住居というと装飾過剰気味な狭苦しい部屋をイメージします。少々埃っぽいが整然とした物置、といった雰囲気があります。映画で描かれる様々な部屋、住まいからはパリの匂いが立ちのぼってくるようです。
私が初めてお小遣いで買ったレコードは『ボレ
ロ』でした。
ピエール・デルヴォー指揮コロンヌ管弦楽団、EMIのセラフィム盤です。安かったからです。「クラシック名盤ガイド」の類では絶ッ対に推薦されるディスクではありませんが、今となると「よくぞこのレコードを買った」と十三歳の私を誉めてやりたい。なまくらなオーケストラの音は、ラヴェルが生きていたころのパリの空気をよみがえらせてくれているかのようです。
映画でも触れられていますが、ラヴェルは第一次世界大戦で心に大きな傷を負ったといわれています。戦争はどの時代でも悲惨なものに違いありませんが、第一次世界大戦は例えばナポレオン時代の戦争のイメージから
ガラッと変わり、科学技術を駆使しての殺戮の応酬という現代の戦争。当時のヨーロッパの人たちに大きな衝撃を与えたといいます。芸術と第一世界大戦という切り口はこの映画では深くは掘り下げられてはいませんがまた調べてみようと思いました。
また映画ではラヴェルは『ボレロ』の委嘱者、イダ
・ルービンシュタインの振り付けを気に入らなかったと表現されています。
そのあたり、どうだったのか。いろいろ知りたいことが出てきたのでラヴェルの伝記、読んでみようと思いました。
ストーリーは中途半端。ボレロの楽曲の取り扱いにも疑義あり。
ラヴェルの伝記的映画なのか、ボレロの作曲〜初演の裏話を取り上げたバックステージもの?なのか、それともラヴェルのミューズ的存在だったミシアとの恋が中心の人間ドラマなのか、最後まで判然とせず。というか万事、中途半端でどの角度からもこの大作曲家の姿には迫れていない。主演のラファエル・ペルソナ(凄い名前だね)もはっきり言ってメリハリがない大根演技。というかこの人、ローワン・アトキンソンに似てませんか?
出演者は多くないけど時系が前後することもあって誰が誰やらよく分からず。ラヴェルと一緒に住んでいるらしいアルグリット(あき竹城に似てる)って誰?姉?ラヴェルは生涯結婚しなかったのだけど。
百歩譲ってこれはボレロという音楽そのものの話だとしてみても。オペラ座の初演は、確かにバレエの部分はラヴェルの言う通りひどい出来だけど、演奏自体はそう悪くないんじゃない?テンポも強弱も。ラヴェルが我慢できない、って言うとおりであるならばそれらしい演奏レベルで映画化しないと。あと、病床のラヴェルが夢の中で自分で指揮している「ボレロ」ですが、モーリス・べジャール風の黒人ダンサーのダンスが入ってきます。べジャールがボレロを振り付けたのはラヴェルの死の25年後だよ。
ラヴェルはボレロをオーケストラで演奏してもらうことを希望していて、一方でオケ側から拒否されないか常に恐れていた。だからラヴェルが望んでいたボレロの演奏を考察して再現しないと映画にならないんじゃない?名曲にあぐらかいてサボんなよ。
あのリズムは、機械の旋律だった! 機械の未来を見ていたラヴェル
あの有名なラヴェルの「ボレロ」創作の舞台裏。
延々と繰り返すリズムは、まさか巨大な機械の駆動音だったとは!
機械による革命の未来を思い描いていたとは思いもよりませんでした。
非常に興味深く観ました。
母親の存在が大きく、他にも女性たちとの特別な結びつき。
ボレロの発表が53歳。
評価されたせいで常にボレロがついて回る。
しかし、その後わずか10年で亡くなったラヴェル。
脳腫瘍の混乱の中で綴じる人生はあまりにも悲しい。
ラスト、幻想の真っ白な空間で指揮を執るラヴェル。
ダンサーの扮装が現代風だったのが気になった。
時系列がわからなかった
場面切り替えで時間が飛ぶのが何回かあるんですが、時系列がわかりませんでした。(工場のシーンと入隊のシーン)
あと、女性3人くらい見分けがつかず…ラヴェルとの関係性がよくわかりませんでした。イダ以外。
ラストの演奏シーンもカタルシスに欠けていて、ダンサーが必要なのか疑問だし臨場感も今ひとつ…。
この映画で描きたい肝はなんだったのか?
モーリス・ラヴェルを知らない人には、良いかもしれない。
ラヴェルは私が好きな作曲家の1人。もしかすると一番好きかもしれない。
エルネスト・アンセルメ指揮スイス・ロマンド管弦楽団のラヴェル管弦楽曲集を聞いて、虜になった。
ラヴェルの生涯については、ひと通り知っているので、復習みたいな感じだった。
さて、肝心の映画だが私には退屈だった。ボレロ初演の成功で映画は終わりだと思ったら、ラヴェルの死まで描かれていた。ラヴェル晩年の悲劇は、交通事故をきっかけに精神的変調をきたし、頭の中では音楽が奏でているのに、譜面に落とすことが出来なくなってしまった。この映画で描かれているように、若年性痴呆症かもしれない。無謀な脳手術をして、呆気なく死んでしまった。
伝記映画なので、表題に書いた通り初心者には良いだろう。だが、私には退屈極まりなかった。しかし、流れるラヴェル作品の素晴らしさには感嘆する。出来れば「ダフネスとクロエ」も流して欲しかった。ラヴェルの音楽に0,5点加点した。
全般には
あまりにも有名なラヴェルの『ボレロ』誕生の内幕…といいながら、かなーり変わった愛情と性癖のラヴェルの人生を描く。
ストーリーとしては、冒頭からほぼ20年空けて、時々過去に戻りながら描くんだけど、その戻り方の意図が分からなかった…そこ?どう関わってんの…?ってなった。
撮影・音響・音楽、演技は素晴らしかった。特に音響は、鳥の声や人々のざわめきなど、我々に聞こえているのとはまた違った響きを表現していて新鮮だった。
残念だったのは最後の『ボレロ』演奏シーン。演奏も指揮も良かったんだろうと思うけど、踊り(バレエ?)のコンテンポラリーっぽいの(それともモーリス・ベジャールのってこんなんだっけ?)を唐突に入れてくるし、それをスローにしたりテンポ変えてきてたこと。あんなに本人が「テンポが大事」って言ってたのに…
とはいえ全般には素晴らしい映画だったと思いますよ。『愛と哀しみのボレロ』にはさすがに及ばないけど…
音楽好きならおすすめ
今年306本目(合計1,398本目/今月(2024年8月度)31本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
あの有名な「ボレロ」の誕生秘話を描いた映画です。
いわゆるドキュメンタリー映画と一般の映画の半々的な位置にあり、アクションシーンなどほぼないので、好き嫌いは分かれると思いますが、教養的な映画の意味合いが強く、音楽好きorフランス映画好きならおすすめといったところです。
もちろん映画なのでプログラム通りの時間に終わるのですが、個々の描写が結構細かい(そのかわり、細かい部分は省かれている?)ので体感3時間くらいあるかなといったところです(実際には120分くらい)。
音楽映画というカテゴリになりますが音楽に関する事項はほぼ求められない(あれば有利かなというくらい)ことと、フランス映画によくありがちな余韻を残すタイプ(続きは自分で考えてねタイプ)でもないので、(純粋な)フランス映画を期待すると期待外れにはなりましょうが、音楽映画が好きという方にはおすすめです。
この時期(20世紀初頭)のフランスの著名な音楽家ほかについてさくっと調べておくと有利かなといったところです(そこそこ多く人物は出ます)。
採点にあたっては以下まで考慮しています。
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(減点0.2/「アウステルリッツの戦いは何年?」→「1810年?」)
作品内で、子供をあやすシーンでフランス史を中心に雑学クイズを出すシーンがありますが(これ以外にどこかの首都を問う質問もしていた)、「アウステルリッツの戦いは何年?」という妙にストーリーから「飛んだ」発言をしておきつつ、子供が「1810年?」という間違った回答をしている部分があります(正しくは1805年)。
この部分は単に日常の一シーンであり映画の本筋とは何ら関係はないですが、一応にも正しい解説はして欲しかったです。
(※) アウステルリッツの戦い自体はフランスのナポレオン戦争でナポレオンが大勝した戦いで、自国史(フランス史)としては常識扱い(日本史でいえば、鎌倉幕府の成立は何年?→「1192年」(鎌倉幕府の成立をいつにとるかは学説上諸説あります)のようなもの)と思います。
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面白みない男ラヴェル
ボレロの作曲家であるラヴェルは、面白みがないというか情熱を持っていない。バスク人の血が半分あるとはいえ、フランス映画で女性を口説かない男性を見たのは初めてかも。
無駄なベッドシーンがないのは嬉しいことだが、物語自体に抑揚がないというか、主人公並に面白みがないシナリオになっていて、かなりの退屈を感じる。
ボレロの着想も何だか平凡で、「天から旋律が降りてきた」みたいなドラマチックさはなし。
お待ちかねのボレロの演奏シーン。ここだけは気分が上がる。満員の観客からスタンディングオベーションを受け、ラヴェルに酷評記事を書いている音楽評論家も脱帽したことを認めざるを得ない。
ここで終わってくれれば、気分よく帰れたんだけど、またもや面白みのないエピソードがダラダラと続く。
体感2時間30分の作品でございます。
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