十一人の賊軍のレビュー・感想・評価
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役者さんは良いがあまりに冗長、2時間以内にまとめたら或いは面白かったかも
好きになれない映画はあるが、久し振りに金と時間を返せレベルでがっかりした。
良い役者と予算をふんだんに使った駄作。
仲野太賀さんのお芝居は好きだった。
兎に角冗長に過ぎる。
プロット自体は多分つまらないものではないのだと思う。
恐らく脚本段階の問題だ。
諸々の無駄なエピソードを切り捨てて
誰が主人公なのかはっきりさせて2時間弱にまとめたら
もしかしたら化けたかも知れない。
正義や信念がある人間が辛うじて鷲尾くらいで誰にも感情移入できず
気分良く見ることもできない。
鷲尾、加奈、なつは好きではあった。
山田孝之さん演じる政が主人公かと思いきや、
復讐までは良し、妻のさだの元に戻りたくて脱獄という訳でもなく
武士に従いたくないだけで、何度も脱走を試みるのが情けない。
なつがびしっと言ってくれて少し気分が良かったが、
その後も脱走を繰り返すしまともな台詞も大して無いのに
薩長軍に裏切られたと思ったら急にやる気になって戦う。
結局大事な妻はひとり残され幸せな生活を送れそうには見えない訳で、
独りよがりで何がしたかったのかわからない。
時間稼ぎに藩士を使いたくないから罪人まではわからなくもないが、
女を入れてたった10人、罪人に武器をもたせてたった3人の藩士で押さえられるわけもないだろうし
たった13人で短時間とは言え砦を守れる訳がない。
設定から効果音からなにもかもにリアリティが無さすぎる。
慶応四年の段階で尊王攘夷などと言っていた人間などいないだろうに、攘夷の言葉を言わせているのが鼻持ちならない。
双方見張りもまともに立てていないし、味方が死ぬシーンも
なぜ橋を落とすのに橋の真ん中で焙烙玉に直に火をつける必要があったのか
手の火傷で夢を諦める局面なのか、
味方を逃がすでもなく隠れ場所から這い出したのはなぜなのか、
疑問だらけ。
取り敢えず鷲尾が自分が十一人目と言い出すタイミングはもっと早くて良かっただろう。
言い出した時は既に半分ほど死んでいてもう十人もいないではないか。
せめて鷲尾と政の絆が深まるエピソードでも入れるなりできなかったのか。
史実上新発田藩は裏切者だと自分は思っている。
同盟に参加はしておいて出兵せず、裏で薩長と話し合って指示を仰いでいたら
裏切者の誹りは免れまい。
同盟に参加を迫られて困っているならまだわからなくもないが。
藩士が暗躍して領民を蜂起させるところも卑怯極まりない。
そんな中にも新発田藩にも事情があった、というような内容が描かれるのかと思った。
実際史実にあった、あちこちから金や米を貸せと言われて窮したり、
民たちが出兵を邪魔してどうか薩長軍と戦わないでくれと言ったとか
柵を作って竹槍まで作ったとか
田畑が今荒らされたら困るとか、尺を使うならそのエピソードを持ってきて
折角育っている稲を前に嘆願される溝口が
なんとか国内で戦が起こるのは防がねばならないと思うであるとか
そんな作りでは駄目だったのか。
この映画だと、結局やっぱり新発田はクズでしかなく、
家老が一番クズ、藩主もクソガキ、まともな藩士もいなくはなかったが
総じて全体的にクズ、でしかなかった。
地元の協力があってこの描かれ方というのは、
地元の方々はこれで納得しているのだろうか。
あまりに酷くて吃驚してしまった。
芸人さんの多いキャスティングも、芸人さん本人が悪い訳ではないが
画面に映る度現実に返ってしまいノイズになった。
私的、共感し辛い映画だと思われました
(完全ネタバレなので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
結論から言うと、私的共感し辛い映画だと思われました。
主人公・政(山田孝之さん)は、ろう者の妻・さだ(長井恵里さん)を寝取った新発田藩士・仙石善右エ門(音尾琢真さん)を妻の敵討ちとして殺害します。
その藩士の殺害の罪で主人公・政は死罪となるのですが、新政府軍(官軍)を同盟軍(旧幕府軍)が城を立ち去るまで砦で足止めするために、新発田藩が決死隊を編成し、主人公・政はその決死隊に選ばれ死罪を直前で免れます。
しかし主人公・政は、妻・さだを寝取った新発田藩士のいた新発田藩を許さず、新発田藩のために砦を守る気はありません。
と、ここまでは、主人公・政に1観客の私も共感出来ていたのですが、主人公・政は関係性が深まった花火師の息子・ノロ(佐久本宝さん)をも見捨てて官軍側に寝返ろうとしたりします。
また、主人公・政が、新発田藩のために砦を守る気はないのは理解出来るのですが、一方で、妻・さだの元に帰るために決死隊から逃げ出したいのか、それとも自暴自棄に無気力や死を受け入れるのか、それとも一旦は新発田藩の求めに応じて砦を守り代わりに無罪放免を勝ち取るのか、その方向性も作品を通じて一貫性なく判然としません。
さらに、映画の中では主人公・政の妻・さだへの想いは具体的シーンで描写されていないので、主人公・政の進む妻・さだへの想い含めた動機(≒映画の物語の推進目的)も強くは観客に迫って来ません。
他の登場人物にしても、決死隊のほとんどの罪人に対してもその罪状などからそこまで共感は出来ず、花火師の息子・ノロにしても自身の不注意からノロの家族を花火事故で死なせていると伝えられ共感はし辛くなっています。
決死隊に帯同している、新発田藩士・入江数馬(野村周平さん)、荒井万之助(田中俊介さん)、小暮総七(松尾諭さん)にしても、決死隊を騙したり足蹴にしたりしていて全く共感できません。
新発田藩の家老・溝口内匠(阿部サダヲさん)にしても、同盟軍を城から追い払うためにコレラ患者とはいえ何人も斬首していますし、ラストは決死隊を皆殺しにまでしていますので全く共感は出来ません。
決死隊の1人のなつ(鞘師里保さん)や家老の娘・溝口加奈(木竜麻生さん)などには共感は出来る側面はあるものの、時代背景もあり、女性の彼女らが映画の中心として共感を引っ張る存在としては、そう描かれてもおらず、難しさはあったと思われます。
唯一の例外は新発田藩士・鷲尾兵士郎(仲野太賀さん)で、鷲尾兵士郎だけは強い新発田藩への想いや、決死隊への約束を守ろうとする一貫性があり、観客としては映画の中心になり得る共感性ある人物だったと思われます。
ただしかしながら、共感と映画の中心になり得た新発田藩士・鷲尾兵士郎は、今作の描写の仕方としては中心になりそこなっていたと思われました。
一方で、映画のタイトルにもなっていた「十一人の賊軍」に関しては、新発田藩士・鷲尾兵士郎こそが十一人目の賊軍であることがラストで明かされます。
つまりこの映画は、新発田藩士・鷲尾兵士郎こそが『十一人の賊軍』のタイトルからも主人公として想定されていたと推察されるのです。
仮に、新発田藩士・鷲尾兵士郎が初めから主人公であれば、今作は共感度の高い傑作映画になっていた可能性が高いと思われました。
ところで、今作の映画『十一人の賊軍』は、悪人的に官軍を描写し、天皇家の菊花紋を印象的に悪の官軍と結び付けて映し出しています。
もちろん(本人は否定しているようですが)左翼的考えの印象もある若松孝二 監督の、弟子筋の今作の白石和彌 監督が、天皇制に対して否定的な印象を残したい想いは別に驚きはしません。
しかし一方で、幕末のこの時代に、天皇を推していた官軍側と、旧幕府軍とで、どちらが正しかったかは双方に功罪があり決められないと思われるのです。
つまり、映画において様々功罪ある人物を描く時に、一方の側を極端に善に描いたり悪に描いたりした場合に、本来の功罪あるそれぞれの人間の深みを描く映画作品から、一側面だけを際立たせる偏った(右派左派関わらずの)浅いプロパガンダに、今作が転落してしまっていると感じられたのです。
今作の映画『十一人の賊軍』は、理念的な主張にとりつかれていて、浅いプロパガンダの主張が(露骨ではないですが)見え隠れする作品になっていた印象を持ちました。
今作は新発田藩士・鷲尾兵士郎を主人公にした方が良かったのでは?との疑念は鑑賞後に自然に湧き上がってくると思われます。
そしてなぜ新発田藩士・鷲尾兵士郎を主人公にしなかったかというと、白石和彌 監督の表層の理念が先行することによって、映画の自然な設定描写が歪まされてしまった結果が理由ではと、1観客の私には思われました。
人間を描くのではなく、理念が先行しその主張を描こうとしてしまったのが、今作が共感し辛い作品に歪んでしまった深い要因だと、私には思われました。
(逆を言えば、悪の罪をもまとった共感し辛い決死隊の賊軍の人々を肯定したいのであれば、官軍や、賊軍を利用しようとした新発田藩の家老・溝口内匠をも、深い地点で同様に人間の深淵として肯定する必要があったと思われるのです。)
これまで数々の優れた作品を作って来た白石和彌 監督は、(右派的だろうが左派的だろうが)理念的な表層の考えはまず頭の中から蹴散らして、複雑矛盾重層に満ちた人間の深みを描く映画の本来の場所に、再び戻って来て欲しいと、今作を観て僭越ながら思われました。
名もなき訳あり賊(おとこ)たちに奮えろ
時代劇は失われゆくジャンル…と言われて久しいが、その都度その都度心掴まれる時代劇は生まれている。
今年なんてまさにそう。言うまでもなく、あのドラマとあの映画。
時代劇は決して失われたりしない。
この二つはちとイレギュラー。片やハリウッド製作、片やSFコメディ。
ここいらで、大和魂震えるような本格時代劇活劇が見たい…。
一本の“幻”が掘り起こされた。
戊辰戦争最中。藩の為に命を懸けて闘うも、藩の寝返りや裏切りによって、葬り去られた男たち。
驚く事に、実話…! いや、歴史の激動時、こういう秘話は他にもあったかもしれない。
アウトローたちの生きざま、権力への抗い…。
この史実を基に脚本を書き上げたのが、『仁義なき戦い』で知られる笠原和夫。
が、ラストを巡って脚本は却下された。
激怒した笠原は脚本を破り捨てたという…。
それから半世紀の時を経て。遺されたプロットを掘り起こした者がいた。
白石和彌。
何と言う奇遇だろう。笠原脚本の『仁義なき戦い』を彷彿させる東映やくざ映画『孤狼の血』の監督。
いや、奇遇でも偶然でもない。必然であり、運命だったのだ。
俺の夢は叶わなかった。いつか誰か、叶えてくれ。
あなたの思いを受け継ぎます。
男たちの熱き思いと数奇な巡り合わせ。それは作品にも。
新たな時代を切り拓こうとする新政府軍と徳川幕府存続にしがみつく旧幕府軍との間で勃発した戊辰戦争。
その争いは各地で起き、新潟湊・新発田藩にも選択迫られるが、家老の溝口はどちらに付くか決めかねていた。
藩は旧幕府軍の同盟軍に加わり、出兵を求められていたが、溝口は密かに新政府軍への寝返りを企てていた。
そんな時、新政府軍が藩への進軍の報。同盟軍と鉢合わせてしまう。
進軍の心の臓とも言える砦で新政府軍を食い止めよ。
作戦の命を受けたのは、使い手武士と、十人の罪人たち…。
歴史というのは分からない。
その時の非となりそうな選択が、後年どういう結果をもたらしたか。
映画的に見れば、溝口は寝返った裏切り者だ。
作戦を命じるも、新政府軍の先発隊が藩に現れるや否や、目論見通り寝返り、忠誠を見せる為に十一人の決死隊を逆賊として討つ…。
劇中でも揶揄されていた“猿芝居”。非道な斬り捨て。阿部サダヲが巧い。
権力に与した許し難い奴だが、結果的に彼の選択が新発田の藩と民は守られた。
結果的には選択は間違ってなかったと言えるが…、
葬り去られた男たちの無念は…?
利用され、弄ばれ…。しかし、男たちの中にあった熱き思い、声…。
笠原和夫と白石和彌が吠えるほど代弁する。
確かに男たちは揃いも揃って悪人たちばかり。
殺し、イカサマ、放火、姦通、密航…。
が、望んでそうなった訳じゃない。社会の不条理やそうなってしまった事態。
人足の政。耳の不自由な妻を手篭めにした新発田藩士を殺害。
犯した罪は許されない。が、元凶である藩士の罪は…? 藩士なら身分の低い者への仕打ちを許されるというのか…?
権力の横暴は昔も今も同じ。そんな権力に抗うアウトローたちの姿を、笠原和夫は一貫して描き続ける。
にしても不条理だ。
政は新発田を許せない。藩がどうなろうと知ったこっちゃない。
なのに、その藩の為に決死の闘いに参加する。
勝てば無罪放免。ほとんどがそれに釣られて。
政もそうであろうが、ちょっと訳が違う。
妻の元に帰る。
それと、闘いを通じて、誰とも関わろうとせず、寧ろ逃げ出そうとすらしていた男が、やがて仲間意識を…。
山田孝之が野性味たっぷりに。
しかし大金星は、仲野太賀だろう。
終盤、討ちに来た溝口一派。共に闘った仲間が無慈悲に殺され、剣を手に抗う。見事な殺陣も披露。
もう一人。初老の罪人。死闘の中で、目を引く剣術を見せる。演じた本山力は東映剣会の殺陣師。是非、『侍タイムスリッパー』ともお手合わせを。
壮大なオープンセット。泥臭さとバイオレンスにまみれた迫力のアクション。
特筆すべきは、大音響。是非、音響設備のいい劇場で。
ハリウッドならオスカー録音賞もの。日本バカデミーなら無視されるけど…。
第一級の大活劇だが、不満点・難点も多い。
罪人十人、個性的だが…、全員に平等に見せ場が設けられていない。キャラ描写が薄っぺらかったり、もっとくっきり色分けが欲しかった。
導入部やクライマックスは盛り上がる。が、中盤中弛み感も…。2時間半、長さを感じてしまった。
しっかり整理すれば混乱する事はない。が、各派閥や名称、地名などが飛び交い、時々こんがらがったりも…。
暗い画面も多く、例え明るい場面でも泥埃浴び、誰が誰やら分からなくもなってくる。
台詞の聞き取りづらさは本作に限った事じゃないが、聞き慣れない時代劇ではちとキツい。
大活劇時代劇にしたかったのか、権力に抗う硬派な訴えをしたかったのか、どっち付かずの声も。
でも、大和魂には触れる。
どうしてもこういう設定が好きなのだ。仲間を集い、少人数で立ち向かう。
『七人の侍』『十三人の刺客』『三匹の侍』…漢数字の付く娯楽時代劇の例に漏れず。
そして、それらの作品では必ず描かれる。
アウトロー、はみ出し者、寄せ集め…。
そんな賊(おれ)たちにだって、譲れないものはある。
名もなき訳あり漢たちの武勇伝。目に、心に、焼き付けよ。
史実を知ってたらもっと面白かったんじゃないかなぁとかって思った。
・元々の前提である歴史の史実を良く知らないまま観たので所々わからないままだった。おおまかな所は理解できたけれど、砦を守るために決死隊を結成して官軍が同盟軍とがバッティングしないようにという事だったけれど、まずは伝令係が来るだけだから何で決死隊を結成してまで?とかっていう疑問が最初に沸いてからぼんやりとしてしまった。改めて史実とかをググって理解が徐々にできてきた気がする。元々、新発田藩が官軍寄りの状況下で同盟軍が新発田に押し掛けてきた。そこに官軍が伝令?で来るっていう形でもかち合うと町が戦火になってしまうのを避けるにはっていう事だと思うのだけど、そこへ官軍が来るのを妨げるために罪人を通り道の砦にあてがったというところが最初わからず、藩主が何か別の方法で止めればいいんじゃ?とかと思いつつ、何で罪人をあてがったのだろうと疑問がわいて話が入りにくくなった。とはいえ最初から攻め入るっていう話だとしたら、思いっきり誤解したまま観ていた事になるけど、伝令?って言ってたと思うのだけど。
とはいえ殺す以外に止める手立てがないっていう判断の溝口と攻め込んでくるから止めなければならないと思っている罪人たちっていう構図で長岡藩の残党の振りをさせて殺させるという算段だったのかな、とか、わかった感じとわからない感じの間という感触。推理ドラマとかで犯人が動機とかをペラペラしゃべるけど、あれって嘘くさいなぁとかって思ったけどこういう策謀がややこしい話だと是非説明してほしいと思った。単純に自分の無能のせいだけれど。官軍が最後、新発田藩に到着して長岡藩の旗を持ってきて新発田藩の策謀だったよな?って話になって首を持って行って許されてたっぽいけど、どんな理由で許されたのだろうと思った。どう見ても新発田藩が城下を守るために官軍を殺したっていうことになるだろうと思ったしそれをどうやったら回避できるもんなんだろう。彼らが勝手にしたことでしてとかだろうか。
正直、理解できてない事のモヤモヤもありつつも新発田藩や官軍、奥羽越列島同盟ってこういう感じだったんだ(かもしれない)!と物凄く勉強になったし、殺陣や大砲の威力の感じとかがとても良かった。素人の寄せ集めが切りあったら即死な気もするけど、当時みんなが持ち合わせた能力だったのかな、とかと思ったり。最後の最後で逃げようとしたものの戻ってきて自爆した政がそのまま逃げて、ずっと後悔しつづけるっていうのもありだったんじゃないかとかって思った。
正義とはナニか。を問われる映画。
登場人物の誰もが、それぞれの正義のために戦い、誰も幸せになれない結末は、納得感◎
奥羽越列藩同盟の主軸である長岡藩のお隣、新発田藩の家老溝口(阿部サダヲ)の、神経をすり減らしながらのタヌキっぷりもヨシ。
山田のクズっぷりも良い。
仲野の最期は見応えあった。
ナダルは(賛否あるものの)キレキャラとしては、ハマり役かな。
ゆりあんはナンで出て来たのか、よくわからなかった。
風見鶏
白石和彌監督の時代劇、二作目
前作よりもアクションよりで戦闘が無くとも
残忍なシーンを入れたりと飽きさせない工夫があるものの、全体的にバランスが悪いと思いました。
スタートから騒がしいのですが、村が襲われたり、謀反で殿様が殺される一大事かと思いきや
大した事は無く拍子抜けしてしまいました。
キャストも前作よりも数は多いものの、質は前作の方で阿部サダヲがいくら残忍な役で人の首を何度も斬り落とそうと他の大御所の一発には敵いません。
大御所では無くとも「十三人の刺客」の稲垣吾郎も一人斬っただけで顔面に血を浴びずとも残忍なのが伝わりましたし。
後半の戦闘シーンも同様に印象が薄く
刀を持った切込みシーンで定番のスローモーション。この後はお決まりの鉄砲(阿部サダヲ)で撃たれます。敵を斬り倒して行くシーンはありましたが敵の鉄砲隊を全滅させるシーンは無く、何処いった?と刀で勝負しない阿部サダヲを際立つ為とは言え他含め無理矢理感が強く出てしまいました。
流れ的に自爆も原田眞人監督の「関ヶ原」を見ている人ならば想像出来てしまい、チープな音楽が余計に残念な気持ちにさせられます。首や指をそう何度も斬らなくても良いので他の工夫が欲しかったです。
前作もあった時代劇に洋物、今回は城にローマ字で方角が書かれた風見鶏
時代的に伝わっていたかもしれませんが不自然な物をあえて映すのはソフィア・コッポラの「マリーアントワネット」にコンバースが登場するのと似た様な表現なのかもしれません。
ここは、ウォリーを探せ!みたいで
次回作も時代劇ならば注目して見てみたいと思います。
キャストや音楽を少し変えたり
主人公が逃げてばかりで戦わないので
鷲尾兵士郎を主人公にするなど
かなり印象は変わっていたと思います。
新潟だけに花火を武器にしたりとユーモアも有り
時代劇が減る中で若い人にも見てもらう為に時代背景をナレーション入りで説明したり色々と試行錯誤も見られます。
好きな監督だけに次回作にも期待したいです!
面白かった。
孤狼の血の監督、あとはCMで見られる情報しか知らずに役者さん目当てで鑑賞。
他の方の感想がけっこう低評価なのが意外なほど、わたしは楽しめました。
孤狼の血は見てないんだけど、「彼女がその名を知らない鳥たち」「死刑にいたる病」などでわたしの最推し、サダヲを起用してくれてる監督でしたか。
今回もサダヲを堪能できました。ありがたや。
映画全体の感想としては前半がなかなかキャラクターをつかめず、画面も暗く、誰が誰やらわからないところから、キャラクターをつかんでからは物語にぐいぐい引き込まれました。
とはいえ、キャラクターがどこかでみたことあるようなステレオタイプの感じもあり。
芸人さんたちの起用は完全な悪手ですね。
芸人さんでもうまい人やコメディシーンなら納得できるけど、シリアスな展開に芸人さんがでてくると悪い意味で緊張が途切れてしまう。
うまい役者さんばかりだったので、目立ちますしね。
それから、ナレーション。
わたしのような無知な者にはありがたいけど、キングダムのような英雄譚ばりの壮大なナレーションは映画の雰囲気に合ってない。
たとえば出演者の誰かが役としてではなく、抑えめにナレーションするくらいでよかったと思う。
タイトルの出し方も大げさすぎる。
予想以上にグロかったのには驚きましたがわたしには許容範囲。グロいの苦手な夫と見なくてよかった。
印象に残った役者さんたち。
仲野太賀……殺陣も違和感なく、表情も気迫があっていつものお調子者のイメージとは違う一面が見れました。罪人たちと違って小綺麗なのもあるかもしれないけど、正義感のあるヒーローも似合うし、目を引く華があるなと思う。
クライマックスでは「この映画はこの人の映画だ!」と思わされました。
あと、初めてお父さんに似てるなと思う瞬間がありました。
山田孝之……仲野太賀の映画だ!と思った数分後、弟分に向かって微笑むシーンで、やっぱり山田孝之はすごいなぁと思いました。
役としては剣の腕が立ち、見せ場があって感情移入しやすい清廉潔白な仲野太賀の役と違って、妻に会うためとはいえ、周りを引っ掻き回してまで何度も逃げようとする役は自己中心的に思えて、感情移入しにくい。損な役だと思う。
それでも主役として成り立たせられるのは山田孝之だからこそかもしれない。
阿部サダヲ……裏主役ですね。視点を変えてこの人を主役にしても映画が出来ると思うくらい、多面的な役でした。最後までこの人は悪役なのかわからなかったし、悪役ではないんだと思う。
為政者として彼のやったことは間違っていないから。領民や若殿からの信頼を見れば彼が人々の幸せを守ってるのは間違いないと思う。
あくまでも主人公たちは罪人で、いずれ処刑される身だったわけだし。
とはいえ、最終的に一番の不幸が彼に降りかかるのはやはり、やっていたことが正義ではなかったからで。
それと、悔しいのは殺陣が見れなかったことですね。
登場人物として、仲野太賀に語る「政治家であっても剣の腕を磨くのも大切と指導されてきた」(意訳)と伏線張っといて、結局剣を抜かないという展開……。
うまいなぁ。まんまと「え〜!!」と思いましたもの。中の人としても運動神経抜群だから、殺陣見せてくれると思ったら、見せてくれないの〜!と思いました。
若手注目株の一ノ瀬颯くん、実力と人気を得てる岡山天音くん、歌舞伎界のプリンス右近さん、知名度ある野村周平くん、いろんなので見かける松尾諭氏……豪華なキャスティングなのにテンポよく(?)パタパタ死んじゃうのがもったいないと思うのと、贅沢な使い方だなと感心したり。一番贅沢なのはすぐ退場した音尾琢真さんかな。
支えの役者さんで印象に残ったのは駿河太郎さん。
悪役のイメージがなかったので、嫌味な役も上手いなと感心しました。役作りか、いつもより声が高かったような。
女性陣も若手2人は存じ上げない方たちだったけど、上手でしたし、西田尚美さんも切腹の時は気丈に耐えていたのに娘の死に直面した時の夫への拒絶の対比が見事でした。
侍タイムスリッパーもよかったけど、お金をかけた実力派俳優さんたちの時代劇もやはりよかったですよ。
わたしの好きな劇団☆新感線ぽい雰囲気でしたしね。
さすが阿部サダヲ!
期待以上だった。仲野太賀君はもちろん良かったが、笑いなしの阿部サダヲが良かった。ストーリーも長さを感じさせず面白かったけど、狼煙の使い方にもう一工夫欲しかったかな?魔宮の伝説をもう一回見ようかな。
うーん、面白く無い。
ストーリーがうっすい、オブラートくらいには薄い。
胸糞
でも殺陣はかっこいい。
以下ネタバレ
誰か1人でも裏切ったら仲間諸共始末される中、主人公が3度裏切って、仲間を危険に晒して、なんやかんや戻ってきてその結果、このまま舐められたままで良いのかよお前ら、ぶち殺してやろうぜっ!みたいな事言って、仲間もそれに答えてたけど普通に考えておかしいやろ。
仲野太賀の目が最後に観たものは?
幕末ものが大好物なので期待大で観ることに、大正解でした。山田孝之さんの演技のうまさは観ていて安心感があり流石です。仲野太賀さんが目で演技をする事に驚きました。目で感情を表すすごい役者さんですね。目を開けたまま虚空を睨む彼の目はなにを物語るのでしょう。藩のために戦って裏切られた失望感、自分の正義を貫いた安堵感でしょうか?残酷なシーンもありますが当時は罪人の処刑を見せていたのでよりリアルなものだととらえました。後に陸軍トップになる山県有朋の若き姿を見る事ができて幕末好きにには嬉しいです。ゆりやんが同盟軍におにぎりを配るシーンは画面が明るくなりました。時代劇というと遠い昔の違う世界の話ととらえがちですが、この戊辰戦争の後西南戦争を最後に日本人同士の戦いは無くなっているので日本という同じ大地のうえでおこった身近なものだととらえて観ていました。ハッピーエンドではありませんがこれだけの演技のうまい俳優さんが揃い迫力有る爆破シーン素晴らしい殺陣を見せてくれて時代劇の未来に、明るい灯が差したような満足感を覚えました。
後半から面白くなってきた
戊辰戦争の新発田藩の罪人たちの戦いを描いたものでした。
前半は夜や雨で暗くて分かりにくいという印象でした。後半は見応えのある戦闘シーンが続くので、長い上映時間でも苦にならなかったです。
家老の溝口(阿部サダヲ)が切腹を逃れた理由がよく分からなかったです。
賊軍が土佐藩(赤髪)の指揮官らをやっつけたのは痛快でしたが、溝口が鷲尾平士郎との戦いで拳銃を使うのはせこいなあと思いました。
バイオレンス色の強い時代劇で、刺激的でした。
迫力満点の時代劇!時代に弄ばれた賊軍!
昔は、週に何本もテレビでお目にかかった時代劇。今じゃ、大河ドラマくらいしかないよね。
テレビが何台もある家じゃなかったから、チャンネル権を持っているオヤジの付き合いで、よく見てた気がする。勧善懲悪で、毎週、同じことの繰り返し。安心して見れるってやつかな。
歳を取って、城歩きが趣味に加わったもんだから、時代劇も結構真剣に見ちゃいます。
このロケ地、どこのお城だろうって感じで。
本作品は、新潟の新発田城がメインでしたよね。まだ、行ったことがないので、ワクワクしながら見ちゃいました。
賊軍が陣取る砦は、撮影用ですよね。見張り台とか砲撃受けて壊れてたし。実際にあるものだったら、見に行ってみたい。
さて、内容ですが、切ない話でしたね。
罪人が無罪放免を勝ち取るために、官軍から砦を守るってことだったんですが・・・
【ネタバレ】
実は、単なる時間稼ぎだった。
新発田藩が新政府軍に寝返るため、城内の旧幕府軍が出ていくまで足止めをしなければならなかった。
次々と仲間を失いながらも、官軍に一矢を報い、無事砦を守り切ることに成功する。しかし、味方になる官軍の兵士を殺めたこともあって、罪人達は、敵として抹殺されるしかなかった・・・
罪人達を利用したことを反省し、家老に訴えようとしていた役人は、官軍との戦闘で最期を迎えてしまう。夫である役人の意思を継いで、娘は父親(家老)に罪人達の解放を訴えた。しかし、官軍とのしがらみで罪人達は処刑されてしまう。自分の非力を嘆いた娘は自害してしまった。腹の子と共に・・・
「さらばヤマト」とか「ローグ・ワン」みたいな全滅モノが大好きな自分なんですが、この作品に関しては、なぜか素直に楽しめなかった。後味の悪さが残る一本でした。
最後にもう一言。
本作品では仲野太賀さんが、賊軍と共に砦を守る侍として出ています。どちらかと言えば、オチャラケのイメージが強い役者さんなんで、いつ笑わせてくれるのかと期待してたのですが、最期までメチャクチャカッコよかった。新たな一面を見たようで楽しませてもらいました。
正義とは
正義は、それぞれの立つ位置で違う…それをまざまざと見せつけられたと感じます。
11人の賊軍…のはずなのに、罪人は10人。なぜかなと観ていましたが、最後に来て納得です。
11人目の賊軍…一緒に最後まで戦った人たちは、こちら側の立ち位置からしたら正義。
だけど国の中で血を流さなかったことも、市井の民と国を治める者からしたら正義。
何が正しいのかは分からない。
だけど、社畜のお父さんが家族を失った映画にも思える。
と書くと何ともな感じに思えますが、女性と障がいのある人に光が見えるエンディングだったことはとてもステキなエンディングです❣️
爆弾最強
正直普通に面白かった。
悪党の寄せ集め軍団が戦争を防ぐための捨て駒として砦を防衛する話で、各陣営の思惑や戦を防ぐための葛藤等をストーリーに落とし込んでいてテンポもそこまで悪く感じなかった。
中盤まで主人公がかなり悪手な行動ばかり取るのも、武士のような誇りや信念を持った存在ではないため、ただ生き残るためだけに行動していると考えれば納得もいく。
劇場で見る際の注意点を挙げるとすれば、全編通してひたすらに爆発物が活躍するので普通にこちらの鼓膜も吹き飛びそうな展開が多い。
IMAX上映とかで視聴するとほんとに鼓膜がぶっ飛ぶかもしれないので注意点かも。
基本的に滅茶苦茶不利な状況をなんとか好転するために泥臭く戦う展開はオススメできるため、是非劇場へいってみて欲しい。
ストーリがしっかりしていて面白かったです
とはいえ、官軍に手紙を送るなり人質を送るなりして、
なぜ足止めしなかったのか?疑問も残ります。
司馬遼太郎さんの小説「峠」を読んだことがある人は、
より楽しめるかも。
千原せいじさんはガタイも良いので、殺陣をやらせたら様になると
思いましたが、ずっと念仏を唱えてただけでしたね(笑)
家老の娘役の木竜麻生さんは舞台となった新発田出身ということでしたし、
演技も良かったです。鞘師さんも良かった。
結局、最後の仲野太賀さんの殺陣が見せ場でしたね。
まさかのインディージョーンズ方式がちょっと残念でした。
阿部サダヲさんにも殺陣やって欲しかった。
長時間の割りに飽きが来ることもなく、とても良い映画でした。
この尺でも足りないか。。?
基本情報によりますと。。
「本作は東映黄金期の礎を築いた
脚本家・笠原和夫さんによる幻のプロットを、白石和彌監督&「孤狼の血」チームが60年の時を経て映画化した集団抗争時代劇」だ、そうですよ。ふむふむ。
ストーリーを簡単に言うと
日本史上最大の内戦である戊辰戦争
(新政府軍vs旧幕府軍)のさなか、新政府軍と対立する奥羽越列藩同盟に加わっていた新発田藩の裏切りのエピソードって事でよろしいか??
新発田藩の家老・溝口(阿部ちゃん)の策により、罪人達が砦を守る任に駆り出される事になる。
罪人達と共に護衛作戦に就く兵士郎
(太賀君)
旧幕府軍の同盟軍として新政府軍と戦おうとしない藩に不満を募らせている。
(だから選ばれてしまったのね泣)
溝口の腹心であり娘婿の入江数馬(野村君)
荒井万之助(田中俊介さん)
の3人と、集められた罪人達は砦を守りきれるのか?!
罪人達の自由を賭けた壮絶な戦いも見所です。
もしかしたら、この溝口という人物を冷酷過ぎる!と思う方もおられるかもしれませんね。
ただ違う視点から見ると"最小限の犠牲で多くの民を守った"とも考えられました。
(この表現アウトですかね?大丈夫かな?汗汗)
侍だったか?と言われたら考えちゃいますが、策士であり政治家だったなと思いました。
小さな藩を戦場にする事もなく、戦争に巻き込まれて死ぬ人も出さなかった。
家老としては優秀な人物でした。
(兵士郎を撃った時はグギギギー!だったけど)
そして、彼個人としては痛すぎる代償を払う形になった着地には唸りました。
肝心の罪人達ですが。。
タイトルでは十一人。
だけど実際は十人でしたね。
(まさかのラスト!あの方を含んでの数字だったとは!)
政(山田君)のエピソード以外は、それぞれの犯した罪についてもさら〜っとセリフ一丁で説明されるだけですのでね。
これ以上は尺を取れないのでギリわかるように工夫はされていましたが、もう少し深掘りして欲しかった。
いまいちキャラに感情移入しにくかったです。
画面も全体的に暗いのでね。
(悪い意味ではないです)
お顔もハッキリせんのですよ。
辻斬(小柳涼太さん・元お相撲さんなんですね!)なんてずっとワタルだと思って観てました(°▽°)
エンドクレジットまで気付かず
"一ノ瀬"って出て来て、
ん?!役名が違う?! ん?!颯?! 誰?!Σ('◉⌓◉’)ってなりました。
つか、偶然すぎる一ノ瀬w
一ノ瀬颯君は二枚目でした。
ラストのおっかぁに泣いた( ; ; )
あげたら色々とムムム( ̄  ̄)な所もあるのですが、何だかんだ言ってもしっかり最後まで観れました。
(ナダルだけは。。。登場の度に現実に戻されてしまった( ̄∇ ̄)
(せいじは実際にも得度して僧侶になった様なのでギリ良しとします?犯した罪にも納得できたw)
しかし豪華キャストでしたね。
行きますよ!まず太賀君ね!!
大好きなんですよね。本当に良い顔になってきました。
太賀君の殺陣は初めて見たのですが、相当練習されたのではないでしょうか。
見事な刀さばきに加え、葛藤や怒りの表現、鬼気迫る表情が素晴らしかったですね。
胡散臭い笑顔の芝居が大好きなのですが、今回は封印。次作「本心」ではありそうなので期待してますw
そして何と言ってもこのお方でしょう!
爺っつぁんを演じた本山力さん!
老ぼれと見せかけて実は槍術師範という役どころで、官軍相手に凄まじい殺陣を披露してくれました。
炎と血しぶきと爺っつぁん!
明らかに、間違いなく"死闘"なのだけど、美しさもまとっていて不思議な感覚になりました。
命が燃え尽きる前に再び、一瞬だけ燃え上がる炎のようでした。絵になる〜!
"侍タイ"から時代劇に対してのハードルが下がったのか、苦手意識があったはずなのに、もっと見ていたいと思いました。
もう爺っつぁんから目が離せずで、なんならもう推し!
(本山さんの実年齢に驚き!全然爺っつぁんじゃないw)
W主演のようですが、いまいち見せ場が弱かった印象の山田君。
ちょっと太り過ぎでは??一緒に痩せよ♡
死罪だなんて重すぎる2人。
おろしや天音ちゃん。医学を学びたかっただけなのに〜泣 大切なお手てがぁ〜泣
こちらも、侍の女房と恋仲になっただけなのに〜泣
役名も実際も二枚目の颯君。
お顔半分えらい事になりました泣
生まれた時代が違っていたら、こんな事にはならなかった2人でした。
(不倫はアウト〜だけどね♪)
そんな中驚いたのが、紅一点のなつを演じた俳優さん。
知らない方だったので調べたら鞘師里保さんという方で元モー娘。の子なんですね!
いや、雰囲気あってとても良かったです。
モー娘。時代知らなくてごめん。
江戸幕府から明治政府へと政権が移り変わろうとしていた時代。
"正義と悪" 簡単に分ける事のできない時代の中で、正義も組織も信じられず賊となった彼ら。
あの時代に生きた、再び自由を手に入れようとする姿が印象的だった。
ありがちな"誰かを守る為に命をかける"というわかりやすい展開にならず、主人公の政も何度も逃げようとする所も新鮮だった。
(結果、大切な誰かが待つ藩を守る事を選択したが。。)
無罪にならなくても逃げ切れれば自由だ。
政はさだの元に戻りたい。
そんな思いっきり人間臭いドラマになっていたのも面白かった。
美しくもなく、ただただ、死んでいった彼らだが、その孤高の魂はとても熱かった。
その魂が繋いでくれた、救ってくれた命のお陰で、今の我々があるのだと、心にそっと刻まれた。
最後に。。
溺死したノロ(宝くん)に政が胸ドンした事で、それが心マになって蘇生した。。って事なんだろ〜けど、さすがに時間経ち過ぎてそれは無理ゲー(°▽°)
人として死ぬか、鬼として生きるか、その選択の外にいるのがアウトローかもしれません
2024.11.6 イオンシネマ高の原
2024年の日本映画(155分、PG12)
戊辰戦争下の新発田藩にて、砦を護るために遣わされた罪人と藩士を描いた時代劇
監督は白石和彌
脚本は池上純哉
物語の舞台は、1868年の新発田藩
戊辰戦争にて、新政府軍と旧幕府軍の対立を見守ってきた家老・溝口内匠(阿部サダヲ)は決断の時を迫られていた
同盟軍への恩義と時代の潮流を考えた結果、同盟軍につくフリをして、官軍に寝返ろうと考える
内匠は鷲尾(仲野太賀)にアイデアを募り、彼は「決死隊」にて峠の砦を封鎖し、官軍が藩に入るのを食いとめ、その間に同盟軍とともに偽の出撃をさせようと考えた
そこで鷲尾は、「死罪寸前の罪人」を10人集め、自身を含めた藩士4人で砦へと向かうことになった
同盟軍が藩から出るまでの時間稼ぎをする手筈だったが、一向に狼煙(合図)が上がる気配もない
そんな中、新発田藩のために死にたくない罪人の政(山田孝之)は勝手な行動を取り始める
そして、そこに予定よりも早く、官軍の先発隊が到着してしまうのである
映画は、そこでいきなり戦いが勃発し、数人の罪人が命を落としていく様子が描かれる
相手は戦の用意をしてこなかったが、立て直しの第二陣には砲撃隊まで加わり、さらに罪人たちの命が失われていく
そんな中、政の弟分のノロ(佐久本宝)は、砦にあった爆薬に油水を塗って殺傷能力を強化させ、反撃を果たしていく
物語は、純粋な侍である鷲尾が内匠の掌でで踊らされる様子が描かれ、その落とし前がラストで行われる
実質的な主人公は鷲尾であり、組織のために戦った者が裏切られ、無惨に命を落とす様子が描かれていく
侍の時代の終わりでもあり、武士道を嘲笑うかのような内匠の銃弾は象徴的であり、刀から銃へと戦い方が変わる瞬間だったように思えた
映画は、戊辰戦争自体を知らなくてもわかるように解説され、戊辰戦争が新発田藩を巻き込む過程も説明してくれる
策を弄した内匠が足元を掬われるものの、それを非道で切り抜けるのだが、その代償はあまりにも大きかった
とは言え、そこまできっちりと描いてしまったことで、155分の大作になってしまった感がある
アクションシーンが多くて、展開が早いと思うものの、政が抜け駆けしてピンチという流れが多すぎるようにも思う
また音声が非常に聞き取りづらいので、何を喋っているかわからないシーンが多いので、いつか上映されるかもしれない字幕版かノベライズで単語を補完するより他がない
動きだけ見ていても話の内容はわかるので、聞き取りづらさがストレスにならない人ならOKなのかもしれない
いずれにせよ、組織のトップの非道さと末端の言いなりの悲哀という構図があって、アウトローはその危険性をいち早く勘付いているという構成になっていた
それゆえに構図がわかりやすいので混乱することはないのだが、罪人の数人はあまり出番がないので、ふと見失ってしまうかもしれない
決死隊の侍の見分けはそこまで難易度が高くないが、新発田藩の藩士もろもろとか、先発隊の側近クラスになると意味不明な感じになってくるので、公式パンフレットの相関図を頭に入れて置いた方が楽かもしれません
好き嫌いが分かれるかもな映画でした
観終わった直後、救いのなさにちょっと唖然とした。
そうか,みんな死んじゃうんだなぁ、と。
せめて,妻のために生きようとした山田孝之くらいは生かしてあげてもいいかなと思ってしまった。
それにしても、若様と藩を守るためならどんな裏切りも汚いことも平然とこなす家老、これを冷静に演じるアベサダオも良かったが、仲野太賀の迫力ある演技が圧巻。
ストーリーにはやや無理がある展開だが、白石監督らしく、血とグロと暴力のてんこ盛りなのも私は好きで満足。
特筆すべきは,賊軍の中で1人見事な殺陣を演じる年配の役者さん、これは誰だと思わず調べてしまった。本山力さんの殺陣のシーンはそこだけ世界が変わると思うほど素晴らしかった。
少し時間が経って考えると,賊軍目線では救いはないのだけど、藩にとっては武士道には大いに反する家老がとった卑怯な作戦が結果的には人々を幸せにしてると思うと,歴史の面白さを感じた。
日本映画のいいところと悪いところを併せ持つ映画
日本映画の悪い所:
・画面が暗い。見えねぇ。
・キャラがわからん。誰や、こいつ。見た目で個性を出せ。
・さらにリアリティを追求しすぎて全員どろどろ。さらに見分けがつかない。
・血しぶきぶしゃー。無駄にグロい。
・無言の睨みあいがあればいいってもんじゃねぇ。
・話がクドい。話のテンポをあげてくれ。
・無駄に顔の売れてる芸能人を連れてくりゃいいってもんじゃねぇ。
・しつこい。そのくだりはもうやった。
・お涙頂戴要素を盛り込みすぎ。その要素、本当にいりました?
日本映画のいいところ:
・きっちり最後まで話を作りこんでくれるところ。
・自己犠牲の浪花節。二枚目、超かっこいい。
・殺陣が最強にかっこいい。じじぃ、かっけぇ!
・無駄に顔の売れてる芸能人を連れてきたかなと思ってたら、そのキャストがちゃんと自分の役割をこなしてくれるところ。特に千原せいじ。
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全体的に画面が暗くて汚いです。
映画はファンタジーなので、そこらへんを無駄にリアリティ出さなくてもいいんじゃないでしょうか。
二枚目を描写するような時代劇じゃないんで!みたいな感性なのかもしれませんが、見た目に違いがわからないので「これ、だれだっけ…」ってなります。
中盤以降、ぐっと引き込まれます。
状況が状況だけにああなったりこうなったりはするのでしょうが、
もうどうしようもない状況を何とかしようとしているのはとても良い。
ここまで、ネタバレをオフにするつもりでぼやかして書いたのですが、
感想としてどうしても書きたかったので、やっぱネタバレオンにします。
「そりゃその選択するでしょ。何考えてんだアンタ」ってシーンがありました。
降伏したら官軍にするぞー、って宣言くらったら、そらアンタ。誰でも寝返るでしょ。
「おまえらの親がー」とか、国が地元がとか言って説得されますが、
その国に処刑されかかってる状況で、藩や地元に愛情を注げるものなのでしょうか?
政は嫁さんラブなのでまあわからないでもないですが、他のやつらはもう自分を殺そうとしたやつらがどうなろうと知ったことかな状況じゃないんでしょうかね?
なんでそこでほだされるんだろう、という点だけものすごくひっかかってもやもやしました。
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最後に一言。
「じじぃ。超かっけぇ。ものすごくかっけぇ!!!!!」
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